#0 きざはしに星 導入 2
集合シーン
GM
その中を突っ切って、ランタンを抱えたコウモリはとある墓の前で止まる。
敷村 修也
「なんだってこんな日にこんな所へ……」
クイーン・オー・ランタン
「こんばんは、はじめまして!」
敷村 修也
いぶかしげな表情のまま間の抜けた声をあげる。
クイーン・オー・ランタン
派手な色彩をしたその女は、間抜けた声であなたに話しかけてくる。
クイーン・オー・ランタン
「私、クイーン・オー・ランタン! ハロウィンの魔女!」
敷村 修也
目の前の出来事に脳の処理がおいつかないまま、条件反射のように挨拶を返す。
クイーン・オー・ランタン
「あなたの名前を教えてくれる?」
敷村 修也
言葉をどう挟んだものか。そもそも今どうやってここに―――
クイーン・オー・ランタン
「私、あなたとお友達になりたいの!」
クイーン・オー・ランタン
「ね、だから、ね、お友達の第一歩、名前でしょう?」
安武 陸
ハッ……不思議な動物に誘われて、不思議な美少女に出会う優等生陽キャ……!?
安武 陸
美少女に名前を聞かれて、眉をひそめるだと……!?
クイーン・オー・ランタン
「私はあなたに名前を教えたから」
クイーン・オー・ランタン
「あなたも私に名前を教えてくれない?」
クイーン・オー・ランタン
「だめ、だめ、だめかしら?」
クイーン・オー・ランタン
「お近づきのしるし、でしょう?」
クイーン・オー・ランタン
調子外れな声で女が囀る。
クイーン・オー・ランタン
ちかちかと目の毒な色彩が、無邪気にあなたに笑いかける。
敷村 修也
「ちょっと、ちょっと待ってもらえますか。一度にいろいろありすぎて……」
敷村 修也
ああ、しかもまぶしくてうるさいタイプ。
クイーン・オー・ランタン
「私のこと信用してないんでしょ~~」
クイーン・オー・ランタン
「私、陸「優しいのか~~~よかった~~~」けっこう優しいんだよ?」
クイーン・オー・ランタン
「友達になってくれるんなら、けっこういっぱいがんばっちゃうんだよ?」
クイーン・オー・ランタン
勝手に合点して手を叩いている。
敷村 修也
「いや、この状況で信じろと言われても……」
クイーン・オー・ランタン
「うん、うんうんうん、そうだよね~」
クイーン・オー・ランタン
「今すぐに証拠、見せてあげるからねっ」
クイーン・オー・ランタン
目の前の女は灰葉家の墓石に手をかけ、それをひっくり返した。
クイーン・オー・ランタン
そうして屈み込むと、堂々と骨壺を漁り始める。
クイーン・オー・ランタン
「えーと、どれかな、これかな~」
クイーン・オー・ランタン
お目当てを見つけたのか骨壺を開けて、
クイーン・オー・ランタン
「今すぐぱぱっとこねちゃうんだから!」
クイーン・オー・ランタン
邪魔立てしようとした修也の腕を、コウモリの群れが捕まえる。
敷村 修也
掴みかかろうと伸ばした腕にコウモリがまとわりつく。
クイーン・オー・ランタン
その目の前で意気揚々と骨を集め、かぼちゃを練り込み、
クイーン・オー・ランタン
こねてまぜて、こねてまぜて――
クイーン・オー・ランタン
くるりと振り返り、出来上がった人体を修也へと突き出す。
『こねてつくった』はいばひなた
灰葉陽に似せて作られた人形を。
GM
ぼんぼんぼんと、集団墓地の空にかぼちゃの花火があがる。
クイーン・オー・ランタン
「この人が欲しかったんでしょう? わかるよ、私、魔女や吸血鬼には人間の欲望を見透かす力がある。そういうの敏感なの!」
『こねてつくった』はいばひなた
虚ろな瞳があなたを見ている。
灰葉陽
『うちのにも見習わせたいな~、あいつ朝弱いんだよね~』
『こねてつくった』はいばひなた
目の前の人形は喋らない。
『こねてつくった』はいばひなた
女に抱えられたまま、ただだらりと顔を俯かせるのみ。
敷村 修也
古い大切な記憶が目の前の人の形をしたものと結びつく。
敷村 修也
灰葉陽は、ひなちゃんは死んだはずだ。5年前に。
GM
葬式にも出た。悲嘆にくれる、彼女の家族を見た。
『こねてつくった』はいばひなた
では、目の前のこれは?
『こねてつくった』はいばひなた
濁った瞳は焦点が定まらず、
『こねてつくった』はいばひなた
力なく開かれた唇からは微かな呻きが漏れる。
『こねてつくった』はいばひなた
脱力しているなりに、奇妙な女に抱えられるなりに、その両足は地を立っている。
GM
あとはハンター諸氏がかっこよくこの青少年を助けてくれたらな、と思っています。
安武 陸
入るの難しいな もうちょっと見ていたい気持ちになるから……
GM
青少年がサイコ女のお友達にされちまうんだぞォ~ッ
GM
まあわかるよ 難しいんだよね 幸福破壊への妨害って(集合シーンなんだよ)
GM
GMは誰かが入るまでしゅーくんをいじめますが……
『こねてつくった』はいばひなた
土気色をした手、張りのない肌、
『こねてつくった』はいばひなた
それが空を切り、何も掴めず、降ろされる。
『こねてつくった』はいばひなた
「ぅ、……く、ん」
敷村 修也
今すぐここから駆け出して逃げてしまった方がいい。
敷村 修也
それでも目の前の、ひなちゃんの姿をした、何かから目をそらせないでいる。
クイーン・オー・ランタン
「あれー? あれあれー?」
クイーン・オー・ランタン
「なんか盛り下がっちゃってる?」
クイーン・オー・ランタン
「もうちょっと盛ったほうが良かった?」
クイーン・オー・ランタン
「あの、えーと……こゆとことか……」
クイーン・オー・ランタン
こねて作った人形の胸辺りをさすっている。
クイーン・オー・ランタン
「若い男の子だもんね? ごめんね?」
『こねてつくった』はいばひなた
さすられるままに身体が揺れる。
赤木 叶恵
コウモリを見上げていた顔が、そこにいる人間ひとり、魔女ひとり、人形ひとつへと目を向ける。
敷村 修也
人の気配。
なにか見られてはいけないものを見られたようにはっと振り返る。
クイーン・オー・ランタン
魔女は人形の出来ばかりを気にしている。
クイーン・オー・ランタン
近寄る人影に気付かず、スカートの端をつまんだり覗き込んだりしている。
赤木 叶恵
人形のすぐ手前まで迫ったその足を、歩みのままのペースで上げて──
赤木 叶恵
大きく踏み出して、空気を読まない一撃。横っ腹を蹴り飛ばす。
クイーン・オー・ランタン
魔女が悲鳴をあげる目の前で、
『こねてつくった』はいばひなた
作られたばかりの人形が蹴り飛ばされ、墓場の地面を転がる。
赤木 叶恵
魔女へと向く。腕を振り上げる。手には注射器。
クイーン・オー・ランタン
「ひっひどい! 私の力作なのに!」
クイーン・オー・ランタン
振り下ろされた注射器は、
クイーン・オー・ランタン
コウモリが受け止めて盾となる。
クイーン・オー・ランタン
打ち込まれた一匹がぽとんと地面に落ちた。
クイーン・オー・ランタン
「なっなに、ひどい、ひどいひどいひどい~っ」
クイーン・オー・ランタン
かぼちゃに腰掛けた魔女がふわりと浮き上がる。
敷村 修也
「急に何を言っているんだこの人は?えっ?」
クイーン・オー・ランタン
魔女が腕を振ると、ぽん、とかぼちゃが地面に現れる。
クイーン・オー・ランタン
ごろごろと叶恵と修也の方へと転がっていき……
クイーン・オー・ランタン
ぼ、と内側に炎が灯った。
敷村 修也
次から次へとわけのわからないことが迫ってくる。
海野標
直後、炎を灯したかぼちゃが青い火を拭き上げて破裂する。
クイーン・オー・ランタン
破裂したかぼちゃはいくつものジャック・オー・ランタンとなり、
クイーン・オー・ランタン
無数に分裂しながら街へと広がっていく。
クイーン・オー・ランタン
投げナイフから逃れるように、かぼちゃ女が墓を駆ける。
安武 陸
見失わないよう魔女を追う。しかし距離は詰めすぎないように。
クイーン・オー・ランタン
犬の吠え声に怯えるように身を竦めた、
クイーン・オー・ランタン
その場でたたらを踏んで振り返るも、立ちはだかる男の姿。
安武 陸
刀を構える。こちら側には逃さないという意思表示。
敷村 修也
初めてここで呼ばれた自分の名前に声をあげる。
海野標
普段学校で見かけるものとはだいぶ印象が違う。
海野標
……そもそも、彼は学校に姿を現すことすら相当に稀なのだが。
クイーン・オー・ランタン
「なんでみんないじめるの~……」
迷ノ宮 光葉
犬のそばに少女が控える。ハロウィンカラーの魔女を逃すまいと睨みつけ、
赤木 叶恵
「ちょっと……知り合い? どうすんのこれ」
クイーン・オー・ランタン
光葉にも睨みつけられ、すごすごと身を屈める。
クイーン・オー・ランタン
「なりたいだけ、だよぅ?」
安武 陸
どしたらいいすかね?と思いながら背後を振り返った。
海野標
その血が刀の形を作り上げ、標の手に収まる。
安武 陸
「お前に恨みはないが……、こっちも死にたくないわけでさ」
クイーン・オー・ランタン
おかしな鳴き声を放ちながら、魔女は身を縮めていたが……
安武 陸
自分は止めを刺せなくてもよい。背後から師が迫っている。
『どろっぷあうと』増田順
陸の道筋を遮るように、男の姿。
『どろっぷあうと』増田順
ナイフを持った男が陸の道を塞ぎ、
クイーン・オー・ランタン
「うん、うんうん、うん!」
クイーン・オー・ランタン
「やっぱり持つべきものは友達、だねっ!」
クイーン・オー・ランタン
言うと魔女は地を蹴った。
安武 陸
受け止められた刃を振り払い、また構え直す。
クイーン・オー・ランタン
現れた男の肩を踏みつけに、高く跳ぶ。
クイーン・オー・ランタン
陸が塞ぐはずだった道を跳び駆けて、
『どろっぷあうと』増田順
刃と刃が打ち合う一方で、
クイーン・オー・ランタン
ジャック・オー・ランタンの埋め尽くされた街の闇に、女の姿が消えてゆく。
sezco
かわいいかしこいコウモリーダーじゃないか!
『かわいいかしこい』コウモリーダー
男とコウモリの声に応えるように、
『かわいいかしこい』コウモリーダー
コウモリの群れが集団墓地を埋め尽くす。
『こねてつくった』はいばひなた
その群れに横たわった人形がさらわれていく。
『こねてつくった』はいばひなた
だらりと下がった手。
『こねてつくった』はいばひなた
何にも触れられはしなかった。
安武 陸
「ししょ……うわっ、なんだこのコウモリ!」
GM
コウモリたちは通りすがりに狩人に噛み付いたり覆い被さったり装備を剥ぎ取っていったり……
GM
諸々悪さをしていこうとしますが、いい感じに蹴散らして下さい。
安武 陸
ナイフを投げ、空を舞うコウモリを落とす。が、数が多すぎる。
安武 陸
「師匠~~~! 助けてよ~~! いや俺はまだ大丈夫だけどそこの高校生とか!」
迷ノ宮 光葉
「……!」魔女が去っていった方角を睨みつけながら福とともにコウモリを追い払っています。
赤木 叶恵
注射器を仕舞う。掴んで握り潰していく。
安武 陸
弱気な言動の割には、ナイフは着実にコウモリを落とす。
安武 陸
生き物を殺すのは気が進まない。しかし人型をしたものよりはよっぽどマシだ。
赤木 叶恵
目を細めて闇に溶けたコウモリを見ようとする。
海野標
「……あんた、迷ノ宮んとこの嬢さんだよな」
迷ノ宮 光葉
お嬢様の礼儀正しさ。ぺこりと黙礼して「狩人でいらっしゃいますね?」周りの面々に確認をする。
赤木 叶恵
「聞き覚えのありすぎる名前に反応した。迷ノ宮?」
迷ノ宮 光葉
こくりと頷くと、おろおろしていると思う修也をちらりと伺いながら、福と共に自宅の屋敷へ先導していく。
海野標
光葉の背を追いつつ、陸と叶恵に確認をとる。
海野標
確認する意味がない。修也には特にとりません。
安武 陸
「まぁ、俺は師匠に反対する権力がないんでいいっすけど」
海野標
軽口を叩きつつ、先導されて迷ノ宮の屋敷へと。
GM
出鱈目なジャック・オー・ランタンで埋め尽くされた常闇の街は、
GM
夜明けを待たぬままに、ただ不気味に笑っていた。
GM
ほんとはもうメインフェイズなんですが、なんかここからメインフェイズだと初手の人が困りそうなので
GM
迷ノ宮のお屋敷を借りて自己紹介タイムをやりましょう。
GM
叶恵ちゃんは手とかを洗わせてもらったりとか……するのかな……
GM
手だけで済む? 大丈夫? まあ多少きれいにはさせてもらえるよね。
迷ノ宮 光葉
広いのできっとお手伝いさんが洗面所に案内してくれる
GM
そんな感じで諸々済ませまして、改めて客室のお座敷に集合です。
安武 陸
おいはこがん広か家上がったことなかもん……
迷ノ宮 光葉
広い割に人の気配が少ないので、手ずからお茶を用意してお出ししたりして、落ち着いたところで…
迷ノ宮 光葉
「まずは助力をありがとうございます、狩人様方」
海野標
「まあ、助けられたってのは結構お互い様だけどな、こういうの」
安武 陸
この調子じゃ面接はだめそう。何か三下みたいな挨拶になる。
赤木 叶恵
「とりあえず、動ける人と合流できてよかった」
海野標
「今回、波長合ってる奴が少ないみたいだし」
海野標
「ほうぼうに声掛けたけど引っかからねえのなんの……」
敷村 修也
なんのことか全くわからない会話を続ける海野たちをちらりちらりと観察する。
海野標
オフ会って言われたら納得しそうな統一感のなさ。
安武 陸
「あ、師匠、彼に説明してあげたほうがいいんじゃないすか?」
迷ノ宮 光葉
「一挙一動がしとやかな上に礼儀正しさがすごく、他と比べた人間性の差がすごい。ご挨拶が遅れまして、申し訳ございません。八角宗家、分家筋の迷ノ宮の娘、光葉と申します」深々。
迷ノ宮 光葉
「よろしければ、狩人様方のお名前を」……それから修也を再びちらりと窺う。
海野標
「俺は海野標。無所属の狩人。吸血鬼と人間の間に生まれた存在。あるいは吸血鬼の血をつぐもの。
本来吸血鬼が使うはずの血戒という力を行使できる。
途中から年を取らなくなったり、モンスターに目をつけられやすかったりする。半吸血鬼」
安武 陸
「あっあっ、どうもどうも……」どうもどうも二回目。
安武 陸
「はっ、はい! 海野師匠の弟子をやらせて頂いております、安武陸と申しますです!」
安武 陸
「日々理不尽に背中を叩かれたり、家に押し入られたりしています!」
安武 陸
「ここで必要な情報ってなんすかね……。俺のゼミの話とかしていい?」
赤木 叶恵
「一応……ハンター歴は2年くらい。最初に色々教えてくれたのが……」
迷ノ宮 光葉
「まぁ……兄を、ご存知でしたか……?赤木様」
迷ノ宮 光葉
「そう、でしたか……。兄がお世話になりました」
赤木 叶恵
「私は、先輩に何もできなかったよ……」
迷ノ宮 光葉
「いえ、そんなことは……。わたくしは狩人の兄をあまり知りませんが、こんなに素敵な後輩がいらしたのですね。……お兄様ったら、教えてくださったら、良かったのに……」
赤木 叶恵
「…………まあ、あたしの事はいいよ。先輩の話はすごく気になるけど……」
海野標
言ったはいいが、だいぶ言葉を濁す雰囲気になっちゃった。
迷ノ宮 光葉
「はい、積もる話は後ほど。それで……こちらの方は……」修也をちらり。
敷村 修也
居心地悪そうにわけのわからない会話を聞かされている。
敷村 修也
「……敷村 修也、です。あの、先ほどはありがとうございました」
海野標
「実はハンターだったってオチはないよなー」
安武 陸
「悪い小説も映画もその他諸々も、大体説明不足がよくない原因になるんすからね!」
海野標
「小説みたいに行ったらいいんだけどなァ……」
迷ノ宮 光葉
「敷村様、ご無事で何よりでした。それで、ええと……」どこから説明したものか困っている。
海野標
「で、ここに居る奴らはあれを殺すために集まってる」
敷村 修也
「海野って言動が電波とか中二病の人のそれ。そういうタイプだったか……?」
海野標
「学校では眼鏡をかけて猫かぶり病弱キャラをやっている。
ハンターはどうしても欠席しがちになるため。悪いけど眼鏡今家だわ」
安武 陸
「俺も最初はヤバい薬をやってる人かと思った」
敷村 修也
明らかにこの中で一番年上に見える。
しかしさっきの会話の様子からすると、海野に師事しているのだろうか。
aisa
陸くんのキメ顔でヤバい薬って言われるとだいぶ面白い
海野標
喋りたがらない叶恵としとやかに見守る光葉だから
海野標
男が喋り始めるとだいぶあちゃらほちゃらになるな……
海野標
「あれを放置してるとヤバそうってのは理解できるか?」
敷村 修也
どうせ待ってくれと言っても、さっきから続くこの状況が時間の猶予を許してくれそうにない。
安武 陸
「あれは……マジで……ヤバい……」二回目。
海野標
「そもそもヤバいことに気付けるヤツが少ないんだわ」
安武 陸
語彙がヤバい人は、海野の話にうなずいている。
海野標
「だから、気付いちゃったやつは必然、アレを殺すために動員されるハメになりがちってワケ」
安武 陸
「殺されそうになった所を、師匠に助けてもらいました」
安武 陸
「その時に泣いて縋って弟子入りしました。イェーイ」
迷ノ宮 光葉
「……わたくしたちが、気がおかしい人間と見られても仕方ない話でしょうし……、今起こったことを飲み込むのもやっとかと思いますが……、わたくしも兄も、狩人です」
迷ノ宮 光葉
「気づいた人間が、あれらをなんとかしなければ、世界はずっとおかしなままなのです。そうでなくとも、気づいたものをあれらは生かしておきません」
敷村 修也
クイーン・オー・ランタンと名乗った存在がしたことを思いだす。
『こねてつくった』はいばひなた
作られた人形の姿が脳裏を過ぎる。
敷村 修也
まるで粘土で遊ぶ子供のように人の形をした、ひなちゃんの形をした何かを作る。
敷村 修也
「……本当に、夢や小説ならよかったんですけど」
安武 陸
連れ去られた、土気色の肌の少女を思い出す。
安武 陸
ひっくり返った墓石。周囲に落ちていた骨壷。
迷ノ宮 光葉
「そう思いたい気持ちはお察しいたします。けれど……失礼ながら、もうすでに貴方様は見てしまったのでしょう……」
敷村 修也
「………ええ。海野のことも、皆さんのことも信じますよ。あんなことを目の前で……」
敷村 修也
「やらないと、どうにもならないんだなってことまでね」
安武 陸
「ハァ~? 俺も物分り大王ですけど~?」
海野標
「……ま、敷村は運動神経いいしなんとかなるだろ」
安武 陸
背後からこいつさ~!って顔で海野を指差す。
敷村 修也
「一通り道具を使ったりとかはできると思います。武道の経験とかはないですけど……」
迷ノ宮 光葉
「はい、奥の倉庫に古いものですが武具がいくつか……ご覧になりますか?」
海野標
腕を伸ばしたりしながら修也に声をかけます。
海野標
「さっき、ヤバいことに気付けるやつが少ないって言ったけど」
海野標
「それは完全な偶然じゃなくて、条件があんの」
海野標
手を組み合わせて高く伸ばす。身体を横に倒す。
海野標
「導入役NPCらしく、初心者に対してシステムと世界観の説明をしている。『叶えてはならない願い』を持っている人間だけが、魔女と波長が合い、それを認識できる」
海野標
「あいつらの言葉は、理解不能な謎の言語とでも思っておけ」
海野標
自分を棚に上げまくった忠告を残して、標はさっさと一人先に出ていきます。
赤木 叶恵
「海野さんだっけ。あの人、一人で動くの、よくある事なの?」
安武 陸
師である海野は、間違いなく強いハンターだ。 駆け出しの自分が心配する事は何もない。
安武 陸
「まぁまぁあるかなぁ。 2人いるから手分けした方がいいこともあるし。 師匠だけの方が俺のフォローしなくていいし」
赤木 叶恵
「ふーん……」それ以上は深くは突っ込まない。
GM
御影はハンターは一人になるな、と教えていますね。
GM
ハンターは絶対に一人ではモンスターに勝てない、だからできる限り一人になってはいけない、という風です。
安武 陸
「あんたはどんな感じだった? って、聞いていいやつ?」
赤木 叶恵
「一人でやれるような世界だったら、いつもソロでやってたよ」
安武 陸
「おっ、もしかして友達とかいらない系か~?」
安武 陸
「群れるのは弱い証拠みたいな? 友達ごっこなんて馬鹿らしいみたいな~!?」
敷村 修也
「……迷ノ宮さん、すみません。倉庫見せてもらえますか」
迷ノ宮 光葉
「……はい、かしこまりました。どうぞこちらへ」
赤木 叶恵
「さっさと決めちゃお。どーせ本番になってみないと使い勝手なんてわかりゃしないよ」
安武 陸
「最初はかっこよさで選ぶのもオススメだぞ。 テンションが上がるからな」
迷ノ宮 光葉
「ええと……わたくしは……あまりひと目につかないものを、おすすめします……」
安武 陸
テンションというのはテンションのことで、テンションのことではないのだが……
敷村 修也
この人はどういうスタンスでやっているのだろうという疑問が陸へと浮かんだ……。
GM
常識的に考えて有り得ないもの、日常から外れたもの。
GM
その感触は、手応えは、果たして日常に飽いた彼にとっては。
GM
ごめんね~ マスターシーンをちょっと挟みますね~
マスターシーン
海野標
ペンキでもぶちまけられたかのような橙、橙、橙が目に眩しく、
クイーン・オー・ランタン
「そりゃそうですとも?」
クイーン・オー・ランタン
かぼちゃに腰掛けた魔女は、上機嫌を取り戻して笑っている。
クイーン・オー・ランタン
「私はお友達がいーっぱい欲しいの。何人でも何十人でも何百人でも何千人でも何万人でもいくらでも!」
クイーン・オー・ランタン
「あなたは? あなたはお友達、欲しくないの?」
クイーン・オー・ランタン
「私とはお友達になってくれない?」
安武 陸
弟子と師匠はまあお友達みたいなもんじゃないですか?
安武 陸
俺はそういうものだと思っているんだけどな~。赤木とかに聞いてみたら?
海野標
「刀を交わした相手とかとしか、友情を感じられない質でして」
海野標
「陸「師匠! 理解不能な謎の言語と会話してる!! 師匠!!」お前逃げるじゃん?」
クイーン・オー・ランタン
「なんかよくわかんないなー」
クイーン・オー・ランタン
「お友達、なってくれるの、なってくれないの? だめ?」
クイーン・オー・ランタン
「私、可能性があるなら諦めたくないなあ~」
クイーン・オー・ランタン
「ね、ね、なってよ、お友達? 私がんばるよ?」
海野標
「最後まで逃げねえで相手してくれんなら、考えないでもない」
クイーン・オー・ランタン
「あなたとお友達になるためだもんね、がんばるよ、ちゃんと約束する、守る!」
クイーン・オー・ランタン
「私、あなたとお友達になりたいの!」
海野標
腕を振る。傷一つない指先から血の雫が落ちて、地を跳ねる。
海野標
跳ねた血は波紋を広げ、体積を増やして渦巻いて――
海野標
「最後まで存分に、お付き合い願いましょうかねえ!」
GM
というわけで、クイーン・オー・ランタンのステータスを開示しましょう。
◆魔女:クイーン・オー・ランタン
耐久力12 余裕12 血量14
初期テンション16 激情1
◆支配力
・ハロウィン・ナイト!《退路》強度3
永遠に続く狂乱の夜。
女王のもと、今宵全ての強欲が許される。
・ごうつくばりたちのパレード《人脈》強度3
魔女に扇動された欲しがりたちの群れ。
シンプルに暴徒。
◆フォロワー
・『こねてつくった』はいばひなた
・『かわいいかしこい』コウモリーダー
・『どろっぷあうと』増田順
GM
・『こねてつくった』はいばひなた
こちら前哨戦の対象に取れません。
GM
優しいから注釈入れるけど、今回アビリティだけじゃなくてレアアイテムとかフォロワーとかにも詳細はキャンペーン・レギュレーション参照。強化入ってるから気をつけてね。