決戦フェイズ(夢想状態)
ラウンド3
GM
ワンダー・トリップ・ラヴァーがクチバシから吐き出す苛烈な虹炎と。
GM
見た目は同じ、幻想に紡がれたものとしても同質、
GM
獣の吐く炎を押し返すように、あなたたちを包む虹はやわらかく燃え立つ。
GM
同じ幻想が、獣のそれを否定するように揺らめいている。
赤木 叶恵
姉がああしたのは、狩人たちを死なせないため。
赤木 叶恵
「(なんか、どうでもよくなって来ちゃったな)」
赤木 叶恵
やる気が出ない。現状を理解してもなお。
赤木 叶恵
この過酷な戦場に身を置いてきた理由、その一番太い柱が、ぱっきりと折れてしまっていた。
赤木 叶恵
この場にいるのは一人ではなくて、負けて死ぬのも、自分一人ではない、のだが。
赤木 叶恵
悟ってしまう。もう、この心を奮い立たせる事はできないと。
赤木 叶恵
「(みんなが死ななきゃ、いいんでしょ?)」
赤木 叶恵
ぼんやりとした頭のまま、ポケットを探る。
赤木 叶恵
取り出したのは携帯用の小さなピルケース。
赤木 叶恵
薬だ。使ったのは一度きり。自分を見失ってしまいそうで、怖くて封印していたもの。けれど、何となく手元に置いておいたもの。
赤木 叶恵
「(……今みたいな時に、使うんだろうな)」
赤木 叶恵
「(自分なんて……もうどうでもいい)」
赤木 叶恵
「(いっそ、見失ってしまいたい、そんな時に)」
赤木 叶恵
別に大したものではない。奥の手などと言える類のものではない。
赤木 叶恵
一部のハンター達が趣味で使う、ちょっぴり刺激が強いだけの、ただの違法な嗜好品。
赤木 叶恵
体が熱くなる。血が巡る感覚。虹の炎が鮮やかに見えた。
赤木 叶恵
「なんか、冷静になって見てみたら……」
赤木 叶恵
どくん、どくんと心臓が脈打つ。世界は眩く、虹色に輝いて見える。
赤木 叶恵
「虹色の火を吹くニワトリって、ふふっ……」
赤木 叶恵
「面白くない? バッカみたいじゃん!」
赤木 叶恵
心が踊る。楽しいという気持ちが沸き上がる!
赤木 叶恵
さっきまでのよくわからないモヤモヤした気持ちは全部吹き飛んでいて、今はエネルギーに満ちている。
赤木 叶恵
ひたすら楽しくて、踊り出したくて、まるで人格が書き変わったかのような気分。
赤木 叶恵
「仲間を助ける以外にも、戦う理由なんていっぱいあるじゃん」
赤木 叶恵
「お仕事だし、街を守るヒーローやりたいし!」
赤木 叶恵
「何より目の前に……夕飯が転がってる!」
赤木 叶恵
ワンダーなトリップの世界を、ワンツーのステップで。
赤木 叶恵
2D6>=5 (判定:撃つ) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
赤木 叶恵
BRT 身体部位決定表(8) >
《口》
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 部位ダメージ : 3 → 4
ワンダー・トリップ・ラヴァー
1D6>4 再起判定 (1D6>4) > 6 >
成功
[ 赤木 叶恵 ] テンション : 0 → 6
GM
ワンダー・トリップ・ラヴァーは【生命力】により追加行動を1回獲得します。
赤木 叶恵
迫る攻撃。妖精眼で軌道を見切り、あえて最小限の動きだけで躱してみる。
赤木 叶恵
歩道の白い部分だけを踏んで歩くような気軽さで、命を賭けた小さなチャレンジミッションを達成する。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
肌のすれすれを針を備えた翼が横切る。
赤木 叶恵
上手く行った。命を懸けて、ちょっぴり心躍るスリルを得る。だからこそ速度を落とさずに真っすぐ突っ込める。
赤木 叶恵
ポケットから出した注射器を、意味もなく一回転なんてさせてみて。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
そのために誂えられた注射器が、獣の肉をたやすく貫通する。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
すべてがうまくいく。まるで夢のように。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
虹色の炎に包まれて、滑らかにことが進む。
赤木 叶恵
「(めちゃくちゃになっちゃおう!欲望のままに!)」
赤木 叶恵
「(早く終わらせて、ご飯が食べたいな!)」
ワンダー・トリップ・ラヴァー
けたたましい叫びが耳をつく。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
夢の世界には不似合いなやかましさで。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
獣がもがく。局所的な攻撃に流血はない。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
されど夢を現実と知らしめるような強烈さで、
ワンダー・トリップ・ラヴァー
最後にその翼が大きく振られた。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
叶恵の身体を振り払い、
ワンダー・トリップ・ラヴァー
しかし一瞬ののち、ぼこ、とその付け根が膨れ上がる。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
夢物語のような滑稽さでもって。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
ばちゅ、と右の翼が弾けて、地に落ちる。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
その赤さは夢には不似合いだ。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
血臭。焦げるようなにおいはない。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
ただ鮮烈な生臭さと、視界に満ちるどす赤さ。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
それがびしゃびしゃと高台の地面を汚し、その上に虹色の炎が揺らぐ。
安武 陸
薬を飲んだのが見えた。 知り合いのハンターから、見せてもらった薬に似ていた。
安武 陸
あれヤバい薬じゃないですか? なんて、標に聞いたりした記憶がある。
安武 陸
それを、どれくらい飲んだ? わからない。そこまでは見えていない。
安武 陸
でも、1錠とか2錠みたいな適量じゃないことはわかった。
安武 陸
心がざわつく。 叶恵の笑い声が、虹の炎が散る空に響く。
安武 陸
妖精のステップで、蝶のはばたきで、蜂の針を刺して。
安武 陸
現実から覚まそうとする獣を殺さなければいけないのは、間違いないことだから。
安武 陸
救ってもらった命を捨ててまでやることか、という問いは、自分にはできない。
安武 陸
本当は俺も命を捨ててでも皆を守ったほうがいいんだろうな っては思っているから……
安武 陸
そのへんをこれはこうって割り切れればいいんだけどね
敷村 修也
叶恵さんの様子がおかしい。
取り出して服用したものが何なのかはわからない。
いつも使っているものと違い、その分量も適切にはみえない。
敷村 修也
ここからその表情はみえないが笑い声だけがよく聞こえる。
敷村 修也
赤木さんを、お姉さんを失ったはずなのに笑いながら戦っている。
敷村 修也
楽しげなその声の主の、顔を見ることはできなかった。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
2D6+2>=5 (判定:休む) (2D6+2>=5) > 6[1,5]+2 > 8 > 成功
ワンダー・トリップ・ラヴァー
4D6+4+3 ダメージ (4D6+4+3) >
12[3,3,3,3]+4+3 > 19
ワンダー・トリップ・ラヴァー
耐久が下がっているので3部位。
迷ノ宮 光葉
*ブロックします 身代わり人形を宣言
GM
では叫ぶに防御力の+2修正をつけて判定をどうぞ。
迷ノ宮 光葉
2D6+2+1>=5 (判定:叫ぶ) (2D6+2+1>=5) > 5[2,3]+2+1 > 8 > 成功
GM
成功ですね。光葉は人形を1個破壊し、怒髪のダメージが無効化。
[ 迷ノ宮 光葉 ] テンション : 0 → 9
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] テンション : 40 → 44
[ 安武 陸 ] テンション : 0 → 3
ワンダー・トリップ・ラヴァー
導かれるよう手引かれるように、夢の舞台へと獣が降り立つ。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
地を踏み鳴らし、血を弾けさせながら、揺らぐ虹炎を切り裂いて。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
羽ばたきが夢見る少女へと襲いかかる。
迷ノ宮 光葉
夢見るような、軽やかなステップを踏む叶恵、顔は笑っているのに、泣いている。道化のような危なっかしげな動き。その前に、人形とともに立つ。
迷ノ宮 光葉
壊れかけの人形が、彼女をかばう。半身をもぎ取られていたのが更に砕け散る。
GM
部品のひとつひとつが虹色の炎に炙られてきらきらと光る。
迷ノ宮 光葉
この戦いが始まる前、恵夢を守りたいなんて思っていた。甘かった。何もかも。自身の無力さを痛感する。
迷ノ宮 光葉
何も出来やしなかった。結局彼女に助けられた。虹色の炎に消えた少女に何も出来なかった。
GM
散らばる部品が地面に落ち、獣の血に汚れていく。幻想の虹から、現実の赤に染められていく。
迷ノ宮 光葉
叶恵の悲しみが、痛いほど伝わる。胸が張り裂けそうなほど。だけど、今彼女に何を言えばいいのか。
迷ノ宮 光葉
わからない。けれど、彼女までいなくなってほしくない。だから、無力さを噛み締めながら、ステップを踏む叶恵を守る。それだけだ。
GM
少女の夢想は守られる。砕け散った人形を代償に。
GM
夢を否定し、現実を生きるための戦いの只中で。
GM
ひときわ幼い少女が一人、その夢を守られている。
『兄として』卯田清史
2D6>=5 (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功
『兄として』卯田清史
1D6+3 恐慌込みのダメージ (1D6+3) >
4[4]+3 > 7
『兄として』卯田清史
7点です。回避ペナルティは-3。
GM
防御力で+2ですね。任意の特技で判定をどうぞ。
敷村 修也
2D6+2>=5 (判定:測る) (2D6+2>=5) > 4[1,3]+2 > 6 > 成功
GM
防御力に助けられている。1D6で肩代わりダメージです。
[ 敷村 修也 ] テンション : 0 → 3
GM
では、-2をつけて任意の特技で判定をどうぞ。
安武 陸
2D6-2>=5 (判定:見る) (2D6-2>=5) > 7[1,6]-2 > 5 > 成功
[ 安武 陸 ] テンション : 3 → 6
GM
RPはあとに回してフォロワーをまとめて処理してしまおう。
『ともだちの』卯田千奈美
2D6>=9 命中判定 (2D6>=9) > 8[2,6] > 8 > 失敗
『兄として』卯田清史
夢想の炎を切り裂いて、死角より陸に木刀が振るわれる。
敷村 修也
槍は木刀の軌跡を阻害するように正確に繰り出された。
『兄として』卯田清史
素人くさい動きがたやすく止められる。
安武 陸
木刀を弾く音に、我に返るように振り返る。
『兄として』卯田清史
男と目が合う。
叶恵と裏腹に夢に浸りきれていない、夢を切望するような瞳に虹色が映り込む。
安武 陸
どうしてお前達はこんなことを、とか、そういう単純な感情が湧き上がり、沈みゆく。
安武 陸
どうしてもこうしてもない。
ハンターにもフォロワーにも、それぞれここに立っている事情があるのは、ずっと分かっている。
『ともだちの』卯田千奈美
様子を窺っている。入り込む余地がない。
『ともだちの』卯田千奈美
それでも挫けぬ戦意に瞳を燃やしている。
安武 陸
「ごめん、修也くん。 気抜いてた。 ありがとう」
『兄として』卯田清史
我に返った陸に分が悪いと見たか、さっと引く。
『兄として』卯田清史
途中で千奈美の首根っこを掴んで引き寄せた。
GM
いいでしょう。行動前に炎上でテンション3点上昇ですね。
[ 迷ノ宮 光葉 ] テンション : 9 → 12
[ 迷ノ宮 光葉 ] 激情 : 2 → 3
安武 陸
* 投げナイフ+交差攻撃 対象はワンダー・トリップ・ラヴァー
[ 安武 陸 ] テンション : 6 → 9
安武 陸
2D6+2>=5 (判定:刺す) (2D6+2>=5) > 8[3,5]+2 > 10 > 成功
GM
ダメージは3D6+1D6+2+2+2+1かな。交差・地域武術・打撃力・一刀流・投げナイフ・連携攻撃。
安武 陸
3D6+1D6+2+2+2+1 (3D6+1D6+2+2+2+1)
> 13[3,5,5]+3[3]+2+2+2+1 > 23
GM
3でわっていくつこれ? -8? -8だな……
ワンダー・トリップ・ラヴァー
2D6+2-8>=8 (判定:騙す) (2D6+2-8>=8) > 11[5,6]+2-8 > 5 > 失敗
ワンダー・トリップ・ラヴァー
激情を一個使用しスペシャルで回避!
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 激情 : 3 → 2
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] テンション : 44 → 47
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 余裕 : 0 → 3
[ 迷ノ宮 光葉 ] テンション : 12 → 16
[ 安武 陸 ] テンション : 9 → 17
[ 安武 陸 ] 激情 : 3 → 4
GM
陸を包む炎は今はあたたかい。あの女に移された時と異なり。
安武 陸
ここしばらくは、ずっと恐ろしい炎ばかりを見てきた。
安武 陸
しかしこれは、灯油ストーブのきゅうきゅう言う微睡みのようなあたたかさや、キャンプで星空を見上げて囲んだ炎を思わせる。
安武 陸
駆ける。呆けている場合ではない。
ベルトに固定したナイフを抜いて、投げる。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
今しがた殴りつけた少女より、陸のほうへと意識を逸らされる。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
投げ放たれたナイフへとクチバシを向ける。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
夢を覚まし、現実を呼び起こす叫びをあげて。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
彼女の幻想を打ち破ろうと、炎を吐く。
迷ノ宮 光葉
陸の声に応じる。涙を振り払いながら。
迷ノ宮 光葉
「はい!」階段状に刺さったナイフを足がかりに、人形を抱えて跳ぶ。
迷ノ宮 光葉
人形のまだ無事な手指が、獣の目を再び狙う。今度こそ抉る勢いで。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
自分の存在こそが夢を呼び起こすしるべとなることを本能で知っている。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
そのための機構として生み出され、そのための機構として動く。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
ゆえにその生命力はひときわ強靭で、本能は鋭く研ぎ澄まされ、危機を察知する。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
炎を噴いたクチバシを天へと向ける。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
突き出された人形の指を尖端で捉え、全身を捻って力の方向を逸らす。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
からくり人形を投げ飛ばす。打ち捨てる。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
現実を唾棄するかのように。
迷ノ宮 光葉
抱えた人形ごと、くちばしの力だけで逸らされて、地面へ叩きつけられる。衝撃はある、がすぐに姿勢を立て直した。
安武 陸
獣が光葉に意識を向けている間に、回り込んでいる。
安武 陸
光葉と同じように獣の身体を駆け上がり、首に刀を振りかぶる。
鶏は、首を落とすものだから。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
叫び声とともに胸を張る。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
残った片翼を大きく羽ばたかす。空も飛べないくせに。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
しかしその翼の動きが風を巻き起こす。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
振り落とす。陸の身体を。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
追撃に脚を振り上げて、
安武 陸
刀を振りかぶった状態では、捕まってなどいられない。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
鉤爪がその身体へと振るわれる。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
空振り。地を踏みしめる。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
夢などでは有り得ない足跡が、地面にくっきりと残される。
安武 陸
鳥の祖先は恐竜だ、みたいな話をぼんやりと思い出している。
安武 陸
初めて聞いた時は、そんな馬鹿なと思ったけれど。
現実に巨大な鶏を見れば、なるほどそうかもしれないと納得した。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
幻想の虹を纏った圧倒的な巨体が、あなたたちの前にはいまだ立ちはだかっている。
安武 陸
そもそもハンターの見る世界は、夢と笑い飛ばされるようなものばかり。
安武 陸
信じられるのは、体の痛みと、心の痛みだけ。
GM
失われたものが、確かにかつては存在したのだと、そう思っていられる理由だ。
敷村 修也
*突撃+串刺し 対象はワンダー・トリップ・ラヴァー
[ 敷村 修也 ] テンション : 3 → 6
GM
炎上のテンション処理です。
そのまま命中判定をどうぞ。
敷村 修也
2D6+2>=5 (判定:走る▲) (2D6+2>=5) > 11[5,6]+2 > 13 > 成功
敷村 修也
2d6+2 (2D6+2)
> 8[3,5]+2 > 10
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 余裕 : 3 → 0
[ 敷村 修也 ] テンション : 6 → 13
[ 敷村 修也 ] 激情 : 2 → 3
敷村 修也
2人の連携に追従するようにたたみかける。
狙いは踏み下ろされたばかりの足。
敷村 修也
さっきまでとは違う、温かい炎に後押しされるように駆けだす。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
意識は陸を向いている。修也に対しては隙がある。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
近づけば近づくほどにその巨体を再確認させられる。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
悪夢のような化け物の風体。
敷村 修也
悪夢の中で暴れまわる鶏の化物。
目を覚まして、ああ夢で良かったで終われるなら何てよかっただろう。
敷村 修也
でもこいつが現れているのは夢ではない現実だ。
敷村 修也
死んだ人も、壊れた建物も、炎に消えていった人も物も。
全部現実のもの。
敷村 修也
赤木さんが炎の中に消えてしまったことも。
敷村 修也
遠ざけたかったはずの、同じような目にあってほしくないと思っていたのに。
自分から遠く離れてしまった日常に過ごすクラスメイト。
敷村 修也
別段親しいわけでもない。グループも違う。
敷村 修也
叶恵さんのお姉さんだから、いつまでもそうはいかなかったかもしれない。
敷村 修也
こんな世界のことをしらないで過ごしてほしかった。
敷村 修也
少しの間にすっかり遠くなってしまったように感じる日常の一人。
安武 陸
修也くんクラスメイトで前から知ってる子だもんな……
敷村 修也
息を吐き出しすれ違いざまに足を切りつける。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
反応が遅れる。あるいはさほどの脅威でないと判断したのか。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
血が少しばかり吹き出でて、戸惑ったようにくるりと頭を巡らす。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
一瞬の交錯に、修也を捉えきれていない。
敷村 修也
巨大な化物の足元に長居する理由はない。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
戦場に視線を巡らす鶏の瞳は、
ワンダー・トリップ・ラヴァー
吸い寄せられるようにその少女のもとへ。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
2D6+2-1>=5 (判定:休む) (2D6+2-1>=5) > 11[5,6]+2-1 > 12 > 成功
ワンダー・トリップ・ラヴァー
5D6+4+3 ダメージ (5D6+4+3) >
13[1,2,3,3,4]+4+3 > 20
ワンダー・トリップ・ラヴァー
3部位。回避ペナルティは-7。
GM
かわいそうだけどもう叶恵ちゃんを殴るしかないみたいなところありませんか? ありますよね。
敷村 修也
2D6+2>=6 (判定:走る▲) (2D6+2>=6) > 8[2,6]+2 > 10 > 成功
[ 敷村 修也 ] テンション : 13 → 16
[ 敷村 修也 ] 激情 : 3 → 2
赤木 叶恵
2D6-5>=7 (判定:隠れる) (2D6-5>=7) > 7[3,4]-5 > 2 > 失敗
[ 赤木 叶恵 ] テンション : 6 → 9
ワンダー・トリップ・ラヴァー
BRT 身体部位決定表(11) >
《逆腕》
ワンダー・トリップ・ラヴァー
BRT 身体部位決定表(9) >
《呼吸器》
[ 赤木 叶恵 ] 部位ダメージ : 1 → 3
赤木 叶恵
1d6>3 (1D6>3)
> 5 > 成功
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] テンション : 47 → 51
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 激情 : 2 → 3
ワンダー・トリップ・ラヴァー
瞳がその姿を認める。惹かれるように。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
夢に踊る少女のもとへと、夢を現実とする獣が殺到する。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
地響きはどすどすと、夢に見るには不格好なそれ。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
ワルツもタンゴも知らない獣は、ただその体積だけで少女の矮躯を弾き飛ばす。
赤木 叶恵
したたかに体を打つ。胸をぶつけて呼吸が止まる。
赤木 叶恵
一瞬呆けて、気付いた時にはもう地面へと身は投げ出されていて。
赤木 叶恵
ぷらんと下がる腕が、なんだか間抜けで面白い。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
壊れたように笑う少女のもとへ、獣は追撃に肉薄する。
赤木 叶恵
痛みはあまり感じない。まだもう一本の腕は動く。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
押し潰すには十分な巨躯が、叶恵へと迫る。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
現実を夢と還す虹の炎をまとって。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
その境に少女を招かんと。
敷村 修也
歓声にも聞こえる笑い声。
その笑い声の主を横から攫うように掴む。
敷村 修也
走る勢いそのままに引き寄せると化物の巨体を躱すように転がる。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
修也が躱したその空間を駆け抜ける。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
炎の熱がわっとその鼻先を掠めた。
赤木 叶恵
「大丈夫だよ。今の当たってたら死んでたかもだけど!」
敷村 修也
こんな場所とは思えない、いつもと全く違う様子にかけられる言葉がでてこない。
敷村 修也
その姿を直視することもできないまま立ち上がる。
敷村 修也
血だらけで戦う時よりも、薬を打ち込み人間離れした戦いを見せる時よりも、今の姿を見ることがつらかった。
GM
【腐敗】。全キャラクターのテンションが2上昇。
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] テンション : 51 → 53
[ 安武 陸 ] テンション : 17 → 19
[ 赤木 叶恵 ] テンション : 9 → 11
[ 敷村 修也 ] テンション : 16 → 18
[ 迷ノ宮 光葉 ] テンション : 16 → 18
[ 赤木 叶恵 ] 激情 : 2 → 3
ラウンド4
GM
IST 先制判定指定特技表(1) >
《自信/社会5》
赤木 叶恵
2D6>=6 (判定:黙る) (2D6>=6) > 7[2,5] > 7 > 成功
安武 陸
2D6>=7 (判定:見る) (2D6>=7) > 6[2,4] > 6 > 失敗
迷ノ宮 光葉
2D6>=6 (判定:黙る) (2D6>=6) > 10[4,6] > 10 > 成功
敷村 修也
2D6>=8 (判定:騙す) (2D6>=8) > 9[3,6] > 9 > 成功
[ 迷ノ宮 光葉 ] テンション : 18 → 21
[ 迷ノ宮 光葉 ] 激情 : 3 → 4
[ 敷村 修也 ] テンション : 18 → 21
[ 敷村 修也 ] 激情 : 2 → 3
赤木 叶恵
2D6+2>=5 (判定:撃つ) (2D6+2>=5) > 2[1,1]+2 > 4 > ファンブル(【余裕】が 0 に)
[ 赤木 叶恵 ] 激情 : 3 → 2
[ 赤木 叶恵 ] 激情 : 2 → 1
赤木 叶恵
*なんやかんやが乗って追加のダメージダイスが14+1d6です
赤木 叶恵
1D6+3+6+2+1+2 (1D6+3+6+2+1+2)
> 2[2]+3+6+2+1+2 > 16
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] テンション : 53 → 54
ワンダー・トリップ・ラヴァー
魔獣の血で3点軽減。
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 激情 : 3 → 3
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 血量 : 3 → 0
ワンダー・トリップ・ラヴァー
合計5点軽減。15ダメージ。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
耐久力10。毒殺と合わせ、2部位です。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
BRTを2つどうぞ。
赤木 叶恵
BRT 身体部位決定表(9) >
《呼吸器》
赤木 叶恵
BRT 身体部位決定表(6) >
《感覚器》
ワンダー・トリップ・ラヴァー
感覚器と、呼吸器は潰れているので任意。
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 部位ダメージ : 4 → 6
ワンダー・トリップ・ラヴァー
1D6>6 (1D6>6) > 3 >
失敗
[ 赤木 叶恵 ] テンション : 11 → 23
[ 赤木 叶恵 ] 激情 : 1 → 2
[ 迷ノ宮 光葉 ] テンション : 21 → 25
ワンダー・トリップ・ラヴァー
異形の獣は未だ叫ぶ。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
夜明けを告げるように。あるいは拒むように。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
夢を現実と代えるために、現実を夢と灼き尽くすために。
安武 陸
叶恵の折れた腕はぷらぷら揺れ、呼吸にも変な音が混じっている。
安武 陸
それでも、見たことがないくらいに笑顔で。
敷村 修也
ぐっと口を結ぶとけたたましく騒ぎ立てるワンダートリップ・ラヴァーへと走り出す。
敷村 修也
松井さんに教わったのとは違う、わざとらしい大きな動きで槍を意識させるように回り込む。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
陽炎の向こう側で地を踏み鳴らす。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
虹炎に揺らぐその姿は紛れもない現実の存在だ。それをあなたたちは知っている。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
大振りな動きに釣られて首が動く。
敷村 修也
「こっちだ!また足をつついてやろうか!」
ワンダー・トリップ・ラヴァー
言葉を理解するはずもない獣は、しかし音に惹かれて修也へとクチバシを向ける。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
炎を吐く。色濃い虹色の炎を。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
鋭いクチバシの尖端が修也の首元を狙って突き込まれる。
敷村 修也
獲物があきらめず、自分の身を守り、それでも意識をこちらに向けさせる必要がある。
ましてや言葉の通じないモノビーストとなれば――――
敷村 修也
すんでのところで柄で受け止める。
勢いそのままに後ろに転げて受け身をとると立ち上がる。
敷村 修也
足を止めてはいけない。離れすぎてもいけない。
敷村 修也
あたる距離ではないとわかっていながら降りてきた顔に向かって槍を振りかざす。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
それを鬱陶しがるように片翼を羽ばたかせ、鉤爪を振るう。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
獣は目の前の獲物を狙っている。
迷ノ宮 光葉
修也が敵をひきつけている間に自分は後ろに回る。引き連れた人形を、尾羽根から駆け上がらせ、残った片翼へと取り付かせた。
迷ノ宮 光葉
全てはこのあとの、叶恵のために道を切り拓くのみ。鶏の動きを阻害することだけに、注力する。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
接近すればするほどにその熱は苛烈に感じられる。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
身体を包む炎では相殺しきれない熱風が髪をなびかせ、頬を叩く。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
涙すら乾かしていく。
迷ノ宮 光葉
幾筋も涙の跡がみっともなく引かれた頬に熱風が、叩きつけられる。けれど、鶏からは離れない。
迷ノ宮 光葉
片翼の動きを阻害して、それでも足りなければ、硬い皮膚を引き剥がそうと繊細な人形の手指が砕ける勢いごと隙間から差し込まれる。そうして、叶恵に呼びかけた。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
朝告げの声が響く。悲鳴のように。
安武 陸
誰に何を頼まれたとしても、自分自身の願いだとしても
俺にできることは、そんなに沢山ない。
安武 陸
でも、もし叶恵が討ち漏らした時に、追撃できるように。
今自分にできることの中で、がんばるから。
赤木 叶恵
死を恐れない、自暴自棄な動き。しかし回避と同時に滑り込ませた身から繰り出される一撃は、いつもよりも一手早い。
赤木 叶恵
妖精眼は虹色に煌めいて、辿り着くべきゴールへの道筋を映す。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
叶恵の通り抜けた一瞬後を獣の足が踏み躙る。
赤木 叶恵
今なら見える。最も危険に見える道が、最も安全な道だった。格上を倒す道は、死地の先にある。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
踏み締めた直後の脚は無防備だった。
赤木 叶恵
それをピックのように突き立ててぶら下がり、体を振って勢いをつけて手を放す。
赤木 叶恵
胸元。羽毛へと捕まり、さらに大きくジャンプ。
赤木 叶恵
注射器を握る。それを、ワンダー・トリップ・ラヴァーの瞳へと突き刺した。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
至近距離。熱が叶恵の身を炙る。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
けれどそれを、やわらかな熱が押し返す。
赤木 叶恵
それを飲み込んで、握った手を押し込む。手が熱い、いや、暖かい。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
がなる声。平衡感覚すら狂わせるような。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
獣は拒む。夢の終わりを。
赤木 叶恵
「ははっ、はあっ、はあっ、はあ……!」
赤木 叶恵
残りの全力すべてを振り絞って。奥へ、奥へ、奥へ!
ワンダー・トリップ・ラヴァー
血を撒き散らしながら脚を踏み鳴らし、片翼を振るっても、
ワンダー・トリップ・ラヴァー
今はしがみつく少女一人すら払えはしない。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
血を吹き出させる。けれどすぐに止む。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
朝告げの叫びが、半ばで途切れた。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
消えていく。虹の炎が。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
鶏の纏うそれが。戦場を灼き、狩人を責め苛み続けた炎が。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
少しずつ失せて、夢が遠ざかりゆく。
『兄として』卯田清史
少し離れた場所で見守っている男と、
『ともだちの』卯田千奈美
口を覆った少女の姿も引き連れて、
赤木 叶恵
鶏冠を噛んで、ぶちぶちと肉を歯で千切る。
GM
狩人たちを包み込んでいたそれも和らいでいく。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
獣は血を流しながら、どう、と倒れる。
敷村 修也
勝利の歓喜に歓声をあげる少女を見上げる。
赤木 叶恵
「あたしも、おねえちゃんがいちばん!」
GM
夢の朝告げを拒んだ世界に、現実の朝が訪れる。
GM
狩人たちが守った街で、狩人たちの認めた現実が続く。
GM
戦いの夜は終わりを告げ、あなたたちは日常に還る。
GM
あなたたちが現実を認めた世界に、あなたたちは生きている。
GM
守りたかったものがある。守るために戦った事実がある。
GM
無力ながらに足掻き、力を尽くした結果の上に、この現実が続いていく。
安武 陸
これが現実かなんて、本当は誰にも分からない。
GM
最後に恵夢が立っていた場所。虹の炎に包まれて消えた場所。
安武 陸
歩み寄り、拾い上げる。 見覚えのあるヘアピン。
GM
まだ熱が残っている。それも冬の風に吹かれてすぐに失われていくだろう。
GM
消え去ったもの、失われたものはそこには残らない。記憶の中にそれを留めるのみ。
安武 陸
これが現実かなんて、本当は誰にも分からない。
GM
あなたたちが戦った事実すら、それを観測する者がなければ認められない。
安武 陸
それでも、今足が付いているところを、現実だと信じるしかない。
GM
狩人たちが街を守ったことを、街の大多数の人間は知らずにいる。
GM
あなたたちがなんのために戦うのかにも興味関心はない。
GM
月虹の彼方に消え去った少年のことを。あなたたちを守る虹炎と成り果てた少女のことを。
GM
ただ守りたいものを守るために、持てる力を尽くしただけだということを。
GM
守りたいと思う。生きていてほしいと思う。幸せになっていてほしいと思う。
GM
こうして生きていく限り、あなたたちにも返ってくる。