メインフェイズ第一サイクル 2

行動:ワンダー・トリップ・ラヴァー 2nd

GM
ST シーン表(8) > 打ち捨てられた廃墟。荒れ果てた景色に心も荒む。
GM
たいへんなことになってるじゃん
GM
街の各所が虹色に揺らめいている。
GM
それはワンダー・トリップ・ラヴァーが放った炎だ。
GM
この現実を夢と規定し、焼き尽くすことでそれを確かなものとする虹の炎。
GM
その炎をモノビーストの手がかりとして、狩人たちは足を向ける。
GM
その途中、揺らめく虹の炎が、あるアパートの一室に灯されているのを見つけた。
GM
光葉は知っている。
GM
そのアパートは狩人御用達のいわゆる闇病院で、
GM
六分儀大附属病院の出火により、迷ノ宮御影が搬送された先でもあった。
GM
あの病院とは違う。
GM
出火は特定の一部屋だけ。少なくとも、今は。
GM
だがその事実が逆にあなたの心を不吉にざわめかせる。
迷ノ宮 光葉
皆で連れ立って歩いている最中、その一室に気づくと「少し、失礼します!」と言って慌てて部屋の近くへ移動します。
GM
二階の一室ですね。
GM
上がらないと誰がいるかは分からない。ましてや真夜中、部屋に電気も灯っておらず。
安武 陸
「え、ちょ、光葉ちゃん?」
突然駆け出した光葉に困惑する。
赤木恵夢
「あそこ……」
赤木 叶恵
「ねえ、ちょっとまさかあそこ……!」
敷村 修也
「安武さん!あれ!」
敷村 修也
お姉ちゃんおるんね
赤木恵夢
置いてかれてないならいます
赤木恵夢
置いていきたかったら置いていってね
敷村 修也
お姉ちゃんどうする?
GM
少なくとも今は置いてけないんじゃないかな……
GM
わたわたついてきますよ
敷村 修也
まぁ分割するのも嫌だな
安武 陸
まぁそれはそうだな できれば待ってて欲しいけど、待っててって言う余裕もない気がするな
GM
おねえちゃんには足があるのであるけるぞ
安武 陸
足があるので歩けるユニットだなぁ
赤木 叶恵
おねえちゃんの足を酷使しよう
GM
えーん
赤木 叶恵
翌日立てないレベルの筋肉痛にしてやる
GM
えーんえーん
迷ノ宮 光葉
階段が無事なら二階へ駆け上がります。中に誰かいるか確認しようと。
GM
無事ですね。
安武 陸
見上げる。一部屋だけから炎が上がっている。
GM
ただ、その部屋には鍵がかかっています。当然のことながら。
安武 陸
遅れて、光葉の後を追う。
迷ノ宮 光葉
「鍵が……」がちゃがちゃとノブを回したり扉を叩いたりします。
GM
玄関の側からはなんの変哲もないように見える。
GM
そこまで火が回っていないのか。
GM
しかし、その部屋に虹色の炎が灯っていることを、あなたたちは確かに確認している。
敷村 修也
「どいてください!」
敷村 修也
追いつきながら槍を収納したバットケースを振り上げ、ドアノブに叩きつける。
GM
けたたましい音と共に、扉が破壊される。
安武 陸
「修也くん、やるなぁ~」
GM
槍という名のマスターキーを!?
敷村 修也
出さねぇよ!?
赤木 叶恵
バキャア
敷村 修也
取り出すのは流石にね
GM
破壊の時点でさすがだが
敷村 修也
緊急避難!
安武 陸
現代日本のドア、かなり頑丈だと思うので、かなり思いっきりいったんだろうな……
敷村 修也
アパートとのことなので木製ドアだと想定してやりました
GM
若いな~
GM
開かれた部屋は闇に沈んでいる。一見普通の家族用アパート。
GM
ただし、沈んだ闇の奥に、
GM
揺らめく虹色の炎の気配。
赤木恵夢
肩で息をしながら到着し、ひゃあ……になってます。破壊されたドアを前に。
赤木恵夢
一般人なので、狩人の常識にビビる。え? 入っていいの?
安武 陸
入ります。
迷ノ宮 光葉
修也に礼を述べる間も惜しいというように、中に入り、誰かいないか探しましょう。
安武 陸
土足のまま上がる。
GM
騒音にざわつく気配。
GM
目覚めてきた人がいる。看護師らしい男が。
GM
「んだよあんたら、いきな……うわっ」
GM
「なんだこれ!?」
GM
ようやっと炎に気づいたように目を剥く男と、
GM
奥の部屋を揺らめく虹の陽炎と。
迷ノ宮 光葉
「ここは危険です!すぐ外に出て避難を……」そういいつつ、奥へと進みます。
GM
「あー、あーあー」男はOKOK、と頭を抱えてスマホを出します。連絡。
安武 陸
見えてたり見えてなかったりするのかな
GM
見えてますね 今気づいた
赤木 叶恵
火は見えてニワトリは見えない
GM
闇病院の人だから見えるんじゃないかな
赤木 叶恵
えらい!
GM
そして光葉が辿り着いたその奥には、
GM
ベッド。医療機器。バイタルサインばかりが呑気に平常を示し。
迷ノ宮御影
眠る迷ノ宮御影の姿が、部屋ごとに虹の炎に包まれている。
GM
部屋に飛び込んだ光葉をも、その炎は受け入れる。包み込む。
迷ノ宮 光葉
「お兄様っ……!」
迷ノ宮御影
眠る兄は応えない。
迷ノ宮御影
当然だ。この男があなたに語りかけてくれたのは、あの血色の夜が最後。
迷ノ宮御影
あなたの名を呼んだのも。
迷ノ宮御影
あなたに触れて、その身の下にあなたの身を組み敷いて。
迷ノ宮御影
あなたに語りかけたのも、すべて、あの夜が最後の出来事。
GM
虹色の炎があなたの身を焼く。不思議と熱は感じない。
GM
ただ微睡の中にあるような心地良さ。
迷ノ宮 光葉
不思議と熱を感じない不気味さに、とにかく兄を避難させようと抱えようとする。一人で無理なら、誰かに声をかけ手伝ってもらうつもりで。
迷ノ宮御影
兄の身体に触れた瞬間、
GM
虹の中に、記憶が蘇る。
GM
あの夜の記憶が。
『埋み火』迷ノ宮御影
あなたに触れる兄の記憶が。
『埋み火』迷ノ宮御影
あなたの感じた兄の熱が。
『埋み火』迷ノ宮御影
あなたを、
『埋み火』迷ノ宮御影
あなたの願いを叶えた兄の感触が。
『埋み火』迷ノ宮御影
あの夜。あの迷ノ宮の屋敷で。
『埋み火』迷ノ宮御影
あなたの希うままに。
『埋み火』迷ノ宮御影
迷ノ宮御影は、あなたを抱いた。
『埋み火』迷ノ宮御影
触れる掌の皮膚は硬く、思いの外体温は高かった。
『埋み火』迷ノ宮御影
そして壊れものを扱うように、
『埋み火』迷ノ宮御影
大切にあなたの肌に触れた。
『埋み火』迷ノ宮御影
線をなぞり。たどって。
『埋み火』迷ノ宮御影
やわらかな蕾をほころばすように愛を注いだ。
『埋み火』迷ノ宮御影
注いで、くれた。
安武 陸
抱いた!?!?
迷ノ宮 光葉
抱いたの?!
安武 陸
体温は高かった!?!?!?!?
迷ノ宮 光葉
都合のいい夢見させられている感じかな…
安武 陸
壊れものを扱うように!?!?!?!?
敷村 修也
あー……どうなんだろうな
安武 陸
凡百の女と同じようにって言ったのに!!!!!!
迷ノ宮 光葉
あわわわわ・・・はずかしい・・・
安武 陸
愛を注いだ!!!!!!!!!!!!!!!
GM
虹色の炎の中に、その現実を見る。
GM
あなたの願う、あなたにとっての現実を見る。
迷ノ宮 光葉
違う……、そんな現実は起こってない。拒絶したはずだ。なのに炎の中に起こっているのはそうなってしまった過去か。
GM
その炎の熱は甘美だった。
GM
あなたの願い。あなたの記憶の中で。
GM
兄は最後には、あなたの手を取ってくれた。
GM
モンスターの側に立つことをやめ。
GM
ハンターとしてあなたの手を取り、あなたを背に戦い、
GM
――そして、誰よりも立派に討ち死んだ。
GM
都合のいい現実。夢物語。
GM
けれど、それが、この炎の中では。
GM
夢と現実のあわいを焼き焦がす、この虹色の炎の中では。
GM
*迷ノ宮光葉の幸福『背徳:迷ノ宮御影』を破壊します。
GM
えー。
GM
3→1で、光葉ちゃんがこれを現実と思い込みます。
GM
1→0で、マジで過去がこうなります。
安武 陸
なるほどね
敷村 修也
わぁ……
GM
3→1で止まった場合、修復チャンスはありません。
敷村 修也
わぁ………
GM
ないよ。
GM
壊れないと修復判定、できないよ。
安武 陸
なるほどな~
敷村 修也
そりゃ……そう!
安武 陸
これちょっと妨害するべきか難しくてよくわかんないな……
赤木 叶恵
(これ阻止するのォ……?という顔)
迷ノ宮 光葉
やだよー妨害してよー
迷ノ宮 光葉
はれんちなおんなのこになりたくないよー
敷村 修也
思い込みを正すチャンスがないのおっそろしいな
GM
ありませーん。
GM
削れただけの幸福には修復判定が発生しませーん。
赤木 叶恵
これに伴って
赤木 叶恵
耐久力も2減るんだっけか
GM
うん。
敷村 修也
だってこれ現実のお兄様が意識なく生きてることと記憶が矛盾するってことじゃん
GM
記憶は矛盾しますね。
赤木 叶恵
困るなぁ~そういうのは
安武 陸
たいへんだ~
敷村 修也
めちゃくちゃ精神衛生に良くない
GM
0にしちゃえばいいんじゃない?(笑)
迷ノ宮 光葉
やだよ~~~~
迷ノ宮 光葉
思い込む…あの、今言うべきことじゃないけど
迷ノ宮 光葉
処女のまま、お兄様に抱かれたという思い込み?!
GM
そうなるます。
安武 陸
わはははは
敷村 修也
わぁ
赤木 叶恵
そうなるますなあ
GM
生だってよ よかったね
敷村 修也
そうなるのなあ
安武 陸
まぁ悠長にゴム付けるかとはならんわな
迷ノ宮 光葉
む、むなしーーーーー!!!
GM
まあ生でしてもらったと思い込む処女になりますね
敷村 修也
流石にここで言うのははばかられることを考えてしまった
GM
0になったら生でしてもらったことになりますよ
赤木 叶恵
でも死ぬじゃん!!!!
GM
ん~でもいまもしんでるようなもんじゃない?
安武 陸
いっかい0にしてもいいのでは?(たぶん妨害したほうがいいよね)
迷ノ宮 光葉
しんじゃやだし、そんな、妄想を、抱えて、生きていたくはないよ…
赤木 叶恵
してないけど生きるか、生でして死ぬかの最悪二卓これなに?
敷村 修也
光葉ちゃんの中では死んだはずのお兄様が意識なく生きてるの、すごいいろいろ考えてしまう
GM
してないけど生きるか、生でして死ぬか、生でしたと思い込む光葉ちゃんが生まれるかの三択ですよ
迷ノ宮 光葉
妨害を…お願いします……
赤木 叶恵
ちょうど今の我々と同じ状況ですからね(記憶の中の人間の挙動が世界と矛盾している)
GM
夢を見るのは自由だから生でしたと思い込む光葉ちゃんが爆誕するくらいいいだろ
安武 陸
叶恵ちゃんどうする? 入りにくかったら陸でもいいよ
安武 陸
私は爆誕してもいいと思いますが……
赤木 叶恵
せっかくだから入るか妨害
敷村 修也
ちょっとどころじゃなく光葉ちゃんの精神衛生によくなさすぎるんよ
GM
じゃあ表で宣言してもろて……
迷ノ宮 光葉
そんな破廉恥はできないよ…かなえちゃんにも顔向けできないよ…
安武 陸
私は光葉ちゃんが破廉恥お嬢様になってしまったら嬉しくはあるが……
赤木 叶恵
*妨害
GM
AST ランダム全特技表(6) > 環境(10) > 逃げる
GM
待ってね
GM
うわっ 隣持ってる 悲しいよ……
GM
判定をどうぞ。
赤木 叶恵
*興奮剤を使用
赤木 叶恵
2D6+2>=6 (判定:這う) (2D6+2>=6) > 9[3,6]+2 > 11 > 成功
GM
高いが~~~!?
『兄として』卯田清史
では、犯罪者のお時間です。
『兄として』卯田清史
-3をつけて振り直してください。
安武 陸
あっ!!やっぱりいたか犯罪者!!
敷村 修也
いるんかい!!!
赤木 叶恵
しかもお前!!!!!
安武 陸
お前さ~~~~!!!!!
赤木 叶恵
その犯罪者はお前お前お前!!!!
赤木 叶恵
ふ、振りたくねえ~~~~~~~ッ
迷ノ宮 光葉
なにがなんでも処女の思い込み女にさせてくるーーーーーこわいよーーーー
『兄として』卯田清史
振り直せ!
赤木 叶恵
いやだーーーーっ クソクソクソ
『兄として』卯田清史
モノビーストが犯罪者持ち込んでないワケないだろ!!!
安武 陸
なんか卯田兄がセックスさせようとしてるみたいに見えて面白いな
赤木 叶恵
2D6+2>=6 (判定:這う) (2D6+2>=6) > 7[3,4]+2 > 9 > 成功
GM
成功ですね。
GM
俺悔しいよ。
赤木 叶恵
しかたないので成功しておいた
安武 陸
よ~~~~~~しよしよしよしよし
迷ノ宮 光葉
うおーありがとう・・・泣いてしまう…
安武 陸
そんなに……
安武 陸
妨害しなくていいんじゃあ……とか言ってごめんねという気持ちになっています
GM
妨害ですが
GM
とりあえず光葉ちゃんを我に返してください。
赤木 叶恵
しんぷる
GM
それだけじゃないけどね。
GM
とりあえずね。
GM
揺らめく虹の炎が光葉を包み込む。
GM
夢うつつに彼女を巻き込んで、
GM
彼らをその”向こう側”へと連れて行こうとする。
GM
先程の恵夢を見ていた、叶恵の目にはそれが分かる。
赤木 叶恵
ちっ、と舌打ち。部屋の中に足を踏み入れる。一番部屋の奥にいて、一番ぼんやりとした様子の光葉の元へ。
赤木 叶恵
「起きろ!」
赤木 叶恵
ごつ、と鈍い音。光葉の頭へと拳を振り下ろした音。
迷ノ宮 光葉
「うっ……」振り下ろされた拳で思わず頭を痛みに抱える。
赤木 叶恵
「起きろ!」
赤木 叶恵
もう一発振り下ろそうとする。
迷ノ宮 光葉
「ご、ごめんなさい…大丈夫、です……!おきてます……っ」慌てて身をすくませる。
赤木 叶恵
手が止まる。
赤木 叶恵
「大丈夫? 状況わかる?」
迷ノ宮 光葉
「は、はい……ごめんなさい。兄が自分を抱く光景。おそろしい……光景が見えて……
GM
光葉が叶恵に答えると同時に、部屋を包み込む虹の炎が晴れる。
GM
しかし。
GM
その中で変わらず虹の炎は、
迷ノ宮御影
横たわる迷ノ宮御影の姿を揺らめかせていた。
赤木恵夢
騒々しくなってきた表から逃れるように、恵夢がおろおろと部屋へと逃げ込んでくる。
赤木 叶恵
やはりそうか。姉が取り戻したような、悪夢のような記憶か、それとも何か身の毛もよだつような出来事か。さぞ禍々しいものを見たに違いない。
赤木恵夢
虹の炎が御影を包んでいる様子を認め、ひゃっと息を呑んだ。
赤木 叶恵
「御影さんを連れて出よう」
安武 陸
「そうは言っても、この火をどうにかしないと……」
GM
炎は揺れている。今も。
迷ノ宮御影
迷ノ宮御影の存在を焼いている。
GM
光葉には分かる。
GM
この炎は、あなたの願いから発され、そして現実の御影を焼くもので。
GM
御影を連れ出してもどうにもならない。
GM
この炎を消すためには、
GM
あの夜、本当にあった出来事を、他の人間と共有する他ない。
敷村 修也
「無理に飛び込むわけにも……」
GM
奇しくも。
安武 陸
「部屋が鎮火したのはなんだったんだ? 何かと連動してるのか……?」
GM
安武陸が、自分の師匠とのことを語ったように。
GM
赤木恵夢が、標との想い出を話したように。
GM
あなたは兄との出来事を、
GM
あなたにとっての現実を、
GM
あなたにとっての兄が、どのような存在であったのかを。
GM
他人に共有することで、それを確かなものとするしかない。
迷ノ宮 光葉
ぎょえ……
迷ノ宮 光葉
ぎょえぎょえ…
安武 陸
たいへんだよ~~~~
赤木 叶恵
処刑タイムだ
敷村 修也
やだーーーーーっ!!!!!!!
安武 陸
たいへんだよ~~~~
GM
これからが妨害タイムの本番ってワケ!
GM
早く話さないと消えちゃうなー あーあーあー
GM
お兄様が消えちゃうなー
安武 陸
「どっちにしても、早くなんとかしないと燃えてしまう」
迷ノ宮 光葉
「お、お兄様の……火を消すには……」
GM
虹の炎は踊る。燻るように。
敷村 修也
「何か方法があるんですか!?」
GM
その存在を今も夢の向こうへと焼き尽くそうと。
安武 陸
「光葉ちゃん、分かるのか?」
赤木恵夢
はわわ……
迷ノ宮 光葉
うろたえる。あの夜のことを認め、現実にしなければ兄は燃え尽きてしまう。けれどすぐに話せるほど、軽い内容でもない……。
赤木 叶恵
「どうしたの。 続けて! 早く!」
GM
迷う間にも、虹の炎が揺れる。
GM
記憶の隅が焼き焦げるような感覚に襲われる。
安武 陸
「時間が惜しい、何でもいい、教えてくれ!」
迷ノ宮 光葉
「わ、わたくしは……光葉は……」
敷村 修也
我に返ったこと言うんですけどPC達ノリノリやな……
安武 陸
ふふ
GM
悪意のない羞恥プレイ。いーえ! いーえ! って取り囲んでる
GM
手拍子
安武 陸
人が燃えてるんですよ!!
迷ノ宮 光葉
ペンギンの取り囲んでいる画像みたい
安武 陸
御影の姿は炎に包まれている。 人間が焼死するのには時間がかかるものだが、火傷はそうではない。
安武 陸
体の何割を火傷したら人は死ぬんだっけか。
安武 陸
火傷で済めばいい。 どう火が回っているかわからない以上、体の一部が炭化してしまう可能性もある。
GM
何よりこの虹の炎は、不気味に過ぎる。
GM
何が起きているか分からない。何を引き起こすか分からない。
安武 陸
水で消せないことは知っている。
GM
現実に物理法則に反した、奇妙な炎。
迷ノ宮 光葉
「……あの夜、お兄様がクロニック・ラヴ側について、わたくしに会いに来た夜……」
安武 陸
「……?」
安武 陸
光葉の口から出た予想外の言葉に、瞬き。
赤木恵夢
「???」
安武 陸
あの日はたしか、御影さんが光葉ちゃんと部屋にいて……。
迷ノ宮 光葉
「いえ……いえ……それ以前から、わたくしは、光葉は……」
敷村 修也
「……?」
敷村 修也
「光葉さん、急に何を……」
赤木 叶恵
これは……耳を傾けるべきか?
それとも、もう一発殴るべきか?
安武 陸
この話がどう炎に関係があるのか。いや、先程部屋の火が消えた時、何があった?
安武 陸
「……この炎、精神的なものに影響されるのか」
赤木恵夢
「え」
赤木恵夢
「あ……」
赤木恵夢
視線を向ける。御影へと。揺らめく虹へと。
迷ノ宮御影
炎に包まれ、眠る兄は語らない。現実を言葉で確かにする力を持たない。
迷ノ宮 光葉
「この虹色の炎を、消すためには本当にあったことを認める、夢と過つ炎を……現実で正しく認識するしかない、と思うんです……」
赤木 叶恵
耳を傾けよう。
敷村 修也
光葉の言葉に息をのむ。
安武 陸
「……何があったんだ?」
迷ノ宮 光葉
「わたくしは……、以前からお兄様をお慕いしていました。家族以上に……」
安武 陸
「家族、以上」
迷ノ宮 光葉
「だから、あの夜、お兄様はわたくしの気持ちを知って、…………叶えてくださろうとしたのです」
赤木恵夢
え? え? になっている。
赤木恵夢
これきいていいやつ……?
安武 陸
叶えて、って……。
安武 陸
部屋で?
赤木 叶恵
空気を読まない切り込み隊長。もうちょっとわかりやすく
安武 陸
そうだね
赤木恵夢
叶恵ちゃん!
安武 陸
そうだねになっちゃった
安武 陸
にこにこするな
敷村 修也
ごめん笑っちゃった
迷ノ宮 光葉
叶恵ちゃんw
赤木恵夢
わかりづらいもんね
安武 陸
「いや……」 言わせていいのか? 聞いていいのか?
GM
炎は変わらず揺らめいている。まだ足りないとばかりに。
GM
その過去はまだ、現実として定められるほどには、語られていない。
敷村 修也
光葉の言葉に、あの日のあの部屋のことを思い出している。
迷ノ宮 光葉
「でも、でも……!わたくしは、光葉は、結局、お兄様を拒絶してしまった……。ひとりの、女としては、いられなかった……。それは、許されるべきでは、ないから……!」
安武 陸
「…………」
安武 陸
え、そういうこと?
赤木恵夢
ひゃあ……
赤木恵夢
わからないなりに察して口を押さえている。
安武 陸
叶恵の方を見る。 理解できてる?
赤木 叶恵
「えー……? えーっと……」
安武 陸
だめそうだな……
GM
炎が光葉を急き立てる。
GM
いまだ足りぬと知らしめるように。
赤木 叶恵
うーん。
敷村 修也
「あー……」
GM
揺らめく幻像があなたの感情を煽り立て、
GM
塞き止める理性をも焼き尽くそうと。
迷ノ宮 光葉
「ごめんなさい……雑談タブが沸きに沸いた。光葉は、ひとりの女として、お兄様を愛しています……今も、変わりなく……」
赤木 叶恵
「んー……」
赤木 叶恵
言い方!!!やっぱこれ交尾の話だよね?
赤木恵夢
「カナちゃん!!」
赤木恵夢
咎めるように声を張る。
安武 陸
「叶恵ちゃん!?」
赤木 叶恵
「だって……必要な確認でしょって……」
敷村 修也
「いや……」
敷村 修也
表現が
赤木恵夢
「確認しなくてもそうだよ! わかって!」
赤木恵夢
なるべく声を抑えてこしょこしょと叶恵に耳打ちしてます。
赤木恵夢
あんまり抑えられてない。
迷ノ宮 光葉
ほんとうにかわいそう。顔を覆ってしまいます。いたたまれない。
安武 陸
「言い方が……言い方がさ、ほら、光葉ちゃん女の子なんだから……」
赤木 叶恵
「なんていうの?」
赤木恵夢
「なんて……」
赤木 叶恵
「じゃあ何ていえばいいのさ。言い方」
赤木恵夢
「……こ」
赤木恵夢
「恋の話」
赤木恵夢
「とか……」
赤木恵夢
かな……? って視線が彷徨った。
赤木 叶恵
「遠まわしにするから燃えたままなんじゃん!」
安武 陸
「セックスとか、えっちとか、抱くとか、寝るとか……」
赤木恵夢
ぴゃ~~~~~。
赤木恵夢
陸の言葉に耳をふさぎます。
安武 陸
いや……、これマシか? そうでもないか?
敷村 修也
真っ当な突っ込み。………直接的な表現が重要な場面なんですか……?
安武 陸
「まぁ細かいところはいいか、そういう話……で間違ってないよね?」
光葉の方を見る。なんだこの確認。
赤木恵夢
耳を押さえた手を下ろして恐る恐るに光葉を見る。
迷ノ宮 光葉
頷く。泣きそう。
敷村 修也
「その、光葉さんが御影さんに、家族としての愛情じゃなく男女としての……」

心苦しい。
安武 陸
「それで、御影さんが、えー、セックスしてくれようとしたけど、断ったと」
赤木 叶恵
ちらりと火を見る。
GM
揺らめき。ちらつく。
GM
少しずつ火勢の収まる気配はある。
安武 陸
マジで鎮火しつつある……
敷村 修也
収まる気配はあるのに収まらないのか……
赤木恵夢
「あ、の」
赤木恵夢
「あのあのっ」
赤木恵夢
勇気を出したように声を振り絞る。光葉へと。
赤木恵夢
「み、……光葉、さん」
赤木恵夢
で、いいですか? とばかりに首を傾ぐ。
迷ノ宮 光葉
頷く。
赤木恵夢
「その」
赤木恵夢
「……そ、の」
赤木恵夢
「光葉さんにとっては、お兄さんは」
赤木恵夢
「どういう存在、だったん、でしょう……?」
赤木恵夢
「その、なんていうか」
赤木恵夢
「そういう、だ、男性として、想う」
赤木恵夢
「それが、……それだけ、だったのかな、って」
赤木恵夢
「全部ひっくるめて、どういう存在だったのかな」
赤木恵夢
「って……」
赤木恵夢
ちらりと、揺らめく虹の炎と御影の姿を見た。
迷ノ宮 光葉
「……わたくしにとってのお兄様……」
GM
あなたの。あなたにとっての、迷ノ宮御影という存在。
GM
今ここにいる兄。現実の存在。
迷ノ宮 光葉
「……兄と言うには、遠い間柄、だったように思います」
赤木恵夢
「…………」
迷ノ宮 光葉
「一緒に暮らすこともなく、遠ざけられていて、兄について詳しいことを知らなくて」
安武 陸
歳が離れているとは思ったが、一緒に暮らしてすらいなかったのか。
安武 陸
それでは、家族という意識が薄くなるのも仕方がないかもしれない。
敷村 修也
産まれながらのハンターの家ということを思い出している。
産まれた時から狩人の世界。
迷ノ宮 光葉
「復讐心で生きる兄、迷ノ宮家として狩人の務めを果たす兄に、罪悪感があったのは……本当のところです」
迷ノ宮 光葉
「そしてそんな兄の遠い姿に、都合の良い男性像を重ねてしまった……」
迷ノ宮 光葉
「守られて生きるのは辛かったけれど、同時に心地よくもありました」
赤木恵夢
眉を寄せる。
赤木恵夢
「……でも」
赤木恵夢
「好き……なんです、よね」
迷ノ宮 光葉
「はい……好きです。浅ましくも、光葉は、お兄様の何を知っているわけでもないのに、自分を守ってくれる存在として、だからこそ好いてしまいました……」
安武 陸
これ……、こういう方法しか鎮火できないの、最悪では……?
GM
最悪だぞ
迷ノ宮 光葉
りっくんw
敷村 修也
最悪だと思う
GM
吐き出すように答えるとともに、
GM
虹の炎が掻き消える。
安武 陸
マジで消えた。
迷ノ宮御影
後には変わらず、横たわる兄の姿。
赤木 叶恵
「あっ、消えた」
迷ノ宮御影
静かなまま。眠るままに。
敷村 修也
消えた……
赤木恵夢
「……あ」
迷ノ宮御影
そこに存在する。
迷ノ宮 光葉
鎮火したのを見て取ると緊張の糸が切れたようにへなへなと兄のそばに座り込む。
迷ノ宮御影
あなたの愛する、あなたがあの夜一時を共にした、
迷ノ宮御影
あなたの願いを叶えることのなかった兄のままに。
迷ノ宮 光葉
周りの人間に現実を知らしめることでしか、炎を消し去ることが出来ない。
迷ノ宮 光葉
自分は、全てをさらけ出してしまった。それでも、それでもまだ兄に触れていていいのだろうか。
迷ノ宮御影
兄は答えない。今は消え失せた虹色の炎も、なんら答えを齎してはくれない。
赤木 叶恵
聞いて、反芻して、首を傾げる。薄々感づいていた事ではあるのに、実感があまり伴わない。
赤木 叶恵
火が消えて、横たわる御影を見る。
迷ノ宮御影
眠っている。眠る師はあなたにも応えはしない。
赤木 叶恵
自分が抱えているこの気持ちは……恋心、とは違うと思う。大事に思う気持ちも、憧れる気持ちも認められたい気持ちもあるけど、抱かれたいと考えていたわけではない。
赤木 叶恵
だからといって、この人と光葉さんがくっついてしまうのも……なんだかモヤっとする。そもそも当事者たちが恐らくそれを望んでいないのだろうけれど。
赤木 叶恵
「(セックスだとか……えっちだとか……抱くだとか寝るだとか……)」
赤木 叶恵
「(大人の言葉っぽくてやだな。サラっと言った。安武のくせに)」
GM
ギャッハハ
安武 陸
わはははは
GM
嬉しい!
GM
助かる~!
迷ノ宮 光葉
……???????
迷ノ宮 光葉
これ、りっくん?りっくん?
敷村 修也
わはははは
安武 陸
なんすか???
GM
安武は大人なんだぞ
[ 赤木 叶恵 ] テンション : 12 → 17
GM
今の妨害で光葉→叶恵が2になりましたね。関係。

行動:敷村修也

敷村 修也
*調達を宣言します
赤木 叶恵
*援護
GM
はーい。どうしようか。
GM
とりあえず、先程の看護師の人がほうぼうに連絡をつけて入院患者を移送する……
GM
みたいな話になりかけたところで炎が消え、オイオイ……になりました。
GM
曙光騎士団にドアの修繕費請求していい? された。
敷村 修也
仕方なし
GM
曙光騎士団には金がある。
安武 陸
後ろ盾があるとこういう時便利だな~
GM
というわけで、曙光騎士団のオフィスでやや休憩しつつ調達しますか。
GM
ドタバタ続きだったし。
敷村 修也
それがよさそうですね
GM
とはいえ曙光騎士団もかなりバタついてます。
GM
いろんなところで狩りが起きてるからね。
敷村 修也
クラブとどっこいだろうな……
GM
どこもかしこもどってんばったんよ。
GM
ばたつく人々の中に、
松井正幸
「あ? 修也じゃねーか」
松井正幸
松井の姿もあったりする。
敷村 修也
「あ、松井さん」
松井正幸
隠居気味というか、普段はあまり狩りに出ない方だけど、隠居した狩人を引っ張り出さなきゃならないほどにモンスターの出現が増えている。最近は駆り出されるようになったみたいですね。
松井正幸
ちらと他のハンターたちも見回します。
松井正幸
「聞いてるぞ、お前ら《ワンダー・トリップ・ラヴァー》の方だろ」
松井正幸
槍を担いでハンターたちを斜めに見る。
安武 陸
聞いてるんだ
GM
聞いてることにしちゃう。曙光騎士団は人が多いし。
敷村 修也
修也も報告をあげてるでしょう
赤木 叶恵
「? だれ?」
安武 陸
松井に対して面識がある相手ではないが、修也の師として標が紹介したことは知っている。
敷村 修也
「この人は松井さん。曙光騎士団で俺にいろいろ教えてくれてる人」
敷村 修也
海野に紹介された、とは言わなかった。
松井正幸
「若いのだけで集まって大変だな~」
松井正幸
「ま、気張ってこい。俺は《ヘカトンケイル》の方だ」
松井正幸
松井に声かけて休憩ついでに調達する感じでいいんじゃないですか。
敷村 修也
「はい、ちょっと補給にと思って。事務所つかってもいいですか?」
松井正幸
「あー、勝手に使え使え。今日は事務も引っ張りだこでよ、適当に記帳しときゃいいだろ」
赤木 叶恵
「ヘカトンの方ってどんな感じなの?」
松井正幸
「腕がめっちゃ生えてる熊」
赤木 叶恵
「きもい」
敷村 修也
「うわぁ……」
松井正幸
「モノビーストだからなァ。俺は嫌なんだが……」
松井正幸
しゃあねえや、と肩を竦める。
迷ノ宮 光葉
「熊……ですか」
安武 陸
熊と戦うの、嫌だな……
安武 陸
人間は熊に勝てるようにできていない……
松井正幸
今あなたがたが戦ってるのも5メートルある鶏ですが……
安武 陸
5メートルある鶏と戦いたい訳ではないが……
安武 陸
10cmくらいのひよことかと戦いたい。
GM
それはそれで気がとがめそう。
敷村 修也
「こっちはでかい鶏ですよ。火吹きますけど」
松井正幸
「あの炎ヤバそうだよな」
松井正幸
「気をつけろよ~」
敷村 修也
「松井さんも気を付けて」
松井正幸
「おうともよ」
松井正幸
「んじゃ、良い狩りを」
赤木 叶恵
「うっす」
敷村 修也
「はい、ではまた」
安武 陸
「どうも」
赤木 叶恵
「そっちはウチも──あ、D7──も一緒してたよね確か。 頑張れー」
松井正幸
適当に手を振って出ていきます。
松井正幸
「おー。挨拶しとくわー」
赤木恵夢
隅っこであわついてます。
赤木恵夢
実はいた……
敷村 修也
そう、居るのである。
赤木恵夢
います……
GM
一段落したところで、とりあえず判定だけしますか。
GM
調達の。
敷村 修也
はい
GM
えーと、内容をおうかがいしましょうか。
敷村 修也
指定アイテムは
狩人の骨が5つ、勝利の護符が2つ
GM
それだけだと2D6-7>=5ですね
敷村 修也
はい、判定に興奮剤を使用します。
GM
OK。叶恵の援護も添えて合計で+4ですね。
GM
判定をどうぞ。
敷村 修也
2d6-3>=5 (2D6-3>=5) > 3[1,2]-3 > 0 > 失敗
安武 陸
あっあっ
GM
安全策とってよかったねえ!
迷ノ宮 光葉
あーっ
赤木 叶恵
ぶねえーーーーー
敷村 修也
今日の判断冴えてるわ
赤木 叶恵
ピッタシ
敷村 修也
*激情 この1は6!
GM
はい。成功ですね。
[ 赤木 叶恵 ] テンション : 17 → 20
[ 赤木 叶恵 ] 激情 : 1 → 2
[ 敷村 修也 ] 激情 : 1 → 0
GM
こうですね。では狩人の骨5つと勝利の護符2つを獲得。
GM
どう分配されましょうか。
敷村 修也
勝利の護符を陸と叶恵に。
狩人の骨を各位1つずつ。
あまりの骨1つはとりあえず陸に。
GM
陸:刀剣 ナイフ 興奮剤 勝利の護符 狩人の骨 狩人の骨
叶恵:注射器 勝利の護符 狩人の骨
修也:槍 鎮静剤 興奮剤 狩人の骨
光葉:人形 人形 人形 興奮剤 興奮剤 狩人の骨
GM
こうなりますね。
GM
では物資を適当に見繕いつつ、事務室でなんかあの……
GM
多分金があり、設備が整っている。曙光騎士団にはちょっとしたドリンクバー的設備があると思うんで……
敷村 修也
そうですね
GM
そういうのを頂いて一息。
赤木恵夢
ついてます。椅子に腰掛けて。
赤木恵夢
ふえ……
敷村 修也
備品帳簿はすでにぎっしりと埋まっていた。
相当な出入りがあったことがよくわかる。
GM
色んなものが持ち出されまくってますね。
赤木恵夢
ミルクティーをホットで頂いてほう……になっている。
敷村 修也
「必要なものとってきますからそれまで休んでてください」
赤木恵夢
「……あ、う」
赤木恵夢
「うん」
赤木恵夢
「あり、がと……」
赤木恵夢
すす……
赤木 叶恵
「設備いいな。 ずるくない? 曙光騎士団」
赤木恵夢
紙コップを手に小さくなってる。
敷村 修也
「拠点置いてるから起きるトラブルも多いらしいですよ」
赤木恵夢
きしだんなんだ……
赤木恵夢
きしだん……?
敷村 修也
「何かあった時に持ち出さないといけないものが多かったりとか、直接襲撃うけることもあるらしいですし」
赤木恵夢
たいへんなせかいのはなしだな……
敷村 修也
あまり聞かせたくない話だな、と思う。
もうどうにもならないことだけど。
赤木恵夢
落ち着かない様子でしばらく紙コップを回したり覗き込んだりしていたが……
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「……あ」
赤木恵夢
「あのー……」
赤木恵夢
ものすごく言いづらそうに声をあげた。
赤木 叶恵
「何? コップにごみ入ってた?」
赤木恵夢
「そんなんじゃないよお」
敷村 修也
「ぬるかったですか?」
赤木恵夢
「そ、そうでもなくて……」
赤木恵夢
なんかめちゃめちゃ心配されてる。え? 私なんか文句つけるように思われてる?
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「……ちょ」
赤木恵夢
「ちょっと、気付いちゃったかも、のこと」
赤木恵夢
「あるん」
赤木恵夢
「です、けど……」
赤木恵夢
どんどん声が小さくなり、背中が丸くなっていきます。
赤木 叶恵
「なあに」
赤木恵夢
「…………」ちらちらと狩人たちを見回す。
赤木 叶恵
「?」熱いホットミルクをごくごく飲んでいる。
敷村 修也
手をとめて恵夢の方を見る。
安武 陸
「気のせいでもいいから、言ってもらえると助かるな」
安武 陸
修也が運んできた備品をバッグにしまって、チャックを閉める。
赤木恵夢
「は、い」
赤木恵夢
「……あの」
赤木恵夢
「えーと……」
赤木恵夢
「あの、ええと、にわとり? なん、ですけど」
赤木恵夢
「…………」
安武 陸
コーヒーで冷えた指先を温める。 温めるだけ。
そのまま、次の言葉を待つ。
敷村 修也
「うん、にわとりとしか言いようがないね」
赤木恵夢
「……あれ」
赤木恵夢
「私の、せい」
赤木恵夢
「かも…………」
赤木恵夢
ぎゅ、と
赤木恵夢
指先が紙コップを握りしめた。
赤木 叶恵
「どゆこと?」
安武 陸
「え?」
赤木恵夢
消え入るような声。
迷ノ宮 光葉
「……?」
敷村 修也
「?」
赤木恵夢
「あっ、あの、あのね」
赤木恵夢
「この前ね、えっと、金曜のバイト帰りかな……」
赤木恵夢
「私、その」
赤木恵夢
「ねがっ」
赤木恵夢
「ちゃっ」
赤木恵夢
「て……」
赤木恵夢
しおしお……
赤木 叶恵
「なにを」
安武 陸
「……なにに?」
敷村 修也
安武さんと叶恵さんの圧が強く見えそうだな、などと思っている。
赤木恵夢
「……何に、かは、よく覚えてないんです。夜遅くに、たまたま出会って……」
赤木恵夢
「ただ、願いを聞かせてくれって」
赤木恵夢
「それを叶えようって、そう言われて……」
安武 陸
うっ オエッ エアアッ
安武 陸
ヘギョギョ
安武 陸
オギョギョギョ
敷村 修也
ねじ切れちゃった
安武 陸
嫌な予感に支配されている。願いを、聞かせてくれって言ってくる……、よく覚えてない相手……
赤木恵夢
「それで、私」
赤木恵夢
「『この夢を覚まして』って」
赤木恵夢
「そう願ったんです」
赤木恵夢
「……本当なら、その」
赤木恵夢
「標くんにまた、会いたかった、けど」
赤木恵夢
「私、そのときは名前も思い出せなかったから……」
赤木恵夢
小さくなっている。
安武 陸
バカ!!!!!!!!!!!
安武 陸
恵夢ちゃんを責める気はないんですが、バカ!!!!!!!!と思うことは許して頂きたい
赤木恵夢
えーん
安武 陸
ばかばかばか!!!!!!
赤木恵夢
ばかなあねです
安武 陸
えーんえーん
敷村 修也
「………」
安武 陸
「……無理もないよ」
安武 陸
「願いを言っただけでどうにかなるなんて、思う訳ないし」
赤木恵夢
「さ」
赤木恵夢
「さっきの、その」
赤木恵夢
「光葉さんのお兄さんの、とか」
赤木恵夢
「そういうの、見てて」
赤木恵夢
「似てるな? っていうか、その、願いとか、夢とか、そういうのが」
赤木恵夢
「全部繋がる感じ、して、だから」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「やっぱり」
赤木恵夢
「あれ、私のせい、ですよね……?」
赤木恵夢
さっき恵夢が光葉ちゃんに助け舟を出したのは
赤木恵夢
女心分かる人間が他にいなさすぎたのもありますけど、このあたりも関わってますね。
迷ノ宮 光葉
なるほど……
赤木恵夢
なんとなく、こういうのが大事なんじゃないかな? というのがわかった。
赤木 叶恵
「んん~…………」頭をひねる。
赤木恵夢
しょぼしょぼ……
赤木 叶恵
「わっかんない。 どう思うみんな?」
安武 陸
「そんなの関係ないって、とは言いにくいな……」
敷村 修也
「一人で、何も知らない状態で出会ったらどうしようもないと思います」
迷ノ宮 光葉
「……願うこと自体は悪いことではない、と思います。叶えようとすると、また違いますけど……」
赤木恵夢
うう……
敷村 修也
「……あいつらはそういうところに付け込んでくるから」
赤木恵夢
「……あいつら?」
敷村 修也
「あー……魔女とか、そういうやつら。俺も海野やみんなに助けてもらったから」
赤木恵夢
「魔女とか……」
赤木恵夢
「私が会ったのも、その、魔女? だったってこと……?」
赤木恵夢
「じゃあ、噂になっているっていうのも……」
安武 陸
「噂?」
赤木恵夢
「さっき、千奈美ちゃんに聞いたんです」
赤木恵夢
「私が願ったって話をしたら、聞いたことあるって」
赤木恵夢
「学校とかで噂になってるらしいんです。
 そういう、願いを叶えてくれる人がいるんだって」
赤木恵夢
「私が会ったのも、きっとそうだ、って……」
赤木 叶恵
「……それが、つまり、そういう事なら……」
赤木 叶恵
「そいつがわるいからそいつをボコす。にわとりの後に」
赤木恵夢
ぱち、とまばたき。
安武 陸
「そうなるなぁ」
敷村 修也
「ろくでもないな……」
赤木恵夢
「ね」
赤木恵夢
「願い、叶えてくれるなら」
赤木恵夢
「悪い人じゃ、ない……」
赤木恵夢
かも……
赤木恵夢
どんどん小声になっている。
安武 陸
別に俺たちがボコさなくてもいいとは思うが……どっちにしても誰かがボコさないといけないからな……
安武 陸
「いや~、お姉ちゃん。 あの願いの叶え方で悪い人じゃないは通らないよ……」
敷村 修也
「…………」
赤木恵夢
「それは……」
赤木恵夢
かなり、そう……
安武 陸
「人も死んでるし……」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
頷いた。
迷ノ宮 光葉
例えば兄に抱かれたいだとか。何もかも無差別に叶えていい願いというわけでも、無いと思います。叶え方にも道理があるように」
敷村 修也
ゾンビ状態で蘇らされたり、家を燃やされたり。願いの叶え方がズレてることもあるし……
赤木 叶恵
「説得力あるなあ」
赤木恵夢
背を丸めて頷いている。小さく。控えめに。
赤木恵夢
「あっ」
赤木恵夢
「そうだ」
赤木恵夢
「さっき、忘れてたんだけど」
わたわたとスマホを出します。画面をタップしている。
赤木恵夢
「千奈美ちゃんの配ってたチラシの画像」
赤木恵夢
「表の方、しか、見せてなかったなって……」
敷村 修也
「えっ、裏面もあるの」
赤木恵夢
頷く。狩人たちに差し出した。
赤木 叶恵
「どれどれ……」
GM
人探しのビラの裏側。彼女らの失踪した詳細と、連絡先。
GM
空韻風香は五年前に。
その際両親が殺されており、彼女だけが攫われたのだと当時は思われていた。
GM
結凪は四年前。こちらは家族ごとの行方不明。
旅行先にて、詳細不明。荷物はそのまま残されていた。
GM
そういった内容の記述。
敷村 修也
でっけぇ事件だな……
安武 陸
殺されてるんだ
安武 陸
たいへんだな……
GM
普通なら家族が探すからね
GM
娘いなくなったら
赤木 叶恵
「ふーん……」
赤木 叶恵
目を細める。
赤木恵夢
「……な、んか」
赤木恵夢
「わかること、ある……?」
赤木 叶恵
「5年前の12月に……両親が殺された……」
赤木 叶恵
「聞いたことあるな、この話」
安武 陸
「…………」
家族が死んでいたんだな、と思う。
敷村 修也
「……ひなちゃん。……灰葉陽の両親も」
敷村 修也
「5年前に殺されてる」
赤木恵夢
「灰葉」
赤木恵夢
「あ、標くんの……」
赤木恵夢
「え? あれ?」
赤木恵夢
でも一人っ子だって……
安武 陸
「なんか、いちいち記憶がいじられてるっぽいよな」
赤木恵夢
「ふぇ」
安武 陸
「その願いを叶えてくれるマンも、よく覚えてないみたいだし」
GM
魔女にとって認識障害は割とお手の物ですからね。
GM
血戒も魔法も割と物理法則に反した外法ですが、魔法はかなりレベルが違う。
GM
人間の認識や記憶をすり替える、常識を塗り替える、なんて技は魔法の得意分野です。
敷村 修也
「……実は、俺の記憶と実際に残ってた記録に食い違いがあるんだ」
赤木恵夢
「……う、ん」
赤木恵夢
座り直す。おずおずと修也に膝を向ける。
敷村 修也
「俺の記憶では、灰葉陽には弟がいた。でも、光葉さんが持ってた記録には灰葉家には弟なんていなかった」
敷村 修也
「でもおれは海野を見た時、ひなちゃんの弟だって思いだしたんだ。思い出したって言うより、そう思ったって言うほうが正しいかもしれないけど」
赤木恵夢
相槌を打ちながら聞いている。
敷村 修也
「……でも、安武さんが持ってる写真に写ってた海野には、俺は見覚えがなかった」
赤木恵夢
「えっと……」
赤木恵夢
「さっきの?」
赤木恵夢
ちらりと陸を見る。
敷村 修也
「うん」
安武 陸
ペンダントを出して、渡す。
GM
空白。
GM
そこにいたはずの、今はない姿。
赤木恵夢
見ている。
安武 陸
「俺が見た限りでは、普通に昔の師匠に見えたんだけどな」
赤木恵夢
「……標くんが」
赤木恵夢
「いなくなったのと、ちょっと」
赤木恵夢
「似てる……?」
敷村 修也
「……うん」
赤木恵夢
「標くんがいなくなって、学校の名簿からもなくなって……」
赤木恵夢
「その、修也くんが覚えてる」
赤木恵夢
「陽さんの弟の、標くんも……」
敷村 修也
「俺の記憶には残ってて、でも記録には残ってない」
赤木恵夢
修也を見る。
赤木恵夢
「……知り合い、だった?」
赤木恵夢
「昔の標くんと……」
赤木恵夢
「敷村くんは」
敷村 修也
「………」
赤木恵夢
「?」
安武 陸
ちら、と修也の顔を伺う。
敷村 修也
「あんまり、自信が持てない。多分きっと、そうだったんだと思う」
敷村 修也
「同じ学年だし、小学校も一緒だったはずだ。ひなちゃんの話にも出てきた」
赤木恵夢
「……うん」
敷村 修也
「……でも、俺はハロウィンの日に海野に言われるまで思い出せなかった」
敷村 修也
「同じクラスにいても思い出せないくらいだったのか、何か操作されてるのかはわからないけど……」
赤木恵夢
「……標くんの、方は」
赤木恵夢
「最初から修也くんのこと、わかってたと、思うよ」
敷村 修也
「………。どうだろうな。同じクラスでも思い出せないような……」
敷村 修也
自虐的な口ぶり。
安武 陸
おっ 自虐的な修也くんだ レアだぞ
赤木恵夢
SSR修也くん
赤木恵夢
「これは」
赤木恵夢
「私も今、思い出した感じだから、あれ、なんだけど……」
赤木恵夢
「標くんが学校であんなに気にしてるふうだったの」
赤木恵夢
「修也くんだけ、だったし……」
敷村 修也
「……え?」
安武 陸
そうなんだ……
赤木恵夢
「なんか、あるのかな? って」
赤木恵夢
「おもってた……」
赤木 叶恵
「海野さんの方だけ覚えてたって事ね」
赤木恵夢
「たっ、たぶん」
赤木恵夢
「たぶんね……?」
安武 陸
「…………」
赤木 叶恵
「いや、それはさあ……」
赤木 叶恵
口を開いて、止まる。
赤木恵夢
「?」
赤木 叶恵
「…………」
赤木 叶恵
言いにくそうに目を伏せる。
赤木恵夢
「な、なに?」
赤木恵夢
「カナちゃん? なにがどういうことかな?」
赤木 叶恵
「えっ、いや……。その……」
赤木恵夢
早口になってきた。
赤木恵夢
「中途半端に止めるのよくないよ? 怖いから言って?」
赤木 叶恵
姉の方をちらりと見る。
赤木 叶恵
「だ、だから……えっと……」
赤木 叶恵
「……海野さんはさ」
赤木恵夢
「う、うん」
赤木 叶恵
「あたし達の目の前で一度、アレを……例の運命なんちゃらを……使って見せたわけじゃん」
赤木恵夢
「うんめいなんちゃら」
赤木恵夢
ちょっと拍子抜けしたような声。
赤木 叶恵
「で、消えたじゃん」
赤木 叶恵
「多分それが原因で居なくなったわけなんだから……ほら。その……つまり……」
赤木 叶恵
「…………以前にも、一度使ってるわけで。……さ……。ね?」
安武 陸
「運命変転魔法『クロニック・ラヴ』」
敷村 修也
「………」
赤木恵夢
「…………」
迷ノ宮 光葉
「…………」
安武 陸
「恵夢ちゃんは師匠に、命を助けてもらったことがある」
赤木恵夢
「あ……」
安武 陸
「……師匠がその魔法を使ったお陰で、俺は死なずに済んだんだ」
安武 陸
「でも、皆の記憶から海野標が消えて、本人の存在すらなかったことになりかけてる」
赤木恵夢
「…………」
敷村 修也
「………だから記憶と記録がかみ合わない、か」
赤木恵夢
「私が……」
赤木恵夢
「助けてもらった」
赤木恵夢
「から……?」
安武 陸
「かもね」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
俯く。
敷村 修也
「でもそれじゃあ……」
敷村 修也
「…………なんで、ひなちゃんが死んだときや、両親が死んだときには使わなかったんだ………?」
敷村 修也
まるでひどい言い方だな、と思う。
赤木恵夢
僅かに顔を上げた。修也を見る。
赤木 叶恵
「使えなかったんじゃない? 大がかりな準備が必要みたいだし」
迷ノ宮 光葉
「……わたくしも、そう思います。何らかの理由で使えなかったのではないかと」
安武 陸
「準備かぁ。もしかしたら、前にも大量の死体がなかったことにされてたのかもなぁ」
敷村 修也
「……それは、確かにそうかもしれないですね」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「……あのー」
赤木恵夢
小さく手を挙げた。こわごわ。
赤木恵夢
「これは質問なんですが……」
赤木 叶恵
「……はい」
赤木恵夢
「はい」
赤木恵夢
「……その、魔法、って」
赤木恵夢
「皆さん使えるの……?」
赤木 叶恵
「やりかた知らない」
敷村 修也
首を振る
迷ノ宮 光葉
「いいえ」
安武 陸
「使えたら嬉しいなぁ」
赤木 叶恵
「ばか」
赤木恵夢
「あれ」
赤木恵夢
「みんな当たり前に言ってるから、使えるのかなって思った……」
赤木恵夢
「え?」
赤木恵夢
「じゃあ、標くんだけ?」
赤木 叶恵
「今のところ確定はそこだけ。あとたぶん、空韻風香もかな」
赤木恵夢
「なんか普通に話してるけど、条件とかってあるの……?」
安武 陸
「空韻風香っていうか、クロニック・ラヴは血戒って言ってたかも」
赤木恵夢
「けっかい……」
赤木 叶恵
「吸血鬼の技みたいなやつね。だから人間じゃそもそも使えなさそう」
赤木恵夢
「けっかいと魔法は違くて……吸血鬼はけっかいを使えて……」
安武 陸
「……言われてみれば、なんで師匠は魔法使えるんだろうな。 魔法少女なのか?」
赤木恵夢
「あ、標くんもカナちゃんと同じで、人間じゃない……?」
赤木恵夢
「まほうしょうじょ」
安武 陸
「それとも……魔女?」
赤木恵夢
「まじょ」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
ぐるぐる……
安武 陸
奥様は魔女ならぬ師匠は魔女。自分で言っておいて、ちょっと笑う
敷村 修也
「………海野は半吸血鬼では、ありますね」
赤木恵夢
「そぉなんだ……」
赤木恵夢
はんきゅうけつき……はんきゅうけつき? ダンピール? は知ってる……
赤木恵夢
いるんだなぁ……
安武 陸
情報量ヤバいよね、なんて言いながら、騎士団備え付けの初心者用パンフレットなんかを取ってきて簡単な説明をする。
「人間は人間で、接触者が……」
赤木恵夢
陸に渡されたパンフレットを見てなんとか相槌を打っています。
赤木 叶恵
「あと、例のあれについては準備にけっこう手間をかけないといけないって話だった」
赤木 叶恵
「これは海野さんの受け売りだけど、とんでもない量の血が要るって」
敷村 修也
「……あれ、じゃあ赤木さんを助けたのは」
赤木恵夢
「え」
赤木恵夢
なまえよばれた……
赤木 叶恵
「…………」げっ、という顔。
赤木恵夢
陸の話に相槌を打っていたのでよくわかってません。
敷村 修也
「……海野標じゃなくて、灰葉標?」
敷村 修也
こんがらがってきたな、と思う。
赤木恵夢
ごちゃごちゃ……
赤木恵夢
わかんなくなったまま、陸がくれたパンフレットに視線を落とす。
赤木恵夢
「……とにかく」
赤木恵夢
「標くんは、半吸血鬼……で」パンフレットに指を滑らせる。
赤木恵夢
「でも、魔法が使える人だった?」
赤木恵夢
半吸血鬼の項目から、魔法少女の項目へ。
安武 陸
「なんかそうなっちゃうなぁ」
赤木 叶恵
「えーとそのへんはたしか」
赤木 叶恵
頭に手を当てる。
赤木恵夢
叶恵を見る。
赤木 叶恵
「あの……あれだ。『クロニック・ラヴ』ってのがそもそも……魔法を血戒で再現する……的な話だったんだよ」
赤木恵夢
「うん」
赤木恵夢
うん……? とりあえず頷いたけどけっこうむずかしい気がする……
敷村 修也
「そうか、使ったのが血戒なのか魔法なのか……」
赤木 叶恵
「だから、日常的に海野さんが魔法をポンポン使える……的な話ではないと思うんだよね、たぶん」
安武 陸
「それはそうか……」
安武 陸
じゃあ魔法少女ではないか……
赤木恵夢
「なるほどー……?」
赤木 叶恵
「まあ、魔法みたいで魔法じゃない技は使えるわけだから、ややこしいよね」
赤木恵夢
「ややこしい……」
赤木恵夢
頷いています。
赤木恵夢
一度落ち着いた話題に、冷めきったミルクティーを啜る。
赤木恵夢
すすりつつ、
赤木恵夢
そそ……っと光葉の方へと寄る。
赤木恵夢
飲み干して、紙コップを手元に下ろして、こそっと。
赤木恵夢
「……あ、の」
赤木恵夢
「光葉さん」
赤木恵夢
耳打ち。光葉に。
迷ノ宮 光葉
「……? どうしました……?」耳を寄せる。
赤木恵夢
「わ」
赤木恵夢
「私は、そんなに悪いことだと、思わないですからね!」
赤木恵夢
小声なりに強い声で。小声なりに。
安武 陸
ふふ
赤木 叶恵
ああん??????
赤木恵夢
怖い
敷村 修也
ふふふ
迷ノ宮 光葉
「…………」彼女なりの励まし、なのだろうか。胸中は未だに複雑ではあるが、声を受け取り。
迷ノ宮 光葉
「…………ありがとう、ございます」
赤木恵夢
「は、い」
赤木恵夢
「その、なんていうか、不純とか思わないですし」
赤木恵夢
「そ」
赤木恵夢
「れ、言ったら、私も、けっこう」
赤木恵夢
「だし……」
迷ノ宮 光葉
「…………?」ちょっと困ってしまう。
赤木 叶恵
はア~~~~!?!?!???!??
安武 陸
えっ
安武 陸
ええっ
迷ノ宮 光葉
かなえちゃんもおねいちゃんもやさしいので優しい姉妹…
敷村 修也
わぁ
敷村 修也
わぁ~
赤木 叶恵
んだコラ!?どういう意味コラ!!!!
安武 陸
え?
迷ノ宮 光葉
えっ???
敷村 修也
わぁ
GM
なに?
迷ノ宮 光葉
おねいちゃん?
GM
なにこの流れ?
安武 陸
師匠を相手に淫夢を見たりしているんですか?
敷村 修也
えらいことになってしまtった
GM
なんか勘違いしてる?
GM
そんな沸くこと言ってる?
敷村 修也
姉妹百合が急にぶつけられてびっくりした
GM
???
迷ノ宮 光葉
姉妹百合であっているの?
安武 陸
そっちなの?
迷ノ宮 光葉
標くんにほの字だと思っていたけど違うのかな…
GM
今までやってきたRPの延長で解釈してもらいたいですが……
敷村 修也
私の解釈があれなだけの可能性が高い
安武 陸
これはそれぞれが信じるカップリングによって戦争になるやつでは?
GM
文脈を読んだ上で信じたいものを信じてくれ
赤木恵夢
はっ。
赤木恵夢
「き」
赤木恵夢
「気にしないで、くださ、い……」
赤木恵夢
しゅううになってしまった。頭を抱えている。
迷ノ宮 光葉
こそこそ、と耳打ちを返して。「どなたか、お好きな方が、いらっしゃる、のですね…?」
赤木恵夢
「あぅ……」
赤木恵夢
はい……になってる。頷いた。
迷ノ宮 光葉
「…………好きな気持は、止めようがないですから、難しいですね」
赤木恵夢
「はぃ…………」
赤木恵夢
勇気づけるつもりで勇気づけられてしまった。
赤木恵夢
うう……と肩を落としている。
迷ノ宮 光葉
「お姉様が、安心して、好きな気持を持ち続けられるよう、わたくしも今の事態を何とかいたします」
迷ノ宮 光葉
「だから、甘い夢を見続けるよりかは、現実を……見つめないと、ですね」
迷ノ宮 光葉
そう小さく恵夢にだけわかるように話して、紙コップを捨てます。
赤木恵夢
「……はい」
赤木恵夢
紙コップを捨てに行く光葉の背中を見て、
赤木恵夢
すごいなぁ、と小さく、感嘆したような声を漏らした。
GM
光葉ちゃん……
GM
かっこよすぎる
GM
あんな恥ずかしい告白をしたのに
安武 陸
光葉ちゃんがお姉様って言ってくれるの嬉しくなるな
敷村 修也
めちゃくちゃ強い
敷村 修也
すげえ
GM
眩しいよ
安武 陸
武家の姫
赤木恵夢
こっちは村娘なんよ
敷村 修也
はわわ
安武 陸
村娘と武家の姫の会話うれしいね
GM
では、メインフェイズ第一サイクルがこれにて終了。