決戦フェイズ 2

ラウンド3

GM
IST 先制判定指定特技表(3) > 《日常/環境3》
安武 陸
* 星のヘアピンをレアアイテム。先制判定のタイミングで使用。
ハンターの無力化状態を1ラウンドだけ解除できる。
死亡は覆せない。
聖水
として使用
Re:クロニック・ラヴ
「なんで」
Re:クロニック・ラヴ
「なんで、どうして」
Re:クロニック・ラヴ
「どうしてそこまでしたがるの」
Re:クロニック・ラヴ
「たった一年」
Re:クロニック・ラヴ
「たった一年、一緒にいたきりじゃない」
Re:クロニック・ラヴ
「私のほうが、ずっと標くんのこと、知ってる!」
安武 陸
「そうだと思うよ」
Re:クロニック・ラヴ
「ずっと」
Re:クロニック・ラヴ
「もっと長く、いて」
Re:クロニック・ラヴ
「あなたなんかより」
Re:クロニック・ラヴ
「あなたなんかより、ずっと」
Re:クロニック・ラヴ
「ずっとだよ」
安武 陸
「うん」
海野標
「……風香」
安武 陸
「そうだと思うし」
安武 陸
「子供の1年と、大人の1年も、全然違う」
Re:クロニック・ラヴ
「わた」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしのほうが、ずっと」
Re:クロニック・ラヴ
「標くんのこと、だいじだもん……」
安武 陸
「誰かを大事に思う気持ちって」
安武 陸
「別に、順位、つけなくていいじゃん」
Re:クロニック・ラヴ
「しらない」
Re:クロニック・ラヴ
「しらない、ずるい」
Re:クロニック・ラヴ
「ずるい、ずるい、ずるい!」
Re:クロニック・ラヴ
「なんで、あなたばっかり」
安武 陸
「うん」
Re:クロニック・ラヴ
「そうやって、標くんの側に立って」
Re:クロニック・ラヴ
「いっ」
Re:クロニック・ラヴ
「いっしょに」
Re:クロニック・ラヴ
「ずるい」
安武 陸
「うん……」
Re:クロニック・ラヴ
「ずるい!」
Re:クロニック・ラヴ
針を番えて、放つ。
安武 陸
一歩踏み込んで、剣を振るう。
安武 陸
針が砕かれる。
Re:クロニック・ラヴ
光が散る。
海野標
倒れた修也を庇うように立つ。
安武 陸
「本当は」
安武 陸
「お前も」
Re:クロニック・ラヴ
「うるさい!」
Re:クロニック・ラヴ
もう一度針を放つ。
Re:クロニック・ラヴ
感情任せの一撃。
安武 陸
正確無比に思えた死は
安武 陸
構えるまでもなく、僅かに身を逸らすだけで地に落ち、砕けた。
Re:クロニック・ラヴ
無敵などではない。
Re:クロニック・ラヴ
そんなもの、とうに壊されている。
安武 陸
「俺はさぁ」
安武 陸
ずび、と鼻をすする。
安武 陸
「お前と、友達になりたいと思ってるよ」
Re:クロニック・ラヴ
「しらない……」
Re:クロニック・ラヴ
「どうでもいい」
Re:クロニック・ラヴ
「あなたのことなんて、わたしは」
Re:クロニック・ラヴ
「どうだっていい」
Re:クロニック・ラヴ
「どうだっていいの!」
安武 陸
「なれるでしょ」
安武 陸
「俺もお前も、海野標が大好きじゃん」
Re:クロニック・ラヴ
「なれない!」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしは、あなたがきらいだから!」
安武 陸
「俺は、きみのこと好きだよ」
Re:クロニック・ラヴ
「あなたの仲間をわたしは殺した!」
安武 陸
「うん」
Re:クロニック・ラヴ
「殺したの」
安武 陸
「殺された」
Re:クロニック・ラヴ
「覆さないと、償えないの」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしは」
Re:クロニック・ラヴ
「ぜんぶ」
Re:クロニック・ラヴ
「ぜんぶ……」
安武 陸
「大事な、大事な仲間の仇だ」
Re:クロニック・ラヴ
「なかよくなんて、なれない」
Re:クロニック・ラヴ
「なりたくない」
Re:クロニック・ラヴ
「なりたくないの」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしはもう」
Re:クロニック・ラヴ
「誰とも、そんなふうにはならないの」
安武 陸
「俺は、きみが」
安武 陸
「大事な人のために、ずっと頑張ってきた子だって、知ってる」
Re:クロニック・ラヴ
「……ひとを」
Re:クロニック・ラヴ
「いっぱい殺して」
Re:クロニック・ラヴ
「それが、頑張ってきたって?」
Re:クロニック・ラヴ
「ばかげたことを言わないで」
安武 陸
「俺だって、たくさんの幸せを踏み躙った」
Re:クロニック・ラヴ
「一緒にしないで!」
安武 陸
「人だって殺したことがある」
Re:クロニック・ラヴ
「ぜんぜん、ちがう」
安武 陸
「きみのことを、嫌いになれないよ」
Re:クロニック・ラヴ
「ちがうもん!」
安武 陸
「うん」
安武 陸
「俺ときみは違う」
安武 陸
「でも」
安武 陸
「同じところは、あるだろ」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
Re:クロニック・ラヴ
「しらない」
Re:クロニック・ラヴ
光を放つ。拒むように。
安武 陸
死が輝く空に。
安武 陸
死が降ってくる空に。
Re:クロニック・ラヴ
死を齎した凶器が。
安武 陸
星の形のヘアピンをかざした。
Re:クロニック・ラヴ
そこに針が落ちて、
GM
一撃を受けて、
GM
砕ける。
GM
きらきらと光が落ちる。
GM
陸に。標に。
GM
修也に。
安武 陸
「おほしさま」
安武 陸
「お願いします」
海野標
「…………」
安武 陸
「海野標の味方をしてくれるひとは」
安武 陸
「ほかにもいるんだ」
安武 陸
「立てるでしょ」
安武 陸
「修也くん」
敷村 修也
視界の先に夜空が広がる。
晴れた冬の夜空はとても澄んでいて、でも地上の明かりで星はほとんど見えない。
敷村 修也
そのはずの星空がきらきらと輝くように瞬いている。
全身の痛みも、かすんだ視界も、体温が流れ出る感覚もない。
何か温かいような、悲しいような、美しいようなものに包まれている漠然とした感覚だけがある。
敷村 修也
自分を庇うように立つ標の姿。武器が交わる金属音。
少し遠くで、安武さんと1人の少女がしゃべっている声が聴こえる。
敷村 修也
ああ、そうか。
敷村 修也
視界の端で動かない影がある。
それは迷ノ宮 御影のものだけではない。
それは赤木 叶恵で、迷ノ宮 光葉で。
敷村 修也
そしてその体に、輝きはない。
敷村 修也
終わったから目を覚ましたわけではない。
運命を覆すための戦いはまだ続いている。
敷村 修也
それを理解すると、まるで万全の状態のように立ち上がる。
目を覚ましたこと。
動けるようになっていること。
そうなった自分がしなければならないこと。
敷村 修也
安武さんが呼んでいる。
敷村 修也
「助かった」
敷村 修也
標の方を見ず、声だけをかける。
手に槍と杭を握って。
1人の少女と、もう一度対峙する。
敷村 修也
海野 標に味方をするために。
海野標
修也を見る。
海野標
手には刀が握られており。
海野標
彼を止める言葉は、持たない。
安武 陸
「修也くん、もうちょっと、頑張れる?」
敷村 修也
「そういわれて、できませんとは言えないですよ」
安武 陸
「ん」
安武 陸
「ありがと」
安武 陸
標の前に、修也と二人で並び立つ。
海野標
「…………」
海野標
「別に」
海野標
「守られる必要のあるやつじゃ、ねえからな」
海野標
こちらも一歩、前に出た。
安武 陸
「そりゃあ、痛いほど理解していますとも」
敷村 修也
「わかってるって」
安武 陸
三人で、並ぶ。
安武 陸
2D6>=7 (判定:蹴る) (2D6>=7) > 8[2,6] > 8 > 成功
敷村 修也
2D6>=6 (判定:隠れる) (2D6>=6) > 5[1,4] > 5 > 失敗
敷村 修也
使用上限が3回にまで増えた。ロケットペンダントの使用を宣言
GM
*了解しました。破壊する幸福の指定をお願いします。
敷村 修也
*幸福:約束を破壊して激情に変換します
GM
*了解しました。
[ 敷村 修也 ] 耐久力 : 8 → 7
[ 敷村 修也 ] 激情 : 0 → 1
敷村 修也
*激情を使用 この1は6!
GM
*OK
[ 敷村 修也 ] 激情 : 1 → 0
GM
*ふたりとも先制ですね。
灰葉陽
約束をした。
灰葉陽
あなたの知る”ひなちゃん”ではない灰葉陽と。
敷村 修也
でも、ひなちゃんとの約束には違いなかった。
灰葉陽
この運命を取り戻すためにあなたが手放した灰葉陽との、約束。
敷村 修也
ただの儀式のような、思い出に整理をつけるような、あきらめるための告白を。
約束という呪いに替えて、それでもひなちゃんに縋っている。
敷村 修也
手放すことを決めた運命と一緒に置いてきた想いを、そして今も大事に抱えている。
敷村 修也
抱えていた。
GM
血色の戦場に立っている。
GM
空には月、地には星。
GM
ひなたはどこにもない。
敷村 修也
そこに太陽はなく、陽はささない。
敷村 修也
温かいひなたは、もう自分の生きている場所ではない。
敷村 修也
だから捨てなければならない。
敷村 修也
ひなちゃんとの人生も、ひなちゃんとの思い出も。
明るく温かな過去も、光の指し示す未来も。
GM
懐の中で、何かが焼き切れるような感覚があった。
GM
確かめるまでもない。
GM
何が失われたかを、あなたは瞬時に理解する。
敷村 修也
それでよかったんだ、と思う。
敷村 修也
一歩を踏み出して、時計を動かした気になって。
敷村 修也
その針は同じところをグルグルと回り続けるだけ。
敷村 修也
だから時計そのものを壊さないと。
本当の一歩に繋がらない。
壊れた時計を打ち捨てて、自由に歩かないといけない。
敷村 修也
自分の人生で、新しい星を探さないといけない。
敷村 修也
そのための決意は自分の胸の内にそっとしまった。
GM
*先攻ハンターの行動
敷村 修也
*突き放し 対象はクロニック・ラヴ
敷村 修也
*補助で獣殺しを宣言 テンションを狂気で支払います
[ 敷村 修也 ] 狂気 : 0 → 2
敷村 修也
2D6+2>=6 (判定:隠れる) (2D6+2>=6) > 8[2,6]+2 > 10 > 成功
GM
*ダメージ算出をどうぞ。
敷村 修也
1d6+4+2+4+8+3 (1D6+4+2+4+8+3) > 5[5]+4+2+4+8+3 > 26
敷村 修也
恐慌計算済みです
Re:クロニック・ラヴ
*回避します。
Re:クロニック・ラヴ
2D6+4-9>=5 (判定:蹴る) (2D6+4-9>=5) > 10[4,6]+4-9 > 5 > 成功
[ Re:クロニック・ラヴ ] テンション : 55 → 58
敷村 修也
並んだ3人。
そこから勢いよく飛び出す。
敷村 修也
自分に残されている時間はない。
身にまとう煌めきは、蝋燭の最後の一瞬のようなものだろう。
敷村 修也
だから後も先も考えずに動くことができる。
Re:クロニック・ラヴ
少女の形をした魔女は。
Re:クロニック・ラヴ
運命を束ねる魔女としてそこに立つ。
Re:クロニック・ラヴ
届いてしまう。まだ覆せもしないのに。
Re:クロニック・ラヴ
本当に欲しいものには、手が届かないのに。
Re:クロニック・ラヴ
針が飛ぶ。修也へと。
Re:クロニック・ラヴ
後先考えぬ少年の道筋を砕き割り、足をまろばせる。
敷村 修也
それでも必死につかもうと、少しでも近づこうと。
彼我の絶望的な距離を、その距離からすれば何の役にも立たない槍を突き立てて。
Re:クロニック・ラヴ
「あなただって」
Re:クロニック・ラヴ
「わすれて、しまっていたじゃない」
Re:クロニック・ラヴ
「あなたにとって大切だったのは標くんじゃない」
Re:クロニック・ラヴ
「ひなちゃんだよ」
敷村 修也
「……うん、そうだ。俺は標のことを忘れていた」
敷村 修也
「再会しても思い出せず、ひどいことをたくさん言った」
敷村 修也
「君の言うように、俺が一番大切に想っていたのはひなちゃんだった」
Re:クロニック・ラヴ
「……わたしが」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしのせいで死んだ、ひなちゃん」
Re:クロニック・ラヴ
「だから、わたしが憎い?」
Re:クロニック・ラヴ
「だからそうして戦うの?」
敷村 修也
「違う」
敷村 修也
「あの日一番近くにいたのは、ちょっと違えば俺だったかもしれない。それとも、標だったかもしれない」
敷村 修也
「それは些細な運命の違いで、それを君のせいだなんて思っていない」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
Re:クロニック・ラヴ
「悪いのは」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしだよ」
Re:クロニック・ラヴ
「あなたの仲間も恩人も殺してる」
Re:クロニック・ラヴ
「ぜんぶ、わたしがしたこと」
敷村 修也
「………」
敷村 修也
「………うん。君がしたことだ。君が魔女になって、したことだ」
敷村 修也
「俺はハンターとして生きることを選んで、君は魔女だ。だから俺は、君を倒さなくちゃならない」
敷村 修也
「でも」
敷村 修也
「ひなちゃんが死んだことには、関係ない」
Re:クロニック・ラヴ
「ハンターだから、魔女の私を倒す」
Re:クロニック・ラヴ
「それだけなの?」
Re:クロニック・ラヴ
「それだけのために、戦っているの?」
敷村 修也
「…………」
敷村 修也
「…………」
敷村 修也
「………俺のため、だよ」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
敷村 修也
「俺にとってはひなちゃんが一番大切で、標のことなんて忘れてて」
敷村 修也
「だから、標のことを忘れてたって知った時、標との会話を思い出して後悔した」
敷村 修也
「怖かったんだよ」
Re:クロニック・ラヴ
「……なにが」
敷村 修也
「ひなちゃんへの想いと向き合うことも。ハンターになって生きることも。ひなちゃんが生き返って想いを伝えた時に拒絶されるのも。標のことを忘れていた自分と向き合うことも。運命を覆してここに戻ってくることも」
敷村 修也
「戻ってきて、ちゃんと標と話をすることも」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
敷村 修也
「だから全部外に理由をつけて、それっぽいことを言って納得させて。優等生の仮面をつけて」
敷村 修也
「だからって、簡単には変われない。簡単に過去は否定できない」
敷村 修也
「きっかけがいるんだ」
敷村 修也
「ここに居て、ここで戦うのは」
敷村 修也
「安武さんのためだし、標のためだ」
敷村 修也
「でも、突き詰めるときっと、俺が変わるためだ」
敷村 修也
「俺自身のためだ」
Re:クロニック・ラヴ
「これから」
Re:クロニック・ラヴ
「今から、変わったとして」
Re:クロニック・ラヴ
「何が得られるというの」
Re:クロニック・ラヴ
「何も、ないじゃない」
Re:クロニック・ラヴ
「なにも……」
敷村 修也
「形あるものだけがすべてじゃない」
Re:クロニック・ラヴ
「そんなの」
Re:クロニック・ラヴ
「欺瞞です」
Re:クロニック・ラヴ
「死んだ人はもう戻らない」
Re:クロニック・ラヴ
「失ったものは、消え失せたまま」
Re:クロニック・ラヴ
「灰葉陽の過ごした家すら」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしたちは焼き捨てました」
Re:クロニック・ラヴ
「この運命には、もう何も残されていない」
敷村 修也
「記憶も思い出も経験も全部形のあるものじゃない」
敷村 修也
「でも、俺も、君も、安武さんも、標もそれを持っている」
敷村 修也
「世界に存在しなかったことにはならない」
Re:クロニック・ラヴ
「……だから」
Re:クロニック・ラヴ
「二人は、死んだままでいいの?」
Re:クロニック・ラヴ
「ひなちゃんが死んだままでいいの?」
『さいごまで』高地結凪
「…………」
敷村 修也
「………」
敷村 修也
「………決めきれないよ。そうなったらいいって思う自分もいるし、それを認めちゃいけないって思う自分もいる」
敷村 修也
「でもそれを決める瞬間は待ってくれない。答えを出すのにどれだけかかるかもわからない」
敷村 修也
「その時に自分がどうありたいかでしか、決めることができない」
Re:クロニック・ラヴ
「なら」
Re:クロニック・ラヴ
「どうありたいの」
Re:クロニック・ラヴ
「あなたは」
敷村 修也
「そして俺は今、変わりたいと願ってる」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
敷村 修也
「だから俺自身のための、俺の我儘だよ」
Re:クロニック・ラヴ
「……その、わがままで」
Re:クロニック・ラヴ
「彼女らの死ぬ運命を選ぶのね」
敷村 修也
「…………」
敷村 修也
「………そうだよ」
敷村 修也
無言の肯定ではなく、口に出すことを選ぶ。
Re:クロニック・ラヴ
「……そう」
Re:クロニック・ラヴ
「それがあなたの選択」
Re:クロニック・ラヴ
「では」
Re:クロニック・ラヴ
振り向く。陸を。
安武 陸
「…………」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
Re:クロニック・ラヴ
光は未だ神々しく、彼女の身体を取り巻いている。
Re:クロニック・ラヴ
運命を束ねる魔女がそこにいる。
Re:クロニック・ラヴ
「あなたも」
Re:クロニック・ラヴ
「同じように、切り捨てて選ぶのね」
Re:クロニック・ラヴ
「ねえ」
Re:クロニック・ラヴ
「あなたの答えを、聞いていないの」
Re:クロニック・ラヴ
「――どうして?」
安武 陸
「二人が死んだままでいい訳がない」
安武 陸
「でもさ」
安武 陸
「師匠の味方をしたい」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
安武 陸
「俺を信じるし受け入れるって、言ってくれた」
安武 陸
「実際、こんな所まで付き合って」
安武 陸
「ここでやっぱり二人が死ぬのが悲しいからやめますって言ったら、蹴られちゃうって」
Re:クロニック・ラヴ
「……し、っ」
Re:クロニック・ラヴ
絞り出すような声。
Re:クロニック・ラヴ
「標くんの、せいに」
Re:クロニック・ラヴ
「する」
Re:クロニック・ラヴ
「なる、よ」
Re:クロニック・ラヴ
「なる……」
安武 陸
「俺のせいだよ」
安武 陸
「俺はずっと、全部、俺のせいだと思ってる」
海野標
「…………」
安武 陸
「そうじゃなかったとしても」
安武 陸
「自分に原因がある、っていうのと」
安武 陸
「自分がそうした、自分のせいだ、ってのは」
安武 陸
「切り分けろって、教わってるんでね」
Re:クロニック・ラヴ
「そ」
Re:クロニック・ラヴ
「そもそも」
Re:クロニック・ラヴ
「そんな」
Re:クロニック・ラヴ
「標くんのために、必死になる」
Re:クロニック・ラヴ
「理由」
Re:クロニック・ラヴ
「あなたに……」
安武 陸
「あるでしょ」
安武 陸
「友達だよ」
Re:クロニック・ラヴ
「死んだ二人は?」
Re:クロニック・ラヴ
「友達じゃなかったの?」
Re:クロニック・ラヴ
「彼女らのためには必死になれないの?」
安武 陸
「死んだあと、生き返らせることに必死になってくれって言われてたら、なるかもだけど」
安武 陸
「ろくな死に方しないよね、って話しかしてないからなぁ」
Re:クロニック・ラヴ
「でも」
Re:クロニック・ラヴ
「だって、友達」
Re:クロニック・ラヴ
「ともだち?」
Re:クロニック・ラヴ
「そんなの」
Re:クロニック・ラヴ
「そんなの、で……」
安武 陸
「俺も修也くんと同じ」
安武 陸
「これは、俺自身のための、俺の我儘」
安武 陸
「誰にも死んで欲しくないけど」
安武 陸
「まことに残念ながら」
安武 陸
「叶恵ちゃんも、光葉ちゃんも、俺のやりたいことを尊重してくれる子なんだよね」
安武 陸
「だから、あとは、俺がどうしたいかで」
安武 陸
「それはもう、わかってる」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
Re:クロニック・ラヴ
「どう」
Re:クロニック・ラヴ
「したい、の」
Re:クロニック・ラヴ
分かりきっている。既に幾度となく問うては答えを得ている。
Re:クロニック・ラヴ
それでも未だ、問いは止まない。
安武 陸
分かりきっている。 すでに幾度となく問いに答えを返している。
安武 陸
それでも、何度でも答える。 何度でも確信できる。
安武 陸
「海野標の、味方でいたい」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
Re:クロニック・ラヴ
「ずっと?」
安武 陸
「さぁ……、師匠がキモいからやめろって言ったら、やめるかも」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
安武 陸
「でも、そうだな」
安武 陸
「味方でいて欲しいと望まれる限りは」
安武 陸
「ずっと」
Re:クロニック・ラヴ
「……ひどい」
Re:クロニック・ラヴ
「やっぱり、ひどい」
Re:クロニック・ラヴ
「ずるい、し」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
安武 陸
「うん」
安武 陸
「俺はひどいし、ずるいと思う」
Re:クロニック・ラヴ
「わ」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしだって、信じてもらったんだもん」
Re:クロニック・ラヴ
「手伝って、もらったんだもん」
安武 陸
「うん」
Re:クロニック・ラヴ
「ずっと、それでやってきたんだもん」
Re:クロニック・ラヴ
「だから」
Re:クロニック・ラヴ
「だから、やらなきゃ」
Re:クロニック・ラヴ
「やらないとだめなのに」
Re:クロニック・ラヴ
「ずるい」
安武 陸
「それは」
安武 陸
「きみがやりたいこと?」
Re:クロニック・ラヴ
「っ」
Re:クロニック・ラヴ
「あなたは、それで胸を張って!」
Re:クロニック・ラヴ
「死なせてしまってもよしとして!」
Re:クロニック・ラヴ
「そうやって、そうやって、堂々として」
Re:クロニック・ラヴ
「堂々と」
Re:クロニック・ラヴ
「標くんの、味方に、って……」
安武 陸
「死なせてしまって、よしとはできないよ」
安武 陸
「……俺さ」
安武 陸
「多分、叶恵ちゃんが好きだったと思うよ」
安武 陸
「後の人生、ずっと忘れられないと思うし」
安武 陸
「ずっと見捨てたことを夢に見て、眠れなくなると思う」
Re:クロニック・ラヴ
「じゃあ」
Re:クロニック・ラヴ
「もう、いいじゃない……」
安武 陸
「いい、って」
安武 陸
「思えたらよかったんだけど」
安武 陸
「俺、師匠のことも大好きだからなぁ」
Re:クロニック・ラヴ
「…………」
安武 陸
「まだできることがあるから」
安武 陸
「まだ立てるから」
安武 陸
「じゃあ、頑張りたいなって思っちゃうわけよ」
Re:クロニック・ラヴ
「……標くんの」
Re:クロニック・ラヴ
「ために?」
安武 陸
「俺のためだよ」
安武 陸
「俺が、師匠の味方でいたいっていう」
安武 陸
「ただのわがまま」
Re:クロニック・ラヴ
「……ひどいよ」
Re:クロニック・ラヴ
「ひどい」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしの」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしの前で、そんなの」
Re:クロニック・ラヴ
「わ」
Re:クロニック・ラヴ
「わたし」
Re:クロニック・ラヴ
「だって」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしだって、したかった」
安武 陸
「……うん」
Re:クロニック・ラヴ
「まだ、できることがあるの」
Re:クロニック・ラヴ
「まだ、立てるの」
Re:クロニック・ラヴ
「だから」
Re:クロニック・ラヴ
「頑張らなきゃ、ならないの」
安武 陸
「うん」
Re:クロニック・ラヴ
いつしか神々しい輝きは失せて、
Re:クロニック・ラヴ
瞳からちらちら、星が舞う。
Re:クロニック・ラヴ
「なのに」
Re:クロニック・ラヴ
「わたしの前で」
Re:クロニック・ラヴ
「あなたは、わたしのしたかったことをする」
Re:クロニック・ラヴ
「失っているのに」
安武 陸
「……うん」
Re:クロニック・ラヴ
「ほんとうに取り返しが、つかなくなってしまうのに」
Re:クロニック・ラヴ
「もう」
Re:クロニック・ラヴ
「届かなくなるのに」
安武 陸
「……うん」
Re:クロニック・ラヴ
「よしとはできないって言ったって」
Re:クロニック・ラヴ
「あなた、迷わないじゃない……」
安武 陸
「ちょっとは、迷ったけどさ」
安武 陸
「本人に聞いたら、やりたいことをやれって言う気しかしないから」
Re:クロニック・ラヴ
「そういう」
Re:クロニック・ラヴ
「そういうところが、ずるい……」
安武 陸
「うん」
Re:クロニック・ラヴ
「と」
Re:クロニック・ラヴ
「ともだちに、なんて」
Re:クロニック・ラヴ
「ぜったい」
Re:クロニック・ラヴ
「なれない」
安武 陸
「……そっか」
安武 陸
「俺は」
安武 陸
「こんなこと言うと、怒るかもしれないけど」
安武 陸
「きみに会った夜からずっと」
安武 陸
「きみを友達だと思ってる」
Re:クロニック・ラヴ
「……っし」
Re:クロニック・ラヴ
「しらないもん」
Re:クロニック・ラヴ
「しらない……」
安武 陸
「うん」
安武 陸
「しらなくていい」
安武 陸
「俺がそう思いたいだけだから」
安武 陸
「なぁ、クロニック・ラヴ」
安武 陸
「……いや、いい」
安武 陸
本当は。
安武 陸
止めて欲しいんじゃないかなんて。
安武 陸
そんな考えが頭を過って。
安武 陸
どちらにしても、そんなことを言っても無意味だと、星が告げる。
安武 陸
* 暴力+裂帛 師匠の連携攻撃で、裂帛をお願いします。
海野標
*了解
GM
命中判定をどうぞ。
安武 陸
2D6+2>=5 (判定:黙る) (2D6+2>=5) > 8[2,6]+2 > 10 > 成功
GM
ダメージ算出を。
安武 陸
1D6+4+2+7+9+9+3 (1D6+4+2+7+9+9+3) > 4[4]+4+2+7+9+9+3 > 38
GM
*38から6を引いて、32。 
GM
*耐久9。3部位。
GM
*陸はBRTを3つどうぞ。
安武 陸
BRT 身体部位決定表(3) > 《利き腕》
安武 陸
BRT 身体部位決定表(10) > 《逆脚》
安武 陸
BRT 身体部位決定表(11) > 《逆腕》
GM
*逆脚のみ任意
 既に潰れている部位は消化器 呼吸器 逆脚 心臓 脳 感覚器。
GM
*残っているのは口と利き脚だけですね。
安武 陸
では口で。
[ Re:クロニック・ラヴ ] 部位ダメージ : 8 → 11
Re:クロニック・ラヴ
1D6>11 (1D6>11) > 5 > 失敗
[ 安武 陸 ] 狂気 : 3 → 6
安武 陸
足を前へ。
海野標
合わせて構える。
安武 陸
大事な人がいなくなっても、何年後悔をすることになっても。
安武 陸
できることは、あってしまうのだ。
海野標
大事な人を失っても、現在進行系の後悔を引きずりながらでも。
海野標
戦える。
安武 陸
地を蹴る。
海野標
空を駆る。
安武 陸
友達の血が染み込んだ陸地を。
海野標
彼女とともに駆けた空を。
安武 陸
標の味方であるために。
海野標
約束を果たすために。
安武 陸
標の味方でいたかった少女に向かって。
海野標
自分が味方になってやれなかった少女に向かって。
安武 陸
空と陸から、同時に。
海野標
一閃、二振り。
安武 陸
同じ型、同じ呼吸で。
海野標
その身体を穿つ。
Re:クロニック・ラヴ
少女の身体は、驚くほどに柔らかかった。
安武 陸
どんなに感傷的になっても
Re:クロニック・ラヴ
棒立ちに刃を受け入れて、そこに立つ。
安武 陸
泣いている女の子を、二人がかりで切り刻むなんていう
Re:クロニック・ラヴ
星の光が落ちている。
安武 陸
とても、ひどいことをしている。
Re:クロニック・ラヴ
ぽろぽろと涙が落ちて、細い身体はくずおれて
海野標
空より。
海野標
少女の身体を抱き留める。
Re:クロニック・ラヴ
「――あ」
Re:クロニック・ラヴ
見上げる。
Re:クロニック・ラヴ
もう泣き喚く気力もない。
Re:クロニック・ラヴ
「し」
Re:クロニック・ラヴ
「るし、くん」
Re:クロニック・ラヴ
「わたし」
Re:クロニック・ラヴ
「わた――」
海野標
「分かってる」
海野標
「風香」
海野標
「全部、分かってるから」
海野標
「大丈夫」
海野標
きらめきに薄れゆく身体を抱き締めて、
海野標
唇を落とした。
海野標
「愛してる」
Re:クロニック・ラヴ
「――――」
Re:クロニック・ラヴ
少女は、笑えない。
Re:クロニック・ラヴ
なにか唇を動かしかけて、
Re:クロニック・ラヴ
それが声になる前に、星の光となって散った。
Re:クロニック・ラヴ
きらきら。きらきらと。
Re:クロニック・ラヴ
それらは高い空へと舞い上がる。
GM
星の光は月虹の彼方へは至らず、
灰葉陽
「……まったく」
灰葉陽
「みんな、意地っ張りなんだから――」
GM
一陣の風。光をさらうような。
GM
それが吹き抜けた後には、刹那の幻影は消えている。
GM
残されたのはあなたたちだけ。
GM
仲間を失ってもなお運命を覆すことをよしとせず、
GM
自らの選択と信条を掲げて戦い抜いた、あなたたちが残る。