メインフェイズ第二サイクル 2

行動:迷ノ宮光葉

迷ノ宮 光葉
*狩猟をします、対象は・▓▓▓《自信》
GM
いいでしょう。
GM
では、駅前。
GM
燃えてます。
GM
消火活動……が、行われていた気配があります。
GM
野次馬もいた、痕跡があります。
GM
なんかクレーンとかが倒れてます。
GM
駅は今も燃えていますが、建物が全体的に粉々にされています。
GM
放水では火が消えないので、そういう形での消火が試みられていたようですね。
GM
そしてそれはうまくいっていた。途中までは。
GM
今はアスファルトの道に、モノビーストの足跡を残すのみ。
GM
あの日。
GM
陸が貫かれて倒れ臥したその場所にも、鳥の足跡が残っている。
安武 陸
血に染まるアスファルトと、足跡を見ている。
赤木恵夢
「…………」
敷村 修也
クロニック・ラヴとの激闘は記憶に新しい。
安武 陸
「あの時に似てるな」
赤木恵夢
「あのとき……?」
安武 陸
答えようとして
安武 陸
うつむく。
赤木恵夢
「あ」
赤木恵夢
「えっ、と……」
赤木恵夢
何か取り繕おうとして、そうできるほどに知ることのないことに気付く。
安武 陸
「いや、ごめん、大丈夫」
安武 陸
何かを誤魔化すように言う。
安武 陸
「大丈夫、だけど、ちょっと向こう見てくる」
赤木恵夢
「あ」
赤木恵夢
「は、い……」
赤木 叶恵
「ついてく? 一人がいい?」
安武 陸
「ゆうてそんな離れないって」
赤木 叶恵
「襲われたら大きい声出すんですよ」
赤木恵夢
なかよし……
安武 陸
「はーい」
安武 陸
言葉の通り、少し離れた所で破壊された建物を覗き込んだりしている。
安武 陸
ただ、自分の口から説明するのを避けただけ。
GM
避難が済んでいたのか、建物の下敷きになって死んでいるような人はいない。
迷ノ宮 光葉
そっと、恵夢に話しかけましょう。「駅前は……海野様と一緒に戦った、最後の場所なんです」
赤木恵夢
「あ……」
赤木恵夢
なるほど、と光葉を振り返る。
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
今は粉々の惨状を見回す。
赤木恵夢
「……長い」
赤木恵夢
「付き合いだったん、ですか?」
迷ノ宮 光葉
「陸様は一年と少し、師弟の間柄をしていたとは聞いております。けれど、わたくし達は数ヶ月前に出会ったばかりで……」
赤木恵夢
「あ、そっか」
赤木恵夢
「師匠、って、言ってましたもんね」
赤木恵夢
「安武さんは」
迷ノ宮 光葉
「はい、だからきっと陸様だけは決して海野様のことを忘れなかったのだと、思います」
迷ノ宮 光葉
「さっきお話した、魔法のことを覚えていますか……?」
赤木恵夢
「は、い」
赤木恵夢
なんか魔法とか血戒とか難しかったけど……
迷ノ宮 光葉
「海野様が決死の思いでわたくしたちを救うために魔法を使ったのも、ここなんです」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
ぐるり、と視線を巡らせる。
赤木恵夢
「……なにか」
赤木恵夢
「なにか、他に」
赤木恵夢
「思い出せることは、ありますか」
迷ノ宮 光葉
「先程お話した吸血鬼──クロニック・ラヴと出会ったのも、ここでしたね……。陸様はその時、確か海野様に助けられて……」
赤木恵夢
縋るような声音がある。
赤木恵夢
「そうじゃ」
赤木恵夢
「そうじゃなく、って」
赤木恵夢
「標くんの、こと……」
赤木恵夢
光葉と、修也と、叶恵と。三人を振り向いて、縋るように問いかける。
迷ノ宮 光葉
「……わたくしは、短いお付き合いでしたからそう多くは存じ上げていないかもしれません……。けれど、いつもどなたかを助けていらっしゃる印象がありました」
赤木恵夢
「…………」
赤木 叶恵
「人にはあんまり甘えないよね。自力で解決するタイプって感じ。単独行動も多いし」
迷ノ宮 光葉
「……それに伴う実力も、力量もありましたね」
敷村 修也
「……自分のことはぎりぎりまで何も言わないタイプでしたね」
赤木恵夢
聞いている。
敷村 修也
「でも、安武さんのことは師弟っていうよりもっと……」
赤木恵夢
「え」
赤木恵夢
「もっと?」
敷村 修也
「いや、師匠と弟子っていうよりはもっと気やすい関係だったのかなって」
赤木恵夢
「気やすい関係……」
赤木恵夢
陸の向かったほうをちらりと見る。
安武 陸
ちんたら歩いています。
赤木恵夢
ちんたらあるいてる……
安武 陸
なんだよ!!
安武 陸
師弟だぞ!!
赤木恵夢
もっと?
迷ノ宮 光葉
もっと?
赤木恵夢
もっとな距離だったっけ???
安武 陸
建物の下敷きになっている人は見当たらない。少しだけほっとする。
安武 陸
ほっとしたからといって、死人が出ていることには変わりないのだが。
安武 陸
あの日、標が立っていたあたりを見る。
安武 陸
最後のあの時、運命変転魔法を発動する瞬間に立っていたあたりを。
安武 陸
特に何かが残っている訳ではない。 もちろん、標のいた証があるわけでもない。
安武 陸
スマホを取り出して、写真を撮る。
安武 陸
誰もいないコンクリートの地面だけが映る。
安武 陸
そうして、別のところにもカメラを向ける。
安武 陸
クロニック・ラヴがいたあたり。
安武 陸
もう会えないのは、クロニック・ラヴも同じだ。
安武 陸
彼女を知る人間に後から出会って。
安武 陸
やっぱり、友達になれたんじゃないか、なんて思う。
安武 陸
そちらも写真に撮って、スマホをしまう。
安武 陸
誰かがいない世界。
安武 陸
本当ならこの写真に、もっと人が映っていたかもしれない世界。
安武 陸
そこら中に転がる死体が、さっきまで生きていた世界。
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「安武さんとの、ことは」
赤木恵夢
「わかんない、けど……」
赤木恵夢
「……でも、うん。そっか」
赤木恵夢
「思ったより」
赤木恵夢
「私の知ってる標くんと、おんなじ、かも」
敷村 修也
「そう?」
赤木恵夢
「……うん」
赤木恵夢
「標くんおやすみ多いから、勉強大変そうならなんか手伝えるかなって思ったけど」
赤木恵夢
「そういうの、特に全然なかったし……」
赤木恵夢
「古文とか苦手そうだったんだけどな……」
赤木恵夢
機会が……ぜんぜん……
赤木 叶恵
「弱点あったんだ」
安武 陸
「俺も勉強見るって言ったんだけどなぁ」
安武 陸
ぼちぼち戻っています。
赤木恵夢
「二年で同じクラスなったの、そうだ」
赤木恵夢
「びっくりしたんだ」
赤木恵夢
「絶対理系だと思ってたから……」
敷村 修也
「それは、確かに」
敷村 修也
なんとなくの雰囲気がこう……
迷ノ宮 光葉
わりと標の強いところばかりを見てきたので、日常面を知ると感慨深くなります。
安武 陸
学校ではメガネとかかけてるらしいしな……。
安武 陸
俺的には体育会系ではなく?理系でも文系でもなく武系なんだけど……。
赤木恵夢
「数学一番得意だったみたいだよ」
赤木恵夢
「……その」
赤木恵夢
「本人に聞いたわけじゃない、けど……」
赤木恵夢
勝手に語っていることに忍びなさを感じてきた様子。
赤木 叶恵
「へー」
安武 陸
「へー」
安武 陸
「得意科目の話とか全然しなかったから、新鮮」
赤木恵夢
「私も、その」
赤木恵夢
「話したことある、とかっていうか、えっと」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
固まった。途中で。
安武 陸
「学校でクラス同じだとね。察することもあるもんね」
赤木恵夢
ぶんぶん頷いた。
赤木恵夢
「うん。……うん」
赤木恵夢
「標くん」
赤木恵夢
「やっぱり、標くん、だったんだな……」
迷ノ宮 光葉
*判定を…します
GM
はい。では自信による判定をどうぞ。攻撃力によるプラス修正がボーナスでつきます。
迷ノ宮 光葉
2D6+2>=6 (判定:黙る) (2D6+2>=6) > 8[3,5]+2 > 10 > 成功
GM
たけえが~。
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 支配力『▓▓▓』 : 4 → 3
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 耐久力 : 12 → 11
GM
このようにあいなりもうした。
GM
あとはよろしくおねがいします。
迷ノ宮 光葉
「はい……、日常の海野様も狩人としての海野様も、変わりなく、確かにそこにいらっしゃいました」
赤木恵夢
「……うん」
迷ノ宮 光葉
「だからこそ……彼が遺したものをむざむざと破壊させるわけには、いかないと思うのです……」
迷ノ宮 光葉
今はすっかり形を失った駅前を見回す。
赤木恵夢
光葉に従って駅前を見る。
赤木恵夢
「……これを」
赤木恵夢
「引き起こしたのが、私」
赤木恵夢
「なんですよね……」
迷ノ宮 光葉
「…………お姉様は、願ってしまっただけです」うまく言えず。
赤木恵夢
「……でも、私のせいです」
赤木恵夢
「私が願ったから、です」
赤木恵夢
「それは、……それは」
赤木恵夢
「受け止めないと……」
赤木恵夢
言い聞かせるように、声を震わせた。
迷ノ宮 光葉
受け止めようとする恵夢を強い人だと思う。あのフォロワーたちのように夢だと思っていたのに。
迷ノ宮 光葉
そっと彼女の肩に手を置いて、頷いた。
赤木恵夢
寄り添う熱が、冬の冷たい空気に心強かった。

行動:ワンダー・トリップ・ラヴァー 2nd

GM
狩人たちは街をゆく。
GM
消え失せた人の痕跡を求めて。
GM
夢ではなく確かな現実を探り、夜の闇を練り歩く。
GM
そしてやがて、導くような虹の炎を認める。
GM
摩訶不思議な虹色の炎。
GM
この夜ですっかり見慣れてしまったその炎が、
GM
0話では修也の家、1話では光葉の家、と来てついに。今は安武陸のアパートを燃やしていた
GM
燃えている。
GM
あなたの家が。
GM
忌まわしい記憶の残る田舎を出で、
GM
上京より生活を重ねてきたあなたの家が、虹色の炎に揺らいでいる。
安武 陸
「は……?」
安武 陸
燃えさかるアパートを呆然と見上げる。
赤木恵夢
「……?」
赤木恵夢
「お知り合いの家、とか」
赤木恵夢
「ですか……?」
安武 陸
「お知り合いっていうか、あれ、俺んち……!」
赤木恵夢
「えっ!?」
安武 陸
「うちが燃えてる!?」
赤木 叶恵
「うそっ!?」
敷村 修也
「えっ!?」
安武 陸
駆け出す。
GM
虹の炎はアパートの一室を燃やしている。
GM
言うまでもなく、陸の部屋。
敷村 修也
慌てて追いかける。
安武 陸
モノビーストの炎だと理解していても、冷静ではいられない。
赤木恵夢
足をもつれさせながらついていく。
安武 陸
いや、急いで向かうのは冷静なのか?
GM
わからない。視界が虹の炎に眩む。
安武 陸
がちゃがちゃと鍵を取り出して鍵を開ける。
安武 陸
扉を開く。
GM
扉を開いた瞬間、
GM
より強い炎が噴き上がる。
安武 陸
「うわっ……!」
GM
陸の全身を炙りたてる。
敷村 修也
「安武さん!」
GM
その炎は、
GM
駆けつけてきていた他の狩人らの身にも至った。
赤木 叶恵
「うわあっ……!」
迷ノ宮 光葉
「うっ……?!」
GM
叶恵、修也、光葉。
安武 陸
「みんな!?」
GM
三人をも包み込み、燃え盛る。
敷村 修也
「うわっ!?」
安武 陸
炎の対処法は分かっている。 分かっているが。
赤木恵夢
口を押さえている。
GM
いつにも増して苛烈な虹炎。
GM
視界が眩み、視界が歪む。
GM
頭の奥が灼き焦がされるような感覚がある。
安武 陸
「……っ、なんっ、だこれ……」
GM
物理法則に反した炎に脳が融かされるようで、
海野標
だから、こんな幻影を見る。
安武 陸
「……!?」
安武 陸
視界が、見えている世界が変わる。
安武 陸
もう夢でしか姿を見ない、その姿がある。
海野標
この家で少なからず邂逅を重ねてきた、その姿を見る。
安武 陸
「し、しょ……」
海野標
「――まあ」
海野標
「リク」
海野標
「お前にしては、よくやったよ」
安武 陸
「え?」
海野標
「敷村、初めてだったからな」
海野標
「そりゃあフォロワーにも狙われる」
安武 陸
「え、ちょ」
海野標
「?」
海野標
「リク?」
安武 陸
思わず、辺りを見回す。
GM
虹色の炎が燃えている。
安武 陸
仲間達も炎に包まれていた。
GM
その姿が色濃い炎に掻き消されて、見えなくなる。
安武 陸
「……」
安武 陸
僅かに、安堵してしまう。
GM
安堵に違和感が塗り潰される。
GM
あたたかい熱に、これでいいのだと思ってしまう。
安武 陸
「……」
海野標
「お前が止めたんだろ?」
安武 陸
そう、これでいい。
海野標
「増田が、敷村を狙ったのを」
海野標
「ギリギリで止めて、助けてたんじゃねえか」
安武 陸
師匠がいるし、別に誰かに聞かれている訳ではないし。
安武 陸
「いやぁ……、別に……」
海野標
「謙遜すんな、上出来だ上出来」
海野標
手が伸びる。伸ばされている、気がする。
安武 陸
「どうしたんすか今日は。そんなに褒められると照れるなぁ~」
安武 陸
手が、伸ばされている。
海野標
伸べられた手が、
海野標
髪に触れた。
海野標
「不出来な弟子が戦果あげたら褒めるくらいするっての」
海野標
「飴と鞭。大事だろ?」
安武 陸
「いやいや、子供じゃないんですからさ~」
安武 陸
そうは言うが、笑ってそのままにしている。
安武 陸
誰かに頭を撫でられたのは、何年ぶりだろうか。
敷村 修也
なんだ??
安武 陸
ホモか?(ただのオタクの意見)
GM
わかんにゃい
GM
夢だぞ
迷ノ宮 光葉
褒めてくれる師匠…えっちだ
安武 陸
俺が見てる夢なのか?
GM
褒めてくれる師匠は別にえっちじゃなくない???
海野標
「普段からガキみてえにぶちぶち文句言いよってからに」
海野標
「いいだろ。別にこれくらい」
海野標
「お前は」
海野標
「もっと、認められていい」
GM
炎が。
安武 陸
そんな訳はない、と思うが。
GM
頬を撫でる。
安武 陸
炎が。
GM
あたたかい熱が、あなたの思考を惑わす。
安武 陸
思考が温かく、居心地のいいほうへ流れてゆく。
海野標
「……お前は悪くないよ」
海野標
「お前は悪くない」
安武 陸
「……俺は、悪くない」
海野標
「お前のせいじゃないんだ」
安武 陸
「俺の……せいじゃない」
海野標
「全部」
海野標
「それが、理由になったんだとしても」
海野標
「そのせいで誰が死んだんでも」
海野標
「お前が手を下して、殺したわけじゃない」
安武 陸
うなだれて、頭を標の肩に預ける。
安武 陸
「俺が、殺したわけじゃない……」
海野標
回された掌が、後頭部を撫ぜる。
海野標
「そうだろ?」
安武 陸
「俺は、悪くない……」
安武 陸
そうだろうか。 とわずかに思うものの。
安武 陸
標が言うのなら、そうかもしれない。
海野標
「自分に原因がある、っていうのと」
海野標
「自分がそうした、自分のせいだ、ってのは」
海野標
「切り分けていかなきゃなんねぇ」
海野標
「……いいや」
海野標
「切り分けていい」
安武 陸
この部屋で言われた言葉だ。
海野標
同じ言葉でもって、あなたを肯定する。
海野標
あなたの過去の過ちを許す。
安武 陸
結局、あの時はその言葉を飲み込めなかった。
安武 陸
でも今は、なんだか。
安武 陸
その言葉に身を委ねていいように思える。
海野標
「だから、大丈夫だ」
海野標
「リク」
海野標
「繰り返してみろ」
安武 陸
頭が撫ぜられている。
海野標
ゆっくりと、顔を近づけて。
海野標
言葉の紡がれる唇の動きを見る。
安武 陸
温かく、居心地がいい。
海野標
「『大翼が死んだのは、俺のせいじゃない』」
海野標
ほら、と
海野標
促して、笑った。
安武 陸
ヒエ~~~~~~~
迷ノ宮 光葉
なんてえっちなんだ
迷ノ宮 光葉
えっちをかみしめている
安武 陸
「あ……」
安武 陸
言われた通りに言おうとして、唇の動きが止まる。
GM
それは、海野標の知らない事実。
安武 陸
これは、言っていい言葉なのか?
GM
海野標の紡ぐはずのない言葉。
安武 陸
濁った思考がぐるぐると回る。
GM
それが、
GM
それを、現実のものと認めるのならば。
GM
あなたの中の記憶は矛盾する。混濁する。
GM
もはやあなたの記憶の中にあるその姿が、何よりもその存在のしるしとなるのに。
GM
それが信じられなくなるのなら。
GM
*安武陸の幸福『海野標』を破壊します。
安武 陸
認めていい、のではないか。
海野標
師の姿は、言葉は、そのようにあなたを認める。
海野標
促している。
安武 陸
自己の認識が世界を作る。 狂人は自分の世界で生きている。
安武 陸
自分がそうだと思えば、そういう世界になる。
安武 陸
なにより、標が、師がそうしろと言っている。
海野標
なら、それに抗う理由はどこにもない。
迷ノ宮 光葉
*妨害をします
海野標
このあたたかな虹の炎の見せる幻影に。
安武 陸
俺はもう、自分を責めなくていい。
海野標
認められた過去に、身を委ねてもいい。
安武 陸
そもそも、本当に。
GM
AST ランダム全特技表(1) > 社会(8) > だます
安武 陸
俺は悪かったのか?
海野標
悪くないと師が言う。
海野標
確かな確信を伴った言葉とともに。
安武 陸
自分に原因があるのと、自分のせいだというのは、切り分けなければならない。
海野標
原因はあったかもしれない。理由にはなったかもしれない。
安武 陸
俺に原因があった、と断言できないのも分かっている。
安武 陸
不幸な事故だった。
安武 陸
それは本当のこと。
安武 陸
なら、無意味に自分を責めたりしなくてもいいんじゃないか?
海野標
これ以上苦しまなくていい。
安武 陸
わずかに、胸が痛む。
海野標
あなたを許すように、指が髪を梳く。
安武 陸
俺のせいでなければ、もうこんな痛みもなくなるはずだ。
安武 陸
* 援護
迷ノ宮 光葉
2D6+2+1>=7 (判定:黙る) (2D6+2+1>=7) > 6[2,4]+2+1 > 9 > 成功
GM
はーーー。なにもありません。
GM
成功です。我に返してね。
安武 陸
もうちょっと意識戻るのゴネていい……?(私利私欲)
GM
いいよ!
安武 陸
ゴネます
安武 陸
指の感触に目を細める。
安武 陸
「そうかな……、そうかも……」
迷ノ宮 光葉
「陸様……っ!」ぴたぴたと頬を叩く。お嬢様ビンタ再び!それでも我に返らなければ、ぱちんとひときわ強く
海野標
「そうだ」
海野標
「そうだよ」
海野標
背に腕が回る。優しく叩かれている。
安武 陸
頬を叩かれても、顔がぐらりと揺れただけで意識は戻らない。
海野標
あなたを引き留めるかいなの柔らかさの方が、なお強い。
安武 陸
「俺は……、俺は、ずっと自分が悪いって思ってて……」
海野標
「……ああ」
安武 陸
「だって、俺のせいだって思ってしまうのは、仕方ないし……」
海野標
「そうだな」
海野標
「それは、わかる」
安武 陸
「俺も、悪意がなかったって言ったらそうじゃないし」
安武 陸
「じゃあ、俺のせいだって、やっぱ、なっちゃうよ」
海野標
「……何も悪くないとは、言えないもんな」
安武 陸
「だから死ぬのが怖いし、死んじゃいけないし」
敷村 修也
光葉さんが頬を叩こうがうつろな安武さんは意識を取り戻す気配がない。
安武 陸
「呪い殺されるんじゃないか、みたいなバカなことを考えたりして」
安武 陸
「俺のせいなのに、そんなふうに悪く思って」
敷村 修也
「安武さん!目を覚ましてください!安武さん!」
海野標
「……うん」
安武 陸
「でも、俺は悪くないなら」
海野標
「辛かったな」
安武 陸
「俺は、もっと、楽になれますよね」
敷村 修也
胸倉を掴むと玄関横の壁へ体ごとぶつかる。
海野標
「ああ」
海野標
「お前は、楽になっていい」
海野標
「ほら」
敷村 修也
「安武さん!目を覚ましてください!全部燃えちゃうんですよ!」
海野標
「リク」
海野標
「言ってみろ?」
安武 陸
「大翼が──」
安武 陸
「死んだのは」
敷村 修也
ぐっと振りかぶると男の子のパンチ!拳を頬に叩き込む
敷村 修也
「いい加減にしろ!」
敷村 修也
「あんたここまで来て楽な方を選ぶつもりかよ!」
敷村 修也
「海野に頼まれたくせに投げ出すのかよ!」
安武 陸
ぱちぱち、と瞬き。
GM
幻影が揺らぐ。
GM
炎は、まだ消えなかった。
安武 陸
「え、あ」
安武 陸
頬が痛む。
敷村 修也
胸倉を掴んだ手を緩める。
安武 陸
炎は体を焦がす。甘やかな夢の中との落差に愕然とする。
赤木恵夢
口を覆っている。
GM
これからだぞ~
敷村 修也
これからだな~~
GM
虹の炎は未だ燃え盛り、狩人たちの身体を焼いている。
GM
陸だけではない。
GM
全員が、いまだ燃えている。
安武 陸
楽な方。
安武 陸
そうだ、俺は。
安武 陸
ずっと楽な方に逃げないように。
安武 陸
いや、それとも、こちらの方が楽なのか?
GM
わからない。
GM
ただ、炎は消えない。
安武 陸
「……」
安武 陸
ため息。
安武 陸
「あれだよな、なんか、夢にしたかったことを言えばいいんだよな」
赤木恵夢
「……た、ぶん」
赤木恵夢
「その」
赤木恵夢
「現実を、ちゃんと……」
安武 陸
殴られた頬が痛い。ぶつけられた体が痛い。 そして、胸が痛い。
安武 陸
「俺さ、弟がいたんだ」
安武 陸
それだけを言って、うつむく。
敷村 修也
「………」
赤木恵夢
「おと、うと……」
安武 陸
「6歳歳が離れてて、生きてたら、ちょうど──」
安武 陸
「師匠と、同じくらい」
迷ノ宮 光葉
「それは……」
安武 陸
唾を飲み込む。 言葉がつかえる。
安武 陸
「弟は、俺なんかよりずっと出来がよくて、賢いし、運動も得意だし」
安武 陸
「そりゃあ、クラスで一番最初に文字が読めるようになったり、運動会で一等賞になったりしたら、親は褒めるよな」
赤木恵夢
俯いた陸の頭を見ている。
安武 陸
「弟ばっかり褒められて、俺は面白くなかったんだ」
敷村 修也
兄弟姉妹がいるものにしかわからない苦悩。
安武 陸
「だから、俺は、弟にあんまり優しい兄ちゃんじゃなかった」
安武 陸
「弟は、俺に懐いていたのに」
赤木恵夢
妹を持つ姉であっても、わからない。
赤木恵夢
その気持ちは。
赤木恵夢
陸にしか。
GM
それでも炎の中に言葉は吐き出されていく。
GM
伝えるために。
GM
苦い現実を、確かなものと繋ぎ止めるために。
安武 陸
「……俺の故郷には、溜め池があった」
安武 陸
長く、息を吐く。
安武 陸
「……立ち入り禁止だったけど、別に柵があるとかじゃないから」
安武 陸
声が震える。
安武 陸
「釣りとか、できるし」
安武 陸
「普通に、遊びに行ってた」
赤木恵夢
「……そこで」
赤木恵夢
「何が、あったんですか」
安武 陸
唇を噛む。
安武 陸
炎は弱まったものの、いまだ仲間達を覆っている。
GM
消えてくれない。
安武 陸
この話は誰にもしていない。 大学でできた友人にも、ハンターの知人にも、標にも。
安武 陸
ずっと抱えてきた。
安武 陸
「溜め池ってさ、落ちたら、上がるの難しいんだよ」
安武 陸
「大人でも、自力では上がれない」
赤木恵夢
「…………」
安武 陸
「俺は溜め池に釣りをしに行ってた。 弟は、勝手についてきた」
安武 陸
「俺の帽子がさ、風に飛ばされて、池に落ちたんだ」
安武 陸
「取ってこい、って、言ったんだよ、弟に」
赤木恵夢
眉を寄せる。
安武 陸
「溜め池が危険だなんて、知らなかった」
迷ノ宮 光葉
「…………」
敷村 修也
「………」
安武 陸
「その時俺はまだ11歳で、田舎の人間だから、ケータイなんかも持たされてなくて」
安武 陸
「近くの家まで、急いでも20分くらいで」
安武 陸
「俺は、助けを呼びに行ったほうがいいのか、自分が助けたほうがいいのか」
安武 陸
「ずっとわからなくて」
安武 陸
鼻をすする。
安武 陸
「まだ5歳の弟が死ぬのを」
安武 陸
「ただ、ぼんやり見てたんだ」
安武 陸
涙が床に落ちる。
赤木恵夢
「……し、」
赤木恵夢
途中で言葉を呑み込む。
敷村 修也
陸の言葉に俯く。
GM
炎は揺れている。まだ消えていない。
GM
陸が抱え込んでいるものは、それだけではないから。
GM
だから今も狩人たちを炙り立てている。
敷村 修也
まじか
GM
それだけじゃないだろ!
安武 陸
ええ~
安武 陸
もしかして……まだ犯人がわかっていない……あれ!?
GM
4人燃えてる以上はここまでじゃ済まされないんよ
赤木 叶恵
「っ……それは……でも……」
赤木 叶恵
戸惑い。
赤木 叶恵
「こ、殺そうとか、傷つけようとか、そういう気持ちがあったわけじゃないじゃん……」
赤木恵夢
顔色の悪いまま、叶恵の言葉に頷いている。
安武 陸
「皆そう言ったよ。 陸のせいじゃないって」
安武 陸
「わざとじゃないって」
安武 陸
「でも、そうだよねってはならないだろ」
赤木 叶恵
「……………………、~~~……っ」
赤木 叶恵
「……ならないね」
迷ノ宮 光葉
ぎこちなく頷く。
安武 陸
顔を上げる。
赤木恵夢
案ずるように陸の顔を見る。
安武 陸
「修也くん、ありがとう。 楽な方を選ぶなって言ってくれて」
安武 陸
「それと、ごめん」
敷村 修也
「……いや、そんな……」
敷村 修也
知らなかった。だからこそ言えたことでもある。
GM
虹の炎が揺らめいている。
安武 陸
「俺は、きみに謝らないといけない」
安武 陸
「クイーン・オー・ランタンと戦った時に、言われたんだ」
敷村 修也
安武さんが何を言っているのかわからない。心当たりがない。
安武 陸
「誰か一人、仲間を刺せば見逃してくれるって」
敷村 修也
「え……?」
赤木 叶恵
「………………ん?」
迷ノ宮 光葉
「それは……」
安武 陸
「あの時きみを刺したのは、俺だ」
赤木恵夢
「……?」
安武 陸
「我が身かわいさに、俺は、きみにナイフを突き立てたんだ」
GM
長かったな……
GM
長かった…………
敷村 修也
長かったな……
敷村 修也
感慨深い
安武 陸
長かったな……
GM
虹の炎が燻る。
敷村 修也
「……安、武さん、が……?俺を……」
敷村 修也
安武さんの言葉とあの時の痛みがぐるぐると頭の中を巡る。
安武 陸
「謝って許されることじゃないけど、ごめん」
赤木 叶恵
「……」
GM
風が吹いて、
GM
重なるように、虹色の炎が掻き消える。
GM
その事実が陸の言葉が真実であることを証明していた。
安武 陸
「自首しろって言うなら自首するし、殴りたいなら殴っていい。 金はあんまり持ってないけど、できることはなんでもするよ」
GM
炎は掻き消えて、あなたを撫ぜる手も遠く失せた。
GM
冷たい現実だけが残る。
安武 陸
それでいい。
安武 陸
今いるこの世界に、それはない。
敷村 修也
どういう表情をすればいいかわからない。
何より消えた炎がその言葉の真実を示していた。
GM
あなたは敷村修也を救ったのではなかったし、その功績を褒められることもなかった。
GM
けれど、敷村修也を刺したこと、それを明かさず黙っていたこと。
海野標
それを正しい判断だと、師は認めていた。
安武 陸
俺はずっと、何一つ褒められることなんてしていない。
安武 陸
ただ、楽な方に逃げていただけ。
敷村 修也
「………」
敷村 修也
自分の考えは決まっている。
敷村 修也
「……安武さん」
安武 陸
修也の顔を見る。
敷村 修也
「………俺は、安武さんのしたことはハンターとして恥ずかしいことだと思います」
敷村 修也
「………」
安武 陸
「……うん」
敷村 修也
「……以前の俺なら、ですけど」
敷村 修也
「クロニック・ラヴとの戦いの時」
敷村 修也
「……俺は、幻を見せられて海野を攻撃しようとしました」
赤木恵夢
えっ、と修也の方を見る。
安武 陸
「……うん」
敷村 修也
「その時海野を攻撃しないで済んだのは、安武さんや、叶恵さんや、光葉さんが近くにいて気付いてくれたからです」
敷村 修也
「俺のことを止めてくれた」
敷村 修也
「………」
安武 陸
「…………」
安武 陸
それは、そうだけど。 それは、自分のためで。
敷村 修也
「でも、安武さんがクイーン・オー・ランタンにそんなことをされてるなんて気付くこともできなかった」
敷村 修也
「あのハロウィンの夜を経験して、ハンターの世界のことを知って。一人で戦うことの難しさを知っているつもりです」
敷村 修也
「だから、自分を責めないでください。俺は生きてて、自分で選んでここに居ます」
安武 陸
自分を責めるなと言われて、そうだよね、なんて思えない。
安武 陸
でも、修也は確かに生きている。
安武 陸
自分で選んで、ここにいる。
赤木 叶恵
「……けんな」
赤木 叶恵
「ざっ、けんな……!」
赤木恵夢
「ふぇ」驚いた様子で叶恵を見る。
赤木 叶恵
「なんで敷村さんは、幻覚で間違えさせられるのと、裏切って仲間を攻撃するのを同列に語るの?」
赤木 叶恵
近づいて、陸に掴みかかる。
赤木 叶恵
「なあ、安武。安武っ……!」
赤木 叶恵
「あんたは、ビビりで。どうしようもないやつで」
赤木 叶恵
「人を見殺しにするぐらいは、まあ、あるかもと思ったよ」
赤木 叶恵
「けど……」
赤木 叶恵
「自分から……仲間を傷つけるようなやつだとは思わなかった……」
赤木 叶恵
「安武は……強い敵に言われたら、あたしの事も……刺すの……?」
安武 陸
「…………」
迷ノ宮 光葉
「叶恵様……」
安武 陸
「あの時、俺達会ったばっかりじゃん」
安武 陸
「それくらいの人間なら、俺は傷付けるよ」
赤木 叶恵
「……じゃあ、今は?」
安武 陸
「傷付けると思う?」
赤木 叶恵
「わかんなくなった。だからちゃんと言って」
敷村 修也
うわっ
GM
うれしいね
GM
言葉にするのが大事だからね
GM
言葉にするのが大事な話だぞ
安武 陸
「俺はさ、ビビりで、どうしようもないやつだよ」
安武 陸
「だから」
安武 陸
「友達を傷付けるのは、怖いなぁ」
赤木 叶恵
「…………」
赤木 叶恵
……あの時はまだ知り合ったばかり。
赤木 叶恵
自分もきっとそうだ。他の何かと天秤にかけて、始めて共闘するハンターを刺せと言われれば……。
赤木 叶恵
…………。
赤木 叶恵
そして、今、同じようにハンターを刺せと言われれば、また違う答えが出るのだろう。
赤木 叶恵
「……わかるけど」
赤木 叶恵
「やだった」
赤木 叶恵
今、はっきりと自覚した。この4人のハンターの集まりに、自分は強い仲間意識を抱いている。
赤木 叶恵
だから、こんな話を聞いて、嫌な気持ちになったんだ。
赤木 叶恵
「やだったから敷村さん以外にもちゃんとゴメンナサイしろ!」
安武 陸
「……うん、そうだな」
安武 陸
改めて、修也の方を見る。
安武 陸
「修也くん、ごめん」
敷村 修也
黙ってうなずく。
叶恵さんが必要なことは言ってくれた気がした。
安武 陸
「…………」
安武 陸
もっと責めてくれていいのに、と思うが、それは自分が楽になりたいだけの気持ちだ。
安武 陸
ただ深く、頭を下げた。
安武 陸
光葉の方を向く。
安武 陸
「光葉ちゃん、ごめん」
迷ノ宮 光葉
「いえ……、こんなときに、わたくし少し変なのですけど……」
迷ノ宮 光葉
「陸様がご自分の罪を認めて告白したことも、修也様が許されたことも、叶恵様が自分の言葉で怒ったことも……全部、嬉しいのです」
迷ノ宮 光葉
「変ですかしら……」
赤木 叶恵
「……へんなの」
安武 陸
「変じゃないよ」
安武 陸
「上っ面だけの付き合いじゃなくなった、ってことだろ」
赤木 叶恵
「! ……」
迷ノ宮 光葉
「…………」
迷ノ宮 光葉
「……はい」
安武 陸
「で、叶恵ちゃん」
赤木 叶恵
「ん」
安武 陸
「ごめん」
赤木 叶恵
「ばか。あほ。ぼけ」
赤木 叶恵
服を握っていた手を放す。
赤木 叶恵
「信じていいの?」
安武 陸
「俺は、自分を信用できない。 信じないほうがいいと思う」
安武 陸
「でも、信じて欲しい」
安武 陸
「がんばるから」
赤木 叶恵
「……わかった」
赤木 叶恵
「ちゃんとがんばるんだぞ」
安武 陸
「うん」
安武 陸
「誰も傷付かないように、がんばるよ」
安武 陸
そんなことは無理だ、と、冷静な自分が告げている。
安武 陸
でも、がんばりたいと思っている。
安武 陸
誰も傷付かないように、手を伸ばし続けたいと思っている。
GM
虹の炎が消えて、唐突に気付かされる。
GM
今夜は星が、綺麗だった。
[ 安武 陸 ] テンション : 10 → 13
[ 迷ノ宮 光葉 ] テンション : 15 → 20
[ 迷ノ宮 光葉 ] 激情 : 1 → 2
GM
陸→光葉の関係が1増加です。

行動:安武陸

GM
いかがいたしましょう。
安武 陸
*狩猟 対象は▓▓▓《自信》…………
GM
はあい。
GM
>街の至る所が燃えている。病院 学校 マンション 公園 駅。
GM
マンションと駅は行きましたね。
GM
どこにしますか?
安武 陸
公園に行きましょう。
GM
はーい。
GM
あ、そうだ
GM
絵本なんですが、陸の家に置いていったことにしていいですか?
GM
ずっと持ってるから……
安武 陸
はぇ……
安武 陸
ふぁい……
GM
ではそうなりました。後で取りに来ます。
安武 陸
ほにゃ……
GM
というわけで、公園ですね。
GM
陸の家の近くにある公園。
GM
あまり人が通りがからない場所にあるので、密かに静かに虹の炎が揺れている。
GM
噴水が虹色に染まってきらきらと光っている。
安武 陸
* 噴水がきれいですが、陸の狩人の骨と、光葉ちゃんの興奮剤を交換します
GM
*いいでしょう。そのまま噴水へどうぞ。
GM
血に濁ったあの夜に比べたら、穏やかさすら感じる光景だった。
安武 陸
公園。 元々は自分の家ではなく、ここに向かう途中だった。
安武 陸
「この公園、よく師匠とトレーニングに来たんだ」
赤木恵夢
「トレーニングに」
赤木恵夢
陸の家に絵本を置かせてもらって、今は手ぶら。
赤木恵夢
「……お弟子さん、だったんですもんね」
安武 陸
「うん」
安武 陸
あの夜死体で溢れていた噴水は、鮮やかな色に染まっている。
安武 陸
映えるな、と思ったが、写真を撮る気にはならない。
赤木恵夢
「一緒に、こう」
赤木恵夢
「筋トレしたりとか、走ったり、とか……?」
安武 陸
「そうそう、あと組み手とか」
赤木恵夢
「組み手……」
赤木恵夢
想像しようとしている。もや……
赤木恵夢
「標くん、体育出なかったからなぁ……」もとより男女分かれてるけど……
安武 陸
「病弱キャラならな、体育出られないだろうな」
赤木恵夢
頷く。
赤木恵夢
「体育祭も出たことなかったです」
安武 陸
「だろうなぁ」
安武 陸
「師匠、ああ見えて俺より足早いし、俺より力強いんだよ」
赤木恵夢
「えっ」
赤木恵夢
陸を見る。陸の身体を。
赤木恵夢
明らかにおっきい……
安武 陸
180cm、骨格がしっかりしている。
赤木恵夢
カナちゃんと並んだらカナちゃんすごいちんまりだし……
赤木恵夢
「……へあ~」
赤木恵夢
よくわからない声が出た。
赤木恵夢
「えう~」
安武 陸
「腕相撲で勝てたことないどころか、惜しいってとこまでいけたことない」
赤木恵夢
「そぉなんですか……」
安武 陸
「半吸血鬼だしね」
赤木恵夢
「あ、そっか」
赤木恵夢
「それで」
赤木恵夢
「はえ……」
安武 陸
「フィジカルだけじゃなくてさ、師匠は本当に強かったんだ」
赤木恵夢
「……はい」
赤木恵夢
頷く。表情を引き締めて陸を見る。
安武 陸
「経験積んでるから判断も正確だし、血戒も使えるし、モンスターの知識もある。ついでに人脈もあるんだから、本当に欠点らしい欠点がなかった」
敷村 修也
空も飛ぶ
赤木恵夢
飛んできたりしたね
安武 陸
少し嬉しそうに話す。
赤木恵夢
語る陸の顔をじっと見ている。
安武 陸
「いや、お人好しなところは欠点かも」
赤木恵夢
「……でも」
赤木恵夢
「だから、じゃないですか」
安武 陸
「残念ながら、そうだなぁ」
赤木恵夢
「安武さんは」
赤木恵夢
「標くんが強くてかっこいいの、なんだか嬉しそうに語りますね」
赤木恵夢
「誇らしげ、って感じする」
安武 陸
「そりゃあそうでしょ。 身内がすごいと嬉しいよ」
安武 陸
「それに……」
赤木恵夢
「?」
安武 陸
噴水が水を噴き上げるが、虹の炎はお構いなしに燃えている。
安武 陸
「……俺は、師匠にずっと、命を助けてもらってたんだ」
GM
夢と現実のあわいを曖昧にする非現実的な炎に包まれて、
GM
語るのは月虹の彼方へと消え去った少年の話。
赤木恵夢
「標くんに、命を……」
安武 陸
「最初に師匠と会ったのは、俺がモンスターに襲われた時」
赤木恵夢
今更驚くことでもなく、噛みしめるように繰り返す。
赤木恵夢
頷いている。
安武 陸
「たまたま居合わせて、助けてくれた」
赤木恵夢
「……似てますね」
赤木恵夢
「たぶん」
安武 陸
「そうだなぁ」
安武 陸
「で、全部忘れて日常に戻るか、自己防衛のためにハンターになるかって言われてさ」
赤木恵夢
「…………」
安武 陸
「泣いて縋って弟子入りさせてもらったってわけ」
赤木恵夢
「ないてすがって」
安武 陸
「マジで泣いた」
赤木恵夢
「わぁ……」
赤木恵夢
さっきも泣いてるのは見ちゃったけど……
安武 陸
「ほら、死ぬの怖いじゃん? 必死にもなるって」
赤木恵夢
「……うん」
赤木恵夢
「そうですね」
赤木恵夢
「死ぬのは、怖いや」
赤木恵夢
背中で手を組んで、空を蹴るように歩く。
GM
虹の炎の中に、彼の人の存在を探すように視線を配りながら。
赤木恵夢
「私も、同じ感じだったら」
赤木恵夢
「やっぱり泣いて縋ってお願いしてたかも」
敷村 修也
泣いて縋ってお願いするお姉ちゃんか……
安武 陸
ぐっと来ちゃうな……
赤木恵夢
来てる
赤木 叶恵
たすかるよね
安武 陸
死にかけたところを救われた、という恵夢の話を思い出す。
赤木恵夢
「なんか、全然なんにもわかんないままだったから。私は」
赤木恵夢
「高校で会ったときも、勝手にもしかして、って思ってただけだし……」
安武 陸
「……お姉ちゃんは、死にかけた時からモンスターとか、見えてた?」
赤木恵夢
「んー……」
赤木恵夢
うーん、と首を傾げる。
赤木恵夢
「よくわからないです」
赤木恵夢
わからない、というのは、見えてはいなかったということだ。
安武 陸
「……そっか」
赤木恵夢
少なくともこの四年間、彼女は平穏に過ごしていた。
安武 陸
叶恵が守っていたのだろう、とは予想できるが。
赤木恵夢
叶恵とは違い、モンスターを見ることもなく。
赤木恵夢
なんもわかんないまま巻き込まれて助かってるから見える側には行ってなかった感じですね
赤木恵夢
叶恵ちゃんに守られていたのも確かです
安武 陸
なるほどね
赤木恵夢
生きてるだけで危険ではあるからね
赤木恵夢
この世界
赤木恵夢
最悪
安武 陸
最悪だなぁ
赤木恵夢
「……だから、たぶん」
赤木恵夢
「私は」
赤木恵夢
「恵まれていたんだと、思うん、ですけど」
赤木恵夢
「…………」
安武 陸
「師匠との接点って意味ではねぇ」
赤木恵夢
「ふぇ」
安武 陸
「まぁ、でも、やっぱりそれでよかったよ」
安武 陸
「俺は師匠に、迷惑って言葉じゃ済まないほど迷惑かけてたし」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「そう」
赤木恵夢
「そう、ですよね」
赤木恵夢
「私、カナちゃんみたいに足早くないし……」
安武 陸
恵夢を見る。 確かに運動が得意そうには見えない……。
赤木恵夢
かかえられました……
安武 陸
こんな子がハンターなったら大変だろうな……。
安武 陸
いやでも化粧とか噂話とかで戦えばいいのか?
赤木恵夢
魔法少女になるのはありかもしれない。
安武 陸
なるほどなぁ。
赤木恵夢
「……でも」
赤木恵夢
「あ、怒ってくださいね、あの、ダメなら」
赤木恵夢
「えっと」
安武 陸
「?」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「……私は」
赤木恵夢
「安武さん、うらやましい」
赤木恵夢
「です…………」
赤木恵夢
と、消え入るような声で言う。
安武 陸
「ははは」
安武 陸
「いやぁ、恋する乙女からしたらそうなっちゃうよ」
赤木恵夢
「びい」
赤木恵夢
変な音出た。
赤木 叶恵
ああんコラ!!!!!!!!!!
安武 陸
今 PC1を女でやらなくてよかったなって めちゃめちゃ思っています
GM
ワハハハ
敷村 修也
わははは
赤木 叶恵
ナンコラ!!!!!!!!!!!!
GM
叶恵ちゃんが吠えてる
GM
ちょっと遠くから見守ってるのか?
赤木 叶恵
近くにいるとうるさくなるので遠くにいたことにします
GM
オペラグラスで覗いてる
赤木恵夢
「だ、っ」
赤木恵夢
上ずる。声が。
赤木恵夢
「だって、安武さん、標くんのこといっぱい知ってるし」
赤木恵夢
「私より全然で」
赤木恵夢
「み」
赤木恵夢
「身内、だし……」
赤木恵夢
みうち……
安武 陸
「ごめんごめん、そういうつもりじゃなかったって」
赤木恵夢
「え?」
赤木恵夢
どういう?
赤木恵夢
ぐるぐる……
安武 陸
「師匠、多分彼女いないと思うよ」
赤木恵夢
「へあっ」
安武 陸
「そんな暇ないしさ、年上のお姉さんから口説かれてつっぱねた時も、そういう感じじゃなかったし」
赤木恵夢
「い」
赤木恵夢
「いるからつっぱねてたのでは……?」
安武 陸
「いや~、彼女いるなら、青少年保護育成条例!とか言って断ったりしなくない?」
赤木恵夢
「そんな断り方を!?」
安武 陸
「彼女いるんで、って言えない奴の断り方だよ」
赤木恵夢
「それは……」
赤木恵夢
そうですが……
赤木 叶恵
彼女どころか本人がいねえだろうが!期待持たせるような情報を与えるな!!!!
GM
彼女どころか本人がいない、めちゃくちゃおもしろいな
GM
事実だが
GM
本人いたらよかったんですか?
赤木 叶恵
師匠、多分いないと思うよ
GM
最悪じゃん
赤木 叶恵
よくねえ……!!!!!
GM
#2でやってきたこと全否定じゃん
赤木 叶恵
どこぞの誰かもわからん奴に姉を任せるわけには……いや結局弟なの? 弟じゃないの? 半吸血鬼なの? なんか魔法使ってたな?マジでどこぞの誰かもわからんなアイツ……
GM
思いの外わからん
敷村 修也
それはほんとうにそうなんだよな
赤木恵夢
えー……になってる。意味もなく髪を押さえている。
赤木恵夢
「……やっぱり」
赤木恵夢
「安武さんの方が、いっぱい、標くんのこと知ってます……」
安武 陸
「それは、そうだなぁ」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「……他にもっと、聞かせてもらえますか?」
赤木恵夢
「標くんのこと……」
安武 陸
「そうだなぁ、えーっと」
安武 陸
公園の入口あたりを指差す。
赤木恵夢
見る。
安武 陸
「あそこで突然血を吸われた」
赤木恵夢
「?」
安武 陸
「半吸血鬼って……血を吸うんだよ……。 いや、当たり前か」
赤木恵夢
「ま、まあ」
安武 陸
「別に普段から吸わないといけない訳じゃないけど」
赤木恵夢
「それは……そうかも……?」
赤木恵夢
「はい」
安武 陸
「なんか……モンスター達は色々と卑怯なことをしてくるので、そういうこともある」
赤木恵夢
「そういうことも……」
赤木恵夢
「……ど」
赤木恵夢
「どんな感じでした……?」
赤木恵夢
何が?
安武 陸
何が?
赤木恵夢
聞いてからん? になってる。
赤木恵夢
「あっ」
赤木恵夢
「き」
赤木恵夢
「きにしないでください」
赤木恵夢
だいじょうぶ だいじょうぶ……
安武 陸
「いや、いいけど」
赤木恵夢
「はひ……」
赤木恵夢
よくわからない距離の取り方をしている。
安武 陸
「えーっと、突然だったし、怖かったかな。 まぁ、首に噛みつかれて血を吸われるわけだから、そりゃあ怖い」
赤木恵夢
「くっ」
赤木恵夢
「くびに」
安武 陸
「あの……」
赤木恵夢
「はい……」
安武 陸
恵夢が図書委員ということを思い出している。
赤木恵夢
おもいだされている……
安武 陸
多分、おそらく、普通の人間よりは吸血鬼の知識がありそうな気がする。
安武 陸
「血を吸われてる間は、採血の激しいやつみたいな感じでした」
赤木恵夢
「採血の激しいやつ」
赤木恵夢
「採血の激しいやつ……」
赤木恵夢
「かぁ~……」
安武 陸
別に、エクスタシーとかはないので……
赤木恵夢
よくわからない感情が滲み出ています。
安武 陸
安心してくださいね……
安武 陸
という雰囲気を出している。
赤木恵夢
恥ずかしくなっています。
赤木 叶恵
姉にそういう刺激を与えるな!!!!!!!!
迷ノ宮 光葉
んふふふw
赤木恵夢
交尾とか言ってる子に言われたくないよ
安武 陸
だから明言しなかったじゃん……
赤木恵夢
「……血」
赤木恵夢
「吸われたのは」
赤木恵夢
「何回くらい……?」
安武 陸
聞いてくるな~
安武 陸
「2回……」
赤木恵夢
「にかい……」
安武 陸
「えと、興味ある……よね」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
答えはないが表情が雄弁。
安武 陸
「あの、半吸血鬼だから」
赤木恵夢
「ひゃひ……」
安武 陸
「血があると、色々できて」
赤木恵夢
うなずいている。
安武 陸
「自分の怪我を治したりできて……」
赤木恵夢
「そ」
赤木恵夢
「うなんだ」
赤木恵夢
「すごい、ですね」
安武 陸
「……俺のせいで大怪我した時に、血を吸って回復してくださいって言って」
赤木恵夢
目を瞬く。
安武 陸
なんか怪我したときの話をした方がいい気がするが……今聞かれているのは吸血の話だ。
安武 陸
「首から直接吸ってもらおうと思ったんだけど、断られて」
赤木恵夢
「ことわられて」
安武 陸
袖をめくって、腕に指で線を引く。
赤木恵夢
見ています。
安武 陸
「ここをこう、ナイフで切って」
赤木恵夢
動作を。
赤木恵夢
「はい」
安武 陸
「それを舐めてもらって」
赤木恵夢
「なめてもらって」
赤木恵夢
「なめてもらって?」
安武 陸
「回復して頂きました」
赤木恵夢
「はい」
赤木恵夢
「なめてもらって……」
赤木恵夢
「…………」
安武 陸
なんでこの話で2回も気まずい思いをすることになるんだ?
赤木恵夢
「な」
赤木恵夢
「おり、ました?」
安武 陸
「治りました……」
赤木恵夢
「そっかぁ……」
赤木恵夢
「よかった……」
赤木恵夢
よかった~。と思っています。
安武 陸
言い訳をすると逆に変な気がするので、言い訳をできずにいます。
赤木恵夢
ぱちぱちと自分の頬を叩いています。
赤木恵夢
ふーっ……と大きく息を吐きました。
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「……なんか」
赤木恵夢
「すみません……」
赤木恵夢
謝ってしまった。
安武 陸
「いえ……、こちらこそ……」
赤木恵夢
なんだろうこの空気……
赤木恵夢
私が……
安武 陸
詳しく聞くから……
赤木恵夢
悪いな…………
赤木恵夢
咳払い。
赤木恵夢
むせた。しすぎて。
安武 陸
気まずいな……
安武 陸
なんでこの話で2回も気まずい思いをすることになるんだ?(2回目)
赤木 叶恵
姉いいのか 重すぎて辛いエピソードと珍妙なエピソードばかりだぞ
安武 陸
まとめた方がいいならまとめに行きますが
安武 陸
いいのか?スケベエピソードを聞いただけではないですか?
赤木恵夢
それだけではないだろ!?
安武 陸
いや……インパクトがさ……
赤木 叶恵
命の恩人の王子様が成人男性をペロペロしてたエピソードを聞かされても前向き
敷村 修也
珍妙エピのインパクトがありすぎるんだわ
安武 陸
ただの腕ペロペロじゃなくて血をペロペロだぞ
敷村 修也
お姉ちゃんには刺激が強すぎる
赤木恵夢
お姉ちゃんをなんだと思ってるんですか?
赤木恵夢
交尾とかいう妹とは違うんですよ?
赤木恵夢
きりっ
安武 陸
なんかこの姉にしてこの妹ありっていうか……
赤木 叶恵
赤木はムッツリスケベの家系だしな……
安武 陸
ムッツリスケベの家系なんだ……
迷ノ宮 光葉
ムッツリスケベ
赤木 叶恵
てきとういいました
赤木恵夢
母への風評被害だぞ
赤木 叶恵
ほんとだよ
赤木恵夢
「……でも」
赤木恵夢
「聞かせてくれて、ありがとう、ございます」
安武 陸
なんで師匠を好きな女の子に、師匠が舐めた腕を見せているんだ? なんて思いながら袖を直す。
赤木恵夢
「嬉しいです。標くんのこと、ちょっとでも知ることができて」
安武 陸
「そう……?」
安武 陸
そう……?になってしまった。
赤木恵夢
「そうですよ!」
赤木恵夢
「私、安武さんより全然、ほんとに知らないんですからね!」
赤木恵夢
「学校での標くんがどれほどネコ被ってたことか!」
安武 陸
「それはそうかも……」
赤木恵夢
「なんか、いつも大人しそうな……弱気キャラみたいな顔して……!」
赤木恵夢
「人に話しかけられないように気配消して……!」
赤木恵夢
「そりゃ先生だって連絡忘れますよ!」
安武 陸
「そのへんはわざとだろうなぁ……」
赤木恵夢
「でしょうけど……」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「だから、そうだ」
赤木恵夢
「私、なんていうか……」
赤木恵夢
「一番、今のが素の標くんっぽいな、って思ったのが」
赤木恵夢
「あの時なんですよね」
安武 陸
「あの時っていうと?」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「私が待ち伏せて居合わせたときの」
赤木恵夢
「『お邪魔しました』って時……」
安武 陸
「そうなんだ?」
赤木恵夢
「あれ」
赤木恵夢
「誰に呼びかけたものでも、なかったような気がします」
赤木恵夢
「そういう声の張り方じゃなかった」
赤木恵夢
「どちらかと言うと」
赤木恵夢
「自分に言ってる、みたいな……」
安武 陸
「自分に……?」
赤木恵夢
「わ、わかんないんですけどね」
赤木恵夢
「私の感想、っていうか……」
赤木恵夢
「でも」
赤木恵夢
「他の人の目を意識してる感じは、しなかったから」
安武 陸
てっきり家族に向かって言ったと思い込んでいたが、誰もいない部屋に挨拶していたのかもしれない。 恵夢はおそらく、嘘は言っていないだろう。
赤木 叶恵
無人の家に言ってた感じかあ
敷村 修也
まぁ一人だと思って言ってるだろうしなぁ
敷村 修也
修也もただいまって言うし……
安武 陸
「……あの人が何を考えてるか、ずっとわかんないまんまだなぁ」
赤木恵夢
「私がいたのに気付いてちょっとびっくりしてましたからね!」
赤木恵夢
何故か胸を張って言ってから、陸の言葉に。
安武 陸
「あ、気付かれてたんだ」
赤木恵夢
「あ、ええと、後でというか」
赤木恵夢
「気付いてなかったので、後で気付いてびっくりしてたっていうか」
赤木恵夢
「え、いたの? みたいな」
安武 陸
「いや……」
安武 陸
「家の近くにまで来たってこと、バレてたの……?」
赤木恵夢
「プリント渡すついでだったので!!」
安武 陸
「そりゃ……そうかもしれないけど……」
赤木恵夢
「そうですが……?」
安武 陸
「そうだね……」
赤木恵夢
いたたまれない空気。
赤木恵夢
「……でも」
赤木恵夢
「安武さんにも、標くんの考えてることは」
赤木恵夢
「わかんないんですね」
安武 陸
今まで誰もプリント持ってこなかったのに、同じ図書委員の子が急に持ってきたりしたら、なんか、勘付いたりするんじゃないか?
安武 陸
などと思ったりしつつ。
赤木 叶恵
おのれ海野……
GM
怒り叶恵
敷村 修也
叶恵ちゃん……
赤木 叶恵
姉が頬を赤らめるたびにおのれ海野が出ます
安武 陸
「俺も全然師匠のこと知らないからさ。 学校でどうしてるかとか、世界を飛び回ってた時にどうだったかとか」
赤木恵夢
聞いている。
安武 陸
「ここ1年くらいの、ハンターで師匠の海野標以外は、なんにもわかんないよ」
赤木恵夢
「……二回も血」
赤木恵夢
「吸われてるのに……」
安武 陸
「別に血吸われたからって記憶が同期するとかないし……」
赤木恵夢
「それはそうかもですけど……」
安武 陸
もしかしてお姉ちゃん、血吸われたいのか?
赤木恵夢
「……じゃあ、私たち」
赤木恵夢
「ふたりとも、あんまり知らない同士ですね」
安武 陸
「そうだなぁ、俺も、学校の師匠の話聞けて嬉しかったし」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「その」
赤木恵夢
「色々落ち着いたら」
赤木恵夢
「また、話したりとか」
赤木恵夢
「できますか?」
安武 陸
「もちろん。 今日は駆け足だったけどさ、もっとどうでもいい話とか聞かせてよ」
安武 陸
「俺も師匠が好きなラーメンのトッピングの話とかするからさ」
赤木恵夢
「ふふ」
赤木恵夢
「いっぱい、聞かせてください」
赤木恵夢
「……楽しみです」
赤木 叶恵
海野のことで連帯感を覚えるな!!!!!!!
安武 陸
やめろやめろ ハーレムENDっぽくするな(視聴者のオタクの意見)
敷村 修也
めちゃくちゃ笑った
GM
無理でしょ
迷ノ宮 光葉
ハーレム
GM
みんなが忘れてる中で明確に覚えてる二人同士で連帯感ないの無理でしょ
敷村 修也
無理だね
赤木 叶恵
わかんないじゃん……
赤木 叶恵
PC1が同担拒否かもしれないじゃん……
安武 陸
同担とオフ会とかしちゃうよ
赤木 叶恵
は~~~~!?
赤木 叶恵
安武と姉が同時に取られた~~~~~
GM
安武 陸
うける
赤木 叶恵
もしやこれは……夢?
敷村 修也
???
GM
答えとともに。
GM
燻る虹火が静まって、
GM
虹色の噴水は、もとのただの透明な水に。
GM
完全に忘れてたので、判定してください。
安武 陸
黙っておけばよかったな
GM
支配力削ることもセットで忘れるから言い出して正解ですよ
GM
自信からです。どうぞ。
安武 陸
* 興奮剤を使用
GM
いいでしょう。興奮剤で+2、攻撃力で+2です。
安武 陸
2D6+4>=7 (判定:見る) (2D6+4>=7) > 7[3,4]+4 > 11 > 成功
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 支配力『▓▓▓』 : 3 → 2
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 耐久力 : 11 → 10
GM
このようになりました。
安武 陸
はい。
安武 陸
この会話で興奮するのか……とか思っちゃった
敷村 修也
姉がね
安武 陸
姉かぁ
赤木 叶恵
よしよし ハロウィンの魔女よりはマシな耐久力
GM
トラウマ
GM
ひとつ、ひとつ。
GM
その存在のあったことを確かめるたびに。
GM
彼女の願いによって生み出された、夢を覚ますための機構の力が弱まる。
赤木恵夢
「……あ」
赤木恵夢
公園を見上げる。
赤木恵夢
「消えました、ね」
安武 陸
「消えたなぁ」
安武 陸
話してる間ずっと、なんかマウント取ってる感じになってない?って不安だった
赤木恵夢
別にとっていいんですよ
安武 陸
俺の方が師匠のこと知っているが!?!?
安武 陸
いやだよ~~~
赤木恵夢
ずっとそう言ってるじゃん恵夢も……
赤木 叶恵
二人に気づいて手を振る。
赤木 叶恵
「消えたんだけど。そっち何かした?」
赤木恵夢
「お話」
赤木恵夢
「したよ」
赤木恵夢
とととっと叶恵の方へと駆け寄る。
赤木 叶恵
陸と姉、二人の顔を見比べる。
赤木恵夢
「?」
安武 陸
「?」
赤木恵夢
首を傾げました。
赤木 叶恵
「……なんか、仲良くなってない?」
赤木恵夢
「え~」
赤木 叶恵
ちょっと前までは、もう少し姉の表情が硬かったような。
安武 陸
「この度お付き合いすることになりました」
赤木恵夢
「えっ!?」
赤木 叶恵
「はああ!?」
赤木恵夢
「しないよ! してないよ!?」
赤木恵夢
叶恵に手を振ります。
赤木恵夢
即否定
赤木 叶恵
「はあっ、えっ、ど、どっち!」
安武 陸
「はは、うそうそ」
赤木 叶恵
「しね!!!!」すねを蹴る
安武 陸
「痛ッ!!」
赤木恵夢
「ふえぇ~」
赤木恵夢
普段なら止めるけど……
赤木恵夢
知ってるくせに……みたいな恨めしげな視線を陸に向けており、止めません。
赤木 叶恵
「こんな奴と付き合っちゃだめだよ!」
安武 陸
結構マジで蹴られたのでうずくまっている。
敷村 修也
「……安武さんがなんか苦しんでますけどどうかしたんですか?」
赤木恵夢
「だいじょうぶだよぉ」
赤木恵夢
「そんなんじゃないし……」
赤木恵夢
首を横に振っている。
迷ノ宮 光葉
なんだか賑やかになった雰囲気に微笑ましく思う。
安武 陸
「めちゃめちゃ否定されすぎて傷付く……」
赤木恵夢
「だ、って」
赤木恵夢
「だって安武さん」
赤木恵夢
「知ってるくせに……」
安武 陸
「知ってなきゃそんな冗談言わないって」
赤木恵夢
「尚更ですよお~」
赤木 叶恵
「伝わらない話!しない!」
敷村 修也
なにかまたろくでもないことを言ったのだろう、と思う。
そしてそういうことが言えるようになった安武さんに少し安心した。
安武 陸
「あのな、お姉ちゃんの好きな人が……」
赤木恵夢
「びゃあーーーーーーー」
赤木恵夢
断末魔。
赤木 叶恵
「は? は? は?」
迷ノ宮 光葉
「わたくしも、ちょっと興味があります」
赤木恵夢
「みっ」
赤木恵夢
みつはさんまで……みたいな顔。
赤木 叶恵
「だめだめ! 変なやつは許さないからね!」
赤木恵夢
「へっ、へんじゃないよ」
赤木恵夢
「へんじゃないもん……」
安武 陸
「変じゃないかぁ」 否定も肯定もしにくいな~
敷村 修也
「………」
敷村 修也
なんとも言えない。優等生は保身がうまい。コメントしない方が安全だろう
赤木恵夢
ぴえ……
赤木 叶恵
「どいつだ! ぶっとばしてやる」
赤木恵夢
「ぼ」
赤木恵夢
「暴力反対……」
安武 陸
いつか。
安武 陸
本当に叶恵が標をぶっとばせたらいいな、なんて、ちょっとだけ思って。
安武 陸
そういえば、標が元に戻って欲しいと思ったのは、初めてだと気が付いた。
安武 陸
夢で、何度もその姿を見ても。
安武 陸
標がいない世界は、自分に与えられた罰だと、ずっとそう思っていた。
安武 陸
標が何を考えていたかなんて、自分にはわからない。 わかる人間は、この場にいない。
安武 陸
でも、恵夢は標に会いたいと思っていて。 叶恵はそんな男をぶっとばしたいと思っている。
安武 陸
修也も、光葉も、ずっと、標の足跡を辿ってきた。
安武 陸
あの人がいないということは、俺とあの人だけの話じゃなくて。
安武 陸
あの人と、世界の話なんだ。
GM
では、決戦フェイズですね。