#4 海より深く、なお深く 導入
GM
R:クロニック・ラヴ #4『海より深く、なお深く』
導入:安武陸
安武 陸
失われた弟の命について思考するため、生涯の多くの時間を割いてきた。
安武 陸
その弟の、存在しなかったはずの18歳の姿が映し出されたスマートフォン。
安武 陸
弟とは違う。
存在しないことにされたはずの、18歳の青年の番号を、見つける。
海野標
『陸PL「しゃべってる……」お前なぁ……』
海野標
耳慣れた声、聞き慣れた喋りが通話越しに陸の耳を打つ。
安武 陸
バレエ・メカニックのように、人格の全てを焚べられたような語り口ではなく。
安武 陸
つい数時間前に聞いたはずの声なのに、もうずっと聞いていなかったような声。
海野標
実際の期間で言えば半年にも満たなかったその不在だったが。
GM
それがこうして埋められて、同時に今、世界には冬の風が吹いている。
海野標
『いいから。4月前の格好で12月の風に吹かれている。そのままだと風邪引く』
海野標
『あんまダラダラ話してる時間もねえんだよ』
GM
通話終了の画面には、間違いなく海野標の名前がある。
安武 陸
海野標に言葉を投げ、海野標が返事をした。
安武 陸
いつもの調子で、聞いたことのある声で、聞き慣れた喋り方で。
安武 陸
12月の風に凍えてしまう。 帰らなければいけない。
安武 陸
普段は何も考えずに駆け上がるのだが、今日は一段一段、踏みしめるように。
ざらざらの手すりに手を添えて。
安武 陸
これだけのことをして、本当に望んだものがそこにあるのか。
安武 陸
既に中にいるのか、まだ来ていないのか、本当に標本人なのか、どこかの魔女にでも騙されているのではないのか。
安武 陸
考えてもどうしようもないことを考えて、不安に目眩がしそうだ。
安武 陸
もう一度、がちゃりと鍵を回して、バーンと扉を開いた。
海野標
狭い部屋のベッドに、海野標が腰掛けている。
海野標
勢いよく扉を開けた陸に視線を向け、その瞳を何度か瞬かせ。
安武 陸
「いや~、外さみーのなんの! 12月って寒いんですね~」
安武 陸
体を擦りながら、部屋の小さい小さいコタツに入る。
海野標
「きっちりケリ付けてもらわねえと困るんだよ」
安武 陸
雑談「はっ???」「なんかこのまま額をくっつけるぐらいはしそうな重さですね」「やべ~」両手で標の頬を挟み込む。
安武 陸
バレエ・メカニックのような硬質な体ではなく。
安武 陸
「急激に凄まじく重い。あんたを失わないためなら、何だってやる」
安武 陸
「多分困ると思って、軽い感じで流そうとしたんですけどね」
GM
GMはいやだ・・・・・・・・・・・・・・っていいながらやってます
安武 陸
これアイコン合ってますか??????????????
安武 陸
やめろ!!じゃああんまり誤魔化したりしないでいいか……
安武 陸
部屋は12月の状態だ。 冬服を探すのにさほど苦労はしない。
海野標
「クロニック・ラヴは虐殺結界の発動陣を刻んでる」
海野標
「とにかく夜が来る前にそれを全部潰さないと話にならない」
海野標
「発動地点は全部覚えてるから後で共有する」
海野標
「他の奴らの手も借りればなんとかなるだろ」
海野標
「あとは人を避難させて、できれば交通機関も止めて……」
安武 陸
「人手欲しいですね。 知り合いにも頼むだけ頼んでみましょうか」
海野標
「知り合いになる前のやつに間違って声かけんなよ」
安武 陸
「まぁ……、連絡先あるならいいんじゃないすか……」
安武 陸
スマホをぽちぽちしつつ、仲間達にも状況を共有する。
GM
標がいなくなるまではかなり標が窓口でしたからね。
安武 陸
まぁいいや、という感じで、普段接点が薄い人にも連絡してみたりする。
安武 陸
「ひなたと風香が、二人でいられるのはこの運命だけだと」
安武 陸
「言いたくないなら、言いたくないでもいいですよ」
安武 陸
「どうせもう引き返せないし、引き返す気もないんだから」
安武 陸
標に背を向けて、薬やらなんやらを補充する。
安武 陸
「……協力は、してくれると思っていいんですよね」
海野標
「あいつとケリつけなきゃいけないのは、そもそも俺の方で」
安武 陸
「何年待ってもいい。 答えを待てるのは幸いなことです」
安武 陸
「あんたがどう思うのか、あんたの口から聞けるんだ」
安武 陸
めちゃめちゃおなかすいちゃった 重いロールってお腹が減るのか?
安武 陸
「あんたが生きて喋ってるのを見るだけで、嬉しくて泣きそうなんですよ」
安武 陸
12月のあの時から、ずっと触っていなかったワックスを手に取る。
安武 陸
師匠が戻ってきて元気出たので髪の毛ちゃんとしました
安武 陸
玄関には陸のほうが近い。 先導するように、扉を出る。
導入:赤木叶恵
GM
二人でこっそり戻った赤木家と言えば、予期したとおりに運命は巻き戻り、
GM
荒れ果て服やらゴミやらの散乱していたリビングも廊下もすっかり恵夢が健在だった頃のように。
GM
今こうして二人が立つのは、彼女が生きてきた運命の地平だ。
GM
白瀬礼子がクロニック・ラヴに殺されたままの運命でもある。
赤木 叶恵
「その時、海野さんがひっくり返した事の中に」
赤木 叶恵
「クロラヴに人々が殺される、っていう出来事がある」
赤木 叶恵
「この後、信じられないくらいたくさんの人が死ぬんだけど、虐殺自体はもう始まってて」
赤木 叶恵
「1話の決戦フェイズに発動した運命変転で覆された死は、この段階ではもとに戻っている。殺された人の中には、礼子さんも居た」
赤木恵夢
先程、三月に至った運命で別れを告げてきたばかりの友人の名。
赤木恵夢
それが挙げられたことに戸惑いと驚愕を示す。
赤木恵夢
あわあわと頷いている。落ち着けてはいない。
赤木 叶恵
「だけど、バレエ・メカニック。メカはこれを何とかする手があるって言ってた」
赤木 叶恵
「……海野さんが健在で、あたし達が頑張れば」
安武 陸
背徳がこうだからそういう方向に傾きやすくはなります
赤木恵夢
ちらりとカレンダーを再確認する。ほんとうにもどってる……
赤木恵夢
「すぐ冬休みだし、GM「クリスマスを前に年下の男に激重感情を向けてる気分はどうだ?」陸PL「パーティーしたいなって思ってます」クリスマスだし」
赤木 叶恵
「これが終わったら、前回ほど忙しくはならないはずなんだ」
赤木 叶恵
「ちゃんと時間作って、ちゃんと休んで」
赤木 叶恵
「お姉ちゃんは?海野さんと会って話す?」
赤木恵夢
ごにゃごにゃごにょごにょと視線をさまよわせている……
赤木恵夢
「いなかったのが嫌だったっていうか……」
赤木 叶恵
「一応、しれっと過去形にしようとする叶恵の妹独占欲発揮発言。ちゃんと好きだったんでしょ?アイドルの追っかけ気分じゃなくてさ」
赤木 叶恵
「それとも鑑賞用にしとけば満足?まあ別にそれならそれでもいいけど」
赤木恵夢
その身体を捕まえて、ぎゅ、と胸に抱き込んだ。
赤木恵夢
抱きしめた叶恵の髪に頬をそっと擦り寄せる。
赤木 叶恵
これが最後かもしれない、と思った。口には出さなかった。
赤木恵夢
「……だめだけど、困らせるけど、だから言わないけど」
赤木恵夢
「ほんとは、行かせたくもないんだからね」
赤木恵夢
手のひらで撫でさする。その背中を。熱を確かめるように。
赤木 叶恵
狩人の一生は短い。接触者の一生も長くはないとされる。
赤木 叶恵
今だけはバレエ・メカニックによる期間限定バフ。本調子以上に絶好調のこの体も、きっと今日の役目を終われば過労と薬に蝕まれた体へと戻るのだろう。
赤木 叶恵
年末年始は休むとは言ったが、それ以前に自分の意志など関係なく狩りに行ける体かも怪しい。今日を生き延びられるかすらも分からない。
赤木 叶恵
姉妹の通じ合いがある。姉にも、この不安はきっと伝わっている。だけれど、だからこそ口には出さない。
赤木 叶恵
「今日のお昼と夜は要らないや。帰る時間わかったら連絡する」
赤木 叶恵
「明日の夜は何かごちそう作って。気合入れて時間かけて品目いっぱい、手間かかる高いやつ」
安武 陸
品目多い料理、考えるのも作るのも時間かかるもんな
赤木 叶恵
叶恵が甘えた!!手を回して、姉を抱き寄せる。力強く体を包んで、放す。
導入:敷村修也
GM
ところどころに飾られているイルミネーションの電飾が、季節の巻き戻りを再確認させてくる。
敷村 修也
たった3ヵ月前の光景のはずなのに、どこか懐かしさを覚えてしまう。
敷村 修也
家の扉を開け、誰もいない室内に帰宅を告げる。
GM
返答はない。朝の冷えた空気が外から部屋へと流れ込む。
GM
三ヶ月前の部屋の模様。多少増えた家具や物品などもすっかり消え失せている。
敷村 修也
それでも、あの頃よりは自分の家に帰ってきたという気持ちになる。
敷村 修也
3ヵ月の間にすっかり慣れたんだな、と思いながら伏せてある写真立てを手に取る。
灰葉陽
海野標の存在する運命に戻り、写真もここに戻った。灰葉陽の写真があなたを見る。
灰葉陽
振り返るようなアングルで、カメラへと微笑みかける。
敷村 修也
海野標からもらった、ひなちゃんの写真。
敷村 修也
写真立てから取り出すと、そのまま上着の内ポケットへしまった。
GM
あなたの応答を待つように、無遠慮にスマートフォンは鳴り続ける。
敷村 修也
ああ、なるほど。
そう思いながら通話をタップする。
GM
端末の向こうで、ふっと笑いを漏らすような気配があった。
敷村 修也
「……なんでまたそんなわかり切ったことを」
敷村 修也
「ずっと求めてきた光景を見てきたはずなのに、今ここで電話に出てるっていうのが全てですよ」
GM
『何も変わっていないなら、その方が問題だとは思うけれど』
敷村 修也
静かになった端末をしばし見つめると、ポケットにしまう。
GM
PC3はシナリオ指定幸福が故人だからこうなるんだけど修也くんはつれなくてあんまり会話が発生しない
安武 陸
ひなちゃんの前ではクソガキ様になるが……
敷村 修也
だがしかし、ここで萩原稜介からの電話をとっていることは必ずしも道を違えていることにはならない。
敷村 修也
ただ、俺がその道を選ばないということを改めて表明しただけに過ぎない。
敷村 修也
結局どれだけ経っても、きっと心のどこかは囚われたままだ。
敷村 修也
3話で松井が倒れたのも当然巻き戻っている。
修也とは師弟関係を結んだばかりになっているが。松井さんも言っていた。頑張りたいことを見つけろって。
敷村 修也
だから。
もう存在しない、誰も知らない約束を果たすために頑張ろうと思う。
敷村 修也
果たされるべき相手のいない約束であり続けるために、頑張ろうと思う。
敷村 修也
そう考えながら支度を整える。
恐らくそうしないうちに連絡が来るだろう。
敷村 修也
服を冬物に替え、必要なものを補充しながらぼんやりと考える。
敷村 修也
標に、どんな顔をして会えばいいのかを考える。
敷村 修也
気が重い。
全てを知らなかったはずが、すべてを知った状態でもう一度顔を会わせて。
敷村 修也
全てを知っても、自分の中に灰葉標との記憶は無いと言っていい。
標からすれば、結局のところ他人のようなものだ。
GM
思い悩む修也の懐で再びスマートフォンが鳴る。
今度は着信ではなく、メッセージアプリの通知音。
GM
まずはグループラインへの通知。みんな~陸からのもの。
GM
あなたの胸中を見透かしたかのような、端的なメッセージ。
敷村 修也
すこしの間考えると、たふたふと短い返信を打ち込む。
敷村 修也
多分きっと、あの頃の自分ならこれくらいのことを言っただろう。
敷村 修也
は、と笑うように息を漏らすと、端末をしまう。
部屋の電気を消し、扉を開く。
敷村 修也
誰もいない、暗い部屋に振り返って声をかけると
導入:迷ノ宮光葉
GM
冬の朝の病院はいつもより重苦しく感じられる。
GM
巻き戻った季節に、そのことを改めて実感させられる。
GM
迷ノ宮御影のネームプレートを前に、あなたは立つ。
迷ノ宮 光葉
火事になっていたはずの花屋は巻き戻ったことで元に戻っていた。そこで今までと同じように花を買って。
迷ノ宮 光葉
そういえば楠瀬もいるタイミングであったっけ。なんとなく、気後れしながら「失礼します」と部屋へ入った。
楠瀬新
「光葉PL「かおがついてる!」修也「この顔がバレメカに殴られてたんやなぁ」どうもー」
GM
病室の窓は開け放たれていて、風にカーテンが揺れていた。
迷ノ宮 光葉
「あの、ここは禁煙……」言いかけて、気を遣うべき相手もいない病室で、何を言っても仕方ないと口を閉ざした。
迷ノ宮 光葉
「……巻き戻ったことで、少しずつあの時より何かが変わっていっているのですね」
楠瀬新
「あっちもこっちも、まんま同じ展開にする気はさらさらないってことやな」
迷ノ宮 光葉
「……同じことを2回もやって、結果も同じであったなら、無駄足になってしまいますからね」
楠瀬新
長い指でタバコを挟む。光葉へと視線を流す。
楠瀬新
ベッドから立ち上がりながら携帯灰皿を取り出し、その火を潰した。
楠瀬新
「前はなぁ、流石に見込みなさすぎたからどうかと思うたけど」
楠瀬新
「あんま見過ごしとうないねん、ああいうの」
迷ノ宮 光葉
「……そう簡単には負けないと、思います」
迷ノ宮 光葉
「はい、よろしくお願いします」頭を軽く下げる。
安武 陸
なんか急にあれだな……楠瀬……お前……御影さんの彼女になりたかったのか……?みたいな気持ちになってきちゃった
迷ノ宮 光葉
顔のいい男なので喜びがあるはずなのに光葉が苦手だったから素直に喜べないのがなにか…楠瀬さん…
迷ノ宮 光葉
楠瀬さんとお兄様が揃ってたら腐ってない女子だって腐るよ
GM
他の狩人たちの協力を得ながら、一つ一つ準備を進めていく。
GM
関係各所に手回しをして、市民が出歩かないように通達を出させる。
GM
交通機関も止めました。コネと権力とテロ。物理の力で。
GM
巻き戻った運命で初めて昇った太陽はあっという間に中天を通り越し、
GM
ST シーン表(5) >
豪華な調度が揃えられた室内。くつろぎの空間を演出。
GM
お世話になります 迷ノ宮邸(金持ちの家は狩人に使われがちだとわかるね)
迷ノ宮 光葉
粗茶などを出しつつ、皆嬉しいということを表現しているんだなぁと思っている。
赤木 叶恵
「海野さん居ない間この犬荒れて大変だったんだよ」
海野標
「そりゃあ大変ご迷惑をおかけしまして……」
迷ノ宮 光葉
「今回ご協力いただくことになりました」
楠瀬新
「虐殺結界の場所を地図アプリに出力したの俺なんやけどなぁ~」
楠瀬新
潰してチェック入れたらそれぞれに共有されるやつ。
安武 陸
「えっ、マジ~? 楠瀬さんスゴ~、有能~」
赤木 叶恵
「役に立つのは知ってんだよ。シンプルな罵倒。はげろ」
楠瀬新
「ま、バックアップに専念するけん安心せぇ」
安武 陸
「そんな~、労働力としてもモリモリ働いてくださいよ~」
赤木 叶恵
「ホントにぃ?あたしたち、御影さんと対峙しますけど邪魔しない?」
安武 陸
「楠瀬さんって、結局何が目的の人なんですか?」
楠瀬新
「俺はなぁ、まあまあマジメ~なハンターやで」
楠瀬新
「だからクロニック・ラヴの虐殺はあかんと思うし、御影さんがあっちついたんは残念や」
楠瀬新
「前は勝ち目ゼロやったけん素直にトンズラこかせてもらいましたわ~」
安武 陸
何度か楠瀬からの協力を得たことはある。 共に戦ったこともある。
楠瀬新
「だからまあ、気張ってもらわへんと困るなぁ~」
安武 陸
こいつ男との距離近くないか? (人のこと言えねぇ~~~)
赤木 叶恵
「こっちは昨日の今日なんだよ……あんな……メカのとき邪魔邪魔邪魔邪魔しやがって……!」
安武 陸
「まぁまぁ叶恵ちゃん、押さえて押さえて」
安武 陸
「楠瀬さんは基本真面目なハンターだよ。 正直胡散臭さはカンストしてるけど」
赤木 叶恵
「騙されるな!あいつは陰湿な変態だ!」
安武 陸
「陰湿な変態はあんまり否定する材料ないけど……」
敷村 修也
腕を回して寄っかかられて傾いている標をちら、と見ている。
海野標
「……まあ、御影さん絡むとまあまあ読めないのはあるけど」
海野標
「ここであっちにつくくらいなら、前回もそうしてたってのは正しいだろ」
迷ノ宮 光葉
お兄様が絡むと、というところに少し不安げにする、が特に何も言わない。
赤木 叶恵
「そうだ。会ったら聞きたい事あったんだ、海野さん」
赤木 叶恵
「クロラヴに既に殺されてる人って、どうしたらいいの?」
海野標
「だいたいはバレエ・メカニックが言っていたのと同じだけど……」
海野標
「お前らが隙を作ってくれれば、俺の方から働きかけられる」
海野標
「運命の浅いところにいるような犠牲に関しては、これで覆せるよ」
海野標
「それに関してはなんとかなる。協力してもらえれば」
安武 陸
ちらと、標を見る。 耳は言葉を拾えない。
海野標
「そもそもこの件は全部、俺の不始末と力不足が招いたことだ」
海野標
「だから、本当は戦わなきゃならない理由なんてどこにもない」
安武 陸
標の後ろに回り込み、肩を掴んで無理矢理に頭を上げる。
安武 陸
「そもそもこの件は全部、俺のわがままだ」
安武 陸
「お前らはそれに巻き込まれたに過ぎない」
安武 陸
「だから、本当は戦わなきゃならない理由なんてどこにもない」
赤木 叶恵
「メカ叩いて言うこと聞かせるのに加担してんだ。ここで引くわけないじゃん」
敷村 修也
「きっかけがどうであれ理由がどうであれ」
敷村 修也
「結局は、俺がこうすることを選んでますからね」
迷ノ宮 光葉
「わたくしたちは、自分でこうすると決めましたし、今更遠慮はしなくていいものと思っていました」
迷ノ宮 光葉
「だから、頭を下げないでくださいませ」
安武 陸
俺も海野が絡まなかったらマトモとか言われる可能性あるな……と思っています
赤木 叶恵
「じゃ、礼子さんたちのことは任せる。タイミングとかは指示お願い」
安武 陸
「なんとかするって言っても、無茶はしないでくださいよ」
安武 陸
「師匠がまた無茶したら、光葉PL「自分を人質に取っている……」俺マジでどうなるかわかんないですよ」
海野標
「自分が心配なら俺に無茶すんなって理屈だろ?」
海野標
「俺が無茶する前から心配させてたら成立しねえぞ」
赤木 叶恵
「ちょっと前まで『無茶とか絶対にやだ~』みたいな感じだったのになあ」
安武 陸
「そりゃあ無茶しないに越したことないけどさ~」
海野標
「まあ実際かなり魔力総量が落ちてるからな」
海野標
「前みたいに何十回も生き返してやるようなことはできねえんだわ」
GM
イルミネーションの光も褪せた冬の六分儀市に、
遭遇フェイズ
『送り火』迷ノ宮御影
そして、炎をまとう男が一人。
安武 陸
楠瀬さん顔がついてたからなんだぁ?と思ったらだよ
安武 陸
でもめちゃめちゃうれしいな うれしい うれし~~~
GM
交通機関が止められ、外出自粛令も出され、人もまばらな六分儀駅前の広場で、
クロニック・ラヴ
冬の冷たい風に銀髪を靡かせながら、少女の凛とした声。
クロニック・ラヴ
「価値のない運命だったのでしょうね」
安武 陸
「誰かが願った運命を、価値がないなんて言わない」
安武 陸
「でも、俺の欲しい運命は別のものだった」
クロニック・ラヴ
「求める心を未だ捨てられずにいるあなた」
クロニック・ラヴ
「あなたもそうと言えるのですか?」
敷村 修也
「……あれは結局、俺の願った運命じゃない」
クロニック・ラヴ
「では、今度は私に願いますか?」
クロニック・ラヴ
「バレエ・メカニックへの願いを捨てて、私」
クロニック・ラヴ
「『クロニック・ラヴ』に、願いをかけてみせますか?」
敷村 修也
「俺にとっては運命を願うより、約束を守る方が大事なんだ」
迷ノ宮 光葉
「わたくしも、願うことは最早なにもありません」
迷ノ宮 光葉
「「強い」「もう光葉ちゃんがお兄様を抱きそう」ただ自らの力で勝ち取るのみです」
『送り火』迷ノ宮御影
夜闇にウィッカーマンの炎が火の粉を爆ぜる。
『送り火』迷ノ宮御影
その熱を感じる気配も見せないままに、迷ノ宮御影が息を吐く。
『送り火』迷ノ宮御影
「ならば、その力を見せてみろ」
『送り火』迷ノ宮御影
「……それは、お前にも教えたことだったな」
赤木 叶恵
「知ってたけど、やっぱりそっちに立ちますか」
『送り火』迷ノ宮御影
「期待していたとは言わせんぞ」
『送り火』迷ノ宮御影
「俺は――とうに『こちら側』だ」
クロニック・ラヴ
「今、こうしてここに立っていることが全てでしょう」
クロニック・ラヴ
「手放された運命と可能性は本来の持ち主」
クロニック・ラヴ
星の光がクロニック・ラヴを取り巻いて、言葉の通りに収束し始める。
クロニック・ラヴ
「手放された全ての運命を背負い」
Re:クロニック・ラヴ
星の光を全身にまとい、運命の窓を背に負うて。
Re:クロニック・ラヴ
魔女クロニック・ラヴはここに生まれ落ちる。
Re:クロニック・ラヴ
光の針がそちらへと放たれる。
Re:クロニック・ラヴ
まっすぐに、心臓をめがけて。
安武 陸
心臓に向かって降り注ぐ針。 何度も経験した死。
Re:クロニック・ラヴ
「躱せるくらいになりましたか」
Re:クロニック・ラヴ
二の矢三の矢は標へと放たれる。
海野標
飛び上がってそれを躱し、刀でもって打ち払う。
安武 陸
「お陰様で、ザコでもガキでもなくなりました」
『送り火』迷ノ宮御影
狩人たちへと向けて、青いそれが放たれる。
敷村 修也
虚をつかれたわけでも、ましてや初めて見るわけでもない。
敷村 修也
警戒したまま青い炎の射程外へと逃れる。
赤木 叶恵
当たりはしないが、迂闊には飛び込めない。牽制として機能するだけで、フォロワーの仕事としては十二分以上。
『送り火』迷ノ宮御影
狩人が何に苛立つのかをよく知っている。
安武 陸
必死に助ける必要も、必死に逃げ惑う必要もない。
『ひなたを想う』萩原稜介
「さて、踏ん張りどころだ」
『ひなたを想う』萩原稜介
拳銃を抜きながら、狩人たちへと視線を向ける。
『さいごまで』高地結凪
こちらも武器を構えながら、視線はしかし空を向いていた。
安武 陸
前回と同じことは多い。 前回と違うことも多い。
Re:クロニック・ラヴ
空で弾ける星の光を、今はただ見上げるばかりではない。
◆魔女:Re:クロニック・ラヴ
相:傲慢
耐久力17 余裕17 血量17
初期テンション17 激情1
◆支配力
・クロニック・ラヴ《日常》強度3
運命変転血戒のリソースである空色の結晶。
七つ存在するうちの三つ。その原動力は郷愁と憧憬にある。
・無敵《自信》強度3
或いはそのように誓ったもの。故にどんな地獄さえ歩いてきた。
・犠牲《地位》強度5
積み上げてきた屍の山。葬ってきた無数の命。流してきたおびただしい量の血液。
運命を変転する以外に破壊する方法はない。
◆フォロワー
・『送り火』迷ノ宮御影
・『ひなたを想う』荻原稜介
・『さいごまで』高地結凪
GM
このうち、『送り火』迷ノ宮御影は前哨戦の対象に取れません。
GM
メインフェイズ第一サイクル始めていきましょうか。