イーデン
刃は過たず男の心臓を貫いた。
イーデン
痙攣する身体を抑え込む。深く深くまで肉を抉る。
自分は救世主がいかにしぶとい生き物であるかを知っている。
イーデン
これが、
イーデン
女の掴み取った、千載一遇の好機であることを、よくよく理解している。
イーデン
血が流れる。黄ばんだシーツが赤く染め上げられていく。
もがく肉から少しずつ力が失せていくさまを見つめている。
イーデン
やがて痙攣が止む。拍動が止まる。
布越しに感じられた、湿った呼吸の熱も感じられなくなる。
イーデン
ナイフを抜いた。
イーデン
それをシーツで拭いながら、男の荷物を漁る。
六ペンスコイン。
裁判でもなければ奪われることのないそれの管理は甘く、探し出すのは容易だった。
イーデン
「   」
イーデン
名を呼んだ。女の。
イーデン
「上出来だ」
イーデン
今は肉塊と成り果てた男を見事に誑かしてみせた女。
それを素直に褒めてやる。
娼婦の振りで救世主を誑し込むなどこの女には荷が重いと思うたが、
人間、追い詰められれば強いものだ。
イーデン
自分はそれを知っている。
イーデン
そして。
イーデン
「   ?」
イーデン
追い詰められた人間があっさりと壊れ果てることも、
イーデン
自分はよく、知っていた。
GM
 
GM
Dead or AliCe
『この世界に希望はない』
GM
 
GM
 
GM
 
イーデン
「   」
イーデン
名を呼ぶ。
イーデン
六ペンスコインを手に、女の横たわるベッドへと戻る。
イーデン
暗く狭い、この湿った部屋で。
イーデン
ひとつ、責務を果たしたばかりの女。
『   』
男の欲を受けて汚されたその肌が、
『   』
ぴしり
『   』
軽く小さな音を立てて、罅割れる。
イーデン
「…………」
イーデン
「   」
イーデン
「返事しろ、愚図」
イーデン
目的は果たした。
イーデン
元の枚数には遠く及ばないとはいえ六ペンスコインを取り戻し、
裁判を通じて救世主を殺してみせた。
イーデン
このような薄汚れた娼館でいつまでも遊んでいる理由はない。
女はもう娼婦をやめていい。自分も下働きに身を窶す必要はなく。
イーデン
こんな部屋など、すぐに出て行ってしまえる。
イーデン
得られた六ペンスコインは10枚。
自分一人であれば、救世主として十全に振る舞える。
イーデン
そのために。
イーデン
そのための算段にも、まだこの女は使えるのだから。
イーデン
こんなところで眠られては困る。
イーデン
そう思って取った手は、
イーデン
固く、
イーデン
冷たく、
イーデン
強張っていた。
イーデン
それは死者よりも尚酷い。
イーデン
死んだばかりの男よりもなお生気がなく、
イーデン
しかし、見下ろした胸は微かな呼吸に揺れている。
イーデン
生者と亡者のあわいに在る者の姿。
イーデン
それが何を意味するか。
イーデン
自分に理解できぬはずは、なかったが。
GM
◆お茶会 ラウンド1
 行動:イーデン
イーデン
見下ろしたその下で、女がぎこちなく笑うのを見る。
『   』
「……ごめん、なさい」
『   』
「ごめんね」
『   』
「イーデン」
イーデン
「……口先の謝罪はいらねえ」
イーデン
「糞の役にも立たん」
イーデン
「行動で示せと、言ってきた筈だが」
『   』
「……うん」
『   』
「だから」
『   』
「それがもう、できないから」
『   』
「ごめんね」
イーデン
「要らねえってんだろ」
イーデン
脱ぎ捨てられた女の服を取り、投げつける。
死んだ男の服が使い回せるか検めて、血に染まったそれを諦める。
イーデン
汚れない殺し方をすれば良かったかと後悔をしかけて、欲をかいて返り討ちにされては始まらないと襟を正す。
確実な殺し方を選んだ。あれが何よりも正しかったはずだ。
イーデン
「グダグダ五月蝿えんだよ」
イーデン
「早く着ろ。ここを出る」
イーデン
「手前お得意の下らねえ懺悔は後で聞いてやるから」
イーデン
「さっさと動け」
イーデン
まだ。
イーデン
この女には価値がある。
イーデン
使える。自分はこの女を使ってみせる。
イーデン
まだ生きている、この女は、自分にとっては。
イーデン
*『   』の心の傷『生存』を舐める。
イーデン
*『   』の心の傷『生存』を■■る。
イーデン
*『   』の心の傷『生存』を抉る。
イーデン
*猟奇で判定。
イーデン
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 5[1,4]+3 > 8 > 成功
[ 『   』 ] 生存 : 0 → -1
イーデン
動かない女を見下ろして、聞こえよがしに舌打ちをする。
イーデン
その腕を取る。冷たく固く強張った腕を。
『   』
罅割れた腕を掴まれ、はらはらと破片を落としながら。
『   』
されるがままに女が笑う。
『   』
「だから、なんだよ」
『   』
「イーデン」
GM
◆お茶会 ラウンド1
 割り込み:『   』
『   』
「だからだよ」
『   』
「あなたが、裏切られたのは」
『   』
「……ううん」
『   』
「裏切ったのは、あなたの方」
イーデン
「…………」
イーデン
「何の」
イーデン
「話だ」
『   』
「約束が、あったでしょう」
『   』
「私を前に」
『   』
「あなたたち、隠しもしないで、堂々と」
『   』
困ったような笑み。
『   』
「私は仲間なんかじゃない」
『   』
「あなたたちの欠けを埋めるのに、都合のいい駒」
『   』
「役に立つから。使えるから」
『   』
「私があなたたちに同行できていた理由は、それだけ」
『   』
「使ってもらえるだけの価値があるから、捨てられなかった」
『   』
「生かされていた」
『   』
「……一緒に、いられた」
イーデン
「……だから」
イーデン
「まだ」
イーデン
「使うと」
『   』
「これを見て?」
『   』
破片が落ちる。
『   』
黄ばんだシーツの上に、生者から剥がれた破片が散っていく。
『   』
「イーデン」
『   』
「あなただけ、だったよ」
『   』
「私、もう、使えないよ」
『   』
「あの人は理解して、私も知ってて」
『   』
「気付かなかったのは」
『   』
「イーデン」
『   』
「あなただけ」
『   』
*イーデンの心の疵『絶望』を抉ります。
 愛で判定。
『   』
2d6+2=>7 判定(+愛) (2D6+2>=7) > 9[4,5]+2 > 11 > 成功
[ イーデン ] 絶望 : 0 → -1
『   』
ひどい人。
『   』
横暴な人。
『   』
諫められる側は、むしろ、あなた。
『   』
なまぬるい生まれの私を、この世界にいつまでも適応できない私を、
『   』
容赦なく追い込んで使い倒して、
『   』
使えなければ罵倒して、
『   』
役に立っても、素っ気なくて。
『   』
でも。
『   』
「……褒めては」
『   』
「くれたね」
『   』
「最後も、いつも通りに」
イーデン
「…………」
『   』
「嬉しかった」
『   』
「嬉しかったの」
『   』
「あなたが、気づかないでくれた」
『   』
「私が」
『   』
「私を使い捨てることなんて」
『   』
「あなた」
『   』
「きっと、忘れていたのね」
『   』
「……うん」
『   』
「長く、いたもの」
『   』
「六ペンスが、40枚、なんて」
『   』
「ほんとうなら、私」
『   』
「手が届くはず、なかった」
『   』
「……ねえ」
『   』
「もう少しだけ」
『   』
「欲張っても、いい?」
GM
◆お茶会 ラウンド2
 行動:イーデン
イーデン
見下ろしている。
イーデン
もはや利用価値のない女を。
イーデン
違う。
イーデン
とうにそんなものを持たぬ女を。
イーデン
だがこの女が10枚の六ペンスを齎したのは事実だ。
イーデン
背を預けた仲間に裏切られ、一切の六ペンスを奪われた自分が。
イーデン
こうして手のひらに僅かばかりそれを取り戻したのは、この女の貢献があったからで、
イーデン
だから、まだ
イーデン
あの時点では
イーデン
まだ
イーデン
利用価値が
イーデン
間違っていない。自分は。計り違えてなどいないはずだ。
あの段階の女にはまだ価値があり。まだ使える部分が残っていたのだから。
だから、裏切りはあちらが先で、何も、何一つ見誤ってなどはいない。
イーデン
いないはずだ。
イーデン
頭で自分を誤魔化そうとも。
イーデン
腑に落ちた心には、叶わない。
イーデン
認めている。
イーデン
女の言葉の正しいことを。
イーデン
この世界に希望のないことを知っている。
情に揺らぐことの愚かさを理解している。
信頼に価値はなく、あるとすればそれは使い果たされるためだけのもの。
イーデン
この国に堕ちるより前から。
イーデン
自分はそれを知っていた筈だった。
イーデン
ならば、なぜ、今。
イーデン
この暗く狭い湿った部屋で。
イーデン
共に在る意味のない女の言葉を聞くものか。
『   』
手が伸びた。
『   』
その腕にも罅が走り、破片が落ちる。
『   』
男の頬には届かない。指先が、虚空を彷徨って、もがくように。
『   』
「さいごは」
『   』
「あなたが、いい」
『   』
「です」
『   』
「…………」
『   』
「……も」
『   』
「もしかしたら」
『   』
「そうしたら、もうちょっと、また」
『   』
「使えるようになる」
『   』
「かも」
『   』
「なん、て」
『   』
「…………」
『   』
「……あっ」
『   』
ひときわ、大きな破片が。
『   』
手のひらから落ちて。
『   』
亡者の肌が露わになる。
『   』
「…………」
『   』
取り返しのつかないものが、
『   』
今ここに、欠け落ちていく。
『   』
缺落の広がりゆく女の姿。
イーデン
それを、男が見下ろしている。
イーデン
*『   』の心の疵『愛情』を猟奇で抉る。
イーデン
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 11[6,5]+3 > 14 > 成功
[ 『   』 ] 愛情 : 0 → -1
イーデン
困ったように笑う女だった。
イーデン
下手くそな誤魔化し笑い。いつもと同じ。
イーデン
その頬に走る罅を見ている。
イーデン
虚空を彷徨う手を取ることはなく。
イーデン
けれど、頬に触れた。
『   』
罅割れを覆うように触れても、指の隙間からは破片が落ちる。
『   』
それでも安らいだように目を眇めて。
イーデン
「…………」
イーデン
「役には」
イーデン
「立てよ」
『   』
「…………」
『   』
「……はい」
『   』
「はい、ええ」
『   』
「やくそ、――――」
『   』
遮られる。
『   』
冷たい肌。亡者の肌。生者のものとは違う。
二度と温められることはない。
『   』
それでも、まだ。
『   』
まだ。
『   』
この身体の奥に残った心ばかりは、
『   』
温もりを授かることができる
『   』
ような、気が、する。
『   』
 
『   』
それすらも。
『   』
こうして剥がれ落ちていく。
『   』
罅割れ、砕かれ、ベッドを汚して。
『   』
在ったはずの女が消えていく。
イーデン
胸の中に。
イーデン
それを痛いほどに、理解していた。
GM
◆裁判
『   』
破片が散っている。
『   』
瞼を落とした女の裸身が横たわる。
イーデン
もはや動かぬ女を見ている。
イーデン
心臓の拍動の止まったことを確認している。
呼吸もとうにない。途中からは、声も出さなくなっていた。
イーデン
すでに亡い女。価値のない女。
イーデン
もう一人、床に転がった男の亡骸。
イーデン
生きているのは自分だけだ。
イーデン
……目的は、果たしたのだ。
イーデン
六ペンスを得た。
救世主として最低限活動できるだけの単位が、今、この手の中にある。
イーデン
この暗く狭い、湿った部屋に留まる理由はない。
イーデン
……潮時だ。
イーデン
今更のように見切りをつけて、ベッドを立つ。
イーデン
女の亡骸に背を向けて。
イーデン
その背に、
『   』
手が伸びた。
イーデン
「…………」
『   』
今度は届く。
『   』
男の背を掴み、縋る女の手が。
『   』
軋むような音を立てながら、握り込まれる。
イーデン
「……役に立つんじゃ」
イーデン
「なかったのか」
イーデン
いらえはないことを知っている。端から期待もしていない。
イーデン
ならこの言葉に意味は、
イーデン
この部屋で過ごした全ての意味は、
イーデン
――知ったことではなかった。
イーデン
女の手を切り払えば、硬い感触が手に響いた。
『   』
砕け散った、女だったもの。
『   』
砕け散りながらも女で在り続けるもの。
イーデン
面影の残ることを忌々しく思い、
イーデン
そう思うことそのものにこそ、何よりもの忌避があった。
GM
◆裁判開廷
『   』
*仕込 免罪符+こしょう
[ 『   』 ] 免罪符 : 0 → 1
[ 『   』 ] こしょう : 0 → 1
GM
*行動順決定
イーデン
1d6 (1D6) > 5
『   』
1d6 (1D6) > 1
GM
イーデン>『   』
GM
*心の疵が全て悪化しているため、『   』は《発狂》します。
GM
◆ラウンド1 手札引き
イーデン
『   』
GM
◆ラウンド1 イーデンの手番
イーデン
*補助動作 s4鋭気
*主動作 h10兇刃>『   』
イーデン
2d6+3=>7 判定(+猟奇)兇刃の判定 (2D6+3>=7) > 6[5,1]+3 > 9 > 成功
イーデン
1D6+2+2+3+2+1 上質な凶器+兇刃+鋭気+看破+発狂 (1D6+2+2+3+2+1) > 2[2]+2+2+3+2+1 > 12
[ 『   』 ] HP : 19 → 7
イーデン
胸を抉る。
イーデン
感触は肉を穿つそれに比べ、ひどくあっさりとしていた。
イーデン
痛みに呻く女の声。
イーデン
よく知るそれは上がらない。
イーデン
ただ固いものを貫いた手応えだけが残る。
GM
◆ラウンド1 『   』の手番
『   』
*補助動作 こしょうを使用>イーデン
[ 『   』 ] こしょう : 1 → 0
[ イーデン ] 衰弱@1R『   』 : 0 → 2
『   』
*割り込み c10コーカスレース
『   』
2d6+2=>7 判定(+愛) (2D6+2>=7) > 4[1,3]+2 > 6 > 失敗
GM
判定は失敗。
『   』
胸を貫かれれば、当然に破片が舞う。
『   』
その一片がイーデンの頬を裂いた。
イーデン
傷口がじくじくと痛む。亡者に特有の毒が熱を発する。
イーデン
けれど、それだけだった。
GM
*手札捨て
イーデン
*全捨て
『   』
*全捨て
[ GM ] ラウンド : 1 → 2
GM
◆ラウンド2 手札引き
イーデン
『   』
GM
◆ラウンド2 イーデンの手番
イーデン
*主動作 dA終幕>『   』
イーデン
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 7[2,5]+3 > 10 > 成功
イーデン
2D6+2+2+1 上質な凶器+終幕+看破+発狂 (2D6+2+2+1) > 9[3,6]+2+2+1 > 14
[ 『   』 ] HP : 7 → 0
GM
*HP0 『   』は判決表
『   』
2D6+1-2 (2D6+1-2) > 7[5,2]+1-2 > 6
GM
6~8 ランダムな能力値で判定し、成功すればHPを1点回復して立ち上がる。失敗すれば〈昏倒〉する。
『   』
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
『   』
2d6=>7 (2D6>=7) > 9[5,4] > 9 > 成功
[ 『   』 ] HP : 0 → 1
[ 『   』 ] 前科 : 0 → 1
イーデン
技巧はない。愛情もない。
イーデン
ただ暴力性にのみよって振るわれる刃。
イーデン
それが女であったものの命を穿つ。
『   』
かわすことはなく。
『   』
すべての暴虐を受け入れながら。
『   』
女であったものはそこに在る。
GM
◆ラウンド2 『   』の手番
[ イーデン ] 衰弱@1R『   』 : 2 → 1
『   』
*補助動作 sA救済>『   』
『   』
2D6 (2D6) > 11[5,6] > 11
[ 『   』 ] HP : 1 → 12
『   』
*主動作 d5大洪水>イーデン
『   』
2d6+2=>7 判定(+愛) (2D6+2>=7) > 6[4,2]+2 > 8 > 成功
『   』
1d6+2+2 威力+看破+衰弱 (1D6+2+2) > 6[6]+2+2 > 10
[ イーデン ] HP : 17 → 7
『   』
伸べられた腕が、男の腕を掴んだ。
『   』
細くしなやかな指先。
『   』
固いそれが男の腕に纏わりつき、
『   』
それを、容易くへし折る。
イーデン
息を詰める。
イーデン
冷たい手に齎される、熱い痛みがある。
イーデン
それでも凶器を手放すことはなかった。
GM
*手札捨て
イーデン
*Joker以外捨て
『   』
*s7以外捨て
[ GM ] ラウンド : 2 → 3
GM
◆ラウンド3 手札引き
イーデン
『   』
GM
◆ラウンド3 イーデンの手番
イーデン
*補助動作 h4鋭気
*主動作 cA終幕>『   』
イーデン
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 6[5,1]+3 > 9 > 成功
イーデン
2D6+2+3+2+1 上質な凶器+終幕+鋭気+看破+発狂 (2D6+2+3+2+1) > 9[3,6]+2+3+2+1 > 17
[ 『   』 ] HP : 12 → 0
GM
*HP0 『   』は判決表
『   』
2D6+1-1-2 (2D6+1-1-2) > 2[1,1]+1-1-2 > 0
GM
1ゾロ 死刑!キャラクターは〈死亡〉する。
GM
*『   』は死亡します。
イーデン
最後の最後まで。
イーデン
ただ暴力の支配する場であった。
イーデン
男が力でもって、猟奇でもって、女を蹂躙する。
イーデン
ありふれた娼館の一室に相応しい、ありきたりな風景。
イーデン
組み伏せる。女の矮躯を。
イーデン
藻掻く手を容易く払い、馬乗りになってナイフを振り上げ、
イーデン
刃は過たず女の心臓を貫いた。
『   』
「――――」
『   』
女が。
『   』
女であったものが。
『   』
罅割れた唇をうごめかす。
『   』
堂々巡りの堕落の国に。
『   』
望みの糸も繋げられはせず。
『   』
思いの洪水は胸の奥。
『   』
けれど、ほんのすこし。
『   』
すこしだけ。
『   』
あの、
『   』
困ったような、
『   』
誤魔化し笑いをかたどって。
『   』
「ねえ」
『   』
「どうか」
『   』
「いっしょ、に」
『   』
*衣装『生前の姿』の効果により、
 イーデンの心の疵『愛情』を悪化させます。
[ イーデン ] 愛情 : 0 → -1
GM
*心の疵が全て悪化したため、イーデンは《発狂》します。
GM
*亡者化判定。
イーデン
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
イーデン
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 7[5,2]+3 > 10 > 成功
イーデン
唇を塞ぐように
イーデン
ナイフが振り下ろされた。
イーデン
女だったものの面に穴が開く。
イーデン
女だったものの面に穴が開く。
イーデン
女だったものの面に穴が開く。
『   』
砕けていく。
『   』
砕け落ちていく。
『   』
なにもかもが。
イーデン
狂ったように同じ動作を繰り返して、
イーデン
繰り返して、繰り返して、
イーデン
繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して、
イーデン
すべての、
イーデン
すべての破片が粉と還るのを望むように。
イーデン
ベッドをも穿って、ただ猟奇のままに、腕の痛みも忘れてナイフを振るう。
イーデン
振るっていた。
イーデン
長い時間。
イーデン
それを繰り返していた、のが
イーデン
不意にぴたりと止まった。
イーデン
「…………」
イーデン
部屋には亡者の粉が散る。
イーデン
女だったものに満たされている。
イーデン
呼吸をするたびに、女が肺腑を満たすような感覚があって、
イーデン
それがひどく忌々しい。
イーデン
忌々しいと感じられたことに安堵がある。
イーデン
自分はまだ正しい。自分はまた正しい。
イーデン
自分はまだ正しいのだ。
イーデン
価値を計り違えることはなかった。
女を愛すことはなかった。
この世界に希望を見出すこともなかった。
イーデン
だから、
イーデン
それが何だ?
イーデン
「…………」
イーデン
立ち上がる。
イーデン
男の亡骸を見下ろす。
女だったものの断片に背を向ける。
イーデン
この暗く、狭く、湿った部屋の扉に手をかけて。
イーデン
そうして外へ、
イーデン
当て処なく外へ。
イーデン
希望のない世界へと、男は再び歩み出す。
GM
 
GM
 
GM
 
『   』
わずか残された破片が、
『   』
ぼろりと崩れて、粉へと還った。
GM
 
GM
 
GM
 
GM
Dead or AliCe
『この世界に希望はない』
GM