#0 きざはしに星 導入 2

集合シーン

GM
修也の誘われた集団墓地。
GM
コウモリが数となく羽ばたき、
GM
その中を突っ切って、ランタンを抱えたコウモリはとある墓の前で止まる。
敷村 修也
「墓地……?」
GM
相変わらずに空は暗いまま。
GM
けれどコウモリの提げたランタンが、
敷村 修也
「なんだってこんな日にこんな所へ……」
GM
その墓石に掘られた文字を照らし出す。
GM
『灰葉家之墓』
敷村 修也
「………っ」
敷村 修也
思わず息をのんだ。
GM
息を呑む修也の目の前で、
GM
かしゃん、と、ランタンが地に転がる。
GM
ランタンのガラスにひびが入る。
GM
内側から破れ、ぼやけた光が溢れ出る。
GM
その光が、やがてかぼちゃの形を作り上げ――
GM
ぽん、と、そのかぼちゃの上に、
GM
一人の女が腰掛けた。
敷村 修也
「は?」
クイーン・オー・ランタン
「こんばんは、はじめまして!」
安武 陸
うわーっ
安武 陸
かわいい~
aisa
かわいい~~
安武 陸
めっちゃかわいい
aisa
とてもいい
安武 陸
ハロウィンカラーだ
sezco
かわいいね
敷村 修也
いぶかしげな表情のまま間の抜けた声をあげる。
クイーン・オー・ランタン
「良い夜ね!」
クイーン・オー・ランタン
派手な色彩をしたその女は、間抜けた声であなたに話しかけてくる。
敷村 修也
「…………こんばんは」
クイーン・オー・ランタン
「いいお返事~!」
クイーン・オー・ランタン
「私、クイーン・オー・ランタン! ハロウィンの魔女!」
敷村 修也
目の前の出来事に脳の処理がおいつかないまま、条件反射のように挨拶を返す。
クイーン・オー・ランタン
「あなたの名前を教えてくれる?」
敷村 修也
なんだって?
敷村 修也
「いや……」
敷村 修也
言葉をどう挟んだものか。そもそも今どうやってここに―――
クイーン・オー・ランタン
「え~~~~」
クイーン・オー・ランタン
「私、あなたとお友達になりたいの!」
クイーン・オー・ランタン
「ね、だから、ね、お友達の第一歩、名前でしょう?」
敷村 修也
さらに眉をひそめた。
安武 陸
ハッ……不思議な動物に誘われて、不思議な美少女に出会う優等生陽キャ……!?
安武 陸
この状況で冷静だと……!?
安武 陸
美少女に名前を聞かれて、眉をひそめるだと……!?
安武 陸
こんなに懐かれているのに!?
aisa
困る状況ですね
クイーン・オー・ランタン
「私はあなたに名前を教えたから」
クイーン・オー・ランタン
「あなたも私に名前を教えてくれない?」
クイーン・オー・ランタン
「だめ、だめ、だめかしら?」
クイーン・オー・ランタン
「お近づきのしるし、でしょう?」
クイーン・オー・ランタン
調子外れな声で女が囀る。
クイーン・オー・ランタン
ちかちかと目の毒な色彩が、無邪気にあなたに笑いかける。
敷村 修也
「ちょっと、ちょっと待ってもらえますか。一度にいろいろありすぎて……」
クイーン・オー・ランタン
「あ~~~」
敷村 修也
ああ、しかもまぶしくてうるさいタイプ。
クイーン・オー・ランタン
「私のこと信用してないんでしょ~~」
クイーン・オー・ランタン
「私、陸「優しいのか~~~よかった~~~」けっこう優しいんだよ?」
クイーン・オー・ランタン
「友達になってくれるんなら、けっこういっぱいがんばっちゃうんだよ?」
クイーン・オー・ランタン
「あ」
クイーン・オー・ランタン
「そっか!」
クイーン・オー・ランタン
勝手に合点して手を叩いている。
敷村 修也
「いや、この状況で信じろと言われても……」
敷村 修也
勝手に納得してるし。
クイーン・オー・ランタン
「うん、うんうんうん、そうだよね~」
クイーン・オー・ランタン
「大丈夫大丈夫」
クイーン・オー・ランタン
「今すぐに証拠、見せてあげるからねっ」
クイーン・オー・ランタン
言い放つが否や、
クイーン・オー・ランタン
目の前の女は灰葉家の墓石に手をかけ、それをひっくり返した。
クイーン・オー・ランタン
ごろん。
クイーン・オー・ランタン
そうして屈み込むと、堂々と骨壺を漁り始める。
敷村 修也
「お、おい!」
敷村 修也
強い口調が思わず飛び出す。
敷村 修也
「なにやってんだよ!あんた!」
クイーン・オー・ランタン
「えーと、どれかな、これかな~」
クイーン・オー・ランタン
「三人分あるな~」
安武 陸
骨壷を漁るな!!!!!!!!
aisa
かわいいけど結構やることがすごい
月夜
最悪だよ~~~
安武 陸
三人分あるなとか……言うな!!
クイーン・オー・ランタン
「あ、これだ!」
クイーン・オー・ランタン
お目当てを見つけたのか骨壺を開けて、
クイーン・オー・ランタン
それもひっくり返して、
クイーン・オー・ランタン
「見ててね~」
敷村 修也
「こいつ!」
クイーン・オー・ランタン
「今すぐぱぱっとこねちゃうんだから!」
クイーン・オー・ランタン
邪魔立てしようとした修也の腕を、コウモリの群れが捕まえる。
敷村 修也
掴みかかろうと伸ばした腕にコウモリがまとわりつく。
クイーン・オー・ランタン
その目の前で意気揚々と骨を集め、かぼちゃを練り込み、
クイーン・オー・ランタン
こねてまぜて、こねてまぜて――
敷村 修也
か、かぼちゃ!?
クイーン・オー・ランタン
「はいっ」
クイーン・オー・ランタン
「かんせーい!」
クイーン・オー・ランタン
くるりと振り返り、出来上がった人体を修也へと突き出す。
敷村 修也
「は?」
『こねてつくった』はいばひなた
青褪めた肌、
『こねてつくった』はいばひなた
脱力した身体の、
『こねてつくった』はいばひなた
灰葉陽に似せて作られた人形を。
安武 陸
うわ~~~~~
aisa
ひぇ~~~~~~~~
安武 陸
嫌すぎる
sezco
めちゃくちゃかわいい
安武 陸
せつこ好きだろうなと思った
GM
ぼんぼんぼんと、集団墓地の空にかぼちゃの花火があがる。
クイーン・オー・ランタン
「ね」
クイーン・オー・ランタン
「ねっ」
クイーン・オー・ランタン
「この人でしょう?」
クイーン・オー・ランタン
「あなたのお目当て!」
クイーン・オー・ランタン
「この人が欲しかったんでしょう? わかるよ、私、魔女や吸血鬼には人間の欲望を見透かす力がある。そういうの敏感なの!」
敷村 修也
「は……?」
『こねてつくった』はいばひなた
虚ろな瞳があなたを見ている。
灰葉陽
『しゅーくん!』
灰葉陽
『今日も朝早くから精が出ますな~』
灰葉陽
『えらいえらい、いいと思うよ!』
灰葉陽
『うちのにも見習わせたいな~、あいつ朝弱いんだよね~』
『こねてつくった』はいばひなた
目の前の人形は喋らない。
『こねてつくった』はいばひなた
女に抱えられたまま、ただだらりと顔を俯かせるのみ。
敷村 修也
古い大切な記憶が目の前の人の形をしたものと結びつく。
敷村 修也
そして理性がそれを否定する。
敷村 修也
灰葉陽は、ひなちゃんは死んだはずだ。5年前に。
GM
五年前のハロウィンの夜に、灰葉陽は死んだ。
GM
葬式にも出た。悲嘆にくれる、彼女の家族を見た。
GM
間違いのないことだった。
『こねてつくった』はいばひなた
では、目の前のこれは?
『こねてつくった』はいばひなた
濁った瞳は焦点が定まらず、
『こねてつくった』はいばひなた
力なく開かれた唇からは微かな呻きが漏れる。
『こねてつくった』はいばひなた
脱力しているなりに、奇妙な女に抱えられるなりに、その両足は地を立っている。
GM
GMはやりたいことやったので(最悪)
GM
あとはハンター諸氏がかっこよくこの青少年を助けてくれたらな、と思っています。
sezco
なるほどね
敷村 修也
受け止めきれないよ~
安武 陸
なるほど
GM
助けてくれないと友達にします。
安武 陸
入るの難しいな もうちょっと見ていたい気持ちになるから……
GM
青少年がサイコ女のお友達にされちまうんだぞォ~ッ
GM
まあわかるよ 難しいんだよね 幸福破壊への妨害って(集合シーンなんだよ)
安武 陸
集合シーンなんだなぁ~
GM
GMは誰かが入るまでしゅーくんをいじめますが……
ありおり
ブラムンのGMがよくやるしぐさ
敷村 修也
「いや、そんな……」
『こねてつくった』はいばひなた
「……ぁ」
『こねてつくった』はいばひなた
ゆらりと。
『こねてつくった』はいばひなた
手が伸ばされる。
敷村 修也
思わず一歩後ずさる。
『こねてつくった』はいばひなた
土気色をした手、張りのない肌、
『こねてつくった』はいばひなた
それが空を切り、何も掴めず、降ろされる。
『こねてつくった』はいばひなた
「…………」
『こねてつくった』はいばひなた
「……ぅ」
『こねてつくった』はいばひなた
「ぅ、……く、ん」
敷村 修也
息をのむ。
敷村 修也
今すぐここから駆け出して逃げてしまった方がいい。
敷村 修也
それでも目の前の、ひなちゃんの姿をした、何かから目をそらせないでいる。
クイーン・オー・ランタン
「あれー? あれあれー?」
クイーン・オー・ランタン
「なんか盛り下がっちゃってる?」
クイーン・オー・ランタン
「もうちょっと盛ったほうが良かった?」
クイーン・オー・ランタン
「あの、えーと……こゆとことか……」
クイーン・オー・ランタン
こねて作った人形の胸辺りをさすっている。
クイーン・オー・ランタン
「若い男の子だもんね? ごめんね?」
『こねてつくった』はいばひなた
さすられるままに身体が揺れる。
安武 陸
最悪だ~~
sezco
にんぎょうかわいいな……
月夜
最悪すぎる
aisa
ごめんねじゃないよ…
安武 陸
うわ~~~~
赤木 叶恵
足音と人影。
赤木 叶恵
コウモリを見上げていた顔が、そこにいる人間ひとり、魔女ひとり、人形ひとつへと目を向ける。
赤木 叶恵
歩みは止まらず、そのまま真っすぐ。
敷村 修也
人の気配。
なにか見られてはいけないものを見られたようにはっと振り返る。
赤木 叶恵
「…………」
クイーン・オー・ランタン
魔女は人形の出来ばかりを気にしている。
赤木 叶恵
大股歩きで近付く。一歩、一歩、一歩。
クイーン・オー・ランタン
近寄る人影に気付かず、スカートの端をつまんだり覗き込んだりしている。
赤木 叶恵
人形のすぐ手前まで迫ったその足を、歩みのままのペースで上げて──
赤木 叶恵
大きく踏み出して、空気を読まない一撃。横っ腹を蹴り飛ばす
クイーン・オー・ランタン
「あーッ!?」
クイーン・オー・ランタン
魔女が悲鳴をあげる目の前で、
『こねてつくった』はいばひなた
作られたばかりの人形が蹴り飛ばされ、墓場の地面を転がる。
敷村 修也
「なっ」
赤木 叶恵
魔女へと向く。腕を振り上げる。手には注射器。
クイーン・オー・ランタン
「ひっひどい! 私の力作なのに!」
赤木 叶恵
振り下ろす。
クイーン・オー・ランタン
「みゃーっ!?」
クイーン・オー・ランタン
振り下ろされた注射器は、
クイーン・オー・ランタン
コウモリが受け止めて盾となる。
クイーン・オー・ランタン
打ち込まれた一匹がぽとんと地面に落ちた。
赤木 叶恵
「ちっ」
赤木 叶恵
後ろをちらりと見る。
クイーン・オー・ランタン
「なっなに、ひどい、ひどいひどいひどい~っ」
クイーン・オー・ランタン
かぼちゃに腰掛けた魔女がふわりと浮き上がる。
赤木 叶恵
魔女の言葉には答えない。
赤木 叶恵
「ハンター?」
敷村 修也
急に何を言っているんだこの人は?えっ?
敷村 修也
困惑のこもった返答。
赤木 叶恵
「……はあ」
クイーン・オー・ランタン
「無視しないでよ~~」
クイーン・オー・ランタン
「この……」
クイーン・オー・ランタン
「えいやっ」
クイーン・オー・ランタン
魔女が腕を振ると、ぽん、とかぼちゃが地面に現れる。
クイーン・オー・ランタン
ごろごろと叶恵と修也の方へと転がっていき……
クイーン・オー・ランタン
ぼ、と内側に炎が灯った。
敷村 修也
「う、うわっ」
敷村 修也
次から次へとわけのわからないことが迫ってくる。
敷村 修也
これは夢なんだろうか?
赤木 叶恵
「!」かぼちゃへと足を振り上げる。
海野標
「蹴るな!!」
海野標
声と同時、
赤木 叶恵
「!?」
赤木 叶恵
足が止まる。
海野標
叶恵と修也の首根っこが引っ掴まれる。
海野標
掴んだ手はそのまま飛び退り、
海野標
直後、炎を灯したかぼちゃが青い火を拭き上げて破裂する。
赤木 叶恵
「……っぶな」
クイーン・オー・ランタン
破裂したかぼちゃはいくつものジャック・オー・ランタンとなり、
クイーン・オー・ランタン
無数に分裂しながら街へと広がっていく。
安武 陸
入れ替わるように男が飛び出す。
安武 陸
投げナイフが、魔女を目掛けて飛ぶ。
クイーン・オー・ランタン
「うわうわ~~っ!?」
クイーン・オー・ランタン
投げナイフから逃れるように、かぼちゃ女が墓を駆ける。
安武 陸
見失わないよう魔女を追う。しかし距離は詰めすぎないように。
海野標
「っはー、ギリギリ……」
海野標
叶恵と修也から手を離す。
赤木 叶恵
「……ありがと」
海野標
「ども。大丈夫か?」

「バウッバウ!グルルル……」

逃げ惑う魔女の行く手に犬が飛び出す。
クイーン・オー・ランタン
「ぴっ!?」
クイーン・オー・ランタン
犬の吠え声に怯えるように身を竦めた、
クイーン・オー・ランタン
その場でたたらを踏んで振り返るも、立ちはだかる男の姿。
安武 陸
刀を構える。こちら側には逃さないという意思表示。
敷村 修也
「えっ、あっ、はい」
赤木 叶恵
「こっちも無傷」
海野標
「そうか、よかっ」
海野標
「……修也?」
敷村 修也
「えっ」
敷村 修也
初めてここで呼ばれた自分の名前に声をあげる。
海野標
そこに立つクラスメイトの姿は、
海野標
普段学校で見かけるものとはだいぶ印象が違う。
海野標
……そもそも、彼は学校に姿を現すことすら相当に稀なのだが。
クイーン・オー・ランタン
「ぴっ」
クイーン・オー・ランタン
「ぴえ~……」
クイーン・オー・ランタン
「なんでえ」
クイーン・オー・ランタン
「なんでみんないじめるの~……」
迷ノ宮 光葉
犬のそばに少女が控える。ハロウィンカラーの魔女を逃すまいと睨みつけ、
クイーン・オー・ランタン
「あうあぅ……」
赤木 叶恵
「ちょっと……知り合い? どうすんのこれ」
クイーン・オー・ランタン
光葉にも睨みつけられ、すごすごと身を屈める。
クイーン・オー・ランタン
「わ」
クイーン・オー・ランタン
「私、ともだち」
クイーン・オー・ランタン
「なりたいだけ、だよぅ?」
安武 陸
刀を構えて、じっと魔女を見る。
安武 陸
じっと……
海野標
「あ、あー」
安武 陸
どしたらいいすかね?と思いながら背後を振り返った。
海野標
修也から視線を切って、魔女の方を向く。
敷村 修也
「海野……!?」
海野標
「とりあえず、魔女囲めてんだから」
海野標
「やるのが筋だろ」
安武 陸
「あ、ハイ」
海野標
言い放つと、腕を振る。
海野標
傷一つない指先から血が落ちて、
海野標
その血が刀の形を作り上げ、標の手に収まる。
海野標
血戒による武器作成。半吸血鬼故の異能。
安武 陸
「お前に恨みはないが……、こっちも死にたくないわけでさ」
クイーン・オー・ランタン
「みっ」
クイーン・オー・ランタン
「みぃみぃ……」
クイーン・オー・ランタン
おかしな鳴き声を放ちながら、魔女は身を縮めていたが……
安武 陸
駆ける。
安武 陸
自分は止めを刺せなくてもよい。背後から師が迫っている。
『どろっぷあうと』増田順
陸の道筋を遮るように、男の姿。
『どろっぷあうと』増田順
ナイフを持った男が陸の道を塞ぎ、
安武 陸
「!」
『どろっぷあうと』増田順
その刀を受け止める。
『どろっぷあうと』増田順
「今だ、魔女!」
クイーン・オー・ランタン
「ぴょっ」
安武 陸
思わぬ援軍に動揺する。
クイーン・オー・ランタン
「あ」
クイーン・オー・ランタン
「うん、うんうん、うん!」
クイーン・オー・ランタン
「ありがとー!」
クイーン・オー・ランタン
「やっぱり持つべきものは友達、だねっ!」
クイーン・オー・ランタン
言うと魔女は地を蹴った。
安武 陸
受け止められた刃を振り払い、また構え直す。
クイーン・オー・ランタン
現れた男の肩を踏みつけに、高く跳ぶ。
クイーン・オー・ランタン
陸が塞ぐはずだった道を跳び駆けて、
安武 陸
「あ!」
安武 陸
「師匠! 逃げますよ師匠! 師匠!!」
海野標
「てめ、逃がすか――」
海野標
追い縋った標の足が、
海野標
何かを認めてぴたりと止まった。
海野標
絶句する。
安武 陸
「師匠!? 逃げますって!」
『どろっぷあうと』増田順
ナイフが振るわれる。
『どろっぷあうと』増田順
刃と刃が打ち合う一方で、
クイーン・オー・ランタン
ジャック・オー・ランタンの埋め尽くされた街の闇に、女の姿が消えてゆく。
『どろっぷあうと』増田順
「……十分だな」
『かわいいかしこい』コウモリーダー
「キキッ」
月夜
どんどん名前がついていく
sezco
かわいいかしこいコウモリーダーじゃないか!
安武 陸
かわいいしかしこ~い
aisa
かわいいしかしこいのはいい
『かわいいかしこい』コウモリーダー
男とコウモリの声に応えるように、
『かわいいかしこい』コウモリーダー
コウモリの群れが集団墓地を埋め尽くす。
『こねてつくった』はいばひなた
その群れに横たわった人形がさらわれていく。
『こねてつくった』はいばひなた
だらりと下がった手。
『こねてつくった』はいばひなた
何にも触れられはしなかった。
安武 陸
「ししょ……うわっ、なんだこのコウモリ!」
GM
「キキキーッ」
GM
コウモリたちは通りすがりに狩人に噛み付いたり覆い被さったり装備を剥ぎ取っていったり……
GM
諸々悪さをしていこうとしますが、いい感じに蹴散らして下さい。
敷村 修也
「うわっ!うわっ!」
安武 陸
ナイフを投げ、空を舞うコウモリを落とす。が、数が多すぎる。
GM
ぼとぼと……
安武 陸
「師匠~~~! 助けてよ~~! いや俺はまだ大丈夫だけどそこの高校生とか!」
迷ノ宮 光葉
「……!」魔女が去っていった方角を睨みつけながら福とともにコウモリを追い払っています。
赤木 叶恵
注射器を仕舞う。掴んで握り潰していく。
GM
「ピギャア」
赤木 叶恵
「汚……」
安武 陸
弱気な言動の割には、ナイフは着実にコウモリを落とす。
安武 陸
生き物を殺すのは気が進まない。しかし人型をしたものよりはよっぽどマシだ。
海野標
「……あ」
海野標
舌打ち。
海野標
刀を振り払う。
海野標
切っ先は修也に群がるコウモリを切り裂き、
海野標
返す刃で空を舞う大勢をも振り払った。
GM
「キキッ」
GM
「キ」
GM
「キィーッ」
GM
悲鳴を上げながら、コウモリたちが高く舞う。
GM
未だ明けることのない空を目掛け。
GM
魔女と同じように、闇に溶けていく。
安武 陸
「キャーッ! さっすが師匠!」
海野標
「っせえな……」
赤木 叶恵
目を細めて闇に溶けたコウモリを見ようとする。
海野標
「おら、立て敷村」
海野標
修也の腕を掴んで引っ張り上げる。
安武 陸
納刀して、ナイフを拾いに行く。
赤木 叶恵
「見失った」
海野標
「残念」
敷村 修也
標に引き上げられ立ち上がる。
敷村 修也
「なあ海野これは……」
海野標
「後で説明する」
海野標
苦々しく言って、光葉を見ます。
赤木 叶恵
「するの?説明」
海野標
「要るだろ」
海野標
「狙われてっぞ、こいつ」
海野標
「……あんた、迷ノ宮んとこの嬢さんだよな」
海野標
光葉に。
迷ノ宮 光葉
お嬢様の礼儀正しさ。ぺこりと黙礼して「狩人でいらっしゃいますね?」周りの面々に確認をする。
赤木 叶恵
聞き覚えのありすぎる名前に反応した。迷ノ宮?」
迷ノ宮 光葉
「えぇ、迷ノ宮光葉と申します」
安武 陸
「なんか聞いたことあるような……」
海野標
「落ち着けるとこで話したい」
海野標
「場所、借りられるか?」
迷ノ宮 光葉
こくりと頷くと、おろおろしていると思う修也をちらりと伺いながら、福と共に自宅の屋敷へ先導していく。
海野標
してるな~。
海野標
「ってことで、いいよな」
海野標
光葉の背を追いつつ、陸と叶恵に確認をとる。
海野標
確認する意味がない。修也には特にとりません
赤木 叶恵
「…………っ」
赤木 叶恵
頷く。
安武 陸
「まぁ、俺は師匠に反対する権力がないんでいいっすけど」
海野標
「気概があれば認めるけどなあ?」
安武 陸
「今は気概もないなあ」
海野標
軽口を叩きつつ、先導されて迷ノ宮の屋敷へと。
GM
その最中にも街を歩く。
GM
出鱈目なジャック・オー・ランタンで埋め尽くされた常闇の街は、
GM
夜明けを待たぬままに、ただ不気味に笑っていた。
GM
ほんとはもうメインフェイズなんですが、なんかここからメインフェイズだと初手の人が困りそうなので
GM
迷ノ宮のお屋敷を借りて自己紹介タイムをやりましょう。
GM
と、言うわけで迷ノ宮邸です。
GM
けっこうおっきいよね。
迷ノ宮 光葉
はい、和風のお屋敷…って感じです。
GM
お座敷に通していただき……
GM
叶恵ちゃんは手とかを洗わせてもらったりとか……するのかな……
GM
手だけで済む? 大丈夫? まあ多少きれいにはさせてもらえるよね。
赤木 叶恵
たすかる
迷ノ宮 光葉
広いのできっとお手伝いさんが洗面所に案内してくれる
GM
いたれりつくせり~
GM
そんな感じで諸々済ませまして、改めて客室のお座敷に集合です。
GM
相変わらず外はとっぷりと暗い。
GM
もう11時とかなのに。
GM
11時は言い過ぎかも。10時くらいかな。
安武 陸
小市民ムーブ。広くて落ち着かない……
敷村 修也
別の意味で落ち着きません。
安武 陸
おいはこがん広か家上がったことなかもん……
海野標
急に方言出すな
迷ノ宮 光葉
広い割に人の気配が少ないので、手ずからお茶を用意してお出ししたりして、落ち着いたところで…
海野標
標は座布団にどっかり座ってます。
安武 陸
正座して痺れてきてもじもじしてます。
迷ノ宮 光葉
「まずは助力をありがとうございます、狩人様方」
海野標
「これは折り目正しくどうもどうも」
海野標
「まあ、助けられたってのは結構お互い様だけどな、こういうの」
安武 陸
「あっ……へへ、どうもどうも……」
安武 陸
この調子じゃ面接はだめそう。何か三下みたいな挨拶になる
海野標
なんでだ?
赤木 叶恵
「とりあえず、動ける人と合流できてよかった」
海野標
「だな……」
海野標
「今回、波長合ってる奴が少ないみたいだし」
海野標
「ほうぼうに声掛けたけど引っかからねえのなんの……」
安武 陸
「めっちゃがっかりしたわ……」
敷村 修也
なんのことか全くわからない会話を続ける海野たちをちらりちらりと観察する。
海野標
一切接点のない集団という趣がすごい。
海野標
オフ会って言われたら納得しそうな統一感のなさ。
安武 陸
「あ、師匠、彼に説明してあげたほうがいいんじゃないすか?」
迷ノ宮 光葉
一挙一動がしとやかな上に礼儀正しさがすごく、他と比べた人間性の差がすごい。ご挨拶が遅れまして、申し訳ございません。八角宗家、分家筋の迷ノ宮の娘、光葉と申します」深々。
迷ノ宮 光葉
「よろしければ、狩人様方のお名前を」……それから修也を再びちらりと窺う。
海野標
「あー……」陸に生返事を返しつつ……
海野標
「俺は海野標。無所属の狩人。吸血鬼と人間の間に生まれた存在。あるいは吸血鬼の血をつぐもの。
本来吸血鬼が使うはずの血戒という力を行使できる。
途中から年を取らなくなったり、モンスターに目をつけられやすかったりする。
半吸血鬼
海野標
「こっちは弟子」
海野標
陸の背中を叩きます。
安武 陸
「あっあっ、どうもどうも……」どうもどうも二回目。
海野標
「名乗れや」
安武 陸
「はっ、はい! 海野師匠の弟子をやらせて頂いております、安武陸と申しますです!」
安武 陸
「日々理不尽に背中を叩かれたり、家に押し入られたりしています!」
海野標
「余計なことは言わんでよろしい」
海野標
もっかい叩く。
安武 陸
「ここで必要な情報ってなんすかね……。俺のゼミの話とかしていい?」
海野標
「マジでいらねえ~」
海野標
流しつつ、視線を叶恵に向ける。
赤木 叶恵
「赤木叶恵。D7」
赤木 叶恵
「一応……ハンター歴は2年くらい。最初に色々教えてくれたのが……」
赤木 叶恵
「……迷ノ宮先輩。迷ノ宮御影さん」
安武 陸
なんか聞いた名字だな
安武 陸
割と最近に……
海野標
「迷ノ宮」
海野標
復唱して、光葉を見る。
海野標
「知り合いだった?」
迷ノ宮 光葉
「まぁ……兄を、ご存知でしたか……?赤木様」
安武 陸
あっ、この家は……迷ノ宮!
海野標
思い出せてえらいな
赤木 叶恵
「1年ぐらい、お世話になった」
迷ノ宮 光葉
「そう、でしたか……。兄がお世話になりました」
赤木 叶恵
「私は、先輩に何もできなかったよ……」
迷ノ宮 光葉
「いえ、そんなことは……。わたくしは狩人の兄をあまり知りませんが、こんなに素敵な後輩がいらしたのですね。……お兄様ったら、教えてくださったら、良かったのに……」
赤木 叶恵
「…………まあ、あたしの事はいいよ。先輩の話はすごく気になるけど……」
海野標
「今は魔女だな」
赤木 叶恵
「ん」
海野標
「そんで……あー……」
海野標
言ったはいいが、だいぶ言葉を濁す雰囲気になっちゃった。
海野標
修也に視線を向ける。
迷ノ宮 光葉
「はい、積もる話は後ほど。それで……こちらの方は……」修也をちらり。
敷村 修也
居心地悪そうにわけのわからない会話を聞かされている。
安武 陸
居心地悪そう。
海野標
「……とりあえず、名乗っといたら?」
敷村 修也
「……敷村 修也、です。あの、先ほどはありがとうございました」
海野標
「実はハンターだったってオチはないよなー」
敷村 修也
「なんのことだか全然……」
敷村 修也
少し居住まいを正す。
安武 陸
「ほら、やっぱ説明が必要ですよ」
安武 陸
「悪い小説も映画もその他諸々も、大体説明不足がよくない原因になるんすからね!」
海野標
「小説みたいに行ったらいいんだけどなァ……」
迷ノ宮 光葉
「敷村様、ご無事で何よりでした。それで、ええと……」どこから説明したものか困っている。
海野標
億劫げにばりばり頭を掻き……
海野標
「えーと、さっき墓場に変なのいたろ」
敷村 修也
「ああ……」
海野標
「あれは魔女。人類の敵。モンスター」
海野標
「日が昇らないのはだいたいあいつのせい」
海野標
「で、ここに居る奴らはあれを殺すために集まってる」
海野標
「ハンター」
海野標
「お前もやがてそうなる」
海野標
「OK?」
海野標
ざっくばらんに済ませた。
敷村 修也
「海野って言動が電波とか中二病の人のそれ。そういうタイプだったか……?」
海野標
学校では眼鏡をかけて猫かぶり病弱キャラをやっている。
ハンターはどうしても欠席しがちになるため。
悪いけど眼鏡今家だわ
安武 陸
「そう言いたくなる君の気持ちは分かる」
安武 陸
「俺も最初はヤバい薬をやってる人かと思った」
海野標
「ヤク中に命救われた気分はどうよ」
敷村 修也
明らかにこの中で一番年上に見える。
しかしさっきの会話の様子からすると、海野に師事しているのだろうか。
安武 陸
「生きててよかった~っ!」
海野標
「よかったなー……」
海野標
力なく言ってから、伸びをしている。
敷村 修也
「…………」
敷村 修也
深く息を吐く。
aisa
陸くんのキメ顔でヤバい薬って言われるとだいぶ面白い
海野標
喋りたがらない叶恵としとやかに見守る光葉だから
海野標
男が喋り始めるとだいぶあちゃらほちゃらになるな……
安武 陸
あちゃらほちゃらになっちゃう
海野標
「まあ、難しいことはいいけどさ」
海野標
「あれを放置してるとヤバそうってのは理解できるか?」
安武 陸
「あれはマジでヤバい」
敷村 修也
「ああ、それはまぁ、なんとなくは」
敷村 修也
どうせ待ってくれと言っても、さっきから続くこの状況が時間の猶予を許してくれそうにない。
安武 陸
「あれは……マジで……ヤバい……」二回目。
敷村 修也
語彙がヤバい人か……?
海野標
「……あれ、なぁ」
海野標
「そもそもヤバいことに気付けるヤツが少ないんだわ」
海野標
「そんでもって、気付けるヤツは狙われる」
海野標
「お前みたいにな」
安武 陸
語彙がヤバい人は、海野の話にうなずいている。
敷村 修也
息をのむ。
海野標
「だから、気付いちゃったやつは必然、アレを殺すために動員されるハメになりがちってワケ」
海野標
「こいつもそうだった」
海野標
例によって陸の背中を叩きます。
安武 陸
「殺されそうになった所を、師匠に助けてもらいました」
安武 陸
「その時に泣いて縋って弟子入りしました。イェーイ」
敷村 修也
「……赤木さんや、迷ノ宮さんも?」
海野標
二人を見ます。
赤木 叶恵
「だいたい同じ感じ」
迷ノ宮 光葉
「……わたくしたちが、気がおかしい人間と見られても仕方ない話でしょうし……、今起こったことを飲み込むのもやっとかと思いますが……、わたくしも兄も、狩人です」
迷ノ宮 光葉
「気づいた人間が、あれらをなんとかしなければ、世界はずっとおかしなままなのです。そうでなくとも、気づいたものをあれらは生かしておきません」
安武 陸
おお……説明がちゃんとしている……
海野標
さすがお嬢様……
安武 陸
どこかの師匠と違って……
海野標
うるっせ
敷村 修也
クイーン・オー・ランタンと名乗った存在がしたことを思いだす。
『こねてつくった』はいばひなた
作られた人形の姿が脳裏を過ぎる。
敷村 修也
まるで粘土で遊ぶ子供のように人の形をした、ひなちゃんの形をした何かを作る。
敷村 修也
「……本当に、夢や小説ならよかったんですけど」
安武 陸
連れ去られた、土気色の肌の少女を思い出す。
安武 陸
ひっくり返った墓石。周囲に落ちていた骨壷。
迷ノ宮 光葉
「そう思いたい気持ちはお察しいたします。けれど……失礼ながら、もうすでに貴方様は見てしまったのでしょう……」
迷ノ宮 光葉
何を、とはあえて言わず。
敷村 修也
「………ええ。海野のことも、皆さんのことも信じますよ。あんなことを目の前で……」
敷村 修也
「………」
海野標
「やる気になったか?」
敷村 修也
「やらないと、どうにもならないんだなってことまでね」
安武 陸
「おっ、物分りがいい」
海野標
「どっかの誰かとは違わあな」
安武 陸
「ハァ~? 俺も物分り大王ですけど~?」
海野標
「……ま、敷村は運動神経いいしなんとかなるだろ」
海野標
黙殺した。
安武 陸
背後からこいつさ~!って顔で海野を指差す。
海野標
背中に目はついてねえなあ~
赤木 叶恵
「なんか使える武器とかある?」
敷村 修也
「えーっと……」
敷村 修也
「一通り道具を使ったりとかはできると思います。武道の経験とかはないですけど……」
海野標
「なんか借りれるか?」
海野標
光葉に訊きます。
海野標
座布団から立ち上がる。
迷ノ宮 光葉
「はい、奥の倉庫に古いものですが武具がいくつか……ご覧になりますか?」
敷村 修也
「あ、はい」
海野標
「適当に見繕ってやってくれ」
海野標
「俺、先に出てるから」
海野標
「あいつ、多分野放しにしとくとやべえわ」
迷ノ宮 光葉
「かしこまりました」
安武 陸
「俺どっちいた方がいいですか?」
海野標
「四人でいてくれ」
安武 陸
ついていきたかったらしい。ええ~っ
海野標
陸のことは黙殺。敷村
海野標
腕を伸ばしたりしながら修也に声をかけます。
敷村 修也
立ち上がった標の方を向く。
海野標
ぐっぐっ……
海野標
「さっき、ヤバいことに気付けるやつが少ないって言ったけど」
海野標
「それは完全な偶然じゃなくて、条件があんの」
敷村 修也
「条件?」
海野標
手を組み合わせて高く伸ばす。身体を横に倒す。
海野標
「『背徳』」
海野標
導入役NPCらしく、初心者に対してシステムと世界観の説明をしている。『叶えてはならない願い』を持っている人間だけが、魔女と波長が合い、それを認識できる
海野標
肩をぐるりと回す。肩甲骨をひらく。
敷村 修也
「…………」
海野標
「心当たりは聞かねえが、気をつけろ」
海野標
「魔女はそういうとこに付け込んでくる」
海野標
「あいつらの言葉は、理解不能な謎の言語とでも思っておけ」
海野標
「絶対に耳を貸すな」
海野標
言い切って、柔軟終わり。
敷村 修也
「……わかった。覚えとくよ」
海野標
「……ん」
海野標
「じゃ、行ってくる」
海野標
「お前らはあんま一人で動くなよー」
迷ノ宮 光葉
「お気をつけて」
海野標
ひらり手を振る。
海野標
自分を棚に上げまくった忠告を残して、標はさっさと一人先に出ていきます。
安武 陸
「いってらっしゃ~い」
安武 陸
心配した様子もなく見送る。
赤木 叶恵
「海野さんだっけ。あの人、一人で動くの、よくある事なの?」
安武 陸
師である海野は、間違いなく強いハンターだ。 駆け出しの自分が心配する事は何もない。
安武 陸
「まぁまぁあるかなぁ。 2人いるから手分けした方がいいこともあるし。 師匠だけの方が俺のフォローしなくていいし」
赤木 叶恵
「ふーん……」それ以上は深くは突っ込まない。
GM
御影はハンターは一人になるな、と教えていますね。
GM
ハンターは絶対に一人ではモンスターに勝てない、だからできる限り一人になってはいけない、という風です。
安武 陸
「あんたはどんな感じだった? って、聞いていいやつ?」
赤木 叶恵
「一人でやれるような世界だったら、いつもソロでやってたよ」
安武 陸
「おっ、もしかして友達とかいらない系か~?」
赤木 叶恵
「群れるの苦手」
安武 陸
「おお~! 群れるのが苦手!」
赤木 叶恵
「なに、からかってんの?」
安武 陸
「群れるのは弱い証拠みたいな? 友達ごっこなんて馬鹿らしいみたいな~!?」
安武 陸
「かわいい~!」
赤木 叶恵
蹴る。
安武 陸
「あ痛ァ!!」
安武 陸
膝を抱えてぴょんぴょん。
敷村 修也
「……迷ノ宮さん、すみません。倉庫見せてもらえますか」
迷ノ宮 光葉
「……はい、かしこまりました。どうぞこちらへ」
敷村 修也
光葉に連れられて倉庫へと向かった。
安武 陸
「あっ、待って~! 俺も行く~!」
安武 陸
けんけんしながら追いかけます。
赤木 叶恵
「さっさと決めちゃお。どーせ本番になってみないと使い勝手なんてわかりゃしないよ」
安武 陸
「最初はかっこよさで選ぶのもオススメだぞ。 テンションが上がるからな」
迷ノ宮 光葉
「ええと……わたくしは……あまりひと目につかないものを、おすすめします……」
安武 陸
テンションというのはテンションのことで、テンションのことではないのだが……
敷村 修也
この人はどういうスタンスでやっているのだろうという疑問が陸へと浮かんだ……。
安武 陸
キリッ
GM
手引かれ、導かれるままに少年は武器を取る。
GM
終わらない夜。魔女。狩人。半吸血鬼。武器。
GM
常識的に考えて有り得ないもの、日常から外れたもの。
GM
その感触は、手応えは、果たして日常に飽いた彼にとっては。
GM
メインフェイズ~ の 前に~ 
GM
ごめんね~ マスターシーンをちょっと挟みますね~
安武 陸
マスターシーン
赤木 叶恵
なんだなんだ~

マスターシーン

海野標
乱痴気騒ぎの街を歩く。
敷村 修也
あっ
安武 陸
あっ
海野標
ペンキでもぶちまけられたかのような橙、橙、橙が目に眩しく、
海野標
また腹立たしく感じられる中で。
海野標
「……そんなにお友達って欲しいもん?」
クイーン・オー・ランタン
「そりゃそうですとも?」
クイーン・オー・ランタン
かぼちゃに腰掛けた魔女は、上機嫌を取り戻して笑っている。
クイーン・オー・ランタン
「私はお友達がいーっぱい欲しいの。何人でも何十人でも何百人でも何千人でも何万人でもいくらでも!」
クイーン・オー・ランタン
「あなたは? あなたはお友達、欲しくないの?」
海野標
「どうだろなー……」
クイーン・オー・ランタン
「私とはお友達になってくれない?」
sezco
かわいいな~
安武 陸
師匠! 友達なら俺がいますよ師匠!
敷村 修也
弟子と師匠じゃなかったんですか?
安武 陸
弟子と師匠はまあお友達みたいなもんじゃないですか?
敷村 修也
そういうものなんですか?
安武 陸
俺はそういうものだと思っているんだけどな~。赤木とかに聞いてみたら?
海野標
「……あー」
海野標
「あいにく、アレだ」
海野標
「刀を交わした相手とかとしか、友情を感じられない質でして」
海野標
陸「師匠! 理解不能な謎の言語と会話してる!! 師匠!!」お前逃げるじゃん?
クイーン・オー・ランタン
「ふうん?」
クイーン・オー・ランタン
「なんかよくわかんないなー」
クイーン・オー・ランタン
「お友達、なってくれるの、なってくれないの? だめ?」
クイーン・オー・ランタン
「いいの?」
クイーン・オー・ランタン
「私、可能性があるなら諦めたくないなあ~」
クイーン・オー・ランタン
「ね、ね、なってよ、お友達? 私がんばるよ?」
海野標
「……まあ、じゃ、そうだな」
海野標
「最後まで逃げねえで相手してくれんなら、考えないでもない」
海野標
「約束できるか?」
クイーン・オー・ランタン
「うん!」
クイーン・オー・ランタン
「あなたとお友達になるためだもんね、がんばるよ、ちゃんと約束する、守る!」
クイーン・オー・ランタン
「だから、ね、ね――」
クイーン・オー・ランタン
「私、あなたとお友達になりたいの!」
海野標
「言ったな」
海野標
「そんじゃ、まあ――」
海野標
腕を振る。傷一つない指先から血の雫が落ちて、地を跳ねる。
海野標
跳ねた血は波紋を広げ、体積を増やして渦巻いて――
海野標
その姿が塗り替わる。
海野標
「最後まで存分に、お付き合い願いましょうかねえ!」
GM
というわけで、クイーン・オー・ランタンのステータスを開示しましょう。
◆魔女:クイーン・オー・ランタン
耐久力12 余裕12 血量14
初期テンション16 激情1
◆支配力
・ハロウィン・ナイト!《退路》強度3
永遠に続く狂乱の夜。
女王のもと、今宵全ての強欲が許される。
・ごうつくばりたちのパレード《人脈》強度3
魔女に扇動された欲しがりたちの群れ。
シンプルに暴徒。
◆フォロワー
・『こねてつくった』はいばひなた
・『かわいいかしこい』コウモリーダー
・『どろっぷあうと』増田順
安武 陸
シンプル暴徒。
GM
・『こねてつくった』はいばひなた
こちら前哨戦の対象に取れません。
GM
優しいから注釈入れるけど、今回アビリティだけじゃなくてレアアイテムとかフォロワーとかにも詳細はキャンペーン・レギュレーション参照。強化入ってるから気をつけてね。
GM
このままメインフェイズに突入します。