メインフェイズ第一サイクル

GM
では、1サイクル目の順番決めをしましょうか。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
2D6 (2D6) > 8[2,6] > 8
敷村 修也
1d6 (1D6) > 1
安武 陸
1D6 (1D6) > 4
赤木 叶恵
1d (1D6) > 3
迷ノ宮 光葉
1D6 (1D6) > 5
GM
光葉>WTL>陸>叶恵>WTL>修也 ですね。
GM
そんな感じで、1サイクル目やっていきましょうか。

行動:迷ノ宮光葉

迷ノ宮 光葉
*狩猟をします 対象は赤木恵夢《退路》強度3
GM
OK
GM
では、そうですね。
GM
シーン表振ってもらっちゃおうかな
迷ノ宮 光葉
ST シーン表(7) > 明るく浮かぶ月の下。暴力の気配が満ちていく。
GM
暴力~。
迷ノ宮 光葉
暴力……。
GM
じゃあ暴力のあとに戻るか。
GM
狩人たちはワンダー・トリップ・ラヴァーを振り切った後、改めて病院前へと戻ります。
GM
そこには、
GM
血痕。
GM
肉片。
GM
破壊の残骸。
GM
モノビーストの巨躯が暴れ回ったあと。
GM
ひび割れたアスファルトの隙間に血が吸い込まれて滴り落ちる。
GM
野次馬もすっかりいなくなりましたね。車も救急車もベキボコです。
GM
患者の移送がどれほど無事に済んだかも怪しいことです。
赤木 叶恵
暴力の気配(死体の山)
安武 陸
わ~いキャッキャッ(ゴア表現を喜ぶピュアパクチ部門)
赤木 叶恵
トリくんが人払いしてくれた
GM
人の目なくなりました
安武 陸
ウッオエッ なんて酷いことを……(感情移入している部門)
敷村 修也
恐ろしいなぁ……
迷ノ宮 光葉
お兄様無事だといいな…
GM
そして、
GM
病院には変わらず、虹色の炎が灯っている。
迷ノ宮 光葉
虹色の炎を遠目に見ながら、先程残してきてしまった恵夢がいないかどうか皆で探してみましょう。
GM
人の死体がいっぱいある。
GM
その中に恵夢と断言できるものはありませんが……
安武 陸
死体の服を見たり、顔を確認したりしている。
GM
女子高生が結構普通に巻き込まれてますからね。
GM
似たようなコートとか。同じ制服とか。
GM
ありはします。
安武 陸
コートとか……制服とか……髪型とか……バッグとか……そういうので似た女性を確認していきます。
赤木 叶恵
「ふざけんな、あのニワトリ……!」
安武 陸
なんか死体結構見慣れてきちゃったな……
敷村 修也
死体の山を片付けた経験から、順調に狩人として感覚を麻痺させられている。この光景にショックを受けつつも受け入れている自分がいる。
赤木 叶恵
付近を見回す。視線は水平。生きた姉を探している。
GM
虹色の炎が少しずつ病院の上階を焼いている。
敷村 修也
個人を判別するには難しく、そして病院には炎が燃え盛るまま。
迷ノ宮 光葉
夢うつつの状態でどれほど巻き込まれずに逃げられているかはわからないけれど、同じように生きていると信じて死体より周囲に目を向けましょう。
GM
焼き尽くされた階は綺麗さっぱり消え去ってまっさらに。
安武 陸
地面に伏せる恵夢に似た女子高生をひっくり返し、割れた頭蓋に眉をひそめる。
GM
炎はゆっくりじっくりと建物を焼いて、その火脚を少しずつ下げていく。
GM
死体より周囲に目を向けていた光葉は、ふと建物を見上げて気付きます。
GM
五階の病室の窓に、三人ほどの人影がある。
GM
そのうちの一人が、見覚えのある赤毛をしています。
迷ノ宮 光葉
「えっ……!」
敷村 修也
まーじ
赤木 叶恵
はあーーん!?
安武 陸
三人なんだなぁ
迷ノ宮 光葉
「皆様、あそこを!」指差して狩人たちに伝えましょう。
GM
病院を燃やす炎は今は七階ほどに至っていますね。
GM
降下する速度はゆっくりなのでまだ時間はありますが、同時に時間の問題ということでもあります。
敷村 修也
視線を落としていたが光葉の声で病院を見上げる。
窓に映る人影と蝋燭のように減っていく病院。
安武 陸
「中……!? なんでわざわざ……」
赤木 叶恵
「行かなきゃ……!」
GM
上がりますか? 上がるなら階段です。
GM
エレベーターが生きてるはずないし。非常階段ですね。
GM
防火扉も閉まってるので。
安武 陸
機能してる
安武 陸
行きますか
迷ノ宮 光葉
行きましょう
GM
がんばれ~。
敷村 修也
行くぞっ
GM
頑張って五階まで駆け上がる若者たち。
GM
病院の中は混乱を極めていたことが一目で分かる惨状ですね。
GM
色んなものが散乱している。幸いにして逃げ遅れた人は病院内にはいないようだが。
GM
病院内には、という話でしかありません。
GM
六分儀大付属病院、五階。入院病棟。
GM
かつて重体に陥った恵夢が入院していた病室。
赤木恵夢
そこのベッドに腰掛ける恵夢と、
『ともだちの』卯田千奈美
彼女に寄り添う中学生ほどの少女が一人。
『兄として』卯田清史
それと、少し離れたところに立つ男も。どこか神経質そうな外見で、木刀を持っています。
『ともだちの』卯田千奈美
少女はしきりに恵夢に語りかけている。
その姿には、見覚えのある者もいるかもしれません。
『ともだちの』卯田千奈美
彼女は、
『ともだちの』卯田千奈美
駅前でビラを配って人探しをしていた少女であり。
『ともだちの』卯田千奈美
12月の戦いで、殺されていたはずの少女でもある。
敷村 修也
はあっ!?
安武 陸
そこが繋がるのか……
迷ノ宮 光葉
そうなんだ…つながるんだ…
『ともだちの』卯田千奈美
「……だから、ね」
『ともだちの』卯田千奈美
「うん」
『ともだちの』卯田千奈美
「やっぱり、私も、夢だと思う……」
赤木恵夢
「……うん」
赤木恵夢
悲しげに俯く少女の頭を撫でて、恵夢もそれを肯定する。
赤木恵夢
「うん。……そうだよね」
『ともだちの』卯田千奈美
「……ぜんぶ」
『ともだちの』卯田千奈美
「全部、夢で、嘘だもん」
『ともだちの』卯田千奈美
「お母さんもお父さんも、ほんとは家にいるの」
『ともだちの』卯田千奈美
「結凪ちゃんは、死んでないし」
『ともだちの』卯田千奈美
「風香ちゃんだって、きっと……」
赤木 叶恵
キーーーーッ
安武 陸
全部夢で嘘かぁ
赤木 叶恵
拳銃自殺したがーーーーー?
赤木恵夢
相槌を打ちながら、千奈美の話を聞いている。
迷ノ宮 光葉
「皆さん、一体何の話を……いえ、それよりも今はこの場から逃げませんと……!」
『兄として』卯田清史
男はどこか所在なさげな表情で視線をさまよわせています。
『兄として』卯田清史
そして、それゆえに、一番最初に気付く。
『兄として』卯田清史
狩人たちの来訪に。
『兄として』卯田清史
木刀を構えます。素人くさい構え。
『兄として』卯田清史
「……邪魔を」
『兄として』卯田清史
「しないでくれないか」
赤木 叶恵
「上、燃えてんだけど……!死ぬつもり?」
『兄として』卯田清史
「…………」
『兄として』卯田清史
「夢」
『兄として』卯田清史
「なんだろ」
『兄として』卯田清史
だから大丈夫だ、とは、どれほど信じているかは怪しい声音で。
赤木 叶恵
「あんたもそれ言ってんの!?」
『兄として』卯田清史
「…………」
『ともだちの』卯田千奈美
千奈美は怯えたように恵夢にしがみつきます。
安武 陸
木刀を持った男に、ぐん、と踏み込む。
安武 陸
腕を伸ばして、木刀を絡め取ろうとする。
『兄として』卯田清史
「!」
『兄として』卯田清史
「来るな!」
『兄として』卯田清史
でたらめに木刀を振る。
『兄として』卯田清史
それ自体は恐るるに足る動きではないが、
『兄として』卯田清史
その矢先、
『兄として』卯田清史
ぼ、とその尖端に虹色の炎が灯った。
赤木 叶恵
「安武よけろ!!!」
安武 陸
叶恵の声に、後ろに飛んだ。
『兄として』卯田清史
木刀の先で、虹色が揺らめいている。
『兄として』卯田清史
「……こんなことが起こるんだ」
『兄として』卯田清史
「そりゃ、まあ、夢でいいだろ」
『兄として』卯田清史
「もう」
安武 陸
「……そうかも」
赤木恵夢
千奈美の肩に腕を回している。
敷村 修也
「安武さん、そんなこと……」
安武 陸
「とりあえず、力づくで連れていくのは難しそうだ。 」
赤木恵夢
どこか夢うつつな恵夢や、
『ともだちの』卯田千奈美
悲嘆に暮れている少女の様子と、
『兄として』卯田清史
男の様子は一線を画している。
『兄として』卯田清史
木刀を持つ腕も僅かに震えて、正気の気配を残したまま、
『兄として』卯田清史
それでも退けぬ覚悟に唇を引き結んでいる。
敷村 修也
なんとも「説得が通じそう」なフォロワーだな
敷村 修也
まぁ説得をすることは……稀だろうが……
安武 陸
説得が通じそうだなぁ
安武 陸
これが恵夢ちゃんとかなら説得してみようよ!って言うんだけど、見ず知らずの男だからな……
赤木恵夢
彼に庇われたその背中で、恵夢はハンターたちを見る。
赤木恵夢
「あ」
赤木恵夢
「みな、さん」
赤木恵夢
「そっか」
赤木恵夢
「ハロウィンの、夜の……」
赤木恵夢
叶恵以外の人間が誰か、やっと気付いたように
赤木恵夢
ゆっくりと目を瞬いた。
赤木恵夢
「敷村、くんと」
赤木恵夢
「あと……」他はとっさに名前が出てこないようだが。
赤木恵夢
視線を巡らす。そっか、そうだ、と、一人なにか納得したように。
赤木恵夢
「だから、私、思ったんだった」
赤木恵夢
「カナちゃんなら」
赤木恵夢
「なんか、知ってるんじゃないか、って……」
赤木恵夢
「分かるんじゃないかって、思った」
赤木恵夢
「それは、だから、ええと」
赤木恵夢
「あの夜……」
赤木恵夢
「ハロウィンの、ときに、いてくれたのも」
赤木恵夢
「助けてくれたのも」
赤木恵夢
「もしかしたら、同じなんじゃないか、って……」
赤木恵夢
恵夢の言葉は要領を得ない。
赤木恵夢
しかし、追い求めるもののおぼろげな様に、どこか覚えがある。
赤木 叶恵
「…………」
赤木 叶恵
まとまりのない、考えていることがそのまま口に出たような言葉の数々。
赤木恵夢
「……ごめんね」
赤木恵夢
へら、とわらう。
赤木恵夢
「困っちゃうよね、カナちゃんも、みんなも」
赤木恵夢
「こんな、おかしなこと、言われても……」
赤木 叶恵
「それは…………」
赤木 叶恵
嫌な感じがする。
安武 陸
「……ハロウィンのとき」
赤木恵夢
陸を向く。緩慢な動作。
安武 陸
「お姉さんを助けたのって、誰だっけ」
安武 陸
「修也くんと、叶恵ちゃんと、光葉ちゃんと、俺と」
赤木恵夢
「……うん」
赤木恵夢
頷く。
赤木恵夢
「私」
赤木恵夢
「わたしね」
赤木恵夢
「だから、少し、残念、に」
赤木恵夢
「……なっちゃった、の」
赤木恵夢
背を丸める。忍びなさそうに。
赤木恵夢
「申し訳ないなぁっていうか、すごく、嫌だなぁ、って……」
赤木恵夢
「あ」
赤木恵夢
「そういう話じゃ、今、ない」
赤木恵夢
「よね」
赤木恵夢
ごめんね、と首を振って。
安武 陸
「いや、いいよ。 話したいこと話してくれて」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
陸を見る。
安武 陸
「俺も聞きたいこと好きに聞くからさ」
『ともだちの』卯田千奈美
どこか緊張気味に恵夢の話を聞いて、
『兄として』卯田清史
こちらはハンターたちを睨みつけはしているが、何か仕掛けてくる気配はない。
安武 陸
「それで、聞きたいんだけど」
安武 陸
「海野標って、わかる?」
赤木恵夢
「!」
赤木恵夢
ぱち、と
赤木恵夢
目を瞬いた。
赤木恵夢
「……もう、いちど」
赤木恵夢
「もう一度、言って」
安武 陸
「海野、標」
赤木恵夢
「しるし」
赤木恵夢
唇が、その名をなぞる。
敷村 修也
「……クラスメイトの、海野だよ」
赤木恵夢
「うみの、しるし……」
赤木恵夢
聞き届けている。
赤木恵夢
その名を。確かに。
赤木恵夢
「……そう」
赤木恵夢
「そう、だよ」
赤木恵夢
「標くん」
安武 陸
深く息を吐く。
赤木恵夢
「でも、おかしいの」
赤木恵夢
「学校にも、いないの」
赤木恵夢
「違う、そうじゃなくて、もともとあんまりいなかったけど」
赤木恵夢
「違くて」
安武 陸
「うん」
赤木恵夢
「机、なくなってたし」
安武 陸
「うん」
赤木恵夢
「名簿も」
安武 陸
「誰も、覚えてないし」
赤木恵夢
「私、おかしいって思って」
赤木恵夢
「でも」
赤木恵夢
「でも、思い出せなくて……」
安武 陸
「うん……」
安武 陸
「海野標は、いたよ」
GM
どう光葉ちゃんに持っていってもらうかを考えています
GM
4人で補強してもらうか
GM
なんかいい感じにみんなで存在を後押ししてくれたら判定してもらいましょう
GM
要するに、恵夢の支配力削りは概ねこういう筋です。
安武 陸
え~~~~~ん
迷ノ宮 光葉
なるほどー
赤木 叶恵
「どうして、お姉ちゃんが……」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「でも」
赤木恵夢
「じゃあ、どうして?」
赤木恵夢
「どうしてこうなってるの?」
赤木恵夢
「どうして、いなくなっちゃったの?」
赤木恵夢
「どうして、みんな」
赤木恵夢
「忘れてしまっているの?」
安武 陸
「どうしてだろう」
安武 陸
「でも、君は思い出した」
赤木恵夢
「……でも」
赤木恵夢
「でも、いないの……」
安武 陸
「いないけど、記憶はある」
安武 陸
「僅かばかりの人にだけど」
赤木恵夢
「わずか、ばかり」
敷村 修也
「俺たちも、海野のことを覚えているのは俺たちだけだって思ってた」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「敷村くん、も?」
赤木恵夢
「おれ、たち」
赤木恵夢
「っていうのは……」
赤木 叶恵
「そっちの男二人はしっかり覚えてた」
敷村 修也
「俺も、叶恵さんも、安武さんも、光葉さんも。覚えてるよ」
赤木 叶恵
「あたしは……二人に言われて、そういえばって感じで」
赤木 叶恵
「あとは……」
迷ノ宮 光葉
「はい、叶恵様と同じで、先程わたくしも思い出して……」
赤木恵夢
「おもい、だして」
赤木恵夢
おうむ返し。
迷ノ宮 光葉
「……海野様は、確かにいました。だから、わたくしたちはここにいます」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
じ、と光葉を見る。
赤木恵夢
「あのひとと」
赤木恵夢
「あなたは、……その」
赤木恵夢
「どういう……」
安武 陸
えっ なんでそんなことを気にするんですか?
GM
気になるからじゃないですか?
安武 陸
気になるんだなぁ
敷村 修也
一番説明が難しいんだよな。
これ話者がだれであっても気になると思うけども……
GM
でも恵夢視点一番わかんなくね なんか
敷村 修也
うん
安武 陸
叶恵ちゃんは妹だからあれだけど、光葉ちゃんはほとんど面識ない女の人だもんなぁ
敷村 修也
一番わからんと思う……
迷ノ宮 光葉
「え、ええと、知り合い……だったというか……少し、困ったことを手伝っていただく、間柄、というか……」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
どこか、値踏みするような目を向けている。
赤木恵夢
「あなたも」
赤木恵夢
「助けてもらったの?」
迷ノ宮 光葉
「……はい。とても窮地に陥ったところを、助けていただいた、はずなんです。でも先程も言ったとおり、すっかり忘れていて……」
迷ノ宮 光葉
「叶恵様のお姉様のようには、きちんと、覚えてはいなかったのです」
迷ノ宮 光葉
「けれど、わたくしたちを助けてくださった海野様は確かに貴方様も助けてくださいましたし、居ました」
迷ノ宮 光葉
「……それは、本当です」
迷ノ宮 光葉
*というかんじで、判定したいです!
GM
*いいでしょう。対象は支配力『赤木恵夢』ですね。
迷ノ宮 光葉
はい
GM
退路での判定になります。攻撃力で+2の補正。
敷村 修也
*援護を宣言します
安武 陸
「君のほかにも4人の記憶の中に、海野標はいるんだ」
安武 陸
*援護
GM
二人分の援護でさらに+2ですね。
迷ノ宮 光葉
2D6+2+2>=6 (判定:逃げる) (2D6+2+2>=6) > 5[1,4]+2+2 > 9 > 成功
GM
出た~。
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 支配力『赤木恵夢』 : 3 → 2
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 耐久力 : 16 → 15
[ 安武 陸 ] テンション : 7 → 10
[ 安武 陸 ] 激情 : 0 → 1
[ 敷村 修也 ] テンション : 8 → 11
[ 敷村 修也 ] 激情 : 0 → 1
GM
こうですね。
赤木恵夢
「……そっか」
赤木恵夢
「そう、なんだ」
赤木恵夢
「そう」
赤木恵夢
そうだよね、と繰り返す。頷く。
赤木恵夢
「助けて、くれるんだ」
赤木恵夢
「そういう人」
赤木恵夢
「だから……」
赤木恵夢
言い聞かせるように繰り返す。
敷村 修也
「……詳しくは説明できないけど、みんな海野に助けられたからここに居る。だから憶えてる」
赤木恵夢
修也を見る。
赤木恵夢
恵夢の腰が浮きかけた矢先、
『ともだちの』卯田千奈美
「なんで」
『ともだちの』卯田千奈美
「じゃあ、説明、できないんですか」
『ともだちの』卯田千奈美
恵夢を引き留めるように、その腕を縋る。
『ともだちの』卯田千奈美
丸い瞳を精一杯吊り上げて、ハンターを睨む。
敷村 修也
まぁ~~~そうなるよね~~~
安武 陸
うるせーっ!ドカッ!バキ!
GM
暴力
安武 陸
女子中学生に暴力振るいませんが……
安武 陸
暴力ふるわないけどふるっていい?
『ともだちの』卯田千奈美
「適当に」
『ともだちの』卯田千奈美
「話、合わせてるだけじゃ、ないんですか」
赤木恵夢
「……千奈美、ちゃん」
『ともだちの』卯田千奈美
「うやむやにして、言いくるめて」
『ともだちの』卯田千奈美
「いい感じに納得させようってだけじゃ、ないんですか!」
『ともだちの』卯田千奈美
少女が叫ぶと同時に、
『ともだちの』卯田千奈美
木刀の炎が膨れ上がる。
GM
彼女の感情に呼応するように広がった炎が、
GM
あっという間に病室を包み込んだ。
敷村 修也
わぁ……
安武 陸
あっ……来ちゃった……
赤木 叶恵
くるぞ~~~
迷ノ宮 光葉
わぁ~

行動:ワンダー・トリップ・ラヴァー 1st

GM
この場にいる全員を熱が包み込む。
GM
しかし、同時に、その熱はまだ肌を焼きはしない。
GM
熱は熱としてそこにあり。
GM
現実と夢の境を揺らめかす。
『ともだちの』卯田千奈美
「恵夢さん」
『ともだちの』卯田千奈美
「だって、いないん、ですよね」
『ともだちの』卯田千奈美
「実際、いないんだって。おかしいんだって、そう、言ってて」
『ともだちの』卯田千奈美
「そんなの、ちょっと覚えてる人がいた、からって」
『ともだちの』卯田千奈美
「なんにも、覆らないじゃないですか」
『ともだちの』卯田千奈美
「お父さんも、お母さんも」
『ともだちの』卯田千奈美
「結凪ちゃんも」
『ともだちの』卯田千奈美
「風香ちゃんも」
『ともだちの』卯田千奈美
「あなたの、探す人も」
『ともだちの』卯田千奈美
「いないんです。いないの。どこにもいない」
『ともだちの』卯田千奈美
「それを、その夢を」
『ともだちの』卯田千奈美
「覚まさなくて、いいんですか――」
安武 陸
うるせえ!うるさい唇をキスで塞ぐぞ!!
赤木 叶恵
結凪ちゃんの名前を聞いてなかったのが後々響いてくるとはな
GM
風香は聞いてますね
赤木 叶恵
そっちは聞いてる
安武 陸
聞いてるなぁ
安武 陸
何の名前なのかはわからないが……
安武 陸
わからないというか 状況証拠はあるが……
赤木恵夢
「――――」
赤木恵夢
惑ったように、視線が彷徨う。
赤木恵夢
狩人たちへと向きかけた身体を捕まえられたまま。その腕を振りほどけないまま。
赤木恵夢
彷徨った視線は、最後には、
赤木恵夢
叶恵へと辿り着いた。
赤木恵夢
「……カナちゃん」
赤木恵夢
「カナ、ちゃん」
赤木 叶恵
「……おねえちゃん」
赤木恵夢
「どう、しよう」
赤木恵夢
「私」
赤木恵夢
「だって、でも」
赤木恵夢
「……カナちゃん、覚えてるよね」
赤木恵夢
「覚えてないかな? この部屋」
赤木恵夢
「ここに、私、入院してた」
赤木 叶恵
「……うん」
赤木恵夢
「それよりね、少し前なの」
赤木恵夢
「運び込まれる前、で」
赤木恵夢
「あれが」
赤木恵夢
「あれが、本当に起こったこと、なら」
赤木恵夢
「この世界はおかしいって」
赤木恵夢
「夢に違いないんだ、って――」
赤木 叶恵
「……あれ?」
赤木恵夢
恵夢の声を遮るように。
赤木恵夢
虹の炎が濃く噴き上がって、
赤木恵夢
蜃気楼のように、像が揺らめく。
赤木恵夢
視界が眩む。
赤木恵夢
血が広がっている。
赤木恵夢
血溜まりの中にいる。
赤木 叶恵
安武 陸
あーっ
安武 陸
あーあーっ
赤木 叶恵
カワ……
赤木 叶恵
ちがう
敷村 修也
あ~~~??
安武 陸
わかるよ
赤木恵夢
熱い。熱い。痛い。
赤木恵夢
どくどくと耳に鼓動ばっかりやかましくて、
赤木恵夢
空が、
赤木恵夢
せかいが、暗くて
赤木恵夢
ちがう
赤木恵夢
もう
赤木恵夢
なにも、みえてないんだ
赤木恵夢
わたし
赤木恵夢
きっと、もう、だめで
赤木恵夢
なんにも
赤木恵夢
なんにも、わかんない、けど
▓▓▓
「――――、い」
▓▓▓
「おい」
安武 陸
ああっ
▓▓▓
「おい、死ぬな! あんた」
▓▓▓
「しっかりしろ!」
赤木恵夢
だれ
赤木恵夢
しらない
赤木恵夢
しらないひとの、こえ
赤木恵夢
赤木恵夢
でも
赤木恵夢
あったかい
赤木恵夢
きが、する
赤木恵夢
わたし
赤木恵夢
きっともう、だめだけど
赤木恵夢
でも
赤木恵夢
でも、さいご、に
赤木恵夢
こんな、ふうに
▓▓▓
「――ッ」
▓▓▓
「ああ、もう!」
▓▓▓
「間に合えよ、間に合え――」
赤木恵夢
赤木恵夢
ひかり
赤木恵夢
ふしぎ
赤木恵夢
みえる
赤木恵夢
まぶ、し――
▓▓▓
「――運命変転魔法」
▓▓▓
「『クロニック・ラヴ』――」
安武 陸
あんたはそうやってェ~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!
迷ノ宮 光葉
ははぁ…
敷村 修也
んん~~
安武 陸
ねじれる
安武 陸
見殺せって言えないのでねじれる
GM
虹の炎が噴き上がる。
赤木恵夢
その映し出す光景を、ぼんやりと見つめている。
赤木恵夢
「……カナちゃん」
赤木恵夢
「あのね」
赤木恵夢
「私、私が生きてるのは、だから」
赤木恵夢
「あの人が、助けてくれたから」
赤木恵夢
「……なの」
赤木 叶恵
「なっ……あっ……」
赤木 叶恵
絶句。
赤木 叶恵
助けてくれたという言葉の意味は……そんな。あの時。
赤木 叶恵
そんな話、聞いてない!
赤木 叶恵
「さっきの、生きてるはずが、ないって……」
赤木恵夢
「……ちょっと」
赤木恵夢
「わかりづらかったよね」
赤木恵夢
「ごめんね……」
赤木恵夢
「……ほんとは」
赤木恵夢
「ぜったい、あのとき、死んでたよ」
赤木恵夢
「わかったもん」
赤木 叶恵
「そんな……」
赤木恵夢
「これもう、絶対助からないやつだ、って」
赤木恵夢
「……でも、生きてる」
赤木恵夢
「生きてるの」
赤木 叶恵
伝えてない。
赤木恵夢
「あの人が」
赤木恵夢
「標くんが、助けてくれて」
赤木 叶恵
伝言があった。姉に、確かに頼まれた。
赤木恵夢
「それで、生きてる……」
赤木恵夢
「だから」
赤木恵夢
「標くんがいないのに、私が生きてる世界は」
赤木 叶恵
『あの時はありがとう』と。
赤木恵夢
「おかしいの」
赤木恵夢
「間違ってるの」
赤木恵夢
「……だから、夢を」
赤木恵夢
「夢だから」
赤木 叶恵
「………………ああっ……!」
赤木恵夢
「早く、目覚めて」
赤木恵夢
「私、あっちに行かないと」
赤木恵夢
「正しい今に」
赤木恵夢
「正しい、現実に――」
GM
*赤木叶恵の幸福『恵夢』を破壊します。
安武 陸
そうかも……ってなっちゃうな
安武 陸
いや、なんかこうあれですね これから死ぬ人間でも救える力を持った親しい知人がいると大変なんですね
迷ノ宮 光葉
妨害?妨害?
敷村 修也
妨害に入りますが
赤木 叶恵
たしけち~~~~~っえんごします
GM
ちなみに破壊が通ったら恵夢は消えます。
赤木 叶恵
けすな!!!!!!!!!!!!!!
迷ノ宮 光葉
ぎぇええええええ
敷村 修也
おっま
GM
だって……
GM
虹の炎が……
安武 陸
ワオ……
GM
そう言ってる……
赤木 叶恵
虹の炎はしゃべらない だいじょうぶ
赤木 叶恵
ううっ
GM
じゃあ文脈がそう言ってる。
GM
虹色の炎が病室ごとに恵夢を焼く。
GM
彼女が夢とした世界の。
GM
間違った世界からの目覚めを促すように、熱をあげていく。
敷村 修也
*妨害を宣言
GM
AST ランダム全特技表(6) > 環境(4) > 隠れる
GM
出せるものはなにもない。モノビーストは無力であった。
赤木 叶恵
*援護
迷ノ宮 光葉
*援護します
GM
では援護と防御力、合わせて+4で判定をどうぞ。
敷村 修也
2D6+4>=8 (判定:走る▲) (2D6+4>=8) > 5[1,4]+4 > 9 > 成功
GM
成功ですね。
[ 敷村 修也 ] テンション : 11 → 16
[ 赤木 叶恵 ] テンション : 6 → 9
[ 迷ノ宮 光葉 ] テンション : 7 → 10
[ 迷ノ宮 光葉 ] 激情 : 0 → 1
GM
以上。改めてRPをどうぞ。
敷村 修也
「……赤木さん」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
炎の中に、彼女は薄く微笑んでいる。
敷村 修也
「それでも、赤木さんが生きてるのはおかしくないよ」
赤木恵夢
「……どうして?」
敷村 修也
「……俺たちも、赤木さんと同じように海野に命を助けられたから。説明するのは難しいけど、俺は少なくとも2回助けられてる」
赤木恵夢
「…………」
敷村 修也
「詳しく説明できないから信じられないかもしれない。でも、さっきの記憶にあった魔法を……海野が唱えたところも聞いたことがある」
赤木恵夢
「なんで」
赤木恵夢
「詳しく説明、できないの?」
敷村 修也
「……なにがあったか、俺たちにもわからないことばかりなんだ。赤木さんもきっとそうだと思うけど、海野に助けられたって記憶は残ってる」
赤木恵夢
「わからなく、ても」
赤木恵夢
「教えてよ」
赤木恵夢
「教えられないなら」
赤木恵夢
「丸め込むみたいに言うのは、やめて」
赤木恵夢
「……そんなの、じゃ」
赤木恵夢
「納得、できない……」
赤木 叶恵
「……」
赤木 叶恵
「海野さんは、仕事仲間だった」
赤木恵夢
「し、ごと」
赤木 叶恵
「さっきお姉ちゃんが体験したみたいな……不思議な力を使う悪いやつとか、人を食べるわるい化け物とか」
赤木 叶恵
「そういうのを、やっつけるお仕事」
赤木恵夢
「……やっぱり」
赤木恵夢
「そうだ。そうだった」
赤木恵夢
「そう、思ってたんだった……」
赤木恵夢
「カナちゃんも、標くんも、きっと」
赤木恵夢
「似たようなこと、してるんだって……」
赤木 叶恵
「……。そうだよ」
赤木 叶恵
「敷村さんが言ったことは本当で、私たちも何があったのか正しくはわからない」
赤木恵夢
「…………」
赤木 叶恵
「けど、海野さんはこの場所を、私たちを守るために……私たちの目の前で、あの魔法を使った」
赤木恵夢
「まほう」
赤木 叶恵
「それで、消えた」
赤木恵夢
「…………」
赤木 叶恵
「……ひとに」
赤木 叶恵
「言えないような、ことだから、ずっと黙ってた」
赤木 叶恵
「だけど、これでも頑張ったつもりだったんだ。おねえちゃんのことを守ろうって。実際、少しは守れたつもりでもいた」
赤木恵夢
「……うん」
赤木 叶恵
「それなのに、なんかさ」
赤木 叶恵
「生きてるのは間違い、みたいな顔されんのはさ」
赤木 叶恵
「やじゃん」
赤木恵夢
「…………」
安武 陸
そうだそうだ
迷ノ宮 光葉
えらい…えらすぎる…
GM
おっとここに助けられたのに今の状況が罰だと思っている人八犬伝だが
安武 陸
はい……
安武 陸
いやでも……師匠が何を思っているのかはわからなくて……
安武 陸
わからないので、叶恵ちゃんはお姉ちゃんに伝えられてよかったねと思いますが……
赤木恵夢
俯く。
赤木恵夢
赤茶けた髪がさらりと流れる。
敷村 修也
「……海野に守ってもらったおかげで、俺たちはその悪いやつを倒すことができた」
敷村 修也
「でもその悪いやつを倒したのは、俺たちだ。海野に助けてもらった命で戦うことができた」
安武 陸
別にクロニック・ラヴは悪いやつではないが……
安武 陸
話がややこしくなるので黙っています
赤木恵夢
修也の話を聞いている。
敷村 修也
「戦って倒して、だから生きてる。何が起きたかわからなくてもこれは夢なんかじゃないって」
敷村 修也
「海野が助けて、叶恵さんが頑張ってきて。必死に戦って。それで守ってきたものが夢だなんて、俺も言ってほしくない」
赤木恵夢
「…………ん」
赤木恵夢
「うん……」
赤木恵夢
小さく頷く。一度、二度。
赤木恵夢
まだ表情に覇気は感じられないままだが、ちらりと叶恵を見て、
赤木恵夢
「……ごめんね」
赤木恵夢
「カナちゃん……」
赤木 叶恵
「……ん」
『ともだちの』卯田千奈美
「……恵夢さん」
『ともだちの』卯田千奈美
「そっちに、行っちゃうの?」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
腕にしがみつく千奈美を見る。
『ともだちの』卯田千奈美
「いいよ」
『ともだちの』卯田千奈美
「無理しないで」
『ともだちの』卯田千奈美
「私は私で、決めてる、から」
『ともだちの』卯田千奈美
「恨まないよ」
『ともだちの』卯田千奈美
千奈美が言うと同時に、
『ともだちの』卯田千奈美
虹の炎が収束する。
GM
そうして建物を突き破るように、
ワンダー・トリップ・ラヴァー
収束した炎は、モノビーストの形をとって顕現する。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
「――――!」
GM
あとはしっちゃかめっちゃかにするので恵夢だけ連れて逃げてください。
敷村 修也
うおお
安武 陸
フィジカルでやっていくぞ
ワンダー・トリップ・ラヴァー
叫ぶ。夜明けを告げる声で。
ワンダー・トリップ・ラヴァー
5メートルもの巨体が天井を吹き飛ばし、破片を散らしながら暴れまわる。
『兄として』卯田清史
フォロワーらしき二人は、
『ともだちの』卯田千奈美
虹の炎とともに、そのすぐそばに寄り添っている。
赤木 叶恵
「おねえちゃんっ! こっち!」
赤木恵夢
「あ」
赤木恵夢
「う――」
赤木 叶恵
手を伸ばす。
赤木恵夢
躊躇いに視線を彷徨わせたが、
赤木恵夢
伸べられた叶恵の、手を取った。
『ともだちの』卯田千奈美
手を放す。
『ともだちの』卯田千奈美
少し、寂しそうに笑いながら。
『ともだちの』卯田千奈美
「でも、恵夢さん」
『ともだちの』卯田千奈美
「お話」
『ともだちの』卯田千奈美
「聞いてくれて、嬉しかった」
安武 陸
え~んえ~ん
迷ノ宮 光葉
かなしい…
敷村 修也
う~~
赤木 叶恵
握る。引く。体格に見合わぬ強い力で。
赤木恵夢
振り返ってしまう。手を引かれるままに。
赤木恵夢
叶恵の腕力に抗うことはできない。
GM
虹の炎に焼かれ、瓦礫が消え失せる。
GM
一方でモノビーストの重みに耐え切れない建物が、床に亀裂を走らせ始める。
安武 陸
「急げ!」
敷村 修也
残された時間はもうない。
病室に二人のフォロワーを残し走る。
安武 陸
非常階段のドアを開いて、仲間を待つ。
迷ノ宮 光葉
声に急かされるまま、非常階段を駆け下りる。
赤木恵夢
手を引かれていく。
赤木恵夢
駆ける。時折足をもつれさせながら。
安武 陸
全員が通過したのを確認して、階段を駆け下りる。
誰かが倒れないように、転ばないように気を付けながら。
GM
その役目を、かつては誰が率先して行っていたか。
GM
あなたの記憶には色濃く残っている。
安武 陸
なんでそんなこと書くの?
安武 陸
なんでそんなこと書くの???
迷ノ宮 光葉
胸が締め付けられる…
安武 陸
ココフォリアには文字を書いて送信できる機能があるといっても限度がありますよ?
敷村 修也
んい~~~
GM
天高く、
GM
鶏のけたたましい鳴き声が響いた。

GM
叶恵→修也の関係が1伸びて2になります。

行動:安武陸

安武 陸
ST シーン表(4) > 都市の地下。かぼそい明かりがコンクリートを照らす。
GM
地下に逃げた
GM
虹色の炎から逃れるように、あなたたちは地下通路へ。
赤木恵夢
普段あまり運動しないからか、恵夢は苦しげに息を切らしている。
赤木恵夢
肩で呼吸をしている。
安武 陸
特に座るところがないので、あんまり清潔じゃないけど階段とかに座らせちゃおう。
赤木恵夢
おとなしくすわります……
赤木恵夢
ぜえこらなので……
赤木恵夢
ぜはー……ぜはー……
安武 陸
自動販売機で適当に飲み物を買って、差し出す。 冷たいものと温かいもの。
安武 陸
「ん、好きなほうどうぞ」
赤木恵夢
「……あ」
赤木恵夢
「ありがとう、ござい」
赤木恵夢
「ま」
赤木恵夢
「す……」
赤木恵夢
よろよろと手を伸ばして、少し迷いますが……
赤木恵夢
冷たい方を頂きます。
赤木 叶恵
「安武、きがきくじゃん」
赤木恵夢
蓋を開けるのにちょっと難儀している。
赤木恵夢
汗が 手が すべる ひゃあ
安武 陸
「俺気遣いやさんだからな~」
安武 陸
余ったほうを叶恵に差し出す。
安武 陸
恵夢からペットボトルを受け取って、蓋を開けて返す。
敷村 修也
さらっと全部やったこの男
敷村 修也
全部やったぞ
迷ノ宮 光葉
りっくんかっこいいけど目が死んでいる…
GM
ひどいよ
安武 陸
できたから……
赤木 叶恵
「えっ?」
赤木恵夢
「あっ……」
赤木恵夢
すみません……になっている。
赤木恵夢
受け取ります。くぴくぴのむ……
赤木 叶恵
受け取る。飲む。
赤木 叶恵
「……うま……安武のくせに……」
赤木恵夢
ぷはあ……
赤木恵夢
わりと盛大に息を漏らしてしまってから、恥じるように口を抑えた。
赤木恵夢
少しずつ呼吸を落ち着けている……
安武 陸
そのへんの手すりにもたれかかる。
安武 陸
「恵夢さんさ、海野標と同じクラスだったんだよな」
赤木恵夢
「え」
赤木恵夢
「あ」
赤木恵夢
「は、はい」
赤木恵夢
両手でペットボトルを握って頷きます。
安武 陸
「どんなだった? って言っても、あんまり学校行ってないんだっけ」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
記憶を巡らせるように瞳を動かす。
赤木恵夢
「どん、な……」
安武 陸
「修也くんから話聞いてるから、メガネかけてたとか、休みがちだったとかそういうのは知ってるんだけどさ」
安武 陸
「命を助けてくれた相手と同じクラスだったのって、どんな感じだったんだろ、って思って」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
考え込んでいます。
敷村 修也
「赤木さんの方が知ってることもあると思うよ」
赤木恵夢
「あ」
赤木恵夢
「いや、えと」
赤木恵夢
「その……」
赤木恵夢
背中を丸める。どこか所在なさげに。
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「……か」
赤木恵夢
「確信、が」
赤木恵夢
「あったわけ」
赤木恵夢
「じゃ」
赤木恵夢
「なかっ、た」
赤木恵夢
「から……」
赤木恵夢
ぼそぼそ……ほそぼそ……
安武 陸
「はは」
赤木恵夢
落ち着かない様子でペットボトルを握る指をしきりに動かしています。
安武 陸
「そりゃあそうだ。師匠、分かんないようにしてたもんな」
赤木恵夢
ぶんぶん首振る。縦に。
赤木恵夢
「お」
赤木恵夢
「思い込み、で」
赤木恵夢
「そう、だったら、私」
赤木恵夢
「そうとう……」
安武 陸
思い込みでクラスメイトの病弱男子を命の恩人扱いする人。恥ずかしいな~
赤木恵夢
小さくなっています。
赤木恵夢
こくこく頷いている……
迷ノ宮 光葉
なんだか微笑ましくなって見守っています…。
赤木恵夢
年下のお嬢様に見守られている
迷ノ宮 光葉
かわいいおねいちゃんなので…
敷村 修也
ふわふわしててかわいい
赤木恵夢
かわいくおもわれている
安武 陸
「あ、師匠っていうのは海野さんのことね。 あの人、俺の師匠やってたんだ」
赤木恵夢
「は、い」
赤木恵夢
「なんか」
赤木恵夢
「流れで、そうなんだな、って」
赤木恵夢
「なんか……」なんかになってます。
安武 陸
「なんかね、そういう流れだったもんな」
赤木恵夢
「ししょう……」
赤木恵夢
もやもやと何がしかを考え込んでいる様子だが……
赤木恵夢
「……えっ、と」
赤木恵夢
「そう、ええと」
赤木恵夢
「確信、なかった、から」
赤木恵夢
「わかんなかったから……」
赤木恵夢
「でも、そうなんじゃないか、って」
赤木恵夢
「完全に、なんとなく、だったし」
赤木恵夢
「ええと」
赤木恵夢
これ言ってるの2回目かも……になっている。
安武 陸
「あれだろ、なんかキラキラした、アイドルみたいな服着ててさ」
赤木恵夢
「えっ?」
赤木恵夢
「そうなんですか?」
安武 陸
「あれ、知らなかった?」
赤木恵夢
「知らない」
赤木恵夢
「です」
赤木恵夢
「アイドル……?」
赤木恵夢
きらきら……?
赤木恵夢
「しゃ」
赤木恵夢
「写真」
赤木恵夢
「とか……」
安武 陸
「……写真は、ない」
赤木恵夢
「あ」
安武 陸
「あったんだけど、消えてるんだ」
赤木恵夢
「……はい」
赤木恵夢
「そっ、か」
赤木恵夢
「そう、ですよね……」
安武 陸
「面白いから、見て欲しいんだけどね」
安武 陸
「軍服寄りの王子様っぽい服で、マントとか付けて、このへんに歯車とかあって。 かかとが高いブーツ履いてさ」
安武 陸
話しながら、笑う。
赤木恵夢
「はぇ…………」
安武 陸
「アイドルじゃない?」
赤木恵夢
「……むしろ」
赤木恵夢
「ほんとうに、王子様、かも」
安武 陸
「ははは、そうかも」
安武 陸
「俺の師匠は、お姫様の命を救った王子様って訳だ」
赤木恵夢
「……色んな、人」
赤木恵夢
「助けてた、みたい」
赤木恵夢
「だから……」
安武 陸
「……うん」
安武 陸
「それで最後は自分がいなくなるなんて」
安武 陸
「これじゃ、幸福の王子だ」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「そうだ」
赤木恵夢
「『幸福の王子』」
赤木恵夢
「私、あげたの」
安武 陸
「……何を?」
赤木恵夢
「絵本を……」
赤木恵夢
「えっと」
赤木恵夢
「そう、そうです」
赤木恵夢
「私」
赤木恵夢
「一年生で、同じクラスで」
赤木恵夢
「図書委員だったんです。二人で。委員会決めるときに、標くん、いなくて」
敷村 修也
あっ、聞きたかったことに到達した
安武 陸
そうなんだ
赤木 叶恵
ほうほう
迷ノ宮 光葉
ほほう
敷村 修也
本当に誰も知らない話が出てきた
赤木恵夢
「押し付けられるみたいな感じで」
赤木恵夢
「合意なしにそんなの、良くないとは、思うんですけど……」
安武 陸
「良くないなぁ」
安武 陸
良くないけど、押し付けられるだろうなぁ
赤木恵夢
「標くんがあんなに学校来るの珍しいとも、あのときは誰も思ってなくて……」
赤木恵夢
「で、それで」
赤木恵夢
「私、結構長いこと、一人でしてて……」
安武 陸
「大変だったね……」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「この話、余計じゃないですよね……?」
赤木恵夢
不安になってきている。
安武 陸
「いや、師匠の話は何でも聞きたいから、嬉しいよ」
赤木恵夢
「……はい」
赤木恵夢
「それで、そうです、久しぶりに標くん来て、見かけた時に」
赤木恵夢
「私、声かけて、そしたら」
赤木恵夢
「『え? そうなの?』って……」
安武 陸
「最悪だなぁ」
赤木恵夢
「えと、違くて」
赤木恵夢
「誰も標くんに、委員会のこと言ってなかったから……」
赤木恵夢
「私も……」
赤木恵夢
誰かが伝えてると思ってたし……
赤木恵夢
ごにょごにょ……
安武 陸
「それはそれで、担任最悪ってなるじゃん」
赤木恵夢
「それは……」
赤木恵夢
ちょっとおもったかも……
赤木恵夢
「し」
赤木恵夢
「標くんは、すごく申し訳なさそうにしてた、し」
赤木恵夢
「私も押し付けたのが悪いし、びょ」
赤木恵夢
「病気なら、仕方ないと思うって言った、し」
赤木恵夢
「無理しなくていいよって、伝えたんですけど」
赤木恵夢
「でも筋が通らないからって、できる限りはする、って」
安武 陸
あんたはそうやって!!!!!!!!
迷ノ宮 光葉
いい話がいっぱい、でてくる
赤木恵夢
めちゃめちゃ語りになっちゃって申し訳無さを得ているGMです
敷村 修也
えっ助かるんじゃけど
赤木恵夢
もっと段階を追って出すつもりが一発で幸福の王子抜かれると思わねえのよ
敷村 修也
わはははは
迷ノ宮 光葉
この卓は一発抜きが多い…w
安武 陸
あれ最初から幸福の王子だったの?
安武 陸
なんか合わせてくれてるのかと……
GM
合わせるのに出てくる話の量じゃないのよ
赤木 叶恵
クリティカルヒットだ
赤木恵夢
GMとしてはうんうん、どっかで図書委員の話を出してね、そこから順序を追っていいタイミングでこのエピソードをね、みたいな構えでいたわけですよ
安武 陸
なんかショートカットがあった
赤木恵夢
「それで、古本バザー」
赤木恵夢
「図書委員でやってる、チャリティーっていうか、ボランティアの」
赤木恵夢
「それ、ちゃんと出てくれて、手伝ってくれて」
安武 陸
標らしいな、と思うが、もう少し手を抜いても罰は当たらないのに、と思う。
赤木恵夢
「……その時に、売れ残った絵本があったんです。すごく古くて、まあ誰も買わないだろうなーって」
赤木恵夢
「それでした。『幸福の王子』」
赤木恵夢
「私の好きな挿絵のやつで、家にも二冊あって」
安武 陸
「それを、あげたんだ?」
赤木恵夢
頷く。
赤木恵夢
「……三冊目だけどどうしようって思って」
赤木恵夢
「もらってくれる? って、訊いてみたら」
赤木恵夢
「あ」
赤木恵夢
「ほ、本気じゃないっていうか」
赤木恵夢
「圧かけたつもりは、なかったんですけど」
安武 陸
「うん、いるなら貰って欲しいもんな」
赤木恵夢
「……はい」
赤木恵夢
「だから、それで……」
赤木恵夢
「それだけ」
赤木恵夢
「なんですけど……」
赤木恵夢
小さくなっていく。
赤木恵夢
長々話した割にオチがない。
安武 陸
「いい話じゃん」
赤木恵夢
「…………」
安武 陸
「うん、師匠らしくていい話だ」
赤木恵夢
「……わ」
赤木恵夢
「私」
赤木恵夢
「今、言われるまで」
赤木恵夢
「忘れてました……」
安武 陸
「お、じゃあ一個思い出せてよかった」
赤木恵夢
「……はい」
赤木恵夢
「ありがとう、ございます……」
GM
判定しますか。
安武 陸
しましょうか。
安武 陸
* 狩猟 対象は赤木恵夢《退路》
GM
いいでしょう。攻撃力で+2です。
赤木 叶恵
*援護
GM
では+1を。
GM
+3ですね。合計
GM
判定をどうぞ
安武 陸
2D6+3>=7 (判定:這う) (2D6+3>=7) > 5[1,4]+3 > 8 > 成功
GM
成功ですね。
[ 赤木 叶恵 ] テンション : 9 → 12
[ 赤木 叶恵 ] 激情 : 0 → 1
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 支配力『赤木恵夢』 : 2 → 1
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 耐久力 : 15 → 14
赤木恵夢
「標くんが図書委員だったのは、一年の頃だけの話なので」
赤木恵夢
「図書委員としてどうこうとかは、それだけだったんです、けど」
赤木恵夢
「あ、でも」
赤木恵夢
「私、プリントとか溜まったやつ」
赤木恵夢
「たまに、家まで持っていったりとかは、してました」
安武 陸
「お、友達になれた訳だ」
赤木恵夢
「け」
赤木恵夢
「けっこう、一方的に、ですけど……」
安武 陸
「俺は、一方的でもいいと思うよ」
安武 陸
「だって、そうじゃないと世界中の友達って結構減りそうじゃない?」
赤木恵夢
「……そう」
赤木恵夢
「です、かね……」
赤木恵夢
俯く。
赤木恵夢
「……たぶん」
赤木恵夢
「二年生になっても同じクラスだった、のは」
赤木恵夢
「そういう係的なの、あったんだと思います」
赤木恵夢
「……まあ」
赤木恵夢
「二年の秋くらいから、標くん、保健室登校増えたから」
赤木恵夢
「プリント持ってく機会、なくなっちゃったんですけどね」
安武 陸
「残念だった?」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「少し」
GM
二年の秋頃。一年と少し前。
GM
その時期が、何と重なるか。
赤木恵夢
恵夢は当然、それを知らない。
安武 陸
ちょっと
安武 陸
一年とすこし前?
GM
一年と少し前。
GM
0話がハロウィンだから、秋ですね。
GM
その一年前くらいですね。
安武 陸
いちねんくらいまえ……
安武 陸
「──……」
安武 陸
「…………」
安武 陸
「俺が師匠に拾われたの、一年くらい前だ」
赤木恵夢
「え」
安武 陸
「……化け物に襲われてる所を助けてもらってさ」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「さっき、出たみたいな……」
安武 陸
「また襲ってくるっていうから、死にたくなくて、助けて欲しくて」
安武 陸
「厳密には違うけど、まぁそんな感じ」
GM
修也は思い出してもいいかもしれませんね。
松井正幸
『ここ最近はずっと街にいっけど、前は海外飛び回ってたって話だし』
松井正幸
今では全てを忘れ去っていますが、かつて松井にそのように語られていました。
GM
また、一年前の秋。その、少し前。
GM
それは御影が倒れた時期と重なります。
安武 陸
ちょっと
安武 陸
そんなとこからそんな情報出てたの
安武 陸
これはシナリオに対するちょっとです
安武 陸
シナリオなのか?わからない
GM
ちゃんと読み返すといっぱい出てますよ
敷村 修也
確かに、ある!と今なっている
安武 陸
海外飛び回ってたんだ~へ~とは思ったけどさ
GM
だって最近飛び回ってる様子あんまないじゃん
GM
なかったじゃん
敷村 修也
どんどん答え合わせがすすんでる
安武 陸
なんか……もっと前かと……
迷ノ宮 光葉
ひぇ?
敷村 修也
「……あ、そういえば。松井さん……海野に紹介してもらった俺の師匠にあたる人なんだけど、その人が」
敷村 修也
黙って聞いていたが、思い当たるふしがある。
敷村 修也
「海野のこと、前は海外飛び回ってたって言ってました」
敷村 修也
「多分、その時期と重なるんだと思います」
安武 陸
「え、そうなんだ」
赤木恵夢
「海外……?」
迷ノ宮 光葉
「あの、その時期と兄が倒れた時期も……一致するのですが、これは偶然でしょうか……?」
赤木恵夢
えっ、て顔で光葉を見ます。
安武 陸
「マジで?」
赤木恵夢
「お」
赤木恵夢
「お兄さん、大丈夫なんですか……?」
迷ノ宮 光葉
「ご心配いただき、ありがとうございます。……お医者様も原因不明と仰っていたので、大丈夫とはいい難いのですが……海野様と何かしらの接点、がある人だったので……」
赤木恵夢
「え……」
GM
ここすごい複雑な関係になってるなっておもしろくなってきちゃった
敷村 修也
わははは
安武 陸
ふふふ
GM
かなりめちゃくちゃ
赤木恵夢
けっこう途方も無い話になっていることを察しつつあります。
赤木 叶恵
「んー……」
赤木 叶恵
「海野さんが海外を飛び回ってて……」
赤木 叶恵
「たぶん、同時期かな? 吸血鬼のクロニック・ラヴも各地を飛び回ってたんだよね」
赤木恵夢
「きゅうけつき」
赤木 叶恵
「うん、吸血鬼。色々あったんだ、ほんとに」
敷村 修也
「そう、ですね。海野が言ってました」
迷ノ宮 光葉
同意して頷きます。
赤木 叶恵
「で、海野さんが日本に根っこを落ち着ける」
赤木 叶恵
「そのタイミングで御影さんが入院……というか」
赤木 叶恵
「クロニック・ラヴの阻止を、放棄した」
赤木恵夢
むずかしいはなししてる……
安武 陸
「一年前、なんかあったんだろうな」
敷村 修也
「そこで安武さんは海野に助けられた。……何があったかはともかく、クロニック・ラヴを追ってた海野は、次は日本だって判断したんでしょうか」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「色々、を」
赤木恵夢
「話してもらうことって」
赤木恵夢
「できる……?」
赤木 叶恵
「……ちょっと、いやな話だよ?」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「でも」
赤木恵夢
「知りたい、よ」
赤木恵夢
「何もわかんないままじゃ、納得」
赤木恵夢
「できないから……」
赤木 叶恵
「……わかった」

行動:赤木叶恵

赤木 叶恵
話す。ハンターの事情。吸血鬼、魔女、モノビーストの話。
赤木 叶恵
「……たとえば、あのハロウィンの……お姉ちゃんが襲われた時のこと」
赤木恵夢
言葉少なに頷き、ときに相槌を挟みながら、叶恵の話を聞いていた。
赤木 叶恵
「あれも、あんなに人々が騒いで暴れてたのは魔女の力のせいだし」
赤木恵夢
「…………」
赤木 叶恵
「それから、吸血鬼のクロニック・ラヴ」
赤木 叶恵
「たぶん……海野さんと親しい人だった。風香っていう」
赤木恵夢
「ふうか」
赤木 叶恵
「で、あたしたちはハンターだから」
赤木 叶恵
「そういうのを、やっつけ……いや……」
赤木 叶恵
「………………………………」
赤木 叶恵
「殺してきた」
敷村 修也
赤木さんから視線を外す。
安武 陸
ちら、と叶恵の方を見る。
迷ノ宮 光葉
「……」黙って見守る。
安武 陸
皆否定はしない。
赤木恵夢
「待って」
赤木恵夢
「ちょっと、待って」
赤木恵夢
「いま、ふうか」
赤木 叶恵
「ん」
赤木恵夢
「ふうかちゃんって、言った?」
赤木恵夢
そこが引っかかったらしい。まずは。
赤木 叶恵
「……言った」
赤木恵夢
「えっと」
赤木恵夢
「待ってね……」
赤木恵夢
スマホを取り出す。いじり始める。
赤木恵夢
「さっきね」
赤木恵夢
「あのこ」
赤木恵夢
「卯田、千奈美ちゃんって言うんだけど……」
赤木恵夢
「友達のこと、ずっと探してる、って」
赤木 叶恵
「…………。だろうね」
赤木恵夢
スマートフォンに画像を表示させて、狩人たちに見せる。
赤木恵夢
千奈美が配っていた人探しのビラの画像。
GM
そこでは二人の少女が求められている。
GM
片方は空韻風香(そらおと ふうか)。五年前の十二月に失踪。当時小学四年生。
GM
もう一方は高知結凪。四年前の十月に失踪。当時小学五年生。
安武 陸
かわいい~~
安武 陸
5年前なんだねぇ
敷村 修也
4年前と5年前
安武 陸
そんな前に失踪した子達をずっと探してるのか
安武 陸
片方は殺したけどもう片方は自殺しちゃったよ
赤木 叶恵
「……やっぱり」
赤木恵夢
「三人、でね」
赤木 叶恵
見覚えのあるビラの写真。かつて駅前で見たときはすぐに忘れた顔。今では、どちらも忘れられない顔。
赤木恵夢
「お友達だったんだって」
敷村 修也
「………」
赤木恵夢
「結凪ちゃんとは、昔から幼馴染で」
赤木恵夢
「風香ちゃんとは……仲良くなったばっかりだった、けど」
赤木恵夢
「でも、ハロウィンの日に仲違いしちゃった、って……」
赤木恵夢
「仲直り、できなくて」
赤木恵夢
「できないまま、風香ちゃんがいなくなっちゃって」
安武 陸
「……仲違いって、どんな理由で?」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「発端は、よく覚えてないみたいだったの」
赤木恵夢
「つまんないことだったんだと思う、って」
赤木恵夢
「でも、結凪ちゃんと千奈美ちゃんが、すごく喧嘩しちゃって」
赤木恵夢
「それで、仲裁に入ろうとした風香ちゃんに」
赤木恵夢
「すっごくひどいこと、言っちゃった、って……」
赤木恵夢
口が重くなる。
敷村 修也
「ひどいことって、どんな?」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「……そ、の」
赤木恵夢
「風香ちゃん、ほら」
赤木恵夢
再び写真を見せる。
赤木恵夢
「目立つ感じ、じゃない?」
安武 陸
金髪碧眼だなぁ。
安武 陸
かわいいし。
敷村 修也
「うん」
赤木恵夢
「それで、あと転校生で」
赤木恵夢
「家もちょっと、ワケありだった、とか、で」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
こんなことペラペラ言っていいのかな……という気分になってきたが……
安武 陸
「さぞや目立ったろうなぁ」
赤木恵夢
自分も色々教えてもらったのは事実なので、腹を括った様子。
赤木恵夢
「だから、なかなかクラスに馴染めなくて……」
赤木恵夢
「それで、だから」
赤木恵夢
「なったばかりの頃の、ハロウィンパーティで」
赤木恵夢
「友達にね」
赤木恵夢
「だから……」
赤木恵夢
「その」
赤木恵夢
「そういう、時に」
赤木恵夢
「言っちゃいけないような」
赤木恵夢
「こと、を……」
安武 陸
言いにくそうだ。
赤木恵夢
括ったは括ったが……
赤木恵夢
さすがに……みたいな空気感。
迷ノ宮 光葉
なんとなく、言われて傷つくような内容を察することはできるし、口にしにくいのもわかるので、促すことはしない。
GM
仲良しの友達二人組のところに混ぜてもらったばかりの、それまではクラスに馴染めなかったらしい転校生。
GM
授業参観で家の事情が浮き彫りになることもあっただろう。
GM
察せられることもあったかもしれない。
赤木 叶恵
「喧嘩別れしたまま……二ヶ月後に失踪か」
赤木恵夢
「……うん」
敷村 修也
「………」
赤木恵夢
「でも、その、風香ちゃんが」
赤木恵夢
「標くんと……?」
赤木恵夢
スマートフォンの画像を覗き込んでいる。
安武 陸
ペンダントを取り出す。
赤木恵夢
五年前。まだ幼い少女の頃。
安武 陸
「これ」
赤木恵夢
「?」
安武 陸
「本当は、真ん中に師匠がいる写真だったんだ」
赤木恵夢
「え」
安武 陸
「こっちの女の子、その子でしょ」
GM
ペンダントの写真。
赤木恵夢
笑っている二人のうち、片方を見る。
赤木恵夢
「……ほんとだ」
赤木恵夢
「でも」
赤木恵夢
空洞を見つめている。
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「あ」
赤木恵夢
「と、えっと」
赤木恵夢
指をさす。もうひとりを。
赤木恵夢
「この人、は……?」
敷村 修也
「この人は……」
敷村 修也
「灰葉陽。……海野の、お姉さん」
赤木恵夢
「お姉さん」
赤木恵夢
「……灰葉?」
敷村 修也
「うん。灰葉陽は……5年前のハロウィンで、死んだんだ」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「五年前……」
赤木恵夢
「え、でも」
赤木恵夢
「標くん」
赤木恵夢
「きょうだい、いないって」
赤木恵夢
「…………」
敷村 修也
「……………」
敷村 修也
「それについて、は……」
安武 陸
「ちょっと議論の余地あるかもなぁ」
赤木恵夢
「ぎろん……」
赤木恵夢
「あ」
赤木恵夢
「でも」
赤木恵夢
「標くんの部屋」
赤木恵夢
「あ、マンションのね」
赤木恵夢
「表札、そうだ」
赤木恵夢
「――灰葉」
赤木恵夢
「灰葉、だったよ」
安武 陸
「え、マジか」
安武 陸
知らなかった……
敷村 修也
「――そっか」
赤木 叶恵
「……そうだ。その家、まだ残ってるのかな」
赤木恵夢
「う、うん……」
安武 陸
マンション住まいなのも知らなかった。
赤木恵夢
「なんか」
赤木恵夢
「親戚の人、って」
赤木恵夢
「病気の都合で……」
赤木恵夢
「居候みたいな、そういう」
敷村 修也
「ねぇ赤木さん、そのマンションって……」
赤木恵夢
「うん」
敷村 修也
自宅だったところからすぐの住所を、建物や周囲の様子と共に伝える。
赤木恵夢
「あ、そこだよ」
赤木恵夢
「そこの三階の部屋」
敷村 修也
合っている。
赤木恵夢
「……なんか」
赤木恵夢
「ワケありなのかな、って思って」
赤木恵夢
「あんまり、踏み込まなかったんだけど……」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
排熱。ぷしゅー
赤木恵夢
「思ってたのの」
赤木恵夢
「五百倍くらい」
赤木恵夢
「ワケありの規模が、おっきい……」
安武 陸
「規模がおっきいなぁ」
赤木恵夢
へなへな
赤木 叶恵
「しかもそれ……」
赤木 叶恵
「空韻風香の家の事情にも関係あるかもしれないんだよね」
赤木恵夢
「ふ、風香ちゃんのおうちのことまでは詳しく聞けてないよ……」
敷村 修也
「……千奈美ちゃんならもう少し詳しいかもしれないですけど」
敷村 修也
ううーん
赤木 叶恵
「ともあれ」
赤木 叶恵
「空韻風香と高知結凪は、どっちも死んだ」
赤木恵夢
「…………」
赤木 叶恵
「あんな態度なんだ。そのあたりも察してるのかもね」
赤木恵夢
「風香ちゃんのことは、まだ」
赤木恵夢
「わかんない、かも、って……」
赤木恵夢
声が尻すぼみになっていく。
安武 陸
「…………」
赤木恵夢
どちらにせよ、妹らの話を聞けば
赤木恵夢
二人が死んだことは事実だ。
赤木 叶恵
「……すぐに知る」
安武 陸
どうして死んだの……
GM
殺されて死んだ方と自殺した方がいますが……
安武 陸
俺が殺した……
安武 陸
自殺することはなかったのに……
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「……ずっと」
赤木恵夢
「ずっと、こんな」
赤木恵夢
「こ」
赤木恵夢
「……ろ、した、り、とか」
赤木恵夢
「しんだり、とか」
赤木恵夢
「そういう世界に、いたの?」
赤木恵夢
尋ねる。叶恵に。
赤木恵夢
叶恵のみならず、この場にいるハンター全員に。
赤木 叶恵
「……2年前」
赤木 叶恵
「偶然、巻き込まれた」
赤木恵夢
「…………」
赤木 叶恵
「運よく助けられて生きてるけど……」
赤木 叶恵
「体は……半分くらい、人間じゃない」
赤木恵夢
「?」
赤木恵夢
純粋に意味が諒解できなかったように、小首を傾げる。
安武 陸
あ~あ~
迷ノ宮 光葉
かなちゃん…
安武 陸
あ~あ~あ~
敷村 修也
うわっ
安武 陸
「叶恵、ちゃん」
言わなくてもいいんじゃ、という言葉を言外に滲ませる。
赤木 叶恵
「その時の出来事が原因で、化け物を取り込まないと動かない体になった」
敷村 修也
突然のことに驚いた。
赤木恵夢
「ばけもの……」
赤木恵夢
「……さっきの」
赤木恵夢
「みたい、な」
赤木 叶恵
「やっぱり見えてたんだ」
赤木恵夢
「見えるよ」
赤木恵夢
「……え」
赤木 叶恵
「普通は、見えないんだよ」
赤木恵夢
「見えないの……?」
赤木恵夢
「え……」
赤木恵夢
「あんな」
赤木恵夢
「色々壊してた、のに」
赤木 叶恵
「燃える病院の前にいた野次馬は、何もわからないまま踏みつぶされた」
赤木恵夢
「…………」
赤木 叶恵
「……まあ、今回はマシな方。食べるのに抵抗少ない見た目だから」
赤木恵夢
「食べる」
赤木恵夢
「んだ」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「か」
赤木恵夢
「硬そうなとこ」
赤木恵夢
「けっこう、あったけど……」
赤木 叶恵
「……がんばる」
赤木恵夢
「がんばるの……」
安武 陸
「まぁ、鶏っぽいからな……」
赤木恵夢
「歯、とか」
赤木恵夢
「大事にしよう?」
安武 陸
そこなんだ……
赤木恵夢
「折れちゃうかも」
赤木恵夢
「じゃ、なくて」
赤木恵夢
「えと」
赤木恵夢
だいぶ脱線していることに自分で気付いた。
赤木恵夢
おろおろと視線を彷徨わせてから、
赤木恵夢
そっと腕を伸ばす。
赤木恵夢
叶恵の身体を抱きしめる。
赤木 叶恵
「あ……」
赤木恵夢
肩に顔を埋める。
赤木恵夢
柔らかな髪が触れる。
赤木恵夢
「ちがうの」
赤木恵夢
「そうじゃ、ないの」
赤木恵夢
「そういう話じゃ、なくて……」
赤木恵夢
「ただ」
赤木恵夢
「……心配、だった」
赤木恵夢
「の」
赤木恵夢
「私も……」
赤木 叶恵
「…………うん」
赤木 叶恵
「だから、黙ってた。ごめん」
赤木恵夢
「でも」
赤木恵夢
「夜、どこか、行ってた」
赤木恵夢
「怪我とか、して」
赤木恵夢
「いっぱいしてた」
赤木恵夢
「……知ってたよ」
赤木 叶恵
「…………うん。ごまかせないよね」
赤木恵夢
「……うん」
赤木恵夢
「きっと、事情があるんだって」
赤木恵夢
「カナちゃんにも同じように、なにか、あって」
赤木恵夢
「それはなんていうか、譲れない、とか、あるんだろうって」
赤木恵夢
「そう思って、黙ってた、し」
赤木恵夢
「気付かないふりで、いた」
赤木恵夢
「……けど」
赤木恵夢
肩を震わせる。
赤木 叶恵
「……心配かけた」
赤木恵夢
「……なんで」
赤木恵夢
「心配しか、できないんだろうって」
赤木恵夢
「思ってた」
赤木恵夢
「思ってたの」
赤木恵夢
ゆっくりと顔を上げる。
安武 陸
ああ~~~~~~ああ~~~~~~~
敷村 修也
あっハイライト
安武 陸
あ~~~~~~
敷村 修也
ああ……
迷ノ宮 光葉
よかった……
赤木恵夢
涙を頬に伝わせながら、
赤木恵夢
「カナちゃんも」
赤木恵夢
「標くんも」
赤木恵夢
「がんばってる、のに」
赤木恵夢
「わたし」
赤木恵夢
「わたし、なんにも、できないで……」
GM
ここいらで判定もらいつつ
GM
入れて……いただくか……
赤木 叶恵
*狩猟 赤木恵夢《退路》
GM
攻撃力で+2ですね。
敷村 修也
興奮剤使うんでいいんでないかな
GM
クソ~ かしこくなってきたな
GM
そう 序盤は援護 激情とれたら興奮剤 これがかしこい
安武 陸
なるほど
赤木 叶恵
今は激情そろってっからね
GM
かしこくなりよって
敷村 修也
経験を積みました!
GM
えらいぞ
安武 陸
仲間が頼りになる……
赤木 叶恵
*興奮剤
GM
いいでしょう。さらに+2して判定をどうぞ。
赤木 叶恵
2D6+2+2>=7 (判定:這う) (2D6+2+2>=7) > 9[3,6]+2+2 > 13 > 成功
GM
ド余裕~
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 支配力『赤木恵夢』 : 1 → 0
GM
ワンダー・トリップ・ラヴァーの支配力『赤木恵夢』が破壊されました。
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 耐久力 : 14 → 13
[ ワンダー・トリップ・ラヴァー ] 部位ダメージ : 0 → 1
赤木 叶恵
「え? いや……」
赤木 叶恵
「それは、違う。あたしも……バカだから、気付いたのは最近になってからだけど」
赤木恵夢
「…………?」
赤木 叶恵
「学校さぼって、働かず外ほっつき歩いて、いつだかわかんない時間に帰ってくる妹にさ」
赤木 叶恵
「やな顔ひとつせず、家事やって家計支えて……」
赤木 叶恵
「……そういうの、あんまりお礼言えてなかった」
安武 陸
そうだねぇ
安武 陸
お母さんは味方じゃないしねぇ
GM
母も心配してますよ
GM
超心配するよ
安武 陸
心配はするだろうけど……
安武 陸
心配だから怒るじゃん……
GM
心配なので怒ります
赤木恵夢
「それ、は」
赤木恵夢
「だって、私、それくらいしか……」
赤木 叶恵
「あたしだって、今やってる事ぐらいしか出来ない」
赤木恵夢
「で、も」
赤木恵夢
「カナちゃんのは、すごいことだよ」
赤木恵夢
「ハロウィンのときだって、助けてくれて……」
安武 陸
「色々できる人だと、無理する心配もあるしなぁ」
赤木 叶恵
「私も、陸PL「師匠の気持ちを勝手に代弁するな!!と思うけどまぁ思わないなとなるので、そうだな!!となる」海野さんだって
赤木 叶恵
「お姉ちゃんに戦ってほしいなんて思ってない」
赤木恵夢
「…………」
赤木 叶恵
「でも、お姉ちゃんは別の戦い方であたしを支えてくれてたんじゃん」
赤木恵夢
「……そう、かな」
赤木 叶恵
「……ハンターってさ」
赤木 叶恵
「疫病神なんだよ。なんなら、身内にハンターがいる方がむしろ危ないぐらい」
赤木恵夢
「…………?」
赤木恵夢
「戦って、て」
赤木恵夢
「助けてくれる、のに……?」
赤木 叶恵
「狙われやすくもある」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
でも、と口籠る。
赤木恵夢
「守るために、戦ってくれてた」
赤木恵夢
「助けてくれてた」
赤木恵夢
「そう、なんだよね」
赤木 叶恵
「……うん」
赤木 叶恵
「でも、お姉ちゃんがいるからだよ」
赤木 叶恵
「お姉ちゃんがいなくなったら、あたしは家を出て専業のハンターになるかもしれない。たぶん、そっちの方がお母さんは安全」
赤木恵夢
「…………」
赤木恵夢
「……それは」
赤木恵夢
「ちょっと、さみしいなあ……」
敷村 修也
自分の今の暮らしのことを思った。
赤木 叶恵
「……家に帰ってるのは、帰りたいからだよ」
赤木恵夢
「……ふふ」
赤木恵夢
「それは、うれしい」
赤木恵夢
「ありがとう」
赤木恵夢
「カナちゃん」
赤木 叶恵
「…………」
赤木 叶恵
「まだ、生きてるの間違いだと思う?」
赤木恵夢
「……ううん」
赤木恵夢
首を振る。
赤木恵夢
「ごめん、ね」
赤木 叶恵
「ちゃんとしてよ。生かしてもらったんなら尚更じゃん」
赤木恵夢
「うん。……うん」
赤木恵夢
「わたし」
赤木恵夢
「わた、し」
赤木恵夢
「そうだ」
赤木恵夢
「伝えたかった、の」
赤木恵夢
「ちゃんと」
赤木恵夢
「標くんにも」
赤木恵夢
「『助けてくれて、ありがとう』って――」
赤木 叶恵
「……うん」
赤木恵夢
叶恵の背に腕を添えながら、涙を落としながら、恵夢は頷く。

 
GM
赤木恵夢の幸福『背徳:海野標』が修復されました。
安武 陸
あ~~~~
安武 陸
あ?
安武 陸
背徳だったんだなぁ
敷村 修也
はぁ~~~
赤木 叶恵
背徳~~~
安武 陸
背徳だったんだなぁ……
GM
しかし、一度破壊された背徳は、叶えられた願いは、修復されても覆せない。
GM
街はまだ虹色に燃えている。
GM
ワンダー・トリップ・ラヴァーから目覚めさせられつつある”夢”を食い止め、
GM
この世界を確かな現実とすることができるかどうかは、あなたたち狩人にかかっている。