決戦前サブロール

決戦フェイズ前 六分儀駅前 とあるビルの一室

『ひなたを想う』萩原稜介
「下、降りちゃダメですかねえ」
『ひなたを想う』萩原稜介
「よく見えないんですけど」
『ひなたを想う』萩原稜介
縛られている。
窓から相対する狩人と魔女を見下ろして。
楠瀬新
「ダメやてダメやて。流れ弾飛んでくるかもわからへんし」
楠瀬新
なにやら機器を弄ったり、オペラグラスで様子を見たりしています。
『ひなたを想う』萩原稜介
「あなたも狩人でしょう? あの戦いに参加しなくていいんですか?」
『ひなたを想う』萩原稜介
「彼ら、負けたら困るでしょ」
楠瀬新
「今日はバックアップー」
楠瀬新
オペラグラスを外しながら。
楠瀬新
「そもそも降りてもええけど」
楠瀬新
「したらあんたさんここに置いてくからな」
楠瀬新
「縛ったまま放置や放置」
『ひなたを想う』萩原稜介
「そんな~」
楠瀬新
「ま、負けられたら困るのは確かやけど」
楠瀬新
「逆に言うと、あそこにいたら負けた時巻き込まれて死ぬやろ」
楠瀬新
「あの魔女、多分範囲攻撃がマジでヤバいやつやし」
楠瀬新
「そこんとこどうなん?」
『ひなたを想う』萩原稜介
「言えませんよ。流石に」
楠瀬新
「残念~」
楠瀬新
「まだ義理立てしとんのやね」
『ひなたを想う』萩原稜介
「義理立て……っていうか」
『ひなたを想う』萩原稜介
「彼女に勝ってほしいと思っていますよ」
『ひなたを想う』萩原稜介
「俺は」
『ひなたを想う』萩原稜介
「……残酷な願いだとも思っていますけどね」
楠瀬新
ふうん、と相槌を打っている。
『ひなたを想う』萩原稜介
「でも、願いをかけたいんです。彼女に」
『ひなたを想う』萩原稜介
「俺くらいはちゃんと、彼女の目指す姿を応援してやりたい」
『ひなたを想う』萩原稜介
「あの子がずっと頑張ってきたの、見てますからね」
『ひなたを想う』萩原稜介
「同情とか、痛ましく思うとか、そういうのは俺の役目じゃないんです」
『ひなたを想う』萩原稜介
「俺はただ、クロニック・ラヴという魔女を信じて、願いをかける」
『ひなたを想う』萩原稜介
「ただの無力な小市民ですよ」
楠瀬新
「自分たちがやらかしたこと忘れんといてや~」
『ひなたを想う』萩原稜介
「それは」
『ひなたを想う』萩原稜介
「はい……」