メインフェイズ第二サイクル 2
行動:迷ノ宮光葉
迷ノ宮 光葉
*狩猟をします、対象は・▓▓▓《自信》
GM
消火活動……が、行われていた気配があります。
GM
駅は今も燃えていますが、建物が全体的に粉々にされています。
GM
放水では火が消えないので、そういう形での消火が試みられていたようですね。
GM
今はアスファルトの道に、モノビーストの足跡を残すのみ。
GM
陸が貫かれて倒れ臥したその場所にも、鳥の足跡が残っている。
安武 陸
血に染まるアスファルトと、足跡を見ている。
敷村 修也
クロニック・ラヴとの激闘は記憶に新しい。
赤木恵夢
何か取り繕おうとして、そうできるほどに知ることのないことに気付く。
安武 陸
「大丈夫、だけど、ちょっと向こう見てくる」
安武 陸
言葉の通り、少し離れた所で破壊された建物を覗き込んだりしている。
安武 陸
ただ、自分の口から説明するのを避けただけ。
GM
避難が済んでいたのか、建物の下敷きになって死んでいるような人はいない。
迷ノ宮 光葉
そっと、恵夢に話しかけましょう。「駅前は……海野様と一緒に戦った、最後の場所なんです」
迷ノ宮 光葉
「陸様は一年と少し、師弟の間柄をしていたとは聞いております。けれど、わたくし達は数ヶ月前に出会ったばかりで……」
迷ノ宮 光葉
「はい、だからきっと陸様だけは決して海野様のことを忘れなかったのだと、思います」
迷ノ宮 光葉
「さっきお話した、魔法のことを覚えていますか……?」
赤木恵夢
なんか魔法とか血戒とか難しかったけど……
迷ノ宮 光葉
「海野様が決死の思いでわたくしたちを救うために魔法を使ったのも、ここなんです」
迷ノ宮 光葉
「先程お話した吸血鬼──クロニック・ラヴと出会ったのも、ここでしたね……。陸様はその時、確か海野様に助けられて……」
赤木恵夢
光葉と、修也と、叶恵と。三人を振り向いて、縋るように問いかける。
迷ノ宮 光葉
「……わたくしは、短いお付き合いでしたからそう多くは存じ上げていないかもしれません……。けれど、いつもどなたかを助けていらっしゃる印象がありました」
赤木 叶恵
「人にはあんまり甘えないよね。自力で解決するタイプって感じ。単独行動も多いし」
迷ノ宮 光葉
「……それに伴う実力も、力量もありましたね」
敷村 修也
「……自分のことはぎりぎりまで何も言わないタイプでしたね」
敷村 修也
「でも、安武さんのことは師弟っていうよりもっと……」
敷村 修也
「いや、師匠と弟子っていうよりはもっと気やすい関係だったのかなって」
安武 陸
建物の下敷きになっている人は見当たらない。少しだけほっとする。
安武 陸
ほっとしたからといって、死人が出ていることには変わりないのだが。
安武 陸
最後のあの時、運命変転魔法を発動する瞬間に立っていたあたりを。
安武 陸
特に何かが残っている訳ではない。 もちろん、標のいた証があるわけでもない。
安武 陸
誰もいないコンクリートの地面だけが映る。
安武 陸
そうして、別のところにもカメラを向ける。
安武 陸
もう会えないのは、クロニック・ラヴも同じだ。
安武 陸
やっぱり、友達になれたんじゃないか、なんて思う。
安武 陸
本当ならこの写真に、もっと人が映っていたかもしれない世界。
安武 陸
そこら中に転がる死体が、さっきまで生きていた世界。
赤木恵夢
「私の知ってる標くんと、おんなじ、かも」
赤木恵夢
「標くんおやすみ多いから、勉強大変そうならなんか手伝えるかなって思ったけど」
赤木恵夢
「古文とか苦手そうだったんだけどな……」
迷ノ宮 光葉
わりと標の強いところばかりを見てきたので、日常面を知ると感慨深くなります。
安武 陸
学校ではメガネとかかけてるらしいしな……。
安武 陸
俺的には体育会系ではなく?理系でも文系でもなく武系なんだけど……。
赤木恵夢
勝手に語っていることに忍びなさを感じてきた様子。
安武 陸
「得意科目の話とか全然しなかったから、新鮮」
赤木恵夢
「話したことある、とかっていうか、えっと」
安武 陸
「学校でクラス同じだとね。察することもあるもんね」
GM
はい。では自信による判定をどうぞ。攻撃力によるプラス修正がボーナスでつきます。
迷ノ宮 光葉
2D6+2>=6 (判定:黙る) (2D6+2>=6) > 8[3,5]+2 > 10 > 成功
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 支配力『▓▓▓』 : 4 → 3
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 耐久力 : 12 → 11
迷ノ宮 光葉
「はい……、日常の海野様も狩人としての海野様も、変わりなく、確かにそこにいらっしゃいました」
迷ノ宮 光葉
「だからこそ……彼が遺したものをむざむざと破壊させるわけには、いかないと思うのです……」
迷ノ宮 光葉
今はすっかり形を失った駅前を見回す。
迷ノ宮 光葉
「…………お姉様は、願ってしまっただけです」うまく言えず。
迷ノ宮 光葉
受け止めようとする恵夢を強い人だと思う。あのフォロワーたちのように夢だと思っていたのに。
迷ノ宮 光葉
そっと彼女の肩に手を置いて、頷いた。
赤木恵夢
寄り添う熱が、冬の冷たい空気に心強かった。
行動:ワンダー・トリップ・ラヴァー 2nd
GM
夢ではなく確かな現実を探り、夜の闇を練り歩く。
GM
0話では修也の家、1話では光葉の家、と来てついに。今は安武陸のアパートを燃やしていた。
GM
上京より生活を重ねてきたあなたの家が、虹色の炎に揺らいでいる。
安武 陸
「お知り合いっていうか、あれ、俺んち……!」
安武 陸
モノビーストの炎だと理解していても、冷静ではいられない。
安武 陸
がちゃがちゃと鍵を取り出して鍵を開ける。
GM
駆けつけてきていた他の狩人らの身にも至った。
安武 陸
炎の対処法は分かっている。 分かっているが。
海野標
この家で少なからず邂逅を重ねてきた、その姿を見る。
GM
その姿が色濃い炎に掻き消されて、見えなくなる。
GM
あたたかい熱に、これでいいのだと思ってしまう。
海野標
「ギリギリで止めて、助けてたんじゃねえか」
安武 陸
師匠がいるし、別に誰かに聞かれている訳ではないし。
安武 陸
「どうしたんすか今日は。そんなに褒められると照れるなぁ~」
海野標
「不出来な弟子が戦果あげたら褒めるくらいするっての」
安武 陸
「いやいや、子供じゃないんですからさ~」
安武 陸
そうは言うが、笑ってそのままにしている。
安武 陸
誰かに頭を撫でられたのは、何年ぶりだろうか。
GM
褒めてくれる師匠は別にえっちじゃなくない???
海野標
「普段からガキみてえにぶちぶち文句言いよってからに」
安武 陸
思考が温かく、居心地のいいほうへ流れてゆく。
海野標
「自分がそうした、自分のせいだ、ってのは」
安武 陸
結局、あの時はその言葉を飲み込めなかった。
海野標
「『大翼が死んだのは、俺のせいじゃない』」
安武 陸
言われた通りに言おうとして、唇の動きが止まる。
GM
もはやあなたの記憶の中にあるその姿が、何よりもその存在のしるしとなるのに。
海野標
師の姿は、言葉は、そのようにあなたを認める。
安武 陸
自己の認識が世界を作る。 狂人は自分の世界で生きている。
安武 陸
自分がそうだと思えば、そういう世界になる。
安武 陸
なにより、標が、師がそうしろと言っている。
GM
AST ランダム全特技表(1) >
社会(8) > だます
安武 陸
自分に原因があるのと、自分のせいだというのは、切り分けなければならない。
海野標
原因はあったかもしれない。理由にはなったかもしれない。
安武 陸
俺に原因があった、と断言できないのも分かっている。
安武 陸
なら、無意味に自分を責めたりしなくてもいいんじゃないか?
安武 陸
俺のせいでなければ、もうこんな痛みもなくなるはずだ。
迷ノ宮 光葉
2D6+2+1>=7 (判定:黙る) (2D6+2+1>=7) > 6[2,4]+2+1 > 9 > 成功
安武 陸
もうちょっと意識戻るのゴネていい……?(私利私欲)
迷ノ宮 光葉
「陸様……っ!」ぴたぴたと頬を叩く。お嬢様ビンタ再び!それでも我に返らなければ、ぱちんとひときわ強く。
安武 陸
頬を叩かれても、顔がぐらりと揺れただけで意識は戻らない。
海野標
あなたを引き留めるかいなの柔らかさの方が、なお強い。
安武 陸
「俺は……、俺は、ずっと自分が悪いって思ってて……」
安武 陸
「だって、俺のせいだって思ってしまうのは、仕方ないし……」
安武 陸
「俺も、悪意がなかったって言ったらそうじゃないし」
安武 陸
「じゃあ、俺のせいだって、やっぱ、なっちゃうよ」
安武 陸
「だから死ぬのが怖いし、死んじゃいけないし」
敷村 修也
光葉さんが頬を叩こうがうつろな安武さんは意識を取り戻す気配がない。
安武 陸
「呪い殺されるんじゃないか、みたいなバカなことを考えたりして」
安武 陸
「俺のせいなのに、そんなふうに悪く思って」
敷村 修也
「安武さん!目を覚ましてください!安武さん!」
敷村 修也
胸倉を掴むと玄関横の壁へ体ごとぶつかる。
敷村 修也
「安武さん!目を覚ましてください!全部燃えちゃうんですよ!」
敷村 修也
ぐっと振りかぶると男の子のパンチ!拳を頬に叩き込む。
敷村 修也
「あんたここまで来て楽な方を選ぶつもりかよ!」
敷村 修也
「海野に頼まれたくせに投げ出すのかよ!」
安武 陸
炎は体を焦がす。甘やかな夢の中との落差に愕然とする。
GM
虹の炎は未だ燃え盛り、狩人たちの身体を焼いている。
安武 陸
「あれだよな、なんか、夢にしたかったことを言えばいいんだよな」
安武 陸
殴られた頬が痛い。ぶつけられた体が痛い。 そして、胸が痛い。
安武 陸
「6歳歳が離れてて、生きてたら、ちょうど──」
安武 陸
「弟は、俺なんかよりずっと出来がよくて、賢いし、運動も得意だし」
安武 陸
「そりゃあ、クラスで一番最初に文字が読めるようになったり、運動会で一等賞になったりしたら、親は褒めるよな」
安武 陸
「弟ばっかり褒められて、俺は面白くなかったんだ」
敷村 修也
兄弟姉妹がいるものにしかわからない苦悩。
安武 陸
「だから、俺は、弟にあんまり優しい兄ちゃんじゃなかった」
安武 陸
「……立ち入り禁止だったけど、別に柵があるとかじゃないから」
安武 陸
炎は弱まったものの、いまだ仲間達を覆っている。
安武 陸
この話は誰にもしていない。 大学でできた友人にも、ハンターの知人にも、標にも。
安武 陸
「溜め池ってさ、落ちたら、上がるの難しいんだよ」
安武 陸
「俺は溜め池に釣りをしに行ってた。 弟は、勝手についてきた」
安武 陸
「俺の帽子がさ、風に飛ばされて、池に落ちたんだ」
安武 陸
「取ってこい、って、言ったんだよ、弟に」
安武 陸
「その時俺はまだ11歳で、田舎の人間だから、ケータイなんかも持たされてなくて」
安武 陸
「近くの家まで、急いでも20分くらいで」
安武 陸
「俺は、助けを呼びに行ったほうがいいのか、自分が助けたほうがいいのか」
GM
陸が抱え込んでいるものは、それだけではないから。
安武 陸
もしかして……まだ犯人がわかっていない……あれ!?
GM
4人燃えてる以上はここまでじゃ済まされないんよ
赤木 叶恵
「こ、殺そうとか、傷つけようとか、そういう気持ちがあったわけじゃないじゃん……」
赤木恵夢
顔色の悪いまま、叶恵の言葉に頷いている。
安武 陸
「皆そう言ったよ。 陸のせいじゃないって」
安武 陸
「修也くん、ありがとう。 楽な方を選ぶなって言ってくれて」
敷村 修也
知らなかった。だからこそ言えたことでもある。
安武 陸
「クイーン・オー・ランタンと戦った時に、言われたんだ」
敷村 修也
安武さんが何を言っているのかわからない。心当たりがない。
安武 陸
「誰か一人、仲間を刺せば見逃してくれるって」
安武 陸
「我が身かわいさに、俺は、きみにナイフを突き立てたんだ」
敷村 修也
安武さんの言葉とあの時の痛みがぐるぐると頭の中を巡る。
安武 陸
「謝って許されることじゃないけど、ごめん」
GM
その事実が陸の言葉が真実であることを証明していた。
安武 陸
「自首しろって言うなら自首するし、殴りたいなら殴っていい。 金はあんまり持ってないけど、できることはなんでもするよ」
GM
炎は掻き消えて、あなたを撫ぜる手も遠く失せた。
敷村 修也
どういう表情をすればいいかわからない。
何より消えた炎がその言葉の真実を示していた。
GM
あなたは敷村修也を救ったのではなかったし、その功績を褒められることもなかった。
GM
けれど、敷村修也を刺したこと、それを明かさず黙っていたこと。
安武 陸
俺はずっと、何一つ褒められることなんてしていない。
敷村 修也
「………俺は、安武さんのしたことはハンターとして恥ずかしいことだと思います」
敷村 修也
「……俺は、幻を見せられて海野を攻撃しようとしました」
敷村 修也
「その時海野を攻撃しないで済んだのは、安武さんや、叶恵さんや、光葉さんが近くにいて気付いてくれたからです」
安武 陸
それは、そうだけど。 それは、自分のためで。
敷村 修也
「でも、安武さんがクイーン・オー・ランタンにそんなことをされてるなんて気付くこともできなかった」
敷村 修也
「あのハロウィンの夜を経験して、ハンターの世界のことを知って。一人で戦うことの難しさを知っているつもりです」
敷村 修也
「だから、自分を責めないでください。俺は生きてて、自分で選んでここに居ます」
安武 陸
自分を責めるなと言われて、そうだよね、なんて思えない。
赤木 叶恵
「なんで敷村さんは、幻覚で間違えさせられるのと、裏切って仲間を攻撃するのを同列に語るの?」
赤木 叶恵
「あんたは、ビビりで。どうしようもないやつで」
赤木 叶恵
「人を見殺しにするぐらいは、まあ、あるかもと思ったよ」
赤木 叶恵
「自分から……仲間を傷つけるようなやつだとは思わなかった……」
赤木 叶恵
「安武は……強い敵に言われたら、あたしの事も……刺すの……?」
安武 陸
「それくらいの人間なら、俺は傷付けるよ」
赤木 叶恵
「わかんなくなった。だからちゃんと言って」
安武 陸
「俺はさ、ビビりで、どうしようもないやつだよ」
赤木 叶恵
自分もきっとそうだ。他の何かと天秤にかけて、始めて共闘するハンターを刺せと言われれば……。
赤木 叶恵
そして、今、同じようにハンターを刺せと言われれば、また違う答えが出るのだろう。
赤木 叶恵
今、はっきりと自覚した。この4人のハンターの集まりに、自分は強い仲間意識を抱いている。
赤木 叶恵
だから、こんな話を聞いて、嫌な気持ちになったんだ。
赤木 叶恵
「やだったから敷村さん以外にもちゃんとゴメンナサイしろ!」
敷村 修也
黙ってうなずく。
叶恵さんが必要なことは言ってくれた気がした。
安武 陸
もっと責めてくれていいのに、と思うが、それは自分が楽になりたいだけの気持ちだ。
迷ノ宮 光葉
「いえ……、こんなときに、わたくし少し変なのですけど……」
迷ノ宮 光葉
「陸様がご自分の罪を認めて告白したことも、修也様が許されたことも、叶恵様が自分の言葉で怒ったことも……全部、嬉しいのです」
安武 陸
「上っ面だけの付き合いじゃなくなった、ってことだろ」
安武 陸
「俺は、自分を信用できない。 信じないほうがいいと思う」
安武 陸
そんなことは無理だ、と、冷静な自分が告げている。
安武 陸
誰も傷付かないように、手を伸ばし続けたいと思っている。
[ 安武 陸 ] テンション : 10 → 13
[ 迷ノ宮 光葉 ] テンション : 15 → 20
[ 迷ノ宮 光葉 ] 激情 : 1 → 2
行動:安武陸
GM
>街の至る所が燃えている。病院 学校 マンション 公園 駅。
GM
絵本なんですが、陸の家に置いていったことにしていいですか?
GM
あまり人が通りがからない場所にあるので、密かに静かに虹の炎が揺れている。
安武 陸
* 噴水がきれいですが、陸の狩人の骨と、光葉ちゃんの興奮剤を交換します
GM
血に濁ったあの夜に比べたら、穏やかさすら感じる光景だった。
安武 陸
公園。 元々は自分の家ではなく、ここに向かう途中だった。
安武 陸
「この公園、よく師匠とトレーニングに来たんだ」
赤木恵夢
陸の家に絵本を置かせてもらって、今は手ぶら。
安武 陸
あの夜死体で溢れていた噴水は、鮮やかな色に染まっている。
安武 陸
映えるな、と思ったが、写真を撮る気にはならない。
赤木恵夢
「筋トレしたりとか、走ったり、とか……?」
赤木恵夢
「標くん、体育出なかったからなぁ……」もとより男女分かれてるけど……
安武 陸
「病弱キャラならな、体育出られないだろうな」
安武 陸
「師匠、ああ見えて俺より足早いし、俺より力強いんだよ」
赤木恵夢
カナちゃんと並んだらカナちゃんすごいちんまりだし……
安武 陸
「腕相撲で勝てたことないどころか、惜しいってとこまでいけたことない」
安武 陸
「フィジカルだけじゃなくてさ、師匠は本当に強かったんだ」
安武 陸
「経験積んでるから判断も正確だし、血戒も使えるし、モンスターの知識もある。ついでに人脈もあるんだから、本当に欠点らしい欠点がなかった」
赤木恵夢
「標くんが強くてかっこいいの、なんだか嬉しそうに語りますね」
安武 陸
「そりゃあそうでしょ。 身内がすごいと嬉しいよ」
安武 陸
噴水が水を噴き上げるが、虹の炎はお構いなしに燃えている。
安武 陸
「……俺は、師匠にずっと、命を助けてもらってたんだ」
GM
夢と現実のあわいを曖昧にする非現実的な炎に包まれて、
安武 陸
「最初に師匠と会ったのは、俺がモンスターに襲われた時」
赤木恵夢
今更驚くことでもなく、噛みしめるように繰り返す。
安武 陸
「で、全部忘れて日常に戻るか、自己防衛のためにハンターになるかって言われてさ」
安武 陸
「泣いて縋って弟子入りさせてもらったってわけ」
安武 陸
「ほら、死ぬの怖いじゃん? 必死にもなるって」
GM
虹の炎の中に、彼の人の存在を探すように視線を配りながら。
赤木恵夢
「やっぱり泣いて縋ってお願いしてたかも」
敷村 修也
泣いて縋ってお願いするお姉ちゃんか……
安武 陸
死にかけたところを救われた、という恵夢の話を思い出す。
赤木恵夢
「なんか、全然なんにもわかんないままだったから。私は」
赤木恵夢
「高校で会ったときも、勝手にもしかして、って思ってただけだし……」
安武 陸
「……お姉ちゃんは、死にかけた時からモンスターとか、見えてた?」
赤木恵夢
わからない、というのは、見えてはいなかったということだ。
赤木恵夢
少なくともこの四年間、彼女は平穏に過ごしていた。
安武 陸
叶恵が守っていたのだろう、とは予想できるが。
赤木恵夢
叶恵とは違い、モンスターを見ることもなく。
赤木恵夢
なんもわかんないまま巻き込まれて助かってるから見える側には行ってなかった感じですね
赤木恵夢
「恵まれていたんだと、思うん、ですけど」
安武 陸
「まぁ、でも、やっぱりそれでよかったよ」
安武 陸
「俺は師匠に、迷惑って言葉じゃ済まないほど迷惑かけてたし」
赤木恵夢
「私、カナちゃんみたいに足早くないし……」
安武 陸
恵夢を見る。 確かに運動が得意そうには見えない……。
安武 陸
こんな子がハンターなったら大変だろうな……。
安武 陸
いやでも化粧とか噂話とかで戦えばいいのか?
赤木恵夢
「あ、怒ってくださいね、あの、ダメなら」
安武 陸
「いやぁ、恋する乙女からしたらそうなっちゃうよ」
安武 陸
今 PC1を女でやらなくてよかったなって めちゃめちゃ思っています
赤木 叶恵
近くにいるとうるさくなるので遠くにいたことにします
赤木恵夢
「だって、安武さん、標くんのこといっぱい知ってるし」
安武 陸
「ごめんごめん、そういうつもりじゃなかったって」
安武 陸
「そんな暇ないしさ、年上のお姉さんから口説かれてつっぱねた時も、そういう感じじゃなかったし」
安武 陸
「いや~、彼女いるなら、青少年保護育成条例!とか言って断ったりしなくない?」
安武 陸
「彼女いるんで、って言えない奴の断り方だよ」
赤木 叶恵
彼女どころか本人がいねえだろうが!期待持たせるような情報を与えるな!!!!
GM
彼女どころか本人がいない、めちゃくちゃおもしろいな
赤木 叶恵
どこぞの誰かもわからん奴に姉を任せるわけには……いや結局弟なの? 弟じゃないの? 半吸血鬼なの? なんか魔法使ってたな?マジでどこぞの誰かもわからんなアイツ……
赤木恵夢
えー……になってる。意味もなく髪を押さえている。
赤木恵夢
「安武さんの方が、いっぱい、標くんのこと知ってます……」
赤木恵夢
「……他にもっと、聞かせてもらえますか?」
安武 陸
「半吸血鬼って……血を吸うんだよ……。 いや、当たり前か」
安武 陸
「別に普段から吸わないといけない訳じゃないけど」
安武 陸
「なんか……モンスター達は色々と卑怯なことをしてくるので、そういうこともある」
安武 陸
「えーっと、突然だったし、怖かったかな。 まぁ、首に噛みつかれて血を吸われるわけだから、そりゃあ怖い」
安武 陸
恵夢が図書委員ということを思い出している。
安武 陸
多分、おそらく、普通の人間よりは吸血鬼の知識がありそうな気がする。
安武 陸
「血を吸われてる間は、採血の激しいやつみたいな感じでした」
赤木 叶恵
姉にそういう刺激を与えるな!!!!!!!!
安武 陸
「……俺のせいで大怪我した時に、血を吸って回復してくださいって言って」
安武 陸
なんか怪我したときの話をした方がいい気がするが……今聞かれているのは吸血の話だ。
安武 陸
「首から直接吸ってもらおうと思ったんだけど、断られて」
安武 陸
なんでこの話で2回も気まずい思いをすることになるんだ?
安武 陸
言い訳をすると逆に変な気がするので、言い訳をできずにいます。
安武 陸
なんでこの話で2回も気まずい思いをすることになるんだ?(2回目)
赤木 叶恵
姉いいのか 重すぎて辛いエピソードと珍妙なエピソードばかりだぞ
安武 陸
いいのか?スケベエピソードを聞いただけではないですか?
赤木 叶恵
命の恩人の王子様が成人男性をペロペロしてたエピソードを聞かされても前向き
敷村 修也
珍妙エピのインパクトがありすぎるんだわ
安武 陸
ただの腕ペロペロじゃなくて血をペロペロだぞ
安武 陸
なんかこの姉にしてこの妹ありっていうか……
赤木恵夢
「聞かせてくれて、ありがとう、ございます」
安武 陸
なんで師匠を好きな女の子に、師匠が舐めた腕を見せているんだ? なんて思いながら袖を直す。
赤木恵夢
「嬉しいです。標くんのこと、ちょっとでも知ることができて」
赤木恵夢
「私、安武さんより全然、ほんとに知らないんですからね!」
赤木恵夢
「学校での標くんがどれほどネコ被ってたことか!」
赤木恵夢
「なんか、いつも大人しそうな……弱気キャラみたいな顔して……!」
赤木恵夢
「人に話しかけられないように気配消して……!」
赤木恵夢
「一番、今のが素の標くんっぽいな、って思ったのが」
赤木恵夢
「誰に呼びかけたものでも、なかったような気がします」
赤木恵夢
「他の人の目を意識してる感じは、しなかったから」
安武 陸
てっきり家族に向かって言ったと思い込んでいたが、誰もいない部屋に挨拶していたのかもしれない。 恵夢はおそらく、嘘は言っていないだろう。
敷村 修也
まぁ一人だと思って言ってるだろうしなぁ
安武 陸
「……あの人が何を考えてるか、ずっとわかんないまんまだなぁ」
赤木恵夢
「私がいたのに気付いてちょっとびっくりしてましたからね!」
赤木恵夢
何故か胸を張って言ってから、陸の言葉に。
赤木恵夢
「気付いてなかったので、後で気付いてびっくりしてたっていうか」
安武 陸
「家の近くにまで来たってこと、バレてたの……?」
赤木恵夢
「安武さんにも、標くんの考えてることは」
安武 陸
今まで誰もプリント持ってこなかったのに、同じ図書委員の子が急に持ってきたりしたら、なんか、勘付いたりするんじゃないか?
赤木 叶恵
姉が頬を赤らめるたびにおのれ海野が出ます
安武 陸
「俺も全然師匠のこと知らないからさ。 学校でどうしてるかとか、世界を飛び回ってた時にどうだったかとか」
安武 陸
「ここ1年くらいの、ハンターで師匠の海野標以外は、なんにもわかんないよ」
安武 陸
「別に血吸われたからって記憶が同期するとかないし……」
安武 陸
もしかしてお姉ちゃん、血吸われたいのか?
赤木恵夢
「ふたりとも、あんまり知らない同士ですね」
安武 陸
「そうだなぁ、俺も、学校の師匠の話聞けて嬉しかったし」
安武 陸
「もちろん。 今日は駆け足だったけどさ、もっとどうでもいい話とか聞かせてよ」
安武 陸
「俺も師匠が好きなラーメンのトッピングの話とかするからさ」
赤木 叶恵
海野のことで連帯感を覚えるな!!!!!!!
安武 陸
やめろやめろ ハーレムENDっぽくするな(視聴者のオタクの意見)
GM
みんなが忘れてる中で明確に覚えてる二人同士で連帯感ないの無理でしょ
赤木 叶恵
PC1が同担拒否かもしれないじゃん……
GM
支配力削ることもセットで忘れるから言い出して正解ですよ
GM
いいでしょう。興奮剤で+2、攻撃力で+2です。
安武 陸
2D6+4>=7 (判定:見る) (2D6+4>=7) > 7[3,4]+4 > 11 > 成功
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 支配力『▓▓▓』 : 3 → 2
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 耐久力 : 11 → 10
安武 陸
この会話で興奮するのか……とか思っちゃった
赤木 叶恵
よしよし ハロウィンの魔女よりはマシな耐久力
GM
彼女の願いによって生み出された、夢を覚ますための機構の力が弱まる。
安武 陸
話してる間ずっと、なんかマウント取ってる感じになってない?って不安だった
赤木 叶恵
ちょっと前までは、もう少し姉の表情が硬かったような。
安武 陸
「この度お付き合いすることになりました」
赤木恵夢
知ってるくせに……みたいな恨めしげな視線を陸に向けており、止めません。
安武 陸
結構マジで蹴られたのでうずくまっている。
敷村 修也
「……安武さんがなんか苦しんでますけどどうかしたんですか?」
迷ノ宮 光葉
なんだか賑やかになった雰囲気に微笑ましく思う。
安武 陸
「めちゃめちゃ否定されすぎて傷付く……」
敷村 修也
なにかまたろくでもないことを言ったのだろう、と思う。
そしてそういうことが言えるようになった安武さんに少し安心した。
迷ノ宮 光葉
「わたくしも、ちょっと興味があります」
赤木 叶恵
「だめだめ! 変なやつは許さないからね!」
安武 陸
「変じゃないかぁ」 否定も肯定もしにくいな~
敷村 修也
なんとも言えない。優等生は保身がうまい。コメントしない方が安全だろう。
安武 陸
本当に叶恵が標をぶっとばせたらいいな、なんて、ちょっとだけ思って。
安武 陸
そういえば、標が元に戻って欲しいと思ったのは、初めてだと気が付いた。
安武 陸
標がいない世界は、自分に与えられた罰だと、ずっとそう思っていた。
安武 陸
標が何を考えていたかなんて、自分にはわからない。 わかる人間は、この場にいない。
安武 陸
でも、恵夢は標に会いたいと思っていて。 叶恵はそんな男をぶっとばしたいと思っている。
安武 陸
修也も、光葉も、ずっと、標の足跡を辿ってきた。
安武 陸
あの人がいないということは、俺とあの人だけの話じゃなくて。