プロローグ
GM
そろそろ野宿するかどうかみたいなギリギリの時間帯に。
GM
街門をくぐって広がる街は、以前訪れたときとほとんど変わらないように思えます。
リュール
野宿はなるべくさせたくないから…………。
リュール
怪訝そうに街の様子を見回していましたが。
GM
街に踏み入れたあなたたちに、反応する市民の様子。
GM
あなたたちは以前ここで三月兎の亡者を退治していたので、それを覚えている者も多いようです。
リュール
「相変わらず賑わっているようで何よりだ」
GM
いやあ、遠目に見てもすぐわかった。華があるお三方だからね。
GM
クロノスさん~ 音響設備良くしてみたんですよ! ちょっと試していってみませんか!
GM
ヲトメちゃん! ティーセット新作作ってみたけどどう?
GM
リュール様~! あなたに似合う剣を鍛えてみましたよ~!
GM
ここに着た目的を一瞬忘れかけるほどの平和で賑わった光景が広がっているわけですが。
GM
あなたたちを取り囲む末裔の輪の外側から、さらにもう一人現れて声をかけるものがいます。
リュール
調査に派遣された救世主が消えてるからな。
アンブローズ
「こちらとしても、歓待の準備ができていないというのに!」
アンブローズ
救世主アントワーヌの片腕であるイモムシの末裔、アンブローズです。
アンブローズ
ほらほら。そのように囲まれては救世主さまたちも困りますよ、と末裔を散らします。
アンブローズ
「うむうむ。実によろしい(it is very good)」
アンブローズ
「それで、本日はどういった御用で?」
リュール
「リヨンの噂を色々と聞かせてもらってね」
アンブローズ
スゥー……(会話の合間に煙を吸っては吐いている)
リュール
「まあ、少しばかり確かめたいこともあって、ここを訪れた」
アンブローズ
ふうむ、と顎に手を添えて考える素振り。
アンブローズ
「そう言えば少々、気がかりなことがありまして……」
ヲトメ
ティーセットのなかに隠れてふたをちょっとあけて会話を聞く。
アンブローズ
「ここで立ち話するような内容ではないので」
アンブローズ
「アントワーヌさまのお屋敷まで、ご一緒してはいただけませんか?」
リュール
「あの名高き救世主アントワーヌにお招きいただけるとは」
アンブローズ
「アントワーヌ様も、あなたたちがいらっしゃればお喜びになるでしょう」
ヲトメ
「あたしじゃなくてリュークがあるくの。だからへいきよ」
アンブローズ
いろいろ歩いた末に、山中にしつらえられた巨大な昇降機にたどり着きます。
アンブローズ
アントワーヌ邸は山頂近くにあるのでZ軸移動が必要になるのです。
リュール
「これもまた随分と大仰な装置であるよな」
クロノス
堕落の国に来るとなかなか味わえない文明が今なら吸い放題!
アンブローズ
全員が乗ると、鎖が巻き上げられて、足場が上へと動き始めます。
リュール
それでもこの縦に移動できるというのは……すごい装置で……
アンブローズ
「この街の機械は、我々末裔が努力して再現したものであるのですが……」
アンブローズ
「多くは、アントワーヌさまの疵の力によってもたらされています」
アンブローズ
「みなさん、一度は考えたことがありませんか?」
アンブローズ
「救世主の疵の力によってもたらされたものが」
アンブローズ
「その救世主が、生ある者でなくなったとき」
GM
昇降機を吊り上げていた鎖が、嫌な音を立てる。
GM
*ランダムな能力値を決めて、判定してください。
リュール
choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
クロノス
choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
ヲトメ
choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
リュール
2d6+0>=7 才覚(お茶会) (2D6+0>=7) > 9[6,3]+0 > 9 > 成功
クロノス
2d6+4>=7 才覚(お茶会) (2D6+4>=7) > 7[3,4]+4 > 11 > 成功
ヲトメ
2d6+3>=7 才覚(お茶会) (2D6+3>=7) > 8[2,6]+3 > 11 > 成功
ヲトメ
いわれなくとも、とばかりに。
リュールの懐にすばやく逃げ込む!
GM
遥か下まで乗っていた昇降機が落下すれば、普通は大怪我は免れないが。
GM
あなたたちは修羅場の経験や疵の力で、それを免れることができる。
GM
それはあなたたちに危害を及ぼすには能わない。
GM
落下しひしゃげた昇降機を包む青いカビ状の物質が、今度はあなたたちにも迫ってくる。
GM
アンブローズの姿は、いつのまにか消えている。
リュール
「相変わらず大ぼら吹きだな、アンブローズ!」
クロノス
そういえばアンブローズさんってどうなりました? あ、いない。
リュール
カビを斬り払って昇降機を突破しましょうか。
リュール
こういう物理全般俺の仕事だな、このPT。
ヲトメ
「アンブローズのばか!あほ!あんぽんたん!」
GM
青いカビが這い回って追いかけますが、あなたたちには追いつけません。
リュール
それ以外をだいぶやってもらっているからな。
GM
昇降機を出てトンネルに脱出すると、周囲はいやに静かになっています。
GM
そこには変わり果てたリヨンの光景が広がっています。
GM
昇降機で見たような青に、街全体が、覆われています。
ヲトメ
青い雪をてのひらのうえにのせる。
すこしだけきれいとおもう。
GM
その代わりに、慣れ親しんだ、亡者の気配が遠くから放たれている。
リュール
あの街は、あの救世主は、きっともう亡いのだろう。
ヲトメ
「ああ、星がひとつ……なくなってしまったの」
リュール
「……この世界は、”そう”できているんだ」
ヲトメ
その先が王子からかえって来ることはなかった。
クロノス
「まあ~こっちが真実のほうが納得はできます」
クロノス
「では、ボク達が来たときに見せられたアレは」
リュール
救世主を錯乱させて罠にかける、アントワーヌの”狩り”は視野に入れていいかもしれないが……。
リュール
それよりはこの亡者の気配の方が真に迫る。
ヲトメ
美しいものしか信じることのできない心がそうさせる。
クロノス
酒と煙草はやるけど薬物はあんま好きじゃないんだよなあ。
リュール
俺はいいものを見ては意気消沈しているが。
ヲトメ
ただ手のひらにおちた青の雪のうつくしさだけが、ほんのすこしだけこちらの真実をささやく。
クロノス
「そうかもです。倒したら荒野が広がってたりして」
GM
真実を知るにも、為すべきことを見つけるためにも、生きて帰るためにも。
GM
あなたたちは、迷宮と化したこの街を、彷徨わなければならない。