裁判

GM
こんこん、と窓がノックされる。
イーデン
音の方へと目をくれる。
セラ
セラが開くと、ランプに閉じ込められていた精霊が現れた。
ランプの中の精霊
何か身振り手振りで伝えようとしている。
セラ
「……パンディオンが、広場で待っているそうです」
イーデン
「そうか」
イーデン
「話が早くていいな」
セシリア
「参りますか」
イーデン
「ああ」
イーデン
腰を上げる。
イーデン
「手早く終わらせよう」
パンディオン
石造りの道の先にある広場。 そこにパンディオンは待っていた。
パンディオン
「企みごとは済んだかね」
イーデン
「言うほど大したこともしてないがね」
イーデン
「大体のところは、あんたも把握してるんじゃないのか」
セシリア
微笑んで、お飾りの女のようにイーデンの傍らに控えている。
パンディオン
鼻を鳴らす。
パンディオン
「くだらんことだ。 精霊達は私を愛さずにはいられない」
パンディオン
「セラ、こちらに来なさい」
セラ
「あ……」
セラ
視線がしばし彷徨い、イーデンとセシリアを見る。
イーデン
視線が合った。
パンディオン
「来なさい。 今なら許してやる」
セシリア
「……」
イーデン
光のない、澱んだ瞳のまま。
イーデン
「期待はさせてもらっておこう」
セラ
汚れた首輪に触れる。
イーデン
それだけ、言う。
セラ
うつむいて、すい、とパンディオンの方へ飛んだ。
イーデン
セラがパンディオンの方へ向かうのを見ている。
パンディオン
自分の元に帰ってきたセラに、言葉を投げることはしない。
イーデン
「救世主様は、無駄な犠牲を嫌うって話だ」
イーデン
「それには俺も同意でね。さらに言えば、無駄な時間ってのも厭わしい」
イーデン
「さっさと始めよう。それがお望みだろう」
パンディオン
「よろしい」
パンディオン
「法を投げ捨て、凶器を振るい、敵を斬り伏せ」
パンディオン
「猟奇と才覚と愛によって己の正しさを貫き通させて頂こう」
GM
■裁判開廷!
セシリア
*仕込の宣言を行い、水パイプをふたつ取得いたします。
[ セシリア ] 水パイプ : 0 → 2
GM
PKは仕込みなし。
GM
* 行動順の決定
パンディオン
1D6+3 (1D6+3) > 5[5]+3 > 8
イーデン
1D6+1+1 才覚 着慣れた衣装 (1D6+1+1) > 3[3]+1+1 > 5
セシリア
1d6 (1D6) > 2
GM
パンディオン>イーデン>セシリア
イーデン
ワンチャンあるかと思ったが普通に相手が高すぎたな。
セシリア
やる気出すじゃん
イーデン
困った。
イーデン
あとは引きに腐ってもらうしかない。
セシリア
PKに先手とられるの嫌だけど才覚型相手に猟奇愛が頭取れるはずない

ラウンド1

GM
手札引きタイム!
パンディオン
パンディオン
やはり私は精霊に愛されている!!
イーデン
セシリア
セシリア
イーデン
イーデン
精確がないんだが。
セシリア
精確ないですね
パンディオン
パンディオン
A全部出とる
イーデン
あの女防壁しか持ってないし
パンディオン
ココフォリアくんカードちゃんと切った?????
セシリア
ぜんぶ庇えはする
パンディオン
なんなんだよこれ
イーデン
絶対守る意思?
セシリア
救済が回ってこなくなったのウケるな
GM
■ラウンド1 精霊の手番
GM
* 奉仕 対象はパンディオン
GM
* 以降、昏倒するまで奉仕を行います。
GM
■ラウンド1 パンディオンの手番
パンディオン
* 眠り鼠のポットをイーデンに使用
[ パンディオン ] 眠り鼠のポット : 1 → 0
[ イーデン ] 封印@1Rパンディオン : 0 → 2
イーデン
こっちに来たか
イーデン
そんな気はしていたが じゃあ封殺はセシリアか
イーデン
遊撃を嫌がられたな
パンディオン
どうせ水パイプあるだろうがよというのもある
イーデン
あるけどここで遊撃使えないとじわ嫌
セシリア
じわ嫌~
パンディオン
* 封殺 cQ 対象セシリア
パンディオン
2d6+3=>7 判定(+才覚) (2D6+3>=7) > 8[2,6]+3 > 11 > 成功
パンディオン
威力は3と奉仕で5
イーデン
逆鱗と看破が乗る。
パンディオン
げ、逆鱗が!?
パンディオン
どうしてこんなところに……
イーデン
乗せなくてもいいが。
セシリア
なんか我々がつけた
イーデン
10点だな
イーデン
減らせ減らせ
パンディオン
わし……こんなに殴るのつよかったんだ……
セシリア
*防壁をします s2
パンディオン
ちょっとまってね
セシリア
はい
パンディオン
どうぞ
セシリア
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 4[2,2]+3 > 7 > 成功
セシリア
危ない。
セシリア
4点軽減で、6点ダメージと封印を受けます。
[ セシリア ] HP : 21 → 15
パンディオン
ふっ……素のダメージよりでかいな……得をした気分だ……
GM
■ラウンド1 聖霊セラの手番
聖霊セラ
*暗器 対象はセシリア
聖霊セラ
2d6+2=>7 判定 (2D6+2>=7) > 7[6,1]+2 > 9 > 成功
セシリア
4点ダメージか。
聖霊セラ
です
セシリア
*防壁 c5
セシリア
2d6+3=>7 判定(+愛) (2D6+3>=7) > 4[2,2]+3 > 7 > 成功
セシリア
ずっと怖いな。4点軽減で1点ダメージです。
聖霊セラ
Choice[《封印》,《猛毒》,《指切り》,《衰弱》] (choice[《封印》,《猛毒》,《指切り》,《衰弱》]) > 《猛毒》
セシリア
嫌ですねえ
セシリア
封印と猛毒を喰らっています
GM
■ラウンド1 イーデンの手番
イーデン
イーデンの手番だが、迷うな
イーデン
何も考えずに終幕を打ってもいいが……
イーデン
水パイプ切って まあ切りどころかもな
イーデン
1D6+2(上質な凶器)
+1D6(終幕)
+3(鋭気)
+2(援護)
+1(発狂)
+3(逆鱗)
セシリア
逆鱗もあった
イーデン
2D6と11
GM
コワ~
GM
逆鱗と鋭気あるの嫌すぎるな
イーデン
妨害が入るだろうから水パイプ切るならそこに遊撃も入れられるから通れば転がせる公算は高い
セシリア
ですね。
イーデン
攻めるか
イーデン
長引かせるだけ不利だ
セシリア
お願いします
イーデン
速攻に持ち込んだのはこちらの方だ
イーデン
*補助動作 水パイプを使用 封印を解除
[ イーデン ] 水パイプ : 1 → 0
[ イーデン ] 封印@1Rパンディオン : 2 → 0
パンディオン
ムムムッ
イーデン
*補助動作 c6鋭気
イーデン
*手動作 cA終幕
セシリア
*援護をします
パンディオン
* 妨害
イーデン
*妨害に割り込み sK遊撃
イーデン
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 7[4,3]+3 > 10 > 成功
イーデン
1D6 マイナス値 (1D6) > 6
パンディオン
デッケ
パンディオン
くそっ 才覚をいじめおって……
パンディオン
2d6+3-6=>7 判定(+才覚) 許さん!! (2D6+3-6>=7) > 5[4,1]+3-6 > 2 > 失敗
イーデン
遊撃のダメージは猟奇3+看破2+発狂1+逆鱗3で9点。
[ パンディオン ] HP : 17 → 8
パンディオン
もうHP2桁だよ~
イーデン
*終幕の判定。
イーデン
2d6+3+2=>7 判定(+猟奇)援護あり (2D6+3+2>=7) > 7[2,5]+3+2 > 12 > 成功
イーデン
2D6+2+3+2+3 終幕 上質な凶器 鋭気 援護 逆鱗 (2D6+2+3+2+3) > 3[1,2]+2+3+2+3 > 13
[ パンディオン ] HP : 8 → 0
イーデン
終幕の効果で判決表に-2をどうぞ。
GM
判決表!
パンディオン
2d6+2-0-2 判決表 (2D6+2-0-2) > 5[3,2]+2-0-2 > 5
GM
3~5 〈昏倒〉する。
セシリア
あ。
イーデン
あーあ。
イーデン
笑った
セシリア
ありがとう逆鱗
イーデン
おじさんかわいそ
GM
ウケる
GM
めちゃめちゃ速攻だった
イーデン
ゆっくりエピローグができそうでよかったです
セシリア
狙い通りに行きまくってよかったです
GM
戦闘ロールする?
イーデン
しようかな さすがに……
イーデン
こうなると
イーデン
セシリアさんとやりあってるところもやってほしいですね
イーデン
さすがに……
セシリア
そうですね
GM
さすがにするか 早すぎるから
イーデン
してもろて……
GM
全部やるか
イーデン
全部やりましょう
セシリア
やりましょうか
パンディオン
近くにあるランプを掴み、イーデンに投げつける。
周囲に聖霊の粉が舞った。
イーデン
「チッ……」
パンディオン
「聖霊の粉は魔法薬の材料になる、という話は聞いたな?
 体の動きが鈍かろう」
セシリア
「っ」
セシリア
背後に意識が移る。防げなかった。
イーデン
パンディオンの行動を止めようとした矢先に粉を振りかけられ、その動きが鈍る。
精霊
周囲のランプから、精霊たちが出てくる。
パンディオンに力を与える。
パンディオン
「ふふふ……ははは! 見ろ!私は精霊たちに愛されている!!」
パンディオン
手にした王笏を地面に突き立てる。 それはまるで天災のように地面を割り、セシリアへと向かう。
セシリア
呼応するよう、魔法使いのように手を差し出す。
セシリア
「っあ……」
セシリア
衝撃が走り抜け、遅れて痛みが身体を貫く。
セシリア
だが、女の足は割れた大地を踏みしめ、まだ倒れることがない。
パンディオン
「ははははは!! お前もだ!! お前も体が動かないだろう! この街にいる者は全て!わしの思うがままなのだ!」
セシリア
確かに、動きは鈍る。先ほどイーデンが受けたのと同じ魔法の粉が降りかかっているのだろう。
セシリア
だが、この程度ならまだ戦える。水の精霊に聞いて、備えもしてきている。
セシリア
そのことを、このパンディオンは理解しているのかどうか。
パンディオン
「さぁ、お前もやるのだ、セラ! 私への愛を示して見せろ!!」
聖霊セラ
「…………」
聖霊セラ
細い剣を構えて、セシリアへ向ける。
セシリア
避けることはせず、身構える。
セシリア
その攻撃を未然に防ぐのではなく、受けて相手の隙を増やすのが、セシリアの戦い方であるからだ。
聖霊セラ
「この期に及んで、パンディオンの側に立つ僕を愚かだと思いますか?」
セシリア
「いいえ……」
聖霊セラ
軽く地を蹴る。
セシリア
ただ少し、恐ろしくなるだけだ。
セシリア
心の疵の力というもの、そして心の在りようというものが。
聖霊セラ
刃は確かに、セシリアを傷付けようと閃く。
セシリア
刃に切り裂かれ、わずかに血がしぶくが、本当に些細なものだ。
セシリア
加減しているのか、それとも言った通りにセラは弱い救世主なのか。
聖霊セラ
傷口に妙な痛み。 そう、毒のような。
セシリア
じわじわと染み入ってくる嫌な痛みに顔を顰める。
セシリア
けれど、これもまだ命には届くことはない。
聖霊セラ
「僕が頼んだことを、僕が邪魔している」
聖霊セラ
「それでも許すと?」
セシリア
「……許す、とは、少し、違うでしょうね……」
セシリア
「ただ、そういうものだ、と、諦めているだけですよ」
セシリア
セラにだけ聞こえるようなささやかな声、それも、風の精霊が介してパンディオンに届くだろうか。
セラ
諦め。
セラ
パンディオンを見る。
パンディオン
「そうだ、お前にはこそこそとした小細工くらいしかできないのだからな! それでいい!」
パンディオン
妖精の粉を浴びさせ、聖霊の力で毒を受けた救世主達の姿に、パンディオンは笑う。
パンディオン
「聖霊どもの悪巧みなど、子供の悪戯のようなものよ! 昨日今日現れたばかりの救世主に何ができるものか!」
パンディオン
「この街の平穏は!豊かさは!わしの命ある限り続く!それは簡単に覆されるようなものではなァい!!」
パンディオン
王笏を高々と掲げる。
パンディオン
「我はパンディオン王!! 精霊の街を統べる救世主王なり!!」
イーデン
「そうかい」
イーデン
「そいつはまあ」
イーデン
「随分と華々しい御伽噺で、結構なことだ」
イーデン
男の声。
イーデン
気付けば、パンディオンの胸元に血の華が咲いていた。
イーデン
赤く濡れたナイフが、その胸に突き立てられている。
パンディオン
「……!?」
パンディオン
「な……、がっ……」
パンディオン
ごぼり、と血を吐く。
イーデン
煙がくゆる。
イーデン
資源の枯渇した堕落の国において、煙草の薬効はとりわけ特別な意味を持つ。
イーデン
救世主の身体の異常を取り除き、その動作を万全のものとするための薬。
イーデン
それにより身体の動きを取り戻しながら、男はパンディオンを見下ろしている。
イーデン
「俺はまあ、あんたみてえなのとは違う木っ端救世主なもんでね」
イーデン
「こそこそとした小細工ぐらいしかできねえわけだ」
パンディオン
「馬鹿な……、大地の精霊が与えた煙草は、精霊が盗んだはず……」
パンディオン
また血を吐く。
パンディオン
膝を地面につき、頭を垂れる。
イーデン
「予備くらいあるに決まってる」
イーデン
「あんた、頭を回すのが取り柄の救世主だろうに」
イーデン
「んなことすら考えられなかったのか?」
パンディオン
「精霊が……精霊たちが……」
イーデン
パンディオンの喉元に爪先を突っ込み、その身体を仰向けにひっくり返す。
パンディオン
「見つけないはずがない……奪わないはずがない……!」
パンディオン
なされるがままに仰向けになり、咳き込む。
イーデン
「話が違うな」
パンディオン
王は石畳に転がり、咳とともに血を吐いた。
イーデン
「この男は随分とお前らのことを信用していたようだぜ」
イーデン
「セラ」
セラ
「…………」
セラ
「そりゃあ気がついていましたけど」
セラ
「盗みなんて真似、僕にはできませんよ。他の精霊に頼んだらどうです?」
セラ
「もっとも、水の精霊も地の精霊も彼らに好意的ですし、風の精霊は興味を引かなかったようで。 火の精霊は、そんなまどろっこしいことしませんし」
セラ
「あれ、おかしいな」
セラ
「あなたより、彼らのほうが好かれているかも」
イーデン
煙を吐いている。
パンディオン
「セラ……、セラァ!!」
イーデン
「それなら恨まれる心配はねえな」
イーデン
「……まあ、恨まれたところで構いやしねえが」
パンディオン
「セラ! お前は! 私を愛していないと言うのか!!」
セラ
「今でもあなたを愛していますよ」
セラ
「ただ、少し疲れてしまいました」
セラ
イーデンを見る。
セラ
「どうぞ」
イーデン
「どうも」
イーデン
「俺はお前を愚かと思うが」
イーデン
「そんなもんは俺もお前もこの男も」
イーデン
「この世界の全員に共通することだ」
イーデン
「恨みも許しもありゃしねえよ」
イーデン
一方的に言い放って、パンディオンの傍に膝をつく。
セラ
救世主は皆狂っている。
イーデン
彼らの見守るその中で、血の滴るナイフをゆっくりと振り上げて。
セラ
どこかの末裔が言っていたっけ。
パンディオン
「やめろ……殺すな! 殺すなあああ!!!」
イーデン
その刃を振り下ろした。
パンディオン
「────」
GM
遮るように突き出していたパンディオンの腕が、ごとりと落ちた。
イーデン
その腕を落とし。
イーデン
刃は過たず男の心臓を貫いた。
GM
■裁判閉廷