#0 きざはしに星 導入
GM
この度は色々あって朝10時集合だった。朝早くからお集まりいただき大変ありがとうございます。
GM
ブラッドムーンキャンペーン『R:クロニック・ラヴ』
キャラクター紹介
GM
では最初にPC紹介からやっていきましょうか。
GM
PC番号順に一人ずつ、いい感じに自己紹介をやっていっていただきましょう。
安武 陸
六分儀大学教養学部文学科から参りました。安武 陸(やすたけ りく)です。
安武 陸
ゼミでは江戸時代の文学や芸能について研究しており、ゼミ内では……
安武 陸
あ、そういう感じじゃない?ハンターとしての話?そう……
GM
ゼミで何やってるかとかモンスター興味ないから。
安武 陸
できれば俺の専攻がなにかで戦っていきたい所なんだけどな……。
安武 陸
会社によっては……武器になる……はずだ!!
安武 陸
なんかなりゆきでハンターやってます。一年くらい。
安武 陸
最初にモンスターに襲われた時に助けてくれた、海野さんって高坊に師事させて頂いておりますです。はい。
安武 陸
俺はまだ駆け出しハンターって感じ。本格的な戦いはそんなにやってきてなくて、大体師匠の手伝いしてるだけっすね。
安武 陸
ほどほどに参加させられて入院したりしてました。
安武 陸
俺は平和な暮らしがしたいだけなのに……。
安武 陸
なので、ずっと手伝いだけでやって行けたらいいなと思っています。よろしくお願いします!
GM
ありがとうございました。手伝いで生きていけたらいいんだけどねぇ~。
安武 陸
大学、絵附蘭大学みたいなのにしようかとおもったけど、あんまりすぎるなと思ったので六分儀大学にしました。
赤木 叶恵
赤木叶恵(あかぎかなえ)。ハンター歴2年。
赤木 叶恵
姉と母がいるし、姉なんてボンヤリしてるし数年前に死にかけたし……仕方ないからハンターやってる。
赤木 叶恵
一応、学校には通ってるけど……受験勉強とか就活とかそういう将来の話には興味ない。何ぬるい話してんだって感じ。数年後生きられるかもわかんないのに。
赤木 叶恵
……あたしは別に叶恵は接触者である。
モンスターの血肉を身体に取り込んでしまい、異形を獲得した存在。人間じゃないし……。
赤木 叶恵
あ、尊敬する人は迷ノ宮先輩!迷ノ宮御影さん!師匠!命の恩人!
赤木 叶恵
もうずっと会ってない。それでも心の師匠は迷ノ宮先輩。
赤木 叶恵
なんか……ふらっと出てくるし、ふらっとどっかいくし……無防備で怖い……
赤木 叶恵
もうちょっと危機感を身に着けてほしい。
赤木 叶恵
モンスターやら何やらより先にそのへんの人に食い物にされないといいけど。
赤木 叶恵
まあ、いなくなったら困るから何とかするけど。自力でできる範囲では頑張ってほしい。ただの不良とか怪しい大人とかにほいほい付いてっちゃだめだよ。
GM
ありがとうございました。カナちゃんはかわいいね!
迷ノ宮 光葉
ふわふわの姉にしっかりものの妹って感じだ~
安武 陸
なんなら俺が彼氏になって守ってもいいんだが?
GM
ではでは、次はPC3! よろしくお願いします~。
敷村 修也
六分儀高校3年生の敷村 修也(しきむら しゅうや)です。
敷村 修也
ずっとここで暮らしてます。今年は受験の年なんですけど、なんとか雑談タブで陸がおののいた。指定校推薦がもらえたので受験はほとんど終わったところです。
敷村 修也
そんなことないですよ。運が良かったので。
安武 陸
こんな奴とグループ面接になった時点で終わりは決まってしまうんだ……!普通に部活で成果を出していたり、自然にボランティア活動をやっていたタイプ……!!!!!
敷村 修也
友達や先生にも恵まれたので、学校生活はいろんな人たちと楽しい日々を過ごしています。
敷村 修也
あー、でもハロウィンの話はあんまりしないでくださいね。
敷村 修也
ちょっとああいう、陸PL「わかる~!」人に迷惑をかけちゃうような大騒ぎは好きじゃない んですよ。
敷村 修也
部活には入ってないんですけど、体を動かすことは好きなのでジムにいったりとかそういうことしてます。あんまり鍛えてるっていうのは恥ずかしいんですけどね。
GM
ほどほどに身体に動かすと気分いいですからね。
敷村 修也
そうですね。だから大学に行っても同じような生活を続けるかもしれません。
敷村 修也
僕も大学生になったらサークルにはいろうかなって思うこともあるんですけど、これっていうものに出会えるといいなって思います。
敷村 修也
やっぱり打ち込むものがあったほうがいい気もするんですよね。
敷村 修也
時折の沈黙に妙な重みがある。…………。
敷村 修也
そうですね。見つけられるといいと思います。
GM
十二分でございます! ありがとうございました。
迷ノ宮 光葉
明るく、健全な男子高校生というかんじ…
安武 陸
くそっ、「それはそうだろ」「引っかかるとかじゃないよ」「誠実なお付き合いだろ」「スペックが高い男め……日々の努力の結果、全てを得やがって!」かわいい子は大体将来が安定してそうで性格もよくて顔もいいこういう男に引っかかるんだ
迷ノ宮 光葉
はい、わたくし迷ノ宮 光葉(まよいのみや みつは)と申します。
迷ノ宮 光葉
私立の女子校へと通わせていただいて今は2年生になります。
迷ノ宮 光葉
……その、自己紹介って、なにをお話したらいいのかしら……?あまり、お友達も少なくて……
GM
趣味とか、普段の暮らしぶりとか、大切なものの話とか。
迷ノ宮 光葉
はい、では……、普段はハンターの組織の一つ。
色々といわくありげな八つの家系の集まり。八角宗家と呼ばれるハンターの家の分家筋の娘として暮らしています。
迷ノ宮 光葉
とはいえ、わたくしはハンターのお仕事をしたことが、あまりないのですが……
迷ノ宮 光葉
家族は、兄の御影が一人、それから……
迷ノ宮 光葉
兄が預けてくださった犬の福が一匹です。
sezco
赤木妹のままだと何も褒められないからダメ
GM
お兄さんが幼い頃にくれたんでしたね。寂しくないように。
迷ノ宮 光葉
はい、小さい頃から兄はハンターとして忙しかったりしたので、あまり二人の時間は持てませんでしたから、寂しくないようにと。
GM
光葉の兄、迷ノ宮御影は一年前に意識不明となる重態に陥っている。お兄さんがああなってしまったらなおね……
迷ノ宮 光葉
はい……兄が、今は意識不明の重体で……毎日お見舞いには行っているのですが……
迷ノ宮 光葉
……兄は、私を守るためでもあり、それ以外の理由でもありますが、きっとハンターとして無理をしていたのかも知れません……。
GM
早く目覚めて話ができるようになるといいですね。
迷ノ宮 光葉
はい、お兄様が目覚めた時、心配なさらないようにしっかりとしたところをお見せしたいです。
迷ノ宮 光葉
わたくしからは以上です。ありがとうございました。
GM
はい! ご丁寧な自己紹介、ありがとうございました。
安武 陸
ハンターの家に生まれるの大変そうだな……
GM
それではこの4人で改めて『R:クロニック・ラヴ』、やっていきたいと思います。
惨殺シーン
GM
脚を怪我した一人の男が松葉杖をつきながら、夜の繁華街をずるずると歩く。
GM
闇病院から退院したその脚で繁華街を訪れ、居酒屋を渡り歩き、酒を飲み、酒を飲み……
GM
ついには追い出され追い払われて、夜風の中を寂しく歩く。
GM
それからだ。全てが上手く行かなくなったのは。
GM
背中を預けられる罠使い。気のいい仲間でもあった。
GM
あんなつまらない死に方をしていい男でもなかった、と思う。
GM
モンスターに殺されるのならまだいい、まさか、
GM
臆病者のハンターが日和って殺し損ねたフォロワーの手にかかって殺されるだなんて。
GM
死ぬにしてももう少しなにかマシな、なにか、どうにか、もっと、何かを残せるような、そんな死に方が、
GM
そんな益体もない思考がいつも頭を回って仕方がない。
GM
あの時の吸血鬼も、あいつを殺したフォロワーも、その場で殺されてしまった。
GM
「犯人はヤス。ヤス、ヤス……ヤスダ……じゃ、ない」
安武 陸
まぁ……ヤスなんて名前いくらでもあるし……
敷村 修也
今墓地ってなかなか土地がないんじゃなかったでしたっけ
安武 陸
墓地の土地がなんだ!?何故か修也に対してやたらと対抗心を発揮している。一般教養バトルか!?
GM
毒づきながら体を起こし、足元を確認すると――
安武 陸
多分臆病者のハンターというのは俺ではないけど、心配にはなっています
GM
PC1からやっていきをするぞ。陸くんよろしくね。
GM
陸くんは10/31の朝何時起きの予定かな~?
安武 陸
面接の予定があるので、6時には起きておこうかな。
◆導入:安武陸
GM
2D6+23 (2D6+23) >
5[2,3]+23 > 28
安武 陸
ブラッドムーンって普通はならない。いきなりこんななるんですか????
GM
今の陸さんの余裕が6で、幸福が1つ潰れて耐久力は5ですね。
GM
ブラッドムーンの部位ダメージ算出システムはちょっと独特なので、やさしく説明するGM。22を耐久力5で割ると切り捨て4なので、部位ダメージが4つ発生します。
GM
BRT 身体部位決定表(7) >
《攻撃したキャラクターの任意》
GM
BRT 身体部位決定表(9) >
《呼吸器》
GM
BRT 身体部位決定表(7) >
《攻撃したキャラクターの任意》
GM
陸さんは決戦フェイズで部位ダメージを受けたキャラクターはその場で再起判定を振る。再起判定をどうぞ。1D6です。
精神部位ダメージが1つと身体部位ダメージが4つ、合わせて部位ダメージを5つ受けているため、6以上で成功です。
GM
再起判定は部位ダメージ以下の出目を出したら失敗となり、無力化される。6を出せば成功できますよ!
安武 陸
1D6>5 (1D6>5) >
2 > 失敗
安武 陸
なんか……口と呼吸器と任意のところが……破壊されてるんですけど!?
GM
異形の腕から何本も伸びた鋭い刃があなたへと振り下ろされ、
GM
その刃先が袈裟懸けにあなたの皮膚を、肉を裂く。
安武 陸
骨を切断し、内臓を切り裂く。
口から刃が飛び出しているのが見えた。
安武 陸
必死に生きようと呼吸をするが、血に泡の混じったものがこみ上げてくるだけだ。
GM
身体を巡るもの、身体を生かすものが、自分の中からこぼれいでる。
安武 陸
痛いのはいやだ、苦しいのはいやだ、死ぬのはいやだ。
安武 陸
その場から逃げようともがくが、逃げられるほど体は自由にならない。
安武 陸
理性が、本能が、魂がただ怯えて、震えて、ぐしゃぐしゃになって。
安武 陸
もういっそここで意識が途絶えればいいのにと思っても、妙に刃の動きが緩慢に見えて。
安武 陸
今まで目にした、様々な人の死が脳裏に過る。
安武 陸
俺はあそこには行きたくない。
俺は死者じゃなく、生者だ。
安武 陸
そう思っても、刃は無慈悲に振り下ろされ。
GM
スマホの画面の光だけが眩しく、陽気なアラームが虚しく響く。
安武 陸
布団に入ったまま、手探りでスマホを探し当てる。
安武 陸
「……? 6時って10/31の東京の日の出時間はまさに6時。
完全に真っ暗なのはおかしい。もう日昇ってなかったっけ」
安武 陸
時間を間違えたかな、と思ってアラームを消す。
安武 陸
「……いや、多分6時は日出てるよな……」
GM
締め切られたカーテンの隙間から陽光が差し込むようなこともなく。
安武 陸
昨日、「練習したんだ……」「練習しててえらい」6時に起きる練習をしたので分かる。明らかに様子がおかしい。
安武 陸
「なんか……今日はお日様お休みなのかなぁ~?」
海野標
『その声は魔女によって引き起こされた異常は、その魔女と”波長”が合っていないと認識できない。
陸は明らかに異常を認識している人間の言動をしている。波長合ってんな』
安武 陸
ため息を吐きながらも、動きやすい格好に着替える。
GM
着替えていると、そう経たずにチャイムが鳴ります。
安武 陸
とかなんとか言いながら、ズボンを穿いている。
海野標
普通の学ラン姿。一見特に武器は持っていませんね。
安武 陸
「つっても今はまだ、お日様がお休みの可能性が高いですし……」
安武 陸
物色されているが、なんか言える立場にないので、朝飯でも食べようかなと思っています。
海野標
呆れ顔で物色しつつ、陸の武装や医療キットなどを引っ張り出しています。
安武 陸
「俺は1%でも可能性があるなら……それに賭けたいです!」
海野標
「オラ、陸の背徳は「身の保証」。
他の誰がどうなっても、自分だけは無事でいたいという願望を抱えている。死にたくないんだろ!」
安武 陸
買っておいたコンビニのサンドイッチを取り出して、もちゃもちゃしている。
海野標
「前述した波長が合っている人間でないと、魔女と戦うことはできない。魔女だから頭数足りねえんだわ、お前でもキリキリ働いて貰わんとかなわん」
安武 陸
サンドイッチを片手に、竹刀ケースを背負う。
海野標
「……まあ、普通の人間は波長合ってねえから……」
海野標
「波長が合っていない人間はこの異常事態をそういうものとして自然に受け入れてしまう。会社の方は平常運行だろうな……」
安武 陸
「くそっ……、じゃあスーツとカバンも持っていかなきゃ……」
安武 陸
「あ~あ、面接の練習するために6時起きしたのにな~」
安武 陸
同じくドアを開けて外へ。ちょっと大荷物。
海野標
「それ血まみれになったらどうすんだよ……」
安武 陸
「スーツが血まみれになるリスクを取るか、面接に行けなくなるリスクを取るか……、難しい判断……っすね……」
◆導入:赤木叶恵
GM
あなたがいつも通りに休日の惰眠を貪っていると、
赤木恵夢
「日曜日だけど仕事なんだよね、大変だあ」
赤木 叶恵
今、何時ごろだろう。体感的には……体感的には……ん?おかしいな。今何時だ?
赤木 叶恵
聞きながら自分でも携帯電話を見て確認。
赤木恵夢
「魔女と波長が合っていない人間のすがた。ハロウィンだもんね、今日」
赤木恵夢
「稼ぎ時だからお客さんいっぱい来そうで~」
赤木 叶恵
「勢いのいい過保護。お姉ちゃん元気? 体調悪くない? 今日はもう家で休んだら?」
赤木恵夢
「お姉ちゃんは大丈夫だよ、元気、元気で~す」
赤木恵夢
「ぜんぜんすっごくいつもどおりだもんね」
赤木恵夢
「カナちゃんこそ、寝てたのに起こしちゃってごめんね」
赤木 叶恵
「なんかあったらすぐ連絡してね。ハロウィンはほら……変な奴とか出てくるから」
赤木恵夢
「夜遅くなるようだったら、連絡してくれると嬉しいな」
赤木 叶恵
「まあ、今日は遅くなるかも。連絡なかったら先食べてて」
赤木恵夢
にっこり笑みを返して、恵夢はぱたぱたと階段を降りていく。
赤木恵夢
カバンに鍵を放り込む音、足音、玄関の扉の開く音、
GM
母は仕事に、姉はバイトに、父は何年も前に離婚してこの家に現れることはない。
GM
あなた一人が残された家が、有り得ない夜闇に沈んでいる。
赤木 叶恵
身支度を整えて用意された朝食を食べる。
GM
炊飯器にお米、ハムエッグ、レタスとキュウリとトマトのサラダ。
赤木 叶恵
朝食らしい献立だ。部屋の電気を点けて、闇に沈んだ空を見る。
GM
母が忙しくしているため、赤木家では家事の概ねを恵夢が担当している。
GM
洗濯機の回っている音がする。そのまま乾燥までしてしまうタイプのものだから、別に取り出す必要もない。
赤木 叶恵
意味もなく、もう一度時計を確認してしまう。時間は朝の9時。
GM
壁掛け時計がこちこちと無機質に秒針を鳴らしている。
赤木 叶恵
スマートフォンからアドレス帳を開く。そのほとんどがハンター関連の連絡先。
GM
ということは、この事態を異変として察知している者がほとんどいない、という意味に近しい。
赤木 叶恵
誰からも連絡はない。こちらから連絡を取るべき相手を……
GM
魔女の引き起こす異変を異変として認識するためには、その魔女と”波長”が合っている必要がある。
GM
叶恵は波長が合っている。恵夢は合っていなかった。
赤木 叶恵
『迷ノ宮御影』という名前に真っ先に目が行く。
赤木 叶恵
溜息を吐いてスクロール。別の名前を探す。
GM
波長が合うのには条件が要る。条件を満たしていなければ、どれほど実力のあるハンターであっても魔女と会敵することはできない。
GM
叶恵の認めた名前の持ち主は、今は連絡を取ることすらかなわないのだが。
迷ノ宮 光葉
叶恵さんは結構お兄様を頼りにされていたんですね…
GM
叶恵ちゃんと光葉ちゃんもかなり対照感強く仕上がってるのでうれしいよGMは
赤木 叶恵
次いで目に入ったのは、叶恵の所属組織。
CIA傘下の超常現象調査機関。D7の調査員。赤木叶恵によく仕事を回してくる相手だ。
GM
『朝から暗いからって、そんだけの曖昧な報告だし』
GM
『あんまウチで気合い入れて取り組む気はねえなー』
GM
『そっかあ? まあじゃあ魔女かもしんねーな』
GM
波長合ってないのに魔女かも……って思えてるだけマシ
GM
合ってない場合下手したらは? 普通だろ? 何言っちゃってんの? ですからね
安武 陸
就活で大変なのは皆同じだから……俺は絶対に諦めない!
赤木 叶恵
「わかった。また似たような情報あったらこっちに回して」
赤木 叶恵
「動いてるハンター0じゃん。イキり叶恵。無能組織」
GM
カナちゃんが言いたい放題してくれると嬉しい!
GM
報告はあったらしい、というのが辛うじての希望ですが……
GM
普通はもうちょっと波長が合う人が見つかるものですが……
赤木 叶恵
食事を終えて、シンクに皿を置いて軽く水で流す。
赤木 叶恵
あとは姉に任せた。コートを羽織り、隠しポケットに注射器を忍ばせる。
赤木 叶恵
どこを見ても恥ずかしくない不良ムーブ。学校はさぼりがち。家事はおざなりで、すぐにふらりと何処かへと消える。夜の帰りは遅い。
赤木 叶恵
そんな末っ子を養う母と姉の苦労は、さぞ大きなものだろう。
赤木 叶恵
「…………あたしだって、頑張ってんだよ」
aisa
叶恵さん、等身大の高校生っぽくっていいですね~
赤木 叶恵
季節を少し先取りしたダッフルコートが、重く肩にのしかかる。
赤木 叶恵
武器を隠すために、攻撃を防ぐために作られた、狩人用のコート。
GM
深夜のように暗いこと以外は、何も変わらない休日の朝の風景。
GM
自分たちの時間はまだまだこれからだ、とばかりに朗々と。
GM
自分たちを追う少女の姿を気にも留めず、コウモリは悠々と飛び続けた。
◆導入:敷村修也
GM
ゆうて日曜日で用事ないし、ハロウィンなんて憂鬱だし、そんな早くもないか。
敷村 修也
休みの日といえど陸「俺は6時起きだったが?」8時半くらいには起きてるんじゃないでしょうか。
GM
じゃあ8時半くらいに起きて、あなたは異常に気づきます。
GM
窓の外の闇にも気を留めず、軽やかな包丁の音を響かせている。
敷村 修也
「えーっと、夜の8時半じゃあないよね」
GM
「珍しいわね、あんたがそんな大寝ぼけするなんて」
敷村 修也
その向こうでは日曜朝の情報番組が流れている。
キャスターではなくタレントがたくさん出ているような番組。
GM
しかし、その風景はどこか遠い地方を映したものだ。
敷村 修也
「う、うん。ありがとう。いただきます」
GM
いつもの朝食。ご飯にはたくあんや掛け物が添えられて。
GM
惰性に任せて身を浸し続けてきた今までの日常が、この期に及んで今も続いている。
ありおり
一般人でいきなり魔女、マジで気が狂いそう
aisa
違和感に困っているのに言い出せないのつらい
敷村 修也
目が回りそうな違和感を箸で拾い上げるように朝食を食べる。
GM
向かいでテレビを見ている父もその違和感に気付かない。
GM
今日は天気がいいみたいだぞ、などと、天気予報を見て、少し作ったような浮かれた声を出しさえする。
敷村 修也
「あー、うん。でも今日はなるべく一人で過ごすから……」
敷村 修也
自分の感じている違和感を、なぜか両親は感じていない。
敷村 修也
そしてその違和感を、あからさまに両親に見せるようなこともしない。
GM
両親の態度にはほんの少しだけ、修也の機嫌を窺うような気配が滲む。
敷村 修也
「……でも今日は、ちょっと外に出てくるね」
敷村 修也
時間とちぐはぐな色をした外を窓から見つめる。
GM
異常には気付いていないが、いつも通りの優しい両親。物分りのよい両親は、揃って笑みを浮かべる。
敷村 修也
「うん、わかった。夕飯までには帰るから」
敷村 修也
両親に負担をかけているという思いはある。
敷村 修也
しかしそれ以上に普通に発狂しそうな事態。おかしくなった世界への違和感を自分だけが持つ空間にいることは苦しかった。
敷村 修也
そう食卓に告げると部屋に戻って外着に着替える。
GM
時間が傷を癒やしてくれると、そう信じているように。
GM
その事件が彼に与えた傷が、いつかは癒えるのだと願うように。
GM
ちゃんと普段から遅くなるときは連絡する子だから……
aisa
陸くんがさっきから面白い…表ではシリアスなのに
敷村 修也
家の扉の外は浮かれたハロウィン色の街並み。
GM
夜闇に沈む中でも、それらの装飾はあなたの目には毒々しい。
GM
外灯に照らされた紫と橙が、あなたを嘲笑う華やかさで街を踊る。
GM
それが提げるランタンの光が、あなたの目端にちらついた。
安武 陸
スマホ出してSNSにアップしようとしない……なんて優等生なんだ……
安武 陸
珍しいもの見たらそうなりませんか?もっともスマホに映らなかったら見なかったことにしたくなりますが……
GM
コウモリはあなたを振り返り、ランタンを揺らす。
敷村 修也
明らかに異常な、いつもならありえないと頭の外へ追い出すような光景。
GM
それが闇に映える眩さをもって、あなたの目にくっきりと焼き付く。
敷村 修也
ランタンに誘われるかのようにコウモリの後を追う。
安武 陸
くそっ……ハロウィンの日に不思議な動物に誘われて、いつも行かないような場所に出てしまいやがって……
安武 陸
優等生で陽キャの上にジブリ映画の導入みたいな感じしやがって!
安武 陸
優等生で陽キャなことは羨ましいです。状況については結構同情しています。
◆導入:迷ノ宮光葉
迷ノ宮 光葉
はい、入り口の前だと困らせちゃうので、その脇のベンチとかに、福はかしこいのでちゃんと待っててえらい。待てをさせてから入ります。
GM
病院はいつもどおり開業しているので、9時過ぎかな。もう入れます。
GM
外は真夜中の闇とはいえ、病院内はしっかりと点灯がなされている。
GM
あなたは何度となく通った通路を歩き、いつもの個室へと足を踏み入れる。
迷ノ宮御影
仰向けに横たわり、ただ、呼吸をしている。
迷ノ宮 光葉
いつもなら、花屋さんでお花を買っていったりするのですが、今日はそれよりも兄の無事を先に知りたかったので、直接来ました。
迷ノ宮御影
見舞いの花のあるなしを気にすることもない。
迷ノ宮御影
その瞼は硬く閉ざされ、その唇が開かれることもなく、
迷ノ宮御影
けれどなぜだか、自発呼吸は保たれている。
安武 陸
状況が状況すぎてふざけた茶々を入れられない
迷ノ宮 光葉
ベッドに横たわる兄の姿に、安堵とも落胆とも言えない溜息を吐きながら、様子を見る。
迷ノ宮御影
昔のように、あなたの頭をぎこちなく撫でることもない。
迷ノ宮御影
のりの効いた病院着の合わせ目から覗く肌には、狩人として過ごすうちに刻まれた傷跡が窺える。
迷ノ宮 光葉
(光葉は……一途なお嬢様の重い想い。お兄様さえ無事でいてくだされば、何もいらなかったのですよ……)
迷ノ宮御影
闇夜に沈む街すらこのように日常の営みを続けているのに、あなたの兄ばかりは今でも目覚めない。
迷ノ宮 光葉
眠る兄の動かない右手をそっと握りしめる。
迷ノ宮御影
節くれ立った指の、その爪先は短く切り揃えられている。
迷ノ宮御影
その爪がかつてはもっと荒れていた、ということも、事あるごとに思い出される。
迷ノ宮 光葉
握り返してはくれない、硬く大きな手のひらを愛おしそうに両手で撫でて、しばらくそうして兄の顔を見つめた。
迷ノ宮御影
そうではないことが、手に伝わる温もりから辛うじて確認できる。
迷ノ宮 光葉
「お兄様……、光葉は……臆病者でした……」
迷ノ宮 光葉
「お兄様が必死に狩人の世界から遠ざけてくださったのに甘えて、ずっと……お兄様が危険な目にあっているのを知っていて……」
迷ノ宮 光葉
「……もし、この暗闇が異形のものたちの仕業なら……光葉は……お兄様の代わりに、戦います。お兄様が守ろうとしたものを、守るために」
迷ノ宮御影
あなたの握る手のひらの中に、まだ熱がある。
迷ノ宮御影
迷ノ宮御影は生きている。あなたに返事をくれなくとも。
迷ノ宮 光葉
「お兄様、どうか光葉を見ていてくださいましね。……たとえ褒めてくださらなくても、わたくし、精一杯がんばります」
迷ノ宮 光葉
返事がなくとも、そっと右手を戻して、それから頬を撫でてから惜しむように病室を出ます。
GM
では、あなたが病室を出で、廊下を歩く最中――
GM
遠く立て続けに、破裂音のようなものが響きます。
GM
大きく出鱈目な、かぼちゃの形をした花火がいくつも上がっている。
安武 陸
ハロウィンで花火上げるなんてディズニーランドくらいじゃないのか?
GM
その花火はとある地点からいくつも上がっている。
GM
六分儀市の地理をそれなりに把握しており、病院の高い階にいたあなたは気付きます。
GM
花火が打ち上がっているのは、とある集団墓地からだと。
迷ノ宮 光葉
そう言えばハロウィンの認識が和風お嬢様のそれ。西洋のお盆だった日、と思い出して、もしかしたら化生たちもいるのかもしれないと、考える。
迷ノ宮 光葉
小走りに病院を出て、福を伴って墓地へと向かいましょう。
GM
輝くジャック・オー・ランタンが街を奔り、彩っていく。
GM
なにかに引っ掛けられているでもなく浮くもの、地面を転がるもの、
GM
みな一様に妖しげな光を放って思い思いに躍りゆく。
GM
あなたは福とともに、その流れに逆行するように駆けていく。