#0 きざはしに星 導入

GM
この度は色々あって朝10時集合だった。朝早くからお集まりいただき大変ありがとうございます。
GM
ブラッドムーンキャンペーン『R:クロニック・ラヴ』
GM
始めていきたいと思います。
GM
よろしくお願いします!
安武 陸
よろしくおねがいします!
迷ノ宮 光葉
よろしくおねがいします
赤木 叶恵
よろしくおねがいします!
敷村 修也
よろしくお願いします!

キャラクター紹介

GM
では最初にPC紹介からやっていきましょうか。
GM
PC番号順に一人ずつ、いい感じに自己紹介をやっていっていただきましょう。
GM
ではPC1から! がんばれ~。
安武 陸
背筋を伸ばして腹の底から出す声。はい!
GM
元気な返事!
安武 陸
六分儀大学教養学部文学科から参りました。安武 陸(やすたけ りく)です。
安武 陸
ゼミでは江戸時代の文学や芸能について研究しており、ゼミ内では……
安武 陸
あ、そういう感じじゃない?ハンターとしての話?そう……
GM
そうなの。
GM
ゼミで何やってるかとかモンスター興味ないから。
GM
食いでがあるかの方が大事だから。
安武 陸
できれば俺の専攻がなにかで戦っていきたい所なんだけどな……。
GM
その方向で武器あるの?
安武 陸
会社によっては……武器になる……はずだ!!
敷村 修也
就活面接か?
迷ノ宮 光葉
就活面接だ…
安武 陸
まぁ仕方ない。
安武 陸
なんかなりゆきでハンターやってます。一年くらい。
安武 陸
最初にモンスターに襲われた時に助けてくれた、海野さんって高坊に師事させて頂いておりますです。はい。
海野標
よっ大坊
安武 陸
大坊だぞ。お世話になっております。
安武 陸
俺はまだ駆け出しハンターって感じ。本格的な戦いはそんなにやってきてなくて、大体師匠の手伝いしてるだけっすね。
海野標
ほどほどに参加させてはいんだけどなぁ
海野標
まあすぐ背中隠れたがるからな……
海野標
そんな怖い?
安武 陸
ほどほどに参加させられて入院したりしてました。
安武 陸
怖いだろ!入院するような怪我!!
安武 陸
俺は平和な暮らしがしたいだけなのに……。
安武 陸
なので、ずっと手伝いだけでやって行けたらいいなと思っています。よろしくお願いします!
安武 陸
以上です!
GM
元気にめちゃくちゃ弱気なプレゼン!
GM
ありがとうございました。手伝いで生きていけたらいいんだけどねぇ~。
安武 陸
大学、絵附蘭大学みたいなのにしようかとおもったけど、あんまりすぎるなと思ったので六分儀大学にしました。
安武 陸
Fランではないかもしれない
GM
いひひ
GM
では次、PC2! よろしくお願いします。
赤木 叶恵
あたしの紹介なんている?
赤木 叶恵
……。
赤木 叶恵
赤木叶恵(あかぎかなえ)。ハンター歴2年。
赤木 叶恵
姉と母がいるし、姉なんてボンヤリしてるし数年前に死にかけたし……仕方ないからハンターやってる。
赤木 叶恵
一応、学校には通ってるけど……受験勉強とか就活とかそういう将来の話には興味ない。何ぬるい話してんだって感じ。数年後生きられるかもわかんないのに。
赤木 叶恵
……あたしは別に叶恵は接触者である。
モンスターの血肉を身体に取り込んでしまい、異形を獲得した存在。
人間じゃない
し……。
赤木 叶恵
あ、尊敬する人は迷ノ宮先輩!迷ノ宮御影さん!師匠!命の恩人!
赤木 叶恵
もうずっと会ってない。それでも心の師匠は迷ノ宮先輩。
赤木 叶恵
……後は……、まあ……。
赤木 叶恵
敵はこれ(注射器)で何とかする。
赤木 叶恵
他なんかあったっけ?
赤木恵夢
カナちゃんどしたの~?
赤木 叶恵
げ!お姉ちゃん!
敷村 修也
あっかわいい
迷ノ宮 光葉
かわいい
迷ノ宮 光葉
かわいいがいっぱいだ
安武 陸
かわいい姉妹だね
赤木恵夢
カナちゃんはかわいい!
赤木恵夢
お姉ちゃんだよ~
赤木恵夢
いえーい
赤木 叶恵
呼んでない!
赤木恵夢
ええ~
赤木恵夢
しょぼしょぼ……
赤木 叶恵
なんか……ふらっと出てくるし、ふらっとどっかいくし……無防備で怖い……
赤木 叶恵
もうちょっと危機感を身に着けてほしい。
GM
心労が耐えなさそうですね~
赤木 叶恵
モンスターやら何やらより先にそのへんの人に食い物にされないといいけど。
赤木 叶恵
まあ、いなくなったら困るから何とかするけど。自力でできる範囲では頑張ってほしい。ただの不良とか怪しい大人とかにほいほい付いてっちゃだめだよ。
赤木恵夢
えへへ~
赤木恵夢
カナちゃんは優しいねえ
赤木 叶恵
(イラッ)
赤木恵夢
気をつけます!
赤木 叶恵
……
赤木 叶恵
おわり!
GM
はい!
GM
ありがとうございました。カナちゃんはかわいいね!
迷ノ宮 光葉
ふわふわの姉にしっかりものの妹って感じだ~
安武 陸
なんなら俺が彼氏になって守ってもいいんだが?
赤木 叶恵
は?
安武 陸
冗談だってば
GM
ではでは、次はPC3! よろしくお願いします~。
敷村 修也
はーい!
敷村 修也
六分儀高校3年生の敷村 修也(しきむら しゅうや)です。
敷村 修也
ずっとここで暮らしてます。今年は受験の年なんですけど、なんとか雑談タブで陸がおののいた。指定校推薦がもらえたので受験はほとんど終わったところです。
GM
すごいね~!
敷村 修也
そんなことないですよ。運が良かったので。
GM
ヒュー!!!
安武 陸
くっ……面接強者のオーラだ……!
安武 陸
こんな奴とグループ面接になった時点で終わりは決まってしまうんだ……!普通に部活で成果を出していたり、自然にボランティア活動をやっていたタイプ……!!!!!
GM
点数稼ぎとかじゃない
迷ノ宮 光葉
しっかりものだ…
敷村 修也
友達や先生にも恵まれたので、学校生活はいろんな人たちと楽しい日々を過ごしています。
敷村 修也
モンスター?なんですかそれ?
敷村 修也
………。
敷村 修也
あー、でもハロウィンの話はあんまりしないでくださいね。
敷村 修也
ちょっとああいう、陸PL「わかる~!」人に迷惑をかけちゃうような大騒ぎは好きじゃない んですよ。
敷村 修也
………。
GM
あんまりよくないよね。
GM
ああいうのはね。
敷村 修也
………まぁ、そう、よくないんですよ。
敷村 修也
部活には入ってないんですけど、体を動かすことは好きなのでジムにいったりとかそういうことしてます。あんまり鍛えてるっていうのは恥ずかしいんですけどね。
GM
ほどほどに身体に動かすと気分いいですからね。
敷村 修也
そうですね。だから大学に行っても同じような生活を続けるかもしれません。
敷村 修也
僕も大学生になったらサークルにはいろうかなって思うこともあるんですけど、これっていうものに出会えるといいなって思います。
敷村 修也
やっぱり打ち込むものがあったほうがいい気もするんですよね。
GM
そうですね~。人生の目標みたいな。
GM
見つけられるといいですね。
敷村 修也
時折の沈黙に妙な重みがある。…………。
敷村 修也
そうですね。見つけられるといいと思います。
敷村 修也
これぐらいでいいかな?
GM
十二分でございます! ありがとうございました。
敷村 修也
ありがとうございました。
迷ノ宮 光葉
明るく、健全な男子高校生というかんじ…
GM
(定期的に沈黙が挟まる)
迷ノ宮 光葉
含みがあるのが、かっこいいですね
安武 陸
くそっ、「それはそうだろ」「引っかかるとかじゃないよ」「誠実なお付き合いだろ」「スペックが高い男め……日々の努力の結果、全てを得やがって!」かわいい子は大体将来が安定してそうで性格もよくて顔もいいこういう男に引っかかるんだ
GM
陸くん……
赤木 叶恵
なんだこいつ
敷村 修也
GM
それではフレッシュな自己紹介を頂きまして。
GM
最後、PC4! よろしくお願いします。
迷ノ宮 光葉
はい、わたくし迷ノ宮 光葉(まよいのみや みつは)と申します。
迷ノ宮 光葉
私立の女子校へと通わせていただいて今は2年生になります。
迷ノ宮 光葉
……その、自己紹介って、なにをお話したらいいのかしら……?あまり、お友達も少なくて……
赤木 叶恵
迷ノ宮あ~?
GM
柄悪い
安武 陸
なんかさっきそういう名前聞いたな~
GM
よくある名字なのかな?
安武 陸
よくあるのかも
GM
趣味とか、普段の暮らしぶりとか、大切なものの話とか。
GM
思いつくまま徒然にでございますよ。
迷ノ宮 光葉
はい、では……、普段はハンターの組織の一つ。
色々といわくありげな八つの家系の集まり。
八角宗家
と呼ばれるハンターの家の分家筋の娘として暮らしています。
迷ノ宮 光葉
とはいえ、わたくしはハンターのお仕事をしたことが、あまりないのですが……
迷ノ宮 光葉
家族は、兄の御影が一人、それから……
迷ノ宮 光葉
兄が預けてくださった犬の福が一匹です。
GM
かわいい!
安武 陸
あっ!!イッヌ!!
GM
福ちゃんはかわいいね~
安武 陸
doggo!
sezco
かわいいな~
GM
犬をかわいがるせつこの自我が
sezco
赤木妹のままだと何も褒められないからダメ
敷村 修也
そんな……
GM
お兄さんが幼い頃にくれたんでしたね。寂しくないように。
迷ノ宮 光葉
はい、小さい頃から兄はハンターとして忙しかったりしたので、あまり二人の時間は持てませんでしたから、寂しくないようにと。
迷ノ宮 光葉
今では大事な家族の一員です。
GM
光葉の兄、迷ノ宮御影は一年前に意識不明となる重態に陥っている。お兄さんがああなってしまったらなおね……
迷ノ宮 光葉
はい……兄が、今は意識不明の重体で……毎日お見舞いには行っているのですが……
迷ノ宮 光葉
……兄は、私を守るためでもあり、それ以外の理由でもありますが、きっとハンターとして無理をしていたのかも知れません……。
GM
早く目覚めて話ができるようになるといいですね。
迷ノ宮 光葉
はい、お兄様が目覚めた時、心配なさらないようにしっかりとしたところをお見せしたいです。
迷ノ宮 光葉
わたくしからは以上です。ありがとうございました。
GM
はい! ご丁寧な自己紹介、ありがとうございました。
安武 陸
ハンターの家に生まれるの大変そうだな……
GM
八角宗家はとびきり最悪だから……
GM
いやまあ井上家も……
月夜
ハンター碌なとこないな
GM
まあそらそうというほかない
GM
それではこの4人で改めて『R:クロニック・ラヴ』、やっていきたいと思います。
GM
よろしくお願いします!
安武 陸
よろしくお願いします!
敷村 修也
よろしくお願いします!
迷ノ宮 光葉
よろしくお願いします。
赤木 叶恵
よろしくおねがいします!
GM
それでは惨殺シーンから。

惨殺シーン

GM
10月30日、深夜。
GM
脚を怪我した一人の男が松葉杖をつきながら、夜の繁華街をずるずると歩く。
GM
闇病院から退院したその脚で繁華街を訪れ、居酒屋を渡り歩き、酒を飲み、酒を飲み……
GM
ついには追い出され追い払われて、夜風の中を寂しく歩く。
GM
親友が死んだ。
GM
それからだ。全てが上手く行かなくなったのは。
GM
背中を預けられる罠使い。気のいい仲間でもあった。
GM
あんなつまらない死に方をしていい男でもなかった、と思う。
GM
モンスターに殺されるのならまだいい、まさか、
GM
臆病者のハンターが日和って殺し損ねたフォロワーの手にかかって殺されるだなんて。
安武 陸
臆病者のハンター 他人事じゃなさすぎる
安武 陸
俺のことじゃないよな?
GM
死ぬにしてももう少しなにかマシな、なにか、どうにか、もっと、何かを残せるような、そんな死に方が、
GM
そんな益体もない思考がいつも頭を回って仕方がない。
GM
だから狩りでもへまをする。
GM
こうして脚を折られて入院するハメにもなる。
GM
馬鹿らしい。
GM
あの時の吸血鬼も、あいつを殺したフォロワーも、その場で殺されてしまった。
GM
だからもう、俺が恨める相手と言ったら――
GM
「なんつったかな……あいつ、名前」
GM
犯人はヤス。ヤス、ヤス……ヤスダ……じゃ、ない」
GM
「ええと……」
安武 陸
ちょっと
赤木 叶恵
あっ あーあ
迷ノ宮 光葉
まぁ……
敷村 修也
他人の空似なんじゃないですか?
安武 陸
まぁ……ヤスなんて名前いくらでもあるし……
赤木 叶恵
とりあえず先に墓作っとく?
安武 陸
墓っていくらぐらいするのかな……
安武 陸
いや死にたくない 死なないぞ
敷村 修也
今墓地ってなかなか土地がないんじゃなかったでしたっけ
安武 陸
墓地の土地がなんだ!?何故か修也に対してやたらと対抗心を発揮している。一般教養バトルか!?
GM
「ああ、クソ」
GM
頭が回らない。
GM
苛立ちにもつれた足が、
GM
「うわっ!」
GM
何かに引っかかって、つんのめる。
GM
松葉杖が手を離れて道路を転がり、
GM
派手に頭をぶつけて苦痛の呻きが漏れる。
GM
「ってぇ……」
GM
「なんだよ一体、こんなとこに……」
GM
毒づきながら体を起こし、足元を確認すると――
GM
大きなかぼちゃがそこにはあった。
GM
「……は?」
GM
呆然とする俺の目の前に、
GM
そのかぼちゃの口の裂け目から、
GM
ぼ、と青い炎が溢れると同時、
GM
女の声が囁いた。
GM
「ねえ」
GM
「私、あなたとお友達になりたいの!」
安武 陸
やめろ!!聞くな!!!!
安武 陸
お願いします!!!聞かないで!!!!
GM
大丈夫?
安武 陸
多分臆病者のハンターというのは俺ではないけど、心配にはなっています
敷村 修也
心配性だ
GM
惨殺シーンを終了します。
GM
ではこのまま……導入をやりましょう!
GM
PC1からやっていきをするぞ。陸くんよろしくね。
GM
陸くんは10/31の朝何時起きの予定かな~?
安武 陸
面接の予定があるので、6時には起きておこうかな。
GM
なるほどね。ありがとうございます。
GM
じゃあ陸くんが起きるそのちょっと前から、
GM
導入をやっていきしましょうか。

◆導入:安武陸

GM
2D6+23 (2D6+23) > 5[2,3]+23 > 28
GM
28ダメージか。
安武 陸
ダメージ!?
赤木 叶恵
初手にダメージ
迷ノ宮 光葉
いきなりですね…恐ろしい
安武 陸
ブラッドムーンって普通はならない。いきなりこんななるんですか????
GM
えー、では。
GM
今の陸さんの余裕が6で、幸福が1つ潰れて耐久力は5ですね。
GM
28から余裕の6を引くと、22ダメージ。
安武 陸
そん
なに
GM
ブラッドムーンの部位ダメージ算出システムはちょっと独特なので、やさしく説明するGM。22を耐久力5で割ると切り捨て4なので、部位ダメージが4つ発生します
GM
振りましょう。
GM
BRT 身体部位決定表(8) > 《口》
GM
BRT 身体部位決定表(7) > 《攻撃したキャラクターの任意》
GM
BRT 身体部位決定表(9) > 《呼吸器》
GM
BRT 身体部位決定表(7) > 《攻撃したキャラクターの任意》
GM
任意が2つ。逆腕、逆脚をいただきましょう。
GM
陸さんは決戦フェイズで部位ダメージを受けたキャラクターはその場で再起判定を振る。再起判定をどうぞ。1D6です。
精神部位ダメージが1つと身体部位ダメージが4つ、合わせて部位ダメージを5つ受けているため、6以上で成功です。
GM
再起判定は部位ダメージ以下の出目を出したら失敗となり、無力化される。6を出せば成功できますよ!
安武 陸
俺は生きる……俺は生きる……!
安武 陸
1D6>5 (1D6>5) > 2 > 失敗
GM
失敗ですね。
GM
では陸さんは無力化。
安武 陸
なんか……口と呼吸器と任意のところが……破壊されてるんですけど!?
安武 陸
今始まったんですけど!?!?!?!?
敷村 修也
無力化されてしまった……
GM
じゃあそうだなー、どんな感じかな~。
GM
血の刃だな。
GM
吸血鬼が振り翳した赤い刃。
GM
異形の腕から何本も伸びた鋭い刃があなたへと振り下ろされ、
GM
その刃先が袈裟懸けにあなたの皮膚を、肉を裂く。
安武 陸
肉を刃が貫く感触。
安武 陸
骨を切断し、内臓を切り裂く。
口から刃が飛び出しているのが見えた。
安武 陸
貫通している。
GM
血しぶき。
GM
自分の身体から放たれるもの。
安武 陸
必死に生きようと呼吸をするが、血に泡の混じったものがこみ上げてくるだけだ。
安武 陸
痛い、痛い。
GM
命が溢れ落ちていく。
安武 陸
死がすぐそこに来ている。
安武 陸
血の泡に溺れる。
GM
身体を巡るもの、身体を生かすものが、自分の中からこぼれいでる。
安武 陸
いやだ、いやだ。死にたくない。
安武 陸
痛いのはいやだ、苦しいのはいやだ、死ぬのはいやだ。
安武 陸
その場から逃げようともがくが、逃げられるほど体は自由にならない。
GM
強大な気配が目の前に立ちはだかっている。
安武 陸
見上げる。
GM
返り血を浴びた、赤い影。
GM
全身の至るところから刃を生やしている。
GM
それがひときわ大きな刃を腕にまとわせ、
GM
くずおれたあなたの首を――
安武 陸
「やめ……」
安武 陸
「やめてくれっ!」
GM
喉を震わしたその首が、鋭い刃に両断された。
安武 陸
刃が首に落ちるのを見ていた。
安武 陸
己の命が失われるのを見ていた。
安武 陸
理性が、本能が、魂がただ怯えて、震えて、ぐしゃぐしゃになって。
安武 陸
もういっそここで意識が途絶えればいいのにと思っても、妙に刃の動きが緩慢に見えて。
安武 陸
今まで目にした、様々な人の死が脳裏に過る。
安武 陸
俺はあそこには行きたくない。
俺は死者じゃなく、生者だ。
安武 陸
生者のはずだろ!
安武 陸
そう思っても、刃は無慈悲に振り下ろされ。
安武 陸
そうして、何もなくなった。
aisa
いい~~~ぐちゃぐちゃ感
GM
生への渇望、助かる
月夜
ハロウィンに面接ある上にろくでもない寝覚め
スマホ
ポンパンパポポン♪ポンパンパポポン♪
安武 陸
目を覚ます。
安武 陸
全身から汗が吹き出している。
安武 陸
思わず自分の首に触れる。
安武 陸
繋がっている。
GM
狭い部屋は一切の闇に包まれている。
GM
夜明け前。
安武 陸
ため息。
安武 陸
また死ぬ夢を見た。
GM
スマホの画面の光だけが眩しく、陽気なアラームが虚しく響く。
安武 陸
布団に入ったまま、手探りでスマホを探し当てる。
安武 陸
「……? 6時って10/31の東京の日の出時間はまさに6時。
完全に真っ暗なのはおかしい。
もう日昇ってなかった
っけ」
安武 陸
時間を間違えたかな、と思ってアラームを消す。
安武 陸
スマホには6:01と表示されている。
安武 陸
「……いや、多分6時は日出てるよな……」
GM
締め切られたカーテンの隙間から陽光が差し込むようなこともなく。
安武 陸
起き上がって、カーテンを開けてみる。
GM
真っ暗。
GM
電灯の光だけが眩しいくらい。
安武 陸
どう見ても深夜。
GM
空を見渡しても夜明けの気配はどこにもなく、
安武 陸
空が白み始めている様子もない。
GM
ただ深い闇が街を包んでいる。
安武 陸
昨日、「練習したんだ……」「練習しててえらい」6時に起きる練習をしたので分かる。明らかに様子がおかしい。
GM
訝しむ陸の耳に、
GM
スマホの着信音。
安武 陸
「嫌だな~……出たくないな~……」
GM
画面に表示されている名前は海野標。
安武 陸
やっぱり……と思いながら電話に出る。
海野標
『お』
海野標
『出た』
海野標
『えらいなー』
安武 陸
「おはようございまぁ~す……」
海野標
『はよー』
海野標
『外見たか?』
安武 陸
「外がぁ~、暗いですねぇ~」
海野標
『暗いな~』
安武 陸
「なんか……今日はお日様お休みなのかなぁ~?」
海野標
『そうかもな~』
海野標
『その声は魔女によって引き起こされた異常は、その魔女と”波長”が合っていないと認識できない。
陸は明らかに異常を認識している人間の言動をしている。
波長合ってんな
海野標
『今迎え行くわ』
安武 陸
「合ってない、合ってないです」
海野標
切れます。
安武 陸
「も~」
安武 陸
ため息を吐きながらも、動きやすい格好に着替える。
GM
着替えていると、そう経たずにチャイムが鳴ります。
GM
早い。いつもそうだけど。
安武 陸
下がパンツのままドアを開ける。
海野標
「よ」
安武 陸
「お早いご到着ですねぇ、お師匠様」
海野標
「うわ、ちゃんと着ろよ」
海野標
ずかずか乗り込んできます。
海野標
後ろ手にドアを閉める。
安武 陸
「師匠が来るの早いからさ~」
安武 陸
とかなんとか言いながら、ズボンを穿いている。
海野標
普通の学ラン姿。一見特に武器は持っていませんね。
海野標
「狩人が支度モタモタしてたら死ぬぞ~?」
海野標
陸の部屋を勝手に物色しています。
安武 陸
「つっても今はまだ、お日様がお休みの可能性が高いですし……」
海野標
「ねえって」
安武 陸
物色されているが、なんか言える立場にないので、朝飯でも食べようかなと思っています。
海野標
呆れ顔で物色しつつ、陸の武装や医療キットなどを引っ張り出しています。
海野標
「いいからさっさと飯食え」
安武 陸
「俺は1%でも可能性があるなら……それに賭けたいです!」
海野標
「その1%がねえんだわ」
海野標
陸の頭を叩きます。
海野標
べしん
安武 陸
「いてっ」
海野標
「オラ、陸の背徳は「身の保証」。
他の誰がどうなっても、自分だけは無事でいたいという願望を抱えている。
死にたくない
んだろ!」
海野標
「したらさっさと支度して狩りに出る!」
安武 陸
買っておいたコンビニのサンドイッチを取り出して、もちゃもちゃしている。
安武 陸
「死にたくないでぇす……」
海野標
前述した波長が合っている人間でないと、魔女と戦うことはできない。魔女だから頭数足りねえんだわ、お前でもキリキリ働いて貰わんとかなわん」
安武 陸
「やだな~っ」
安武 陸
サンドイッチを片手に、竹刀ケースを背負う。
安武 陸
「……これ、今日面接どうなるんだろ」
海野標
んー、と首を傾げ。
海野標
「……まあ、普通の人間は波長合ってねえから……」
海野標
波長が合っていない人間はこの異常事態をそういうものとして自然に受け入れてしまう。会社の方は平常運行だろうな……」
安武 陸
「ひどい!!」
海野標
「残念でした~」
海野標
アパートのドアを開けて外に。
安武 陸
「くそっ……、じゃあスーツとカバンも持っていかなきゃ……」
安武 陸
「あ~あ、面接の練習するために6時起きしたのにな~」
安武 陸
同じくドアを開けて外へ。ちょっと大荷物。
海野標
「それ血まみれになったらどうすんだよ……」
安武 陸
「…………」
安武 陸
「スーツが血まみれになるリスクを取るか、面接に行けなくなるリスクを取るか……、難しい判断……っすね……」
海野標
「ロッカー入れとく?」
安武 陸
「ロッカー入れときます」
GM
では次、叶恵ちゃんいきましょか!
赤木 叶恵
いきます
GM
やる気満々

◆導入:赤木叶恵

GM
叶恵ちゃんは何時くらいかな 起きるの
GM
ハンター、あんまり朝早くないよね
GM
普通は夜に活動するものだから……
赤木 叶恵
しかもけっこう不規則生活
赤木 叶恵
まあ11時くらいに起きようかな
GM
メチャークチャ
GM
普通だったら11時ね OK
GM
では朝の赤木宅。
GM
あなたがいつも通りに休日の惰眠を貪っていると、
赤木恵夢
「カナちゃん? カナちゃん~」
赤木恵夢
「カナちゃんおはよ~」
赤木恵夢
そのように、扉越しの姉の声。
赤木 叶恵
「……ん……」
赤木 叶恵
目を擦ってベッドから起き上がる。
赤木恵夢
「お母さんもう行っちゃったよ~」
赤木恵夢
「日曜日だけど仕事なんだよね、大変だあ」
赤木恵夢
真っ暗な部屋。
赤木 叶恵
今、何時ごろだろう。体感的には……体感的には……ん?おかしいな。今何時だ?
赤木 叶恵
「……お姉ちゃん、今何時?」
赤木 叶恵
聞きながら自分でも携帯電話を見て確認。
赤木恵夢
「え? 9時くらい」
赤木 叶恵
「…………」
赤木恵夢
「私もそろそろバイト出るから」
赤木恵夢
「朝ごはん、作ってあるから」
赤木恵夢
「カナちゃんあっためて食べてね~」
赤木 叶恵
「え……あ?」一気に目が覚める。
赤木 叶恵
窓の外を見る。
赤木恵夢
スマホの表示はばっちり朝九時。
赤木恵夢
外の様相はとっぷり夜九時。
赤木 叶恵
「……今日、暗くない?」
赤木恵夢
「ん? そうだねえ」
赤木恵夢
魔女と波長が合っていない人間のすがた。ハロウィンだもんね、今日
赤木恵夢
「稼ぎ時だからお客さんいっぱい来そうで~」
赤木恵夢
恵夢のバイト先はファミレスですね。
赤木恵夢
「だからお姉ちゃんそろそろ……」
赤木 叶恵
「…………ああクソ!」
赤木 叶恵
部屋を飛び出す。
赤木恵夢
「わっ」
赤木 叶恵
勢いのいい過保護。お姉ちゃん元気? 体調悪くない? 今日はもう家で休んだら?
赤木恵夢
「カナちゃんどしたの?」
赤木恵夢
「お姉ちゃんは大丈夫だよ、元気、元気で~す」
赤木恵夢
「ぜんぜんすっごくいつもどおりだもんね」
赤木 叶恵
「……ちっ」
赤木恵夢
叶恵の頭を撫でてきます。
月夜
あっかわいいねぇ
安武 陸
かわいいねぇ
安武 陸
妹ちゃん心配しているねぇ
迷ノ宮 光葉
かわいい
月夜
頭を撫でられているねえ
赤木恵夢
「心配してくれてありがとねぇ」
赤木恵夢
「カナちゃんこそ、寝てたのに起こしちゃってごめんね」
赤木 叶恵
「……いや、いい。大丈夫」
赤木 叶恵
「なんかあったらすぐ連絡してね。ハロウィンはほら……変な奴とか出てくるから」
赤木恵夢
「うん!」
赤木 叶恵
「わかってんのかな……」
赤木恵夢
「カナちゃんも気をつけてね」
赤木 叶恵
「あー、うん」
赤木恵夢
「夜遅くなるようだったら、連絡してくれると嬉しいな」
赤木 叶恵
「……気が向いたらね」
赤木 叶恵
「まあ、今日は遅くなるかも。連絡なかったら先食べてて」
赤木恵夢
「ん……」
赤木恵夢
「わかりました~」
赤木恵夢
「それじゃ、お姉ちゃんいってきます!」
赤木 叶恵
「いってらっしゃい」
赤木恵夢
にっこり笑みを返して、恵夢はぱたぱたと階段を降りていく。
赤木恵夢
カバンに鍵を放り込む音、足音、玄関の扉の開く音、
赤木恵夢
閉じられ、鍵の落ちる音。
GM
後には闇が残される。
安武 陸
この子マジで悪い男に引っかかりそう
GM
立候補ですか?
安武 陸
俺は悪い男じゃないからな……
GM
母は仕事に、姉はバイトに、父は何年も前に離婚してこの家に現れることはない。
GM
あなた一人が残された家が、有り得ない夜闇に沈んでいる。
赤木 叶恵
「夜じゃんこれ」
赤木 叶恵
「あー、ダル……」
赤木 叶恵
身支度を整えて用意された朝食を食べる。
GM
炊飯器にお米、ハムエッグ、レタスとキュウリとトマトのサラダ。
GM
味噌汁はかぼちゃとにんじんの緑黄色仕様。
赤木 叶恵
朝食らしい献立だ。部屋の電気を点けて、闇に沈んだ空を見る。
赤木 叶恵
不釣り合いでちぐはぐな光景。
GM
母が忙しくしているため、赤木家では家事の概ねを恵夢が担当している。
GM
洗濯機の回っている音がする。そのまま乾燥までしてしまうタイプのものだから、別に取り出す必要もない。
GM
いつもの朝の風景と、中途半端に重なり、
GM
だからこそ感じる決定的な違和。
赤木 叶恵
意味もなく、もう一度時計を確認してしまう。時間は朝の9時。
GM
壁掛け時計がこちこちと無機質に秒針を鳴らしている。
GM
時は進み、日は昇らず。
GM
闇が世界を支配する。
赤木 叶恵
「……」
赤木 叶恵
スマートフォンからアドレス帳を開く。そのほとんどがハンター関連の連絡先。
GM
他の狩人からの連絡はない。
GM
ということは、この事態を異変として察知している者がほとんどいない、という意味に近しい。
GM
波長。
赤木 叶恵
誰からも連絡はない。こちらから連絡を取るべき相手を……
GM
魔女の引き起こす異変を異変として認識するためには、その魔女と”波長”が合っている必要がある。
GM
叶恵は波長が合っている。恵夢は合っていなかった。
赤木 叶恵
『迷ノ宮御影』という名前に真っ先に目が行く。
赤木 叶恵
溜息を吐いてスクロール。別の名前を探す。
GM
波長が合うのには条件が要る。条件を満たしていなければ、どれほど実力のあるハンターであっても魔女と会敵することはできない。
GM
そも、
GM
叶恵の認めた名前の持ち主は、今は連絡を取ることすらかなわないのだが。
迷ノ宮 光葉
叶恵さんは結構お兄様を頼りにされていたんですね…
GM
叶恵ちゃんと光葉ちゃんもかなり対照感強く仕上がってるのでうれしいよGMは
迷ノ宮 光葉
ですね…
赤木 叶恵
次いで目に入ったのは、叶恵の所属組織。
CIA傘下の超常現象調査機関。
D7
の調査員。赤木叶恵によく仕事を回してくる相手だ。
赤木 叶恵
連絡を取る。
GM
いくらかのコール音ののち、やっと出る。
GM
『どうした、赤木』
GM
『早いじゃねーか』
GM
のんきな声。
赤木 叶恵
「今日、魔女の報告とかあった?」
GM
『あるにはあったけどなぁ』
GM
『朝から暗いからって、そんだけの曖昧な報告だし』
GM
『あんまウチで気合い入れて取り組む気はねえなー』
赤木 叶恵
「普通はこんなに暗くならないよ」
GM
『そっかあ? まあじゃあ魔女かもしんねーな』
GM
『お前なんか動けるんなら適当に頼むわ』
GM
『出来高払いでいい感じに』
敷村 修也
すごい気のない返事だなぁ調査員
GM
まだマシな方ですよ
GM
波長合ってないのに魔女かも……って思えてるだけマシ
GM
合ってない場合下手したらは? 普通だろ? 何言っちゃってんの? ですからね
安武 陸
大変な仕事だな やっぱ一般企業に限るわ
GM
一般企業に就職できたらいいんだけどなぁ~
安武 陸
就活で大変なのは皆同じだから……俺は絶対に諦めない!
赤木 叶恵
「わかった。また似たような情報あったらこっちに回して」
GM
『オッケー』
赤木 叶恵
「じゃ」
GM
切れます。
赤木 叶恵
「動いてるハンター0じゃん。イキり叶恵。無能組織
GM
イッヒヒヒ
安武 陸
ひひひ
敷村 修也
言いたい放題だ!
迷ノ宮 光葉
辛辣
GM
カナちゃんが言いたい放題してくれると嬉しい!
GM
報告はあったらしい、というのが辛うじての希望ですが……
GM
まあ、かなり頼りにならない感じでしたね。
赤木 叶恵
「はあ……」
GM
普通はもうちょっと波長が合う人が見つかるものですが……
GM
今回はかなり険しい雰囲気。
赤木 叶恵
食事を終えて、シンクに皿を置いて軽く水で流す。
赤木 叶恵
あとは姉に任せた。コートを羽織り、隠しポケットに注射器を忍ばせる。
GM
水切り棚には既に二人分の食器が並んでいる。
GM
もう一人はそこに加わることなく、
GM
叶恵は狩人としての身支度を始める。
GM
母とも姉とも違う、自分だけの日常。
赤木 叶恵
自分はどのように映っているだろうか。
赤木 叶恵
どこを見ても恥ずかしくない不良ムーブ。学校はさぼりがち。家事はおざなりで、すぐにふらりと何処かへと消える。夜の帰りは遅い。
赤木 叶恵
そんな末っ子を養う母と姉の苦労は、さぞ大きなものだろう。
赤木 叶恵
「…………あたしだって、頑張ってんだよ」
赤木 叶恵
それを伝える機会はない。
GM
その声を聞くものはない。
GM
闇と沈黙だけがあなたに応える。
GM
カナちゃんはしっかり者でえらいねぇ
安武 陸
しっかり者だ
aisa
叶恵さん、等身大の高校生っぽくっていいですね~
GM
この自我の強さ嬉しい
敷村 修也
芯が強い
赤木 叶恵
「ふん。やってやる」
赤木 叶恵
靴を履く。玄関の扉を開ける。
GM
夜明けを忘れた街があなたを出迎える。
赤木 叶恵
季節を少し先取りしたダッフルコートが、重く肩にのしかかる。
赤木 叶恵
武器を隠すために、攻撃を防ぐために作られた、狩人用のコート。
GM
人通りはいつもどおりに。
GM
深夜のように暗いこと以外は、何も変わらない休日の朝の風景。
GM
その端に、
GM
コウモリが何羽か。
GM
闇空を駆ける。
赤木 叶恵
「ハロウィンに、コウモリか」
赤木 叶恵
小走りで、その後を追いかけてみる。
GM
コウモリが鳴く。夜明けの代わりに告げる。
GM
自分たちの時間はまだまだこれからだ、とばかりに朗々と。
GM
自分たちを追う少女の姿を気にも留めず、コウモリは悠々と飛び続けた。

◆導入:敷村修也

GM
朝、遅くはなさそうですね。
敷村 修也
そうですね。
GM
健康的な生活をしてらっしゃる。
GM
ゆうて日曜日で用事ないし、ハロウィンなんて憂鬱だし、そんな早くもないか。
敷村 修也
休みの日といえど陸「俺は6時起きだったが?」8時半くらいには起きてるんじゃないでしょうか。
GM
じゃあ8時半くらいに起きて、あなたは異常に気づきます。
GM
家族は皆いつも通り。
GM
テレビをつけて、遅めの朝食の支度をして……
敷村 修也
「………あれ?」
GM
「あら、おはよう、修也」
敷村 修也
「あ、うん。おはよう」
敷村 修也
目を覚まし、窓の外に違和感を覚えた。
敷村 修也
自室の時計も確認した。
敷村 修也
24時間表記のスマホも見た。
GM
台所で料理している母は至っていつも通りに。
GM
窓の外の闇にも気を留めず、軽やかな包丁の音を響かせている。
敷村 修也
「えーっと、夜の8時半じゃあないよね」
GM
「何言ってんの」
GM
くすりと笑う。おかしそうに。
GM
「珍しいわね、あんたがそんな大寝ぼけするなんて」
敷村 修也
その向こうでは日曜朝の情報番組が流れている。
キャスターではなくタレントがたくさん出ているような番組。
敷村 修也
「うん、そう……そう、かな」
GM
テレビの中ではいつもどおりの青空が、
GM
しかし、その風景はどこか遠い地方を映したものだ。
GM
「ほら、できたわよ」
敷村 修也
「………」
GM
「早く食べちゃいなさい」
敷村 修也
「う、うん。ありがとう。いただきます」
GM
いつもの朝食。ご飯にはたくあんや掛け物が添えられて。
敷村 修也
戸惑いながら朝食に箸をつける。
GM
隣に母親が座って、同じように朝食を摂る。
GM
日常。
GM
惰性に任せて身を浸し続けてきた今までの日常が、この期に及んで今も続いている。
GM
ハロウィンの朝に。
GM
明けぬ闇に包まれながら。
ありおり
一般人でいきなり魔女、マジで気が狂いそう
sezco
世界がおかしいよ~~~
GM
一般人でいきなり魔女はマジで最悪 狂う
aisa
違和感に困っているのに言い出せないのつらい
敷村 修也
目が回りそうな違和感を箸で拾い上げるように朝食を食べる。
GM
向かいでテレビを見ている父もその違和感に気付かない。
GM
今日は天気がいいみたいだぞ、などと、天気予報を見て、少し作ったような浮かれた声を出しさえする。
GM
太陽など出ていないのに。
敷村 修也
「あー、うん。でも今日はなるべく一人で過ごすから……」
敷村 修也
日常。
GM
「そうだなあ」
GM
「まあ、やりたいようにゆっくりしなさい」
敷村 修也
「うん」
敷村 修也
自分の感じている違和感を、なぜか両親は感じていない。
敷村 修也
そしてその違和感を、あからさまに両親に見せるようなこともしない。
敷村 修也
敷村 修也はそういうやつだ。
GM
両親の態度にはほんの少しだけ、修也の機嫌を窺うような気配が滲む。
GM
これはいつものことではない。
GM
ハロウィンの時期にだけ、こうなるのだ。
GM
世渡り上手~!
ありおり
手のかからない子供だ
安武 陸
くそっ……親に気を使わせて……
安武 陸
ううっ
GM
ブーメランだろそれ!
GM
自刃するな!
ありおり
飛ばす前に自分の腹に刺してる
安武 陸
投げる前に自分に刺さった
GM
振りかぶって自分の腹に
敷村 修也
「………大丈夫だよ」
敷村 修也
「もうすごし方はわかってるから」
GM
「……そうか」
GM
ぎこちなく返して、父親は味噌汁を啜る。
敷村 修也
「…………」
敷村 修也
「……でも今日は、ちょっと外に出てくるね」
敷村 修也
時間とちぐはぐな色をした外を窓から見つめる。
GM
「分かった。気をつけなさい」
GM
「遅くなるようなら、連絡をしてね」
GM
異常には気付いていないが、いつも通りの優しい両親。物分りのよい両親は、揃って笑みを浮かべる
敷村 修也
「うん、わかった。夕飯までには帰るから」
敷村 修也
両親に負担をかけているという思いはある。
敷村 修也
しかしそれ以上に普通に発狂しそうな事態。おかしくなった世界への違和感を自分だけが持つ空間にいることは苦しかった。
敷村 修也
「ごちそうさまでした」
敷村 修也
そう食卓に告げると部屋に戻って外着に着替える。
GM
両親は穏やかにあなたを見送る。
GM
時間が傷を癒やしてくれると、そう信じているように。
GM
五年前にとある少女が殺された、
GM
その事件が彼に与えた傷が、いつかは癒えるのだと願うように。
安武 陸
親……!物分りよくなるな……!
GM
この物分りの良さは修也くんへの信頼ですよ
安武 陸
子供を無条件で信頼するな………っ!!
GM
ちゃんと普段から遅くなるときは連絡する子だから……
安武 陸
いや無条件もなにも優等生陽キャだったわ
GM
陸くんは何と戦ってるの?
安武 陸
優等生陽キャなら信頼するな
aisa
陸くんがさっきから面白い…表ではシリアスなのに
安武 陸
俺は真面目な男ですよ!
安武 陸
時間を信頼するな!!
GM
どうしろっていうんだよ
sezco
なんでそういうおもしろいこというの
敷村 修也
家の扉の外は浮かれたハロウィン色の街並み。
GM
夜闇に沈む中でも、それらの装飾はあなたの目には毒々しい。
GM
外灯に照らされた紫と橙が、あなたを嘲笑う華やかさで街を踊る。
GM
その時、ふと、
GM
一匹のコウモリと、
GM
それが提げるランタンの光が、あなたの目端にちらついた。
GM
ちらちらと、まるで誘うように明滅する。
敷村 修也
コウモリに怪訝な目を向ける。
安武 陸
スマホ出してSNSにアップしようとしない……なんて優等生なんだ……
GM
今までそういう生き方してきたの?
安武 陸
珍しいもの見たらそうなりませんか?もっともスマホに映らなかったら見なかったことにしたくなりますが……
GM
「キキッ」
GM
「キー」
GM
コウモリはあなたを振り返り、ランタンを揺らす。
敷村 修也
明らかに異常な、いつもならありえないと頭の外へ追い出すような光景。
GM
それが闇に映える眩さをもって、あなたの目にくっきりと焼き付く。
敷村 修也
「…………」
敷村 修也
ランタンに誘われるかのようにコウモリの後を追う。
敷村 修也
日常の外へと向かうように。
GM
キィキィと、喜ぶようにコウモリが鳴く。
GM
日常の外へとあなたを誘う。
GM
そうして誘われたその先は、
GM
とある集団墓地だった。
敷村 修也
最悪なところに誘われてんな!!!
GM
ギャハハ
安武 陸
集団墓地
sezco
いい場所だ
敷村 修也
外がおかしくなってるしね
GM
ちょっと足踏み外しちゃっても仕方ないねぇ
安武 陸
くそっ……ハロウィンの日に不思議な動物に誘われて、いつも行かないような場所に出てしまいやがって……
安武 陸
優等生で陽キャの上にジブリ映画の導入みたいな感じしやがって!
敷村 修也
(憐憫を含んだ視線)
安武 陸
そんな目で見るな!!
GM
羨ましいの?
安武 陸
優等生で陽キャなことは羨ましいです。状況については結構同情しています。
敷村 修也
ふふっ
安武 陸
煽られた!今煽りましたよその陽キャ!!

◆導入:迷ノ宮光葉

GM
闇に沈む六分儀市。
GM
六分儀大附属病院もそれは変わらず、
GM
しかしいつもどおりに開業している。
GM
福は一旦どこかに繋ぐかな。
迷ノ宮 光葉
はい、入り口の前だと困らせちゃうので、その脇のベンチとかに、福はかしこいのでちゃんと待っててえらい。待てをさせてから入ります
GM
病院はいつもどおり開業しているので、9時過ぎかな。もう入れます。
GM
外は真夜中の闇とはいえ、病院内はしっかりと点灯がなされている。
GM
あなたは何度となく通った通路を歩き、いつもの個室へと足を踏み入れる。
GM
その病室のベッドに迷ノ宮御影はいる。
迷ノ宮御影
仰向けに横たわり、ただ、呼吸をしている。
迷ノ宮 光葉
いつもなら、花屋さんでお花を買っていったりするのですが、今日はそれよりも兄の無事を先に知りたかったので、直接来ました。
迷ノ宮御影
あなたを出迎える言葉はない。
迷ノ宮御影
見舞いの花のあるなしを気にすることもない。
迷ノ宮御影
その瞼は硬く閉ざされ、その唇が開かれることもなく、
迷ノ宮御影
けれどなぜだか、自発呼吸は保たれている。
迷ノ宮御影
それが迷ノ宮御影の病態だ。
安武 陸
入院着だ
赤木 叶恵
なんで……迷ノ宮先輩……
月夜
ああーっ
安武 陸
状況が状況すぎてふざけた茶々を入れられない
GM
スーパーシリアスやっとりますんでね
迷ノ宮 光葉
ベッドに横たわる兄の姿に、安堵とも落胆とも言えない溜息を吐きながら、様子を見る。
迷ノ宮御影
変わらない。いつもと同じ。
迷ノ宮御影
手は伸ばされない。
迷ノ宮御影
昔のように、あなたの頭をぎこちなく撫でることもない。
迷ノ宮御影
のりの効いた病院着の合わせ目から覗く肌には、狩人として過ごすうちに刻まれた傷跡が窺える。
迷ノ宮 光葉
(お兄様……)
迷ノ宮 光葉
(光葉は……一途なお嬢様の重い想い。お兄様さえ無事でいてくだされば、何もいらなかったのですよ……)
迷ノ宮御影
想いは届かず。
迷ノ宮御影
迷ノ宮御影はここに眠っている。
迷ノ宮御影
闇夜に沈む街すらこのように日常の営みを続けているのに、あなたの兄ばかりは今でも目覚めない。
迷ノ宮御影
あなたの名を、
迷ノ宮御影
呼ぶこともない。
迷ノ宮 光葉
眠る兄の動かない右手をそっと握りしめる。
迷ノ宮御影
硬い皮膚。
迷ノ宮御影
体温は低い。
迷ノ宮御影
節くれ立った指の、その爪先は短く切り揃えられている。
迷ノ宮御影
その爪がかつてはもっと荒れていた、ということも、事あるごとに思い出される。
迷ノ宮 光葉
握り返してはくれない、硬く大きな手のひらを愛おしそうに両手で撫でて、しばらくそうして兄の顔を見つめた。
迷ノ宮御影
眠っている。
迷ノ宮御影
安らかに、まるで死んでいるように。
迷ノ宮御影
そうではないことが、手に伝わる温もりから辛うじて確認できる。
迷ノ宮 光葉
「お兄様……、光葉は……臆病者でした……」
迷ノ宮 光葉
「お兄様が必死に狩人の世界から遠ざけてくださったのに甘えて、ずっと……お兄様が危険な目にあっているのを知っていて……」
迷ノ宮 光葉
「……もし、この暗闇が異形のものたちの仕業なら……光葉は……お兄様の代わりに、戦います。お兄様が守ろうとしたものを、守るために」
迷ノ宮御影
あなたの握る手のひらの中に、まだ熱がある。
迷ノ宮御影
迷ノ宮御影は生きている。あなたに返事をくれなくとも。
迷ノ宮御影
その生命の灯火は消えていない。
迷ノ宮御影
今は、まだ。
月夜
痛ましいけど美しいシーンだ
迷ノ宮御影
お嬢様の導入なので美しくやってます
安武 陸
美しいシーンだなぁ
迷ノ宮御影
闇を招き、人々を混乱に陥れる化生が、
迷ノ宮御影
その灯火を吹き消さない保証はない。
迷ノ宮御影
だから、戦わなければならない。
迷ノ宮御影
守りたいものがあるのならば。
迷ノ宮御影
そのように、
迷ノ宮御影
恐らく、この男は戦ってきた。
迷ノ宮御影
それをあなたは知っている。
迷ノ宮 光葉
「お兄様、どうか光葉を見ていてくださいましね。……たとえ褒めてくださらなくても、わたくし、精一杯がんばります」
迷ノ宮御影
応えはない。ただ熱の触れるのみ。
迷ノ宮 光葉
返事がなくとも、そっと右手を戻して、それから頬を撫でてから惜しむように病室を出ます。
GM
では、あなたが病室を出で、廊下を歩く最中――
GM
遠く立て続けに、破裂音のようなものが響きます。
GM
窓の外を見れば、闇色の空に
GM
大きく出鱈目な、かぼちゃの形をした花火がいくつも上がっている。
迷ノ宮 光葉
「? 花火……」
敷村 修也
花火あがってる……
ありおり
ハロウィンといえば朝花火
安武 陸
ハロウィンで花火上げるなんてディズニーランドくらいじゃないのか?
安武 陸
もしかしてディズニーなのかな……
ありおり
そうかも
GM
その花火はとある地点からいくつも上がっている。
GM
六分儀市の地理をそれなりに把握しており、病院の高い階にいたあなたは気付きます。
GM
花火が打ち上がっているのは、とある集団墓地からだと。
迷ノ宮 光葉
「墓地のほう……」
迷ノ宮 光葉
そう言えばハロウィンの認識が和風お嬢様のそれ。西洋のお盆だった日、と思い出して、もしかしたら化生たちもいるのかもしれないと、考える。
迷ノ宮 光葉
小走りに病院を出て、福を伴って墓地へと向かいましょう。
GM
その途中、墓地の方角から、
GM
輝くジャック・オー・ランタンが街を奔り、彩っていく。
GM
なにかに引っ掛けられているでもなく浮くもの、地面を転がるもの、
GM
みな一様に妖しげな光を放って思い思いに躍りゆく。
GM
あなたは福とともに、その流れに逆行するように駆けていく。