◆エピローグ
“赤い靴”
彼らもまた、特別な救世主ではなかった。
“赤い靴”
踊りは終わったが、まだやらなければならないことが残っている。
“赤い靴”
ラサと呼ばれた救世主の残骸が、ある一人に近づく。
GM
お前は、女王の薔薇の庭園の中に倒れ伏していた。
GM
そこには、三人分の救世主の残骸が転がっている。
クラレット
木屑のようにすら見えるそれに手を伸ばす。
GM
体の動きは鈍い。が、言うことを聞くような気がする。
GM
そこには、それはそれは美しい赤い靴が履かれていた。
クラレット
ラサの足から奪ってしまえば、代わりに自分が履いてしまえば、彼女が戻ってくると思っていた。
クラレット
現実は全く違って、自分たちは死んで、ラサはとうの昔に粉々になっていて、自分はこの靴を“履かされて”いる。
GM
お前が少し賢いなら、全てを失ったことに気づくだろう。
GM
これから時間をかけて、全てを失っていくことに気づくだろう。
クラレット
せめて、自分の足から離れれば、乗っ取られることもないのではないか、と。
GM
しかし、靴は脱げない。吸い付いたように、おまえの脚を離れない。
GM
立ち上がり、右へ行こうとすると、靴は左へと。
GM
全てを粉々にするだけの猟奇の力がそこにあると確信する。
GM
ゆっくりとゆっくりと、思考が赤く塗りつぶされていく。
GM
“赤いくつをはいて、踊っておれ。お前が青じろくなって冷たくなるまで、お前のからだがしなびきって、骸骨になってしまうまで踊っておれ。”
クラレット
朽ち果てて粉々になって、今にも庭園の土に混ざってしまいそうなそれをひとつかみ。
クラレット
口の中に押し込んで、無理やり飲み下す。
GM
おまえはやがて、そんな名前の持つ意味すらも忘れる。
GM
より大きな力に、あるいは力ではないなにかに、叩き潰されるまで。
GM
どれだけ柄杓で掬って捨てても湧き上がる真っ赤な感情に、お前は飲み込まれる。
クラレット
フェッテ。アンシェヌマン。
ピルエット。アラベスク。
グラン・ジュテ。
GM
ようやく、“クラレット”は赤い靴の心に触れたような気持ちになれたかもしれない。
GM
お前を求める新たな救世主たちが、もうすぐそこまで来ている!
GM
Dead or AliCe
パラサイト・ロンド
寄生輪舞