セシリア
こうして部屋の隅で縮こまって座っていると、服や髪に染み付いた炎の匂いが強く感じられた。
セシリア
この世界に来る前に、自分が最後に嗅いでいたにおいは、結びついている記憶を強く呼び起こす。
セシリア
そうやって、己の責任にばかり落とし込むことがどれほど傲慢で、
セシリア
それこそがこのような事態を呼び起こしたのだと理解していた。
セシリア
自分以外にいなかった。だから自分がやるしかなかった。
セシリア
塞げていないことを分かりながら、だれにも相談できないまま、
セシリア
そうして最後は、すべてが当然のように、こうなったのだった。
セシリア
火の弾ける音、燃え盛る音、悲鳴はもう、どこからも聞こえない。
セシリア
少し顔を上げて、部屋の向かい側に視線をやる。
セシリア
窓際、粗末なベッドの上に、眠っている男がいる。
セシリア
気が付けば荒野にいて、あてどなく彷徨い、見つけたのがこの男だった。
セシリア
ともに倒れていたのは、この宿を貸してくれた末裔というものたちの言葉によれば、亡者という生き物らしい。
セシリア
ひどい怪我を負っていたのを、助け起こしてここまで連れてきた。
セシリア
その怪我はいつの間にか少しマシになっていて、救世主の力であろう、と末裔たちは言った。
セシリア
自分のせいでみんな死んだから、彼を助けてその贖いとするつもりだったのだろうか。
セシリア
そんなことをぼんやりと考えながら、ただ眠る男を眺めている。
セシリア
助けようとした彼が、助けきれず死ぬことこそが、自分にとって正しいようにさえ思われてしまう。
イーデン
投げ出された手は白く、血と土に汚れている。
セシリア
それはただの傲慢であると、自分をまた責める。
セシリア
彼の生死と自分の罪業には、何にも関係がない。
セシリア
けれど、ふとその汚れに気がつくと、のろのろと立ち上がった。
セシリア
古びた床をきしませながら部屋を横切って、タオル代わりに置かれたボロ布を取って、その血と土を拭おうと、手を取る。
イーデン
手を取られた瞬間に、その指先がぴくりと動いた。
イーデン
懐から抜かれたナイフが、その喉元へと突き付けられた。
セシリア
ナイフを突きつけられたまま、その目を見つめている。
セシリア
ぼんやりと頭に浮かべて、ただ音のない息をついている。
イーデン
諦念のままに全てを受け入れんとする女へと。
セシリア
考えていたことをそのまま口にすることは躊躇われ、いくぶん頭を動かす。
イーデン
昏く黒い瞳も同じく、あなたを検分するように。
セシリア
「……あなたは荒野で、『亡者』とともに倒れていた」
セシリア
「私はあなたをここまで連れてきました。助けようと思って、けれど」
セシリア
「助けた人間に殺されるというのは、むしろ、私に」
セシリア
そこまで言ってから、自分のあまりの愚かしさと傲慢さに顔を覆った。
イーデン
ひやりとした刃の冷たさは、いつしかあなたの肌で温められている。
セシリア
「死ぬべきなのではないかと、そうも思います」
セシリア
「けれどそれは、ただ投げ出しているだけのようにも思います」
セシリア
この世界に来たばかりだった。何も分かっていない。
セシリア
だから女はこのように、会ったばかりの人間に心の内を吐露する。
セシリア
末裔たちはかしずくばかりで、対等な話し相手にはなってくれなかったから。
セシリア
喜びのかけらもないような表情で女は言った。
セシリア
かけひきしなくてもいいような気がしなくもない(かけひきタイミングが来たらしてもいい)
イーデン
開始するならいっそここじゃないかという気もしますが……
セシリア
1d6 行動順ダイス (1D6) > 2
かけひき ラウンド1
セシリア
イーデン
セシリア
視線を交わし合うことを厭うことさえしない。
セシリア
私も万一(万一?)アピールされたら誘い受けするか考えないといけねえもんな
セシリア
万一アピールされたら? かけひきはアピールしないと何にも動かないんだよ
イーデン
アピールされる可能性が万一になっちゃった
イーデン
あなたがこの世界に堕ちたばかりであることを見て取って、
イーデン
「お前がどこから落ちてきたかは知らねえが」
イーデン
「この世界も、大して変わりのないゴミ溜めだ」
セシリア
2d6+1=>7 (2D6+1>=7) > 9[4,5]+1 > 10 > 成功
イーデン
2D6+1>=10 (2D6+1>=10) > 9[6,3]+1 > 10 > 成功
パクチ
テンション低いけどボコられる気はない人達か?
セシリア
「……この世界では、それはいけないことでしょうか」
セシリア
「あるいは、どちらにせよ、意味がないことですか」
イーデン
「身をもって理解させられていると思ったが」
セシリア
愚に愚を重ねて、助けた男に組み伏せられ、喉元にナイフを突きつけられている。
[ セシリア ] 情緒 : 0 → 1
かけひき ラウンド2
セシリア
イーデン
セシリア
「私にナイフを突きつけて、殺す理由がありますか」
イーデン
2D6+1>=7 (2D6+1>=7) > 7[4,3]+1 > 8 > 成功
セシリア
2d6+1=>8 (2D6+1>=8) > 7[2,5]+1 > 8 > 成功
イーデン
「この世界に落ちた奴は『救世主』だとか言われて」
イーデン
「30日に1回、殺し合いをする義務を科されるんだぜ」
イーデン
「見たか? 俺を助けたのなら見たろうな」
イーデン
「哀れな害獣になりてえのなら、誰も止めやしないがね」
イーデン
発狂中でよかったな 発狂中をすべての言い訳にしていきます
セシリア
男の言葉を頭の中で咀嚼し、わずかに間が開く。
セシリア
「……それでは、あなたはまだ、私を生かすか殺すか」
セシリア
「その義務を果たすには、仲間がいたほうが都合がいい、とか」
[ イーデン ] 情緒 : 0 → 1
イーデン
ここで情緒上がるの恥ずかしくないんですか? PLは恥ずかしいよ
セシリア
でもソロ救世主よりパーティー組む救世主のほうが生存率高いだろうのは事実だし 大丈夫 でもここで情緒が上がる事実があるな
セシリア
当然の問いに、虚を突かれたように目を瞬かせる。
イーデン
「その連れ合いが有能であることは、前提だろ」
イーデン
2D6+1>=7 (2D6+1>=7) > 8[3,5]+1 > 9 > 成功
セシリア
死ぬべきはずが、ここにいると思っていた。
セシリア
もし自分が死んでいて、裁きのためにここに落ちてきたのなら、
セシリア
死ぬべき人間が落ちるには、ふさわしい地獄で。でも自分は、
セシリア
そうして他人を殺して、殺し続けて生きていくということができるだろうか。
セシリア
試されている。この世界で生きていけるかを確かめる、番人のように。
イーデン
この世界で生きていくことに、果たして意味があるのか。
セシリア
突きつけられたナイフが引かれれば、すぐにでも。
[ セシリア ] 情緒 : 1 → 2
イーデン
5までやり取りするの果てしない気分になるな
イーデン
こんなに果てしない気分になるかけひき初めてかも
セシリア
情緒5って多くない?(いつもはそんなことない)
かけひき ラウンド3
セシリア
イーデン
セシリア
急にアピール多い女になってきた でもこの挙動が正しいんだよな
イーデン
かけひきで発生する完璧な引きほど脱力感にあふれるものはないよ
セシリア
かけひきする気があるっていう事実がのしかかってくる
セシリア
「……あなたは、どれぐらいこの世界に?」
セシリア
それを咎められて殺されれば、それまでだとも思う。
イーデン
それは即ち、30日に1回の責務を積み重ねてきた事実を示す。
イーデン
このナイフは確かに救世主を殺してきた。亡者のような化け物ではなく。
セシリア
自分が死なせてしまった人々よりもずっと少ない。けれど、
セシリア
自分はこれまで、自分の手で人を殺したことはなかった。
セシリア
そうして、殺さなければならない人々でもなかった。
セシリア
「これからも……生きようとすれば、殺し続けることになる」
セシリア
「あなたは、どういう気持ちで、その30日を」
イーデン
2D6+1>=7 (2D6+1>=7) > 2[1,1]+1 > 3 > 失敗
GM
1 情緒が入り乱れる!自身と自身以外のランダムな対象1人の情緒が入れ替わる。
GM
*入れ替わりでイーデンの情緒が2に、セシリアの情緒が1になります。
[ セシリア ] 情緒 : 2 → 1
[ イーデン ] 情緒 : 1 → 2
[ イーデン ] 情緒 : 2 → 3
セシリア
2d6+1=>7 (2D6+1>=7) > 9[5,4]+1 > 10 > 成功
セシリア
え?質問したら相手の情緒が一気に3上がった
パクチ
この質問でそうなるの こう だいじょうぶ‥‥?
セシリア
わ、私はただもしこれから生きるとしたら後学のためにと思って……
イーデン
ただ、ナイフを握る手にぐっと力が籠もって、
イーデン
しかしそれがあなたの喉笛を掻き切ることはなかった。
セシリア
重ねて問うことはせず、ただ見つめている。
セシリア
遅れて、相手がただ一人であの荒野で倒れていたことを思い出していた。
イーデン
1年を超える期間を、この世界で過ごしてきた男。
イーデン
この世界で、仲間を作る意味を否定しなかった男。
セシリア
印象は──最初に倒れている姿を見つけたときに近くなっていた。
セシリア
それは、自分が死ぬべきであるという思考とは、少し線を異にして、
セシリア
元の世界で生きてきた自分が、かつて懐いて染みついた感覚のようなものだ。
イーデン
「末裔どもには媚び諂われたろう? 愛想笑いが張り付いたあの顔だよ」
イーデン
「お前もその外道と同類に見られてんだよ」
セシリア
男が「笑え」と言った言葉よりも、よほど愉快な言葉だった。
イーデン
「基本、末裔は救世主には勝てやしねえ。そういう風になってんだ」
イーデン
「目の前に、気まぐれ一つで自分たちを殺せる暴力装置が存在する」
イーデン
「死にたくなけりゃ、媚びも売る。気に入られたくて取り入ろうとする」
イーデン
「その救世主が外道でないことを祈りながら、外道であることを恐れて、そのように振る舞わされる」
セシリア
きっとこの人は、私の笑いの意味を理解しなかったろう。
人間を助けたいなどと言って、殺されるべきだと大人しく組み敷かれる女が、たくさんの人間を死なせた戦犯だなどとは思いもしないから。
セシリア
この人は、この世界を気に入っていないのだろう。
救世主のありかたも、媚びへつらうしかない末裔たちの在りようも。
気に入るはずがないだろうとさえ、言うだろう。
セシリア
相手の言葉にうなずきながら、ふと思い出したように唇を開く。
セシリア
「……そういえば私、私のことを知らない人間と」
[ イーデン ] 情緒 : 3 → 4
イーデン
ディスコミュニケーションしながら情緒を一気に3上げる男だ ここから入れる保険は?
イーデン
*h2距離を測る
*dJアピール>セシリア
セシリア
2d6+1=>7 (2D6+1>=7) > 5[3,2]+1 > 6 > 失敗
[ セシリア ] 情緒 : 1 → 2
イーデン
2D6+1+1>=7 (2D6+1+1>=7) > 8[6,2]+1+1 > 10 > 成功
[ セシリア ] 情緒 : 2 → 3
イーデン
「ごみ溜めの世界に落ちた気分はどうだ?」
イーデン
「元いた場所も、大して変わりのないごみ溜めだったか」
セシリア
「私の周りにいたひとたちに、少し似ていました」
イーデン
「これからも、末裔どもに崇拝されるか?」
イーデン
「ゴミクズの救世主を殺すことを考えると」
イーデン
「そういう奴は大体が調子に乗ってる。それを叩き壊すのは悪くない」
セシリア
男の言葉をただ聞いていた。頷くことは途中でできなくなった。
セシリア
ただその目の、視線の先が何を見ているのかを考えている。
セシリア
絶望に備えて絶望の素地を敷いておいてる選手権。
かけひき ラウンド4
セシリア
イーデン
セシリア
男が目を覚まして、こうして、会話をしながらずっと、
セシリア
余計なことをしたのかもしれない、とずっと考えてきた。
セシリア
男の言動を見れば、それはすぐにわかることだった。
セシリア
こんな世界で生きていくべきではないと考えるのは自然なことだった。
セシリア
自ら命を絶てずとも、その時が来れば救いを得られたとさえ感じるのは。
セシリア
その救いを奪ったのかもしれないと思った。
イーデン
2D6+1>=7 (2D6+1>=7) > 5[1,4]+1 > 6 > 失敗
セシリア
アピールの気配を感じ、自ら爆発するイーデンさんになってしまった
[ イーデン ] 情緒 : 4 → 5
セシリア
答えに窮したのではなく、イーデンの血に濡れた手を見たのだった。
イーデン
手放されず、あなたから刃を離すこともなく、そこにある。
セシリア
「……もう少し、あなたと話がしたいんです」
パクチ
でも抱かれたいのに強く抱いてしまうの、セシリアさんらしい
パクチ
元の世界ではこういう感じで強く抱きまくっていたんでしょう……
セシリア
元の世界ではむしろ抱かれも抱けもしない女だったはずが…?!
イーデン
「内容は、お前が決めるな。俺の決めたように動け」
イーデン
「お前の判断ではあてにならない。お前の考えを信用しない」
イーデン
「その有様で、他人を救うべく心を動かすような女は」
セシリア
まばたきのたびに、まぶたの裏で炎が揺れる。
セシリア
3ラウンド急にイーデンさんのギアが受けにガッて入った
イーデン
喉元につきつけられたナイフの生ぬるい熱。
イーデン
破滅に向かう世界の片隅にある、薄汚れた宿の一室で。
イーデン
長い長い沈黙に、セシリアから身を離して。