セシリア
こうして部屋の隅で縮こまって座っていると、服や髪に染み付いた炎の匂いが強く感じられた。
セシリア
この世界に来る前に、自分が最後に嗅いでいたにおいは、結びついている記憶を強く呼び起こす。
セシリア
すべてが燃えていた。
セシリア
自分の責任だった。
セシリア
そうやって、己の責任にばかり落とし込むことがどれほど傲慢で、
セシリア
それこそがこのような事態を呼び起こしたのだと理解していた。
セシリア
自分以外にいなかった。だから自分がやるしかなかった。
セシリア
目についたほつれを見えないようにして、
セシリア
塞げていないことを分かりながら、だれにも相談できないまま、
セシリア
そうして最後は、すべてが当然のように、こうなったのだった。
セシリア
火の弾ける音、燃え盛る音、悲鳴はもう、どこからも聞こえない。
セシリア
そうして、
セシリア
罪とともに燃え尽きるはずだった。
セシリア
少し顔を上げて、部屋の向かい側に視線をやる。
セシリア
窓際、粗末なベッドの上に、眠っている男がいる。
セシリア
気が付けば荒野にいて、あてどなく彷徨い、見つけたのがこの男だった。
セシリア
ともに倒れていたのは、この宿を貸してくれた末裔というものたちの言葉によれば、亡者という生き物らしい。
セシリア
ひどい怪我を負っていたのを、助け起こしてここまで連れてきた。
セシリア
その怪我はいつの間にか少しマシになっていて、救世主の力であろう、と末裔たちは言った。
セシリア
どうして助けたのかわからない。
セシリア
──助けなければ、そう思って。
セシリア
何ができるつもりでいたのだろう。
セシリア
自分のせいでみんな死んだから、彼を助けてその贖いとするつもりだったのだろうか。
セシリア
そんなことをぼんやりと考えながら、ただ眠る男を眺めている。
イーデン
男は長く、死んだように眠っている。
セシリア
助けようとした彼が、助けきれず死ぬことこそが、自分にとって正しいようにさえ思われてしまう。
イーデン
投げ出された手は白く、血と土に汚れている。
セシリア
それはただの傲慢であると、自分をまた責める。
セシリア
彼の生死と自分の罪業には、何にも関係がない。
セシリア
けれど、ふとその汚れに気がつくと、のろのろと立ち上がった。
セシリア
古びた床をきしませながら部屋を横切って、タオル代わりに置かれたボロ布を取って、その血と土を拭おうと、手を取る。
イーデン
手を取られた瞬間に、その指先がぴくりと動いた。
イーデン
握り込まれる。強い力で。
イーデン
そのままベッドへと引き込まれ、
セシリア
身構える暇もなく引きずり込まれ、
イーデン
女の身体を組み伏せる。
セシリア
驚いた顔で男を見上げる。
イーデン
懐から抜かれたナイフが、その喉元へと突き付けられた。
イーデン
その刃もまた、血に汚れている。
セシリア
その表情に徐々に理解の色が広がり、
セシリア
それはどこからか諦念に変わった。
イーデン
男の目があなたを見下ろしている。
セシリア
ナイフを突きつけられたまま、その目を見つめている。
イーデン
昏く澱んだ瞳。光の宿らない。
イーデン
それと目が合う。
セシリア
この人も、
セシリア
きっと何かがあったんだろう。
セシリア
ぼんやりと頭に浮かべて、ただ音のない息をついている。
イーデン
諦念のままに全てを受け入れんとする女へと。
イーデン
しかし、痛みは訪れない。
イーデン
代わりに低く唸るような声が。
イーデン
「何を」
イーデン
「考えている」
イーデン
あなたを検めるように問いかけた。
セシリア
考えていたことをそのまま口にすることは躊躇われ、いくぶん頭を動かす。
イーデン
昏く黒い瞳も同じく、あなたを検分するように。
セシリア
「……あなたは荒野で、『亡者』とともに倒れていた」
イーデン
試されている。
セシリア
「私はあなたをここまで連れてきました。助けようと思って、けれど」
イーデン
確かめられている。
セシリア
「助けた人間に殺されるというのは、むしろ、私に」
イーデン
あなたという人間を。
セシリア
「ふさわしいのではないかと」
セシリア
そこまで言ってから、自分のあまりの愚かしさと傲慢さに顔を覆った。
セシリア
「すいません」
イーデン
ひやりとした刃の冷たさは、いつしかあなたの肌で温められている。
イーデン
それがあなたの喉に当てられたままに。
イーデン
「死にたいのか」
イーデン
問われる。
セシリア
その刃に自ら向かっていく勇気もない。
セシリア
「分かりません」
セシリア
「死ぬべきなのではないかと、そうも思います」
セシリア
「けれどそれは、ただ投げ出しているだけのようにも思います」
セシリア
この世界に来たばかりだった。何も分かっていない。
セシリア
だから女はこのように、会ったばかりの人間に心の内を吐露する。
セシリア
末裔たちはかしずくばかりで、対等な話し相手にはなってくれなかったから。
イーデン
自らの心の疵を曝け出す、愚かな行為。
セシリア
「ただあなたが」
セシリア
「目を覚ましてよかった」
イーデン
眼下の女のそれを見つめていた。
セシリア
喜びのかけらもないような表情で女は言った。
イーデン
抜け殻の慈愛を、濁った瞳で呑む。
イーデン
あれ? かけひき
イーデン
かけひき忘れてた
イーデン
かけひきするの?
イーデン
ここから?
セシリア
かけひきしなくてもいいような気がしなくもない(かけひきタイミングが来たらしてもいい)
イーデン
開始するならいっそここじゃないかという気もしますが……
セシリア
たしかにそうかもしれない
イーデン
じゃあ……ほどほどでしますか
セシリア
するかあ
GM
*かけひき開始
GM
*行動順決定
セシリア
1d6 行動順ダイス (1D6) > 2
イーデン
1d6 才覚0 (1D6) > 1
GM
*セシリア>イーデン
イーデン
レベルが低すぎる
パクチ
やる気
セシリア
底辺の争い

かけひき ラウンド1

GM
*1R目 手札引き
セシリア
イーデン
パクチ
場にアピールが1枚
セシリア
あっ、アピール来た、よかった
イーデン
良かった
イーデン
良かったか?
セシリア
分からない……
GM
■行動:セシリア
セシリア
*パス
セシリア
ぼんやりと男の濁った目を見ている。
セシリア
視線を交わし合うことを厭うことさえしない。
セシリア
そんな気力はない。
GM
■行動:イーデン
イーデン
パスしたくなってきた
セシリア
お前らもうかけひき辞めろになる
イーデン
悩んでます
パクチ
面白い
セシリア
私も万一(万一?)アピールされたら誘い受けするか考えないといけねえもんな
セシリア
万一アピールされたら? かけひきはアピールしないと何にも動かないんだよ
イーデン
アピールされる可能性が万一になっちゃった
セシリア
まさかこんなに辛気臭いとはね
イーデン
するか・・・・・・・・・
イーデン
嫌だ・・・・・・・・・・・・・・
パクチ
するんだ
イーデン
仕掛けてるからな
イーデン
「何一つ」
イーデン
「喜ぶことなど、ありゃしない」
イーデン
あなたがこの世界に堕ちたばかりであることを見て取って、
イーデン
声には言い含めるような色を帯びた。
イーデン
「この世界に希望はない」
イーデン
「お前がどこから落ちてきたかは知らねえが」
イーデン
「この世界も、大して変わりのないゴミ溜めだ」
イーデン
「……それで」
イーデン
「人を助けることを、喜ばしいと?」
イーデン
*sJ アピール>セシリア
セシリア
*d6 誘い受け
イーデン
*割り込みありません
セシリア
2d6+1=>7 (2D6+1>=7) > 9[4,5]+1 > 10 > 成功
イーデン
2D6+1>=10 (2D6+1>=10) > 9[6,3]+1 > 10 > 成功
イーデン
イーデン
なんなんだよ
セシリア
高い
パクチ
出目いいじゃん
パクチ
テンション低いけどボコられる気はない人達か?
セシリア
「……この世界では、それはいけないことでしょうか」
セシリア
「あるいは、どちらにせよ、意味がないことですか」
イーデン
「咎めやしねえよ」
イーデン
「美しい善行。結構なことだ」
イーデン
「だが、不利益だ」
イーデン
「無益よりもなお悪い」
イーデン
「……今、まさに」
イーデン
「身をもって理解させられていると思ったが」
セシリア
愚に愚を重ねて、助けた男に組み伏せられ、喉元にナイフを突きつけられている。
セシリア
けれど。
セシリア
……いや。
セシリア
女は言葉に詰まって、
セシリア
「そうですね」
セシリア
とだけ、小さく返した。
[ セシリア ] 情緒 : 0 → 1
GM
*R1 手札捨て
イーデン
*両方捨てます
セシリア
*s3,hK捨て

かけひき ラウンド2

GM
*R2 手札引き
セシリア
イーデン
セシリア
???
イーデン
急にアピール女になるな
セシリア
急にアピールのやる気出すんじゃない
イーデン
マジで何?
GM
■行動:セシリア
セシリア
「でも、あなたは……まだ」
セシリア
「私にナイフを突きつけて、殺す理由がありますか」
セシリア
「私はあなたを害する心算はありません」
セシリア
*h9 アピール > イーデン
イーデン
*c5 誘い受け
イーデン
2D6+1>=7 (2D6+1>=7) > 7[4,3]+1 > 8 > 成功
セシリア
2d6+1=>8 (2D6+1>=8) > 7[2,5]+1 > 8 > 成功
イーデン
なんだよ
イーデン
なんなんだよ
セシリア
なんだよ
イーデン
お揃い出目出し続けんでもろて
セシリア
面白すぎる
イーデン
精神状態がどっこいどっこいなのか?
セシリア
そうかも……
イーデン
「お前が末裔だったら、なかったろうな」
イーデン
「……だが」
イーデン
「残念ながら、お前は救世主だ」
イーデン
「聞いて驚け。そんで笑え」
イーデン
「この世界に落ちた奴は『救世主』だとか言われて」
イーデン
「30日に1回、殺し合いをする義務を科されるんだぜ」
セシリア
「……義務?」
セシリア
ゆるやかに目を瞬かせる。
セシリア
「それは、果たせなければ……」
イーデン
「亡者になる」
イーデン
「見たか? 俺を助けたのなら見たろうな」
イーデン
「化け物だ」
イーデン
「人間がああなる」
イーデン
人間以外もか、と頭を振って、
イーデン
「ああなったら、もう、最後だ」
イーデン
「話なんざできやしねえ」
イーデン
「哀れな害獣になりてえのなら、誰も止めやしないがね」
イーデン
発狂中でよかったな 発狂中をすべての言い訳にしていきます
セシリア
発狂中なのでわりと情報をくれる
イーデン
余計なことぺらぺら喋ってる
セシリア
地獄という言葉が頭に浮かんで消えた。
セシリア
男の言葉を頭の中で咀嚼し、わずかに間が開く。
セシリア
「……それでは、あなたはまだ、私を生かすか殺すか」
セシリア
「思案する理由が何か、あるのですね」
イーデン
「…………」
セシリア
「その義務を果たすには、仲間がいたほうが都合がいい、とか」
[ イーデン ] 情緒 : 0 → 1
イーデン
ここで情緒上がるの恥ずかしくないんですか? PLは恥ずかしいよ
セシリア
恥ずかしくなってる。
セシリア
でもソロ救世主よりパーティー組む救世主のほうが生存率高いだろうのは事実だし 大丈夫 でもここで情緒が上がる事実があるな
イーデン
事実ではある
イーデン
猟奇ソロ、心もとなさすぎる
イーデン
終幕で先手必勝決めるしかねえよ
GM
■行動:イーデン
イーデン
「……なら」
イーデン
「どうする」
イーデン
「お前は」
セシリア
当然の問いに、虚を突かれたように目を瞬かせる。
イーデン
「連れ合いがいた方が長生きできる」
イーデン
「こともある」
イーデン
「だが、それを事実とするには」
イーデン
「その連れ合いが有能であることは、前提だろ」
イーデン
「不利益を生む仲間は」
イーデン
「要らねえよ」
イーデン
*sA切ってアピール>セシリア
セシリア
*何もありません
イーデン
2D6+1>=7 (2D6+1>=7) > 8[3,5]+1 > 9 > 成功
セシリア
「私は……」
セシリア
「……私、は……」
イーデン
見下ろしている。
イーデン
あなたの瞳を。男が。
セシリア
死ぬべきはずが、ここにいると思っていた。
セシリア
合っていた目が、わずかに揺れて逸れる。
セシリア
殺し合いを続けなければいけない世界。
セシリア
もし自分が死んでいて、裁きのためにここに落ちてきたのなら、
セシリア
死ぬべき人間が落ちるには、ふさわしい地獄で。でも自分は、
セシリア
そうして他人を殺して、殺し続けて生きていくということができるだろうか。
イーデン
男の瞳が、あなたを検めている。
イーデン
血に汚れたナイフはいまだ。
イーデン
喉元へと突き付けられたままに。
セシリア
男を再び、見上げる。
セシリア
問われている。この男に
セシリア
試されている。この世界で生きていけるかを確かめる、番人のように。
イーデン
見下ろす男の頬に、裂傷。
イーデン
傷を負うてでも。
イーデン
この世界で生きていくことに、果たして意味があるのか。
セシリア
応える言葉を持たず、沈黙が返る。
セシリア
突きつけられたナイフが引かれれば、すぐにでも。
セシリア
それにもかかわらず。
[ セシリア ] 情緒 : 1 → 2
イーデン
情緒5って高くない?
イーデン
5までやり取りするの果てしない気分になるな
イーデン
こんなに果てしない気分になるかけひき初めてかも
セシリア
情緒5って多くない?(いつもはそんなことない)
イーデン
多いと思うんだけど……
パクチ
スッと上がるひとたちもいる
イーデン
ハプニングも起こらねえんだよな なんか
セシリア
なんなんだ?
GM
*手札捨て
イーデン
*c7廃棄
セシリア
*cQ捨て

かけひき ラウンド3

GM
*R3 手札引き
セシリア
イーデン
セシリア
急にアピール多い女になってきた でもこの挙動が正しいんだよな
イーデン
完璧な引きをするな
セシリア
完璧な引きしてる
イーデン
かけひきで発生する完璧な引きほど脱力感にあふれるものはないよ
イーデン
しかもこんな…………
セシリア
かけひきする気があるっていう事実がのしかかってくる
イーデン
こんな……
GM
■行動:セシリア
セシリア
「……あなたは、どれぐらいこの世界に?」
セシリア
答えかねた女は質問を変える。
セシリア
それを咎められて殺されれば、それまでだとも思う。
イーデン
「さてな」
イーデン
「年は越えてるんじゃねえか」
イーデン
それは即ち、30日に1回の責務を積み重ねてきた事実を示す。
イーデン
このナイフは確かに救世主を殺してきた。亡者のような化け物ではなく。
イーデン
自分たちと同類にある存在を。
セシリア
最低でも12人。
セシリア
自分が死なせてしまった人々よりもずっと少ない。けれど、
セシリア
自分はこれまで、自分の手で人を殺したことはなかった。
セシリア
そうして、殺さなければならない人々でもなかった。
セシリア
死ぬべきではない人もいた。
セシリア
「これからも……生きようとすれば、殺し続けることになる」
セシリア
「私を殺せば、もう30日」
セシリア
「あなたは、どういう気持ちで、その30日を」
セシリア
「生きてきたのでしょうか」
セシリア
*s9 アピール >イーデン
イーデン
*dK 誘い受け
イーデン
2D6+1>=7 (2D6+1>=7) > 2[1,1]+1 > 3 > 失敗
イーデン
・・・・・・・・・・・・・・・・
パクチ
ファンブルだ
セシリア
もしかして、僕なんかやっちゃいました?
セシリア
しかもハプニング
パクチ
タイミングよ
イーデン
*ハプニング表を振ります…………
イーデン
1D6 (1D6) > 1
GM
1 情緒が入り乱れる!自身と自身以外のランダムな対象1人の情緒が入れ替わる。
パクチ
1だ
パクチ
3連続1を
イーデン
owari da
セシリア
すごいことになってきたな
GM
*入れ替わりでイーデンの情緒が2に、セシリアの情緒が1になります。
[ セシリア ] 情緒 : 2 → 1
[ イーデン ] 情緒 : 1 → 2
GM
*誘い受け失敗でイーデンの情緒が1上昇。
[ イーデン ] 情緒 : 2 → 3
イーデン
じゃあ・・・・・・
イーデン
どうぞ・・・・・・・・・・・・
パクチ
大丈夫……?
セシリア
2d6+1=>7 (2D6+1>=7) > 9[5,4]+1 > 10 > 成功
イーデン
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
セシリア
え?質問したら相手の情緒が一気に3上がった
パクチ
この質問でそうなるの こう だいじょうぶ‥‥?
イーデン
終わりかも
セシリア
わ、私はただもしこれから生きるとしたら後学のためにと思って……
パクチ
転生主人公か?
イーデン
この女・・・・・・・・
イーデン
さすがにセシリアさん悪くないんだよな
パクチ
悪くはないな……
イーデン
いらえはない。
イーデン
ただ、ナイフを握る手にぐっと力が籠もって、
イーデン
しかしそれがあなたの喉笛を掻き切ることはなかった。
セシリア
重ねて問うことはせず、ただ見つめている。
セシリア
遅れて、相手がただ一人であの荒野で倒れていたことを思い出していた。
イーデン
1年を超える期間を、この世界で過ごしてきた男。
イーデン
この世界で、仲間を作る意味を否定しなかった男。
セシリア
その手は今、文字通り血に濡れて。
セシリア
今もまだ、ナイフを手放してはいない。
セシリア
印象は──最初に倒れている姿を見つけたときに近くなっていた。
セシリア
助けるべき存在のように。
セシリア
それは、自分が死ぬべきであるという思考とは、少し線を異にして、
セシリア
元の世界で生きてきた自分が、かつて懐いて染みついた感覚のようなものだ。
イーデン
嫌すぎる
イーデン
嫌すぎる
セシリア
嫌すぎるになる人だ
イーデン
嫌にもなる
イーデン
「……救世主、ってのにはな」
イーデン
「当然のことながら、外道が多い」
イーデン
「末裔どもには媚び諂われたろう? 愛想笑いが張り付いたあの顔だよ」
イーデン
「なあ」
イーデン
「お前もその外道と同類に見られてんだよ」
セシリア
それは、
セシリア
男が「笑え」と言った言葉よりも、よほど愉快な言葉だった。
セシリア
女の唇から笑声が漏れる。
イーデン
「まあ、仕方ねえよ」
イーデン
「救世主には力がある」
イーデン
「基本、末裔は救世主には勝てやしねえ。そういう風になってんだ」
イーデン
「目の前に、気まぐれ一つで自分たちを殺せる暴力装置が存在する」
イーデン
「死にたくなけりゃ、媚びも売る。気に入られたくて取り入ろうとする」
イーデン
「その救世主が外道でないことを祈りながら、外道であることを恐れて、そのように振る舞わされる」
イーデン
「哀れなもんだよ」
セシリア
きっとこの人は、私の笑いの意味を理解しなかったろう。
人間を助けたいなどと言って、殺されるべきだと大人しく組み敷かれる女が、たくさんの人間を死なせた戦犯だなどとは思いもしないから。
セシリア
この人は、この世界を気に入っていないのだろう。
救世主のありかたも、媚びへつらうしかない末裔たちの在りようも。
気に入るはずがないだろうとさえ、言うだろう。
セシリア
相手の言葉にうなずきながら、ふと思い出したように唇を開く。
セシリア
「名前」
セシリア
「あなたの名前、教えてくださいますか」
イーデン
「…………」
イーデン
「せめて」
イーデン
「先に名乗るのが、筋じゃねえのか」
セシリア
「……ああ」
セシリア
「そうですね」
セシリア
「……そういえば私、私のことを知らない人間と」
セシリア
「しばらく会っていなかった」
セシリア
「セシリアです」
セシリア
「セシリア・アンティカイネン」
イーデン
「…………」
[ イーデン ] 情緒 : 3 → 4
イーデン
長かったな
セシリア
情緒3ぶん
イーデン
ディスコミュニケーション!
イーデン
ディスコミュニケーションしながら情緒を一気に3上げる男だ ここから入れる保険は?
GM
■行動:イーデン
イーデン
*h2距離を測る
*dJアピール>セシリア
セシリア
*誘い受け d4
セシリア
2d6+1=>7 (2D6+1>=7) > 5[3,2]+1 > 6 > 失敗
[ セシリア ] 情緒 : 1 → 2
イーデン
2D6+1+1>=7 (2D6+1+1>=7) > 8[6,2]+1+1 > 10 > 成功
[ セシリア ] 情緒 : 2 → 3
セシリア
誘い受けしなきゃよかった(結果論)
イーデン
それはイーデンのが五億倍そうなんよ
イーデン
「御高名でいらした」
セシリア
「……ええ」
イーデン
「そりゃあ、災難な話だ」
イーデン
「ごみ溜めの世界に落ちた気分はどうだ?」
イーデン
「それとも」
イーデン
鼻で笑う。
イーデン
「元いた場所も、大して変わりのないごみ溜めだったか」
セシリア
「……いいえ」
セシリア
「でも、あの末裔というひとたちは……」
セシリア
「私の周りにいたひとたちに、少し似ていました」
イーデン
「慣れていらっしゃいますかね」
イーデン
「救世主には」
セシリア
「……」
セシリア
「そう、ですね」
セシリア
「そうなのかも、しれません」
イーデン
「じゃあ」
イーデン
「人を殺すか?」
イーデン
「人を殺して」
イーデン
「救世主を気取って」
イーデン
「これからも、末裔どもに崇拝されるか?」
イーデン
「……ああ」
イーデン
「そういや」
イーデン
「30日間。30日間な」
イーデン
「俺は――」
イーデン
「ゴミクズの救世主を殺すことを考えると」
イーデン
「多少はマシな気分になる」
イーデン
「そういう奴は大体が調子に乗ってる。それを叩き壊すのは悪くない」
イーデン
「懸賞金が得られる場合もある」
イーデン
「いいこと尽くめだ」
イーデン
「……まあ」
イーデン
「意味は、ないがな」
セシリア
男の言葉をただ聞いていた。頷くことは途中でできなくなった。
セシリア
ただその目の、視線の先が何を見ているのかを考えている。
イーデン
昏い色の瞳はあなたを見下ろしながら。
イーデン
当然、あなたを見ていない。
イーデン
そこにはただ絶望だけがある。
セシリア
ウーンウーンになってきた
イーデン
質問に答えた
セシリア
こんなお通夜のかけひき
イーデン
ぜつもりって感じだ
セシリア
絶望に備えて絶望の素地を敷いておいてる選手権。
GM
*手札捨て
セシリア
*そのまま
イーデン
*手札なし

かけひき ラウンド4

GM
*R4 手札引き
セシリア
イーデン
セシリア
うーん 一押しあったら勝ちだったのだが
イーデン
ダイスを振れと言われる俺ら
GM
■行動:セシリア
セシリア
そこにはただ絶望だけがある。
セシリア
男が目を覚まして、こうして、会話をしながらずっと、
セシリア
余計なことをしたのかもしれない、とずっと考えてきた。
セシリア
男の言動を見れば、それはすぐにわかることだった。
セシリア
こんな世界で生きていくべきではないと考えるのは自然なことだった。
セシリア
自ら命を絶てずとも、その時が来れば救いを得られたとさえ感じるのは。
セシリア
その救いを奪ったのかもしれないと思った。
セシリア
けれど、
セシリア
「……名前」
セシリア
「名前を、そうだ……」
セシリア
「あなたの名前を教えてください」
セシリア
*h10 アピール > イーデン
イーデン
*sK 誘い受け
イーデン
2D6+1>=7 (2D6+1>=7) > 5[1,4]+1 > 6 > 失敗
イーデン
オイ
パクチ
イーデンさん……………………
イーデン
終わりだ(かけひきの)
セシリア
アピールの気配を感じ、自ら爆発するイーデンさんになってしまった
イーデン
クソ~~
[ イーデン ] 情緒 : 4 → 5
イーデン
「……知って」
イーデン
「どうする」
セシリア
視線がわずかに逸れる。
セシリア
答えに窮したのではなく、イーデンの血に濡れた手を見たのだった。
セシリア
まだ、ナイフを握っている。
イーデン
手放されず、あなたから刃を離すこともなく、そこにある。
セシリア
「あなたに、30日を与えるだけでは」
セシリア
「それがいちばん」
セシリア
「……不利益じゃないかと」
イーデン
「…………」
セシリア
「それよりはもう少し」
セシリア
「もう少し……もう少しだけ」
セシリア
そのもう少しのために誰かを殺す。
イーデン
「ハッ」
イーデン
「救いたがりか?」
イーデン
「なあ」
イーデン
「救世主らしく、やろうってか?」
イーデン
「末裔どものためじゃあなく」
イーデン
「この俺を相手に?」
セシリア
「いいえ……」
イーデン
「じゃあ」
イーデン
「何だ」
セシリア
「こういう風に話したのは」
セシリア
「久しぶりだから」
セシリア
「……もう少し、あなたと話がしたいんです」
イーデン
「…………」
セシリア
勝っちゃったよ どうすんだよ
セシリア
勝っちゃったから強く抱いてしまう
パクチ
ウケる
イーデン
強く抱く女になるな!!!
パクチ
でも抱かれたいのに強く抱いてしまうの、セシリアさんらしい
パクチ
元の世界ではこういう感じで強く抱きまくっていたんでしょう……
セシリア
元の世界ではむしろ抱かれも抱けもしない女だったはずが…?!
イーデン
「……そうしたところで」
イーデン
「俺に、益はない」
セシリア
「いいえ」
セシリア
「きっと、お役に立ちますよ」
イーデン
「……ならば」
イーデン
「約束」
イーデン
「……いや」
イーデン
「違う」
イーデン
「誓え」
イーデン
「お前だけが、誓えよ」
イーデン
「俺の益になれ」
イーデン
「内容は、お前が決めるな。俺の決めたように動け」
イーデン
「お前の判断ではあてにならない。お前の考えを信用しない」
イーデン
「俺が定めた、俺の判断に従ってみせろ」
イーデン
「そうでもなければ」
イーデン
「お前は俺の、役には立たない」
イーデン
「その有様で、他人を救うべく心を動かすような女は」
イーデン
「……女が」
セシリア
まばたきのたびに、まぶたの裏で炎が揺れる。
イーデン
「この世界で、自分の頭で考えて」
イーデン
「行動して」
イーデン
「それで俺に、益を齎せるかよ」
パクチ
受けになってきてる……
セシリア
3ラウンド急にイーデンさんのギアが受けにガッて入った
イーデン
発狂中! 発狂中!
セシリア
私の判断がすべて正しいとされた。
セシリア
私の判断は、すべてを破滅に追いやった。
セシリア
その先で、こんなことを言われるのは、
セシリア
よくできていて、滑稽だった。
セシリア
「ええ」
セシリア
「…あなたの言うとおりにしましょう…」
イーデン
喉元につきつけられたナイフの生ぬるい熱。
セシリア
熱が、冷えた鋼をわずかに温めている。
イーデン
それが、渋々に
イーデン
少しずつ引かれて、懐へと収められる。
イーデン
破滅に向かう世界の片隅にある、薄汚れた宿の一室で。
イーデン
長い長い沈黙に、セシリアから身を離して。
イーデン
「イーデン」
セシリア
「…イーデン」
イーデン
「イーデン・クロフツ」
イーデン
「セシリア」
セシリア
「はい」
イーデン
「…………」
イーデン
「役に、立てよ」
セシリア
「はい……あなたの役に」
セシリア
「……よろしくお願いします」
イーデン
答えはなかった。