お茶会 ラウンド2

GM
第二ラウンドに入ります。偵察をどうぞ
リュール
*右から1マス目、上から3マス目を偵察お願いします

♥K 秘密の部屋

 MP -4 目標値 8
 成功 疵を舐めた相手に、今回のセッションでのみ使用できる、出目上昇の値が〔MPの絶対値〕の特殊な『(手番PC)の寵愛』を与える。
 失敗 距離感を見誤って気まずい雰囲気! 疵舐めに成功していても、その効果がキャンセルされる。
 放置 ―
クロノス
*右から1マス目、上から2マス目を偵察します。

♣胞子侵食

 MP 3 目標値 9
 成功 ―
 失敗 身体や心が青い胞子に乗っ取られる......! 『真の幸福』同様、手番PCを参照した配下を追加する。
 放置 疵の力を暴走させて被害を無効化した。PC陣営は好きなPC1人の心の疵を悪化させる。
GM
オリジナル試練です。運の試練なので得意不得意はなし。
ヲトメ
*右から1マス目、上から1マス目を偵察します

♥A 尊厳破壊

 MP 8 目標値 PKの【愛】+7
 成功 窮鼠猫を噛む。PKの疵を1つ選んで悪化し、関係に手番PCが追加される。
 失敗 心身を徹底的に傷めつけられる。手番PCの心の疵からGMが1つ選んで悪化し、関係にPKが追加され、前科も2増加する。
 放置 隙をついて逃げ出すが、手番PCの心の疵からGMが1つ選んで悪化し、関係にPKが追加される。

GM
ではやっていきましょう
GM
お茶会第2ラウンド!
GM
どなたから行動しますか?
リュール
俺が動く。
GM
OK

行動:リュール

GM
→移動で大丈夫?
リュール
*はい、右移動でお願いします。
GM
では……

♥K 秘密の部屋

 MP -4 目標値 8
 成功 疵を舐めた相手に、今回のセッションでのみ使用できる、出目上昇の値が〔MPの絶対値〕の特殊な『(手番PC)の寵愛』を与える。
 失敗 距離感を見誤って気まずい雰囲気! 疵舐めに成功していても、その効果がキャンセルされる。
 放置 ―
GM
あなたたちがトロッコから降りて道を進むと。
リュール
クロノスとヲトメを気遣いながら歩きます。
GM
ばらの香りがふわりと広がって。
GM
往時のリヨンの光景が、目の前に現れる。
クロノス
うわ嘘だろ。これまた騙されてない?
クロノス
あるはずねえ~~~~~~ウケる~~~~~~
リュール
「またこれか……」
GM
「あっ! 救世主さまだ!」
クロノス
「いやでもあるはずないってことがわかってっからまだマシだなこれ」
GM
あなたたちの姿を見つけた末裔たちが再び寄ってくる。
リュール
「それはそうかもしれないな」
リュール
「惑わされずに済む」
クロノス
「少なくともアレではなさそ~」
リュール
すっかり変わったクロノスの口調に、動じる様子は見せない。
リュール
より覆ったのは自分の方だし、クロノスは変わらず頼れる仲間のままだ。
末裔
「あれ? アンブローズ様とご一緒にアントワーヌ様のところに向かったのでは?」
末裔
「いいから宴会にしようぜ宴会! こうして救世主様が来てくださったんだ!」
末裔
「そうだそうだ! あのときのお礼だってまだできてないんだ!」
リュール
「はは」
リュール
「……まったく」
末裔
末裔たちがあなたたちを囲む。
リュール
「ありがたい歓迎ぶりだよ」
クロノス
これが現実(マジ)ならなあ。
末裔
「ささ! どうぞどうぞ! 料理の準備ができてますよ!」
リュール
現実でないと分かっても、それらを乱暴に振り払う気にはなれなかった。
ヲトメ
飛んでかわるがわる末裔の頭を撫でてやる。
リュール
それは、だって。
リュール
世界を救うものの挙動ではないだろう?
クロノス
まあ~気分の問題があるからな~。
クロノス
たとえ夢の中だろうが末裔に手出したくねぇ~~~
ヲトメ
今見えてるのがほんとは死体でも、あたしなでてあげる。
リュール
気分は大事だ。この堕落の国においてはな。
多分色々終わった後に滅茶苦茶落ち込んだり精神状態がヤバくなったりする予感はあるが亡者を倒すまではなんとか保つぞ!
末裔
炭鉱労働者。
末裔
酒場を切り盛りするコックの末裔。
末裔
子供を連れた母親。
末裔
陰険な金貸し。
末裔
アンブローズの元で働いていたキノコの研究者。
末裔
そういった者たちが歓待の笑顔と、ほんのすこしのおそれを交えて、あなたたちを宴席に運ぶ。
リュール
時に手を振り、時に胸に手を当て頭を垂れ、その歓待を受け入れます。
クロノス
いや~ありがてえことだなあ。
GM
卓に並ぶさまざまな食事。
クロノス
会釈くらいはしておきます。
GM
亡者をひき肉にして作ったハンバーグ。
リュール
その分俺とヲトメがこれをやるとも。
GM
口に渋みの残るジュース。
ヲトメ
花のようによろこぶ。
GM
みっちりと詰まった甘くないパンケーキ。
リュール
食べごたえがあっていい。
GM
濃く味付けられた豆の煮物。
GM
それからもちろんワイン。
クロノス
どれもうまい。堕落の国の中では。
GM
天国の館に並ぶ食事には遠く及ばない。
GM
けれども十分な栄養と味。
リュール
気持ちで膨れる腹もある。
ここまで明確で具体的な幻覚であればな。
クロノス
夢の中で美味いもん食うと起きたとき結構気分が沈むんだけど、ここまでしっかりした飯ならまぁ許せるかもしれない。
リュール
民から願いをかけられるのもまた、心地が良い。
幻覚と分かっていても。報いることが本当にはできないと分かっていても。
自分を保つよすがになる。
GM
次第に楽しくなってきた末裔たちは、あなたたちをほっといて勝手に盛り上がり始めた。
ヲトメ
にこにこ。
GM
「ねえ」
リュール
「なんだい?」
末裔
給仕をしていた末裔が、ふいにあなたたちに話しかける。
クロノス
そちらを見る。
リュール
微笑みをたたえて彼女を見る。
末裔
「救世主さまたちは、この街を発ったら」
末裔
「どこに向かわれるんですか?」
リュール
「そうだなあ……」考え込む。
リュール
この街に来たのは、そもそも公爵家の依頼あってのことだから。
リュール
まずは公爵家に報告に行かねばならないが。
リュール
きっと彼女が求めている答えは、そういうものではない。
リュール
「なかなか難しい問いだな」
リュール
「クロノス、ヲトメ」
リュール
「二人はどう思う?」
ヲトメ
「? あたしははちみつがほしいわ」
ヲトメ
「このパンケーキを旅にわけてもらったら、はちみつをさがしにいきましょ」
クロノス
「いいな、はちみつ」
リュール
「甘いものはこれ以上ない活力になるからな」
リュール
「森を探すのがいいだろうか?」
末裔
「いいですね~甘いもの」
リュール
思い出す。森に生きるおんなの姿を。
リュール
その胸を貫いた手応えを。
リュール
覚えている。
リュール
今は、仲間と、末裔の前に。
リュール
笑う。
リュール
笑っている。
末裔
「なあなあ救世主様~! おれも冒険に連れて行ってくれよ~!」
後ろのほうで子供の末裔が飛び跳ねている。
末裔
「おれ、絶対救世主様の役に立つぜ!」
末裔
長い棒のようのものを振り回している。危ないよ。
リュール
「そうだなあ」
リュール
指先でその棒を止めてみせて。
リュール
「君が力を正しく制御できるようになって」
リュール
「身も心も、強く逞しくなったなら」
リュール
「その時は、迎えに来るよ」
末裔
「えー! やだやだ!」
末裔
「おれいますぐがいい~!」
クロノス
幻覚であることだなあ。
リュール
幻覚が相手だから。
リュール
いくらでも無責任なことが言える。
リュール
自分の心を慰むるためだけの言動。
クロノス
幻覚には優しくした方がいい。
リュール
それをよくよく理解している。
末裔
ほら!救世主様を困らせるんじゃありません!と、母親らしき末裔がその子供を下がらせる。
給仕の末裔
「ふふ」
給仕の末裔
給仕の娘がほほえみをこぼす。
リュール
いい子にしていたら迎えに来るからね、お母さんを困らせるんじゃないよ。
リュール
そんな風に声をかけていた。
給仕の末裔
「でも、あの子に限らず、みんな、あなたたちの役に立ちたいと思っているんですよ」
リュール
「………………」
給仕の末裔
「確かに……」
給仕の末裔
「わたしたちは、あなた達に比べると、弱くてちっぽけな生き物なのかもしれませんけど」
リュール
そんなことはないさ。とは言わない。
クロノス
そうだなあ。
給仕の末裔
「私達はみんな、あなたたちのことが大好きで」
給仕の末裔
「あなたたちの助けになりたいって、ずっと思っています」
ヲトメ
いい心がけね!
リュール
「……ありがとう」
給仕の末裔
「救世主様たちは、いつもどこか、遠いところを見ていて」
給仕の末裔
「それが、わたしたちには、ときどき寂しく感じるんです……」
給仕の末裔
「どうして……」
給仕の末裔
「わたしたちはあなたたちの助けにはなれないんでしょうね?」
給仕の末裔
困ったように笑う。
ヲトメ
そのよわきものの頭をなでてやる。
ヲトメ
このきよく礼儀ただしい王子にはできないことだから。
ヲトメ
かわりにやってあげるの。
リュール
ただ、笑っている。
リュール
自分にできないことをしてくれる仲間の。
クロノス
コインがないからであり、つまるところ弱いからだなあ。
リュール
その助けに、深い感謝の念を抱きながら。
クロノス
末裔に愛されても満たされない。
クロノス
それは、自分が末裔から愛されて、それでよしと思えないからだ。
クロノス
こいつらは何も悪くない。
クロノス
だから擬態する。
クロノス
そういうのを受け入れて喜んでいる"自分"に。
クロノス
でもそれはもう失われているから、
クロノス
だからただ、そこにはただひとりの人間がいるだけ。
給仕の末裔
「……なんて」
給仕の末裔
「本当は、わかってるんですよ」
リュール
「…………」
給仕の末裔
「あなたたちは、わたしたちとは別の世界にいる」
給仕の末裔
「そう」
給仕の末裔
「わたしたちは」
給仕の末裔
「まぼろしだから」
給仕の末裔
世界が動きを止める。
リュール
「!」
クロノス
おっと。
GM
「私達が」
リュール
身構える。腰の剣に手を添えて。
GM
「書割の登場人物にすぎないから」
リュール
クロノスとヲトメを守るような立ち位置に。
GM
「でも」
GM
「それは」
GM
「最初から」
GM
「ずっと同じ」
リュール
「何を……」
GM
「私達は有象無象」
GM
「たったひとつの命しか持たない、有象無象」
GM
「ずっと……」
GM
「最初から……」
GM
「あなたたちは」
GM
「わたしたちのことなんて」
GM
「見てくれていない」
GM
「それは」
GM
「まぼろしと」
GM
「どう違うの?」
リュール
「…………」
GM
「わたしたちは」
リュール
止まった世界に、生の息吹はみっつきり。
GM
「ただ」
GM
「あなたたちを助けたいだけ」
リュール
「……ああ」
GM
「どうして?」
GM
「どうしてわたしたちを」
GM
「見てくれないの」
リュール
「ああ…………」
GM
……………………
GM
そこには。
GM
もうなにもない。
リュール
何も見ていなかった。
リュール
何も見えていなかった。
GM
時間が止まった街だけがある。
リュール
堕落の国に落ちてより、今まで、ずっと。
都合のいい幻想の世界に生き続けて。
クロノス
「…………」
リュール
帰るべき国をばかり想い。
リュール
堕落の国にかけるなけなしの情は、
リュール
少しばかり残った、余剰のほんのひとさじだった。
リュール
そういう生き方をしていた。
そういう救世主だった。
リュール
愛する姫を追い求めるだけの壊れた機構で在り続けた俺が、
リュール
こうして晴れた視界の中に、見つめるべきものは。
リュール
*クロノスの心の疵『理想』を愛で舐めます。
 合わせてクエストにも挑戦します。
リュール
*ティーセットを使用。
アンブローズ
*アンブローズが横槍。
[ アンブローズ ] HP : 8 → 7
アンブローズ
2d6+4>=7 判定 (2D6+4>=7) > 10[6,4]+4 > 14 > 成功
アンブローズ
1d6 横槍量 (1D6) > 6
リュール
2d6+3+2-6>=7 愛(お茶会) (2D6+3+2-6>=7) > 9[5,4]+3+2-6 > 8 > 成功
GM
*そのままどうぞ。
[ リュール ] 大きなティーセット(使用数) : 1 → 0
クロノス
動かなくなったそれらを見つめている。
リュール
「……クロノス」
リュール
「ヲトメ」
リュール
「…………」
リュール
「君たちは、どう思う?」
リュール
「この堕落の国を」
リュール
今も脳裏には姫の笑顔と、血に濡れた女の姿と。
リュール
繰り返し踏み躙られた純潔の記憶と。
リュール
虚実が入り混じり、
ヲトメ
「ふる雪が泥にとけるよう、咲いた花が枯れるようにくるしいわ」
リュール
千々に乱れた思考の中で、
ヲトメ
「かあいそう、とても」
クロノス
「まあ、人殺しとかしたことなかったし」
クロノス
「大変ではあったよな」
リュール
どうにか正気を繋ぎ合わせて、立っている。
クロノス
「でも……」
リュール
晴れた視界。
クロノス
「無力な末裔と、コインを持つ救世主、という明確な差があること」
クロノス
「それは俺にとっては結構良かったんだ」
リュール
この残酷な世界で、
リュール
同じ時間を重ねてきた仲間を見ている。
リュール
「良かった」
リュール
「のか?」
クロノス
「ああ」
クロノス
「信仰だけでは力にならないというのが」
クロノス
「わかりやすく示されているから」
リュール
「…………」
リュール
「そうだな」
リュール
「俺たちの力は」
リュール
「信仰の力じゃあなくて、コインの力だ」
クロノス
「そう……」
クロノス
「どれだけ末裔が俺たちを崇めても」
クロノス
「コイン1枚にすらなりやしない」
リュール
「俺たちが求めているのは、もっと明確で、即物的なもの」
リュール
「俺たちに力を与えてくれるもの」
リュール
「……末裔たちに、好くすることで」
リュール
「少しばかりの楽と、良い気分を」
リュール
「味わえたりはするかもしれないけれどね」
クロノス
「少しばかりの楽と、良い気分」
クロノス
繰り返す。
クロノス
「そうだな」
リュール
「この堕落の国じゃあ、それさえ上等だ」
リュール
「いやあ」
リュール
「本当にひどい世界だこと」
クロノス
「本当に……」
クロノス
「…………」
クロノス
「救世主らしく」
リュール
「うん」
クロノス
「理想の存在らしく」
リュール
「……うん」
クロノス
「そうあろうとしてた」
リュール
「そうだったね」
クロノス
「それは……」
クロノス
「末裔に優しくすると何かと都合がいいとか」
クロノス
「そんなふうに言っていたけれど」
クロノス
「本当は、」
クロノス
「そうしないと、あんたたちに受け入れてもらえないかもしれないって恐怖心からだ」
リュール
「…………」
リュール
聞いている。
クロノス
「怖かった」
ヲトメ
見上げている。
クロノス
「本当の自分を晒したら」
クロノス
「醜くて、惨めで」
クロノス
「暴力的で」
クロノス
「悪いこともたくさんしていて……」
クロノス
「それは、美しくなくて」
クロノス
「あんたたちの隣には、到底並び立てないと思ってたんだ」
ヲトメ
「ばかね、クロノス」
ヲトメ
「あたしはあなたのことを嫌いにならないわ」
ヲトメ
「どんなひとでも愛されるべきよ」
クロノス
「煙草を吸っていても?」
クロノス
「あんたの大嫌いな煙草さ」
ヲトメ
「いいかおりでごまかしちゃおうかしら」
ヲトメ
「戦争ね」
リュール
「ヲトメは香りに詳しいものな」
ヲトメ
「そのかわりちいさくなって、あたしのお風呂にいっしょにはいってね」
クロノス
「それはいいな」
ヲトメ
「うふふ」
ヲトメ
「がんばりやさんね、クロノス」
ヲトメ
「たくさん、たくさんほめてあげる」
ヲトメ
ぎゅ!
リュール
「俺も褒めるぞ」
クロノス
「…………ふふ」
リュール
「たくさん助けてきてもらったからな」
クロノス
ありがとう、とヲトメに礼を言って。
クロノス
「そんなに褒められすぎるとびっくりしちゃうな」
リュール
「いくらだって褒められるさ」
リュール
「クロノス、君、だって」
リュール
「恐怖心からでだって、あれだけ頑張ってくれていたんだろう?」
クロノス
「……まあ」
クロノス
「できたし」
クロノス
「わかったからな」
クロノス
「あんたのことが」
リュール
「嬉しいよ、わかってくれて」
リュール
「……ああ」
リュール
「だから」
リュール
「ずっと、酷なことをしていたな」
リュール
「クロノス」
リュール
「君のことは、全然わかってやれなかったんだから」
クロノス
「……ううん」
クロノス
「いい」
クロノス
「いいんだ」
リュール
「許してくれるのかい?」
クロノス
「だって」
クロノス
「あんたたちが俺のことを許してくれるんだもの」
ヲトメ
「あなたがゆるさなくてもいいの」
ヲトメ
「あたしたちはあなたがだいすきよ」
リュール
「ああ」
リュール
「君を愛しているよ、クロノス!」
[ クロノス ] 理想 : 0 → 1
クロノス
「………………」
クロノス
「…………ありがとう」
クロノス
「俺もあんたたちのこと、愛してる」
リュール
*クロノスにうさぎのおまもりを譲渡します。
 あなたに幸いのあらんことを。
[ リュール ] うさぎのおまもり : 1 → 0
[ クロノス ] うさぎのおまもり : 0 → 1
クロノス
*リュールの寵愛を獲得しました。
[ クロノス ] リュールの寵愛 : 0 → 1
リュール
*獲得されました。
クロノス
*で、うさおまをやっぱりヲトメに譲渡。
[ クロノス ] うさぎのおまもり : 1 → 0
[ ヲトメ ] うさぎのおまもり : 0 → 1
GM
お茶会第二ラウンド 2手番目
ヲトメ
あたしが行くわ!
GM
はい

行動:ヲトメ

GM
上に進む感じですね。
ヲトメ
*上に移動します
GM
はい

♣胞子侵食

 MP 3  目標値 9
 成功 ―
 失敗 身体や心が青い胞子に乗っ取られる......! 『真の幸福』同様、手番PCを参照した配下を追加する。
 放置 疵の力を暴走させて被害を無効化した。PC陣営は好きなPC1人の心の疵を悪化させる。
GM
あなたたちは進んでいく……
GM
見下ろす街の光景は朽ち果てていない、往時のまま。
リュール
空虚な郷愁を振り払い、往く。
GM
やがて、少し雰囲気の違う区画へとあなたたちは足を踏み入れる。
GM
整然とした施設。
GM
中に入ってみると、茸や亡者肉と思しきものを培養する槽が並んでいる。
GM
研究区画のようだ。
リュール
「ここは……」
ヲトメ
「ごはんをつくっていたところね」
クロノス
ほ~~~~。
ヲトメ
そういう認識。
GM
だいたいあってます。
リュール
「食うにも困る堕落の国だからな」
リュール
「これのお陰で、どれほどの民が……」
リュール
それも、
リュール
今はかつての話。
クロノス
「そうだな……」
GM
更に奥に進んでいくと、
クロノス
「この技術だけでも広められればいいのに」
ヲトメ
「悲しいこと」
アンブローズ
培養槽のひとつを、アンブローズが覗き込んでいるのが見える。
リュール
「…………」
ヲトメ
「アンブローズ」
クロノス
「よく会うなあ」
アンブローズ
「どうやらここまでは無事に来られたようで……」
アンブローズ
振り向く。
アンブローズ
「実によろしい」
リュール
向ける視線は、先程までと異なり。
アンブローズ
「流石は救世主の皆様です」
リュール
燃え立つような敵意は既に失せ。
リュール
けれど、既に相容れない立ち位置にあることは理解する。
リュール
魔女でなくとも、魔女が敵でなくとも、姫がもはやいなくとも。
リュール
この男とは、もう。
ヲトメ
「……」
ヲトメ
「“無事”にってどういうこと?」
アンブローズ
「ははは」
アンブローズ
「五体満足で、と表現したほうがより正確でしたか?」
ヲトメ
「まあ!イヤミだったの!」
クロノス
嫌味だなあ。
アンブローズ
「おやおや……」
リュール
「口の減らない男だからな」
ヲトメ
「なんてひとかしら!」
アンブローズ
「いくら僕がイモムシの末裔だからといって」
リュール
「レディの相手には、些かばかり礼を欠く」
アンブローズ
「そう、言葉の外にあるものばかりを捉えられては、悲しくなってしまいます」
クロノス
「じゃあマジで無事でいてほしかったのか?」
アンブローズ
「まあ」
アンブローズ
「この程度でボロボロになってもらっては」
アンブローズ
「正直ガッカリだな~ みたいなとこはありますね」
クロノス
「へ~……」
アンブローズ
「僕は救世主の皆さまを、尊敬し、敬愛しておりますから……」
ヲトメ
むう、という顔。
アンブローズ
真実(ホント)真実(ホント)
リュール
敬愛とこの行動が両立する男だ。
クロノス
「でもボロボロになってたほうが倒しやすくてよくねえか?」
アンブローズ
「まあ、そのときはあなたたちは真実の救世主ではなかったということで」
アンブローズ
「仕方ないですね」
ヲトメ
「ラストアリスを夢見るほどあなたはロマンチストだったかしら……」
アンブローズ
スゥー……
リュール
「大丈夫」
リュール
「俺はちゃんと、証明してみせるつもりだよ」
アンブローズ
「それはさておいて、強い救世主に来てほしいというのは本当ですよ」
リュール
「それはどうして?」
アンブローズ
「みなさんは」
アンブローズ
「この堕落の国について」
アンブローズ
「疑問に思ったことはありませんか?」
リュール
「疑問に……」
リュール
そりゃあ、疑問ばかりだけれど。
アンブローズ
「断続的な“外国”からの救世主の召喚」
アンブローズ
「亡者」
アンブローズ
「30日ルール」
クロノス
疑問ばかりではあるな。
リュール
疑問が多すぎて追いつかず、考えることを放棄していなかったかと言われると、それは否めない。
リュール
アンブローズの話を聞いている。
アンブローズ
「実に“都合がいい”世界だと思いませんか」
リュール
「誰にとって?」
アンブローズ
「救世主たちを殺し合わせるのに」
アンブローズ
「さあ」
アンブローズ
「それはわかりません」
アンブローズ
「ただこの世界は」
アンブローズ
「誰かの“悪意”によってつくられている」
リュール
「…………」
アンブローズ
「それはみなさまとも、意見が一致すると思うのですが、いかがでしょうか」
クロノス
「結果的に趣味が悪いのはわかる」
リュール
「確かに」
ヲトメ
「正直、あたしはわからないわ」
リュール
「どす黒い悪意で塗り潰されたような、醜悪な仕組みで成り立った世界であるということには同意をするが……」
リュール
ヲトメを見る。
ヲトメ
「そうなってしまっただけだったら」
ヲトメ
「誰かさんはどうすればいいの」
アンブローズ
「ほう」
アンブローズ
「悪意ではなく、ただの悲しい過ちの結果であるのかもしれない、と」
リュール
「…………」
クロノス
「否定できる根拠もねぇだろ?」
アンブローズ
「そうですね」
クロノス
「肯定もできないかもしれないが」
ヲトメ
頷く。
リュール
ヲトメらしい想像だな、とは思った。
アンブローズ
「優しい考えだ」
アンブローズ
「ただ、この際、悪意であるかというのは、重要ではなく……」
アンブローズ
「そこに誰かの意図があるということ」
リュール
「救世主たちを殺し合わせようという」
リュール
「意図?」
アンブローズ
「そう、そして、あなたたちはその意図に、飼いならされている」
アンブローズ
「飼いならされざるを得なかった」
リュール
でなければ。
クロノス
「従うか死ぬかの二択だからな」
リュール
六ペンスを50枚積み上げることなど、できはしない。
リュール
時に虐げ、時に損ないながら積み上げてきたこの50枚が、
アンブローズ
「真実って実にいい加減なもの」
リュール
今は自分たちの力の源となっている。
アンブローズ
「たとえばあなたに想いを寄せている、アメリアとバーンズがいる」
アンブローズ
「アメリアがあなたに愛を囁いて」
アンブローズ
「あなたはそれを真実の愛だと受け入れた」
リュール
「…………」
アンブローズ
「その真実の愛を手放せば、あなたは死んでしまう」
アンブローズ
「そうなれば」
アンブローズ
「次にバーンズがあなたに愛を囁いても」
リュール
愛の話は。
アンブローズ
「あなたはそれを受け入れることは出来ない」
リュール
この脳をひどく軋ませる。
リュール
それでもアンブローズの話を聞いている。
アンブローズ
「けど」
アンブローズ
「先にあなたに愛を囁いていたのが、バーンズであったなら?」
アンブローズ
「……ただ、順序(sort)が違うだけで、真実というものは変わってしまう可能性が、ある」
リュール
「それは……」
リュール
「けれど、可能性、だろう」
リュール
「そんなものは、無限に……」
リュール
引き攣れた脳と思考回路で、もつれるように言葉を返す。
アンブローズ
「そう、可能性」
アンブローズ
「僕は、可能性を見せたいと思っている……」
リュール
「わからない」
リュール
言葉は空を切る。
アンブローズ
「想いが力になる」
アンブローズ
「意図が世界を作り出す」
アンブローズ
「それをあなた達は知っている」
リュール
「今ある現実だけが、真実だろう」
リュール
「未来の可能性と、過去の可能性とでは」
リュール
「話が……」
リュール
噛み合わない。
リュール
強引な駆動を続けた脳が、過熱にほころびを見せ始めている。
アンブローズ
「すべては夢」
アンブローズ
「赤の王の夢とでも言おうか」
アンブローズ
「この世界は、“心の疵”でできている」
アンブローズ
「僕は、そう解釈しました」
リュール
胸元を掴んでいる。
リュール
呼吸が荒い。
ヲトメ
「……」
リュール
「……この、世界」
リュール
それでもどうにか、アンブローズの言葉を拾って、返す。
リュール
「そのものが?」
アンブローズ
「僕はずっと」
アンブローズ
「この世界について考えていた……」
アンブローズ
「どうすれば」
アンブローズ
「あなた達救世主を」
アンブローズ
「このどうしようもないゲームから降りさせられるのかを……」
リュール
「…………」
リュール
「どうして」
ヲトメ
*リュールの心の疵「エヴリーヌ」を舐めます
判定に使用するのは愛
クエスト「胞子侵蝕」にも挑戦
アンブローズ
いいでしょう。
アンブローズ
*横槍をします
[ アンブローズ ] HP : 7 → 6
アンブローズ
2d6+4>=7 判定 (2D6+4>=7) > 10[4,6]+4 > 14 > 成功
アンブローズ
1d6 (1D6) > 4
ヲトメ
*大きなティーセットを使用
[ ヲトメ ] 大きなティーセット : 1 → 0
ヲトメ
2d6+4+2-4>=7 愛(お茶会) (2D6+4+2-4>=7) > 6[5,1]+4+2-4 > 8 > 成功
アンブローズ
舐めは成功、クエストは失敗です
ヲトメ
「“どっち”かなんて……」
ヲトメ
「そんなこと」
ヲトメ
「どっちもなんて言わないわ、どっちかだけなんてことも言えないわ」
リュール
胸を押さえながら、ヲトメを見る。
ヲトメ
「あたしたちにできるのは、そのとき出逢ってしまった運命を愛してやることだけよ」
リュール
運命。
アンブローズ
「…………」
リュール
窓の隙間から差し込んだ光を思い出す。
ヲトメ
「その、希望や願い、祈りそのものを好きになってあげるほかないの」
リュール
木造りの粗末な小屋に、微笑んだ女の姿を。
ヲトメ
「もしくは、こっぴどくきらって、怒って、悲しんで……」
ヲトメ
「じぶんを痛めつけて、苦しんでやるいがいにないの」
リュール
同時に思い出す。
アンブローズ
「それは……」
ヲトメ
「あたし、あなたの夢でもかまわない」
ヲトメ
「誰の夢でもいい」
リュール
白亜の城を背に、花のように笑う女の姿を。
リュール
手を取ることのできなかった女のことを。
ヲトメ
「あたしができることはこんなにすくない」
ヲトメ
「けれど、いいの」
リュール
何もしてやれなかった。
リュール
そこに確かな愛のあることを知っていたのに。
リュール
愛を返してやることが、できなかった。
ヲトメ
「かえってくるものなんてなくていいの」
ヲトメ
「いいえ。かえってこないことこそが真実だって」
アンブローズ
「黙れ」
アンブローズ
「敗北者め……」
ヲトメ
「黙らない」
アンブローズ
「おまえたちは」
アンブローズ
「運命に手懐けられた、敗北者だ」
アンブローズ
「十万本のバラのなかから」
アンブローズ
「気まぐれに一本摘み取られて」
アンブローズ
「それで満足しているだけの……」
ヲトメ
「勝とうだなんて思ってない」
リュール
愛を違え、愛を咎められ、落伍の末に堕ちたこの世界で。
ヲトメ
「あなたと同じよ。アンブローズ」
ヲトメ
「愛することを、やめられないだけ」
アンブローズ
「僕は」
アンブローズ
「認めない」
アンブローズ
「この世界を……」
リュール
輝かしく光るおとめの姿を見ている。
リュール
選ばれずとも、叶えられずとも、愛を手放さぬ者の姿を。
アンブローズ
「この世界に、何の意味がある!」
ヲトメ
「意味なんてない!」
リュール
凛と通る声。
リュール
異常性と屍を積み上げて尚、誇り高きその姿。
ヲトメ
「意味なんてないの」
リュール
情愛を返せずとも、
リュール
好ましく思っていた。
ヲトメ
「ただ、どうしようもなく、ここにいるの」
リュール
……それは、ひどく不誠実なことだったけれど。
ヲトメ
「ただ、どうしようもなく、ここにあるの」
ヲトメ
「そうして、」
ヲトメ
ちょんとアンブローズの前に出でて。
ヲトメ
「反対側を、やめるだけなの」
アンブローズ
一歩後退る。
アンブローズ
「………………それで」
アンブローズ
「僕に近づいてみたつもりか」
ヲトメ
「あなたが離れるほど、あなたが見えるわ。アンブローズ」
ヲトメ
「まるで星のようよ」
リュール
いいや。
アンブローズ
うめき声。
リュール
星は君の方だ。
リュール
俺も彼も、
リュール
今は君の光に目を灼かれている。
ヲトメ
「さみしいなら、あたしをそばにおきなさい」
リュール
この世界に、星など輝きはしないはずなのに。
ヲトメ
「さいごまで見ててあげる」
リュール
アンブローズはそれを知らぬはずなのに。
アンブローズ
「ああ……」
リュール
それでも、なお。
アンブローズ
「ああ、そうかよ……」
アンブローズ
「なら……」
アンブローズ
拳で、背後にある培養槽のガラスを叩き割る。
アンブローズ
「地べたに堕ちろ!」
GM
青い嵐。
リュール
「っ」
リュール
「ヲトメ!」
クロノス
「!」
リュール
手を伸べ、庇いに出るが。
GM
胞子の群れが、ヲトメを──そしてその場にいる救世主たちをも巻き込む。
リュール
切り払う。
クロノス
手をかざす。
ヲトメ
青い吹雪にまかれる。
GM
その中心にいたヲトメの。
リュール
一際前に出たヲトメには、届かない。
GM
心が引き裂かれる。
GM
きたないものときよらかなものと。
ヲトメ
はんぶんもっていきなさい。
GM
かしこいものとおろかなものと。
ヲトメ
あら、はんぶんでいいの?
ヲトメ
そう。そっちのキノコにするのね。
ヲトメ
わかったわ、アンブローズ。
GM
ちょうど翼の半分をもぐように。
GM
そのいずれかが剥がされていく。
ヲトメ
ひきはがされてゆくあたしをみる。
ヲトメ
よかった、そっち側だけでもあの子のそばにいてやれて。
ヲトメ
きたないものも。
おろかなものも。
ヲトメ
もっておくにこしたことはないわね。
ヲトメ
そうして、音もなく地面に落ちる。
GM
そうして嵐はやんで、アンブローズはいなくなる。
リュール
「ヲトメ――」
リュール
駆け寄り、跪き、
ヲトメ
見た目にかわりはない。
リュール
手のひらで抱き上げる。
ヲトメ
けれど心のはんぶんだけがない。
クロノス
その様子を見ている。
ヲトメ
心の疵があるならわかる。
リュール
見下ろす。ヲトメの姿を。
リュール
半分を奪われ、持っていかれた、
ヲトメ
……。
リュール
けれど、ここにいてくれる乙女の姿。
ヲトメ
「……」
ヲトメ
目をぱちくり。
ヲトメ
「もう!」
ヲトメ
「リューク!」
ヲトメ
「あたしが泥だらけじゃない!」
リュール
「――あ」
リュール
「ああ――」
リュール
「すまない」
ヲトメ
「きれいにしてくれなきゃこまるわ!」
リュール
「…………」
リュール
「ふ」
リュール
「はは」
リュール
「そうだね」
リュール
「そうだ――」
リュール
マントを差し出して、
リュール
ヲトメのはだを丁寧に拭う。
クロノス
「あとで風呂に入らなきゃな」
ヲトメ
つーん!
リュール
「ああ」
リュール
「とっときの薔薇の紅茶を」
リュール
「探さないと」
リュール
「それと、はちみつ」
リュール
「そうだろう?」
リュール
「ヲトメ」
ヲトメ
「そうよ!」
ヲトメ
「はやくもってきてくれなきゃ」
ヲトメ
「あなたってなんのためにいるのかしら!」
ヲトメ
フフン!
リュール
「ああ――」
リュール
「まったく、不甲斐ないよ」
リュール
「こんな俺だけれど、ヲトメ」
リュール
「ひととき」
リュール
「俺のことを、許してくれるかい?」
ヲトメ
「しょうがないわね」
ヲトメ
「ゆるしてあげてもいいわよ」
リュール
「ありがとう」
リュール
「……ありがとう」
リュール
「マイ・フェア・レディ」
リュール
駄々を捏ね。俺に求めて。欲しがってみせる。
リュール
俺を貪欲に求めた女。
リュール
エヴリーヌ。
リュール
そちらに立てずとも、
リュール
あなたのことを、愛していたよ。
リュール
それは軽薄で不誠実な愛で、君のことを踏み躙り、
リュール
受け取ってもらえるはずのないものだったけれど。
リュール
けれど、きっと、愛していたんだ。
[ リュール ] エヴリーヌ : 0 → 1
GM
*配下を追加しました。
GM
やっぱ追風にしよ。

行動:クロノス

クロノス
*はい。上に行きます。
GM
はい。

♥A 尊厳破壊

 MP 8 目標値 PKの【愛】+7
 成功 窮鼠猫を噛む。PKの疵を1つ選んで悪化し、関係に手番PCが追加される。
 失敗 心身を徹底的に傷めつけられる。手番PCの心の疵からGMが1つ選んで悪化し、関係にPKが追加され、前科も2増加する。
 放置 隙をついて逃げ出すが、手番PCの心の疵からGMが1つ選んで悪化し、関係にPKが追加される。
GM
気がつけば。
GM
あなたはばらの庭園の中にいる。
GM
他の仲間はいない。
GM
ここがなんなのかあなたは知っている。
GM
山頂にある、アントワーヌの邸宅だ。
GM
屋敷の彼方にそびえる大樹。
クロノス
十万本のバラのひとつ。
GM
枯れ木だったはずのそれは、葉を茂らせて、屋敷の庭園に影を落としている。
クロノス
こいつは随分と丁寧に、花々を管理していたものだと。
アンブローズ
『ウィリアム父さん お歳をめして──』
アンブローズ
歌う声。
アンブローズ
『かみもとっくにまっ白だ。
 なのにがんこにさか立ちざんまい――
 そんなお歳でだいじょうぶ?』
アンブローズ
『わかい頃にはさかだちすると、
 脳みそはかいがこわかった。
 こわれる脳などないとわかったいまは、
 なんどもなんどもやらいでか!』
アンブローズ
庭園の白いテーブルで、イモムシの末裔が水パイプを吸っている。
クロノス
そのテーブルの前まで歩み寄る。
アンブローズ
微笑みを向ける。
クロノス
「随分ご機嫌になった」
クロノス
「ここがかれの愛した場所だから?」
アンブローズ
「ごきげんでない道化など、見るに耐えないでしょう」
クロノス
「まぁな」
アンブローズ
「それとも、大いに泣き腫らしたほうが、お好みですか?」
アンブローズ
「エ~~~ン」
アンブローズ
真顔。
クロノス
「別にどっちでもいいよ」
アンブローズ
そんな~。
クロノス
「大差ない」
クロノス
「そうやって道化をやっていることと」
クロノス
「泣くことは、裏表みたいなものだ」
アンブローズ
「ははあ」
クロノス
反対側のキノコ。
アンブローズ
「あなたがそうだから?」
クロノス
「そうかもな」
アンブローズ
「空々しいとお思いですか」
アンブローズ
「この僕が」
アンブローズ
「……この風景が」
クロノス
「前までなら」
クロノス
「躊躇わずそう言ってただろうな」
アンブローズ
「ほう」
クロノス
「でも、これも……」
クロノス
「今では愛せるよ」
アンブローズ
「ははは」
クロノス
「どんなに見た目だけでも……」
クロノス
「中身がおぞましくても」
クロノス
「あるいは、なんにもなくても」
クロノス
「そこにあるから」
アンブローズ
「…………」
アンブローズ
煙を吸って吐きかける。
アンブローズ
「そんなことを……」
アンブローズ
「聞きたいわけじゃない」
クロノス
「そう?」
アンブローズ
「末裔の想像するものって」
アンブローズ
「どれだけ束ねても」
アンブローズ
「なんだか平板でありきたりだ」
アンブローズ
「こんなものでは」
アンブローズ
「世界を救うにも」
アンブローズ
「世界を滅ぼすにも足りやしない」
クロノス
「まぁ」
クロノス
「コインがなくてはな」
アンブローズ
「そう」
アンブローズ
「どっちなんでしょうね」
アンブローズ
「コインがあるから想像力があるのか」
アンブローズ
「想像力があるからコインがあるのか……」
クロノス
「コインの力の中に」
クロノス
「想像力とか、頭の回転だとか、あるいは何かに気付く力だとか」
クロノス
「そういうものは含まれてるだろうな」
アンブローズ
「あの方の想像する世界は素晴らしかった」
アンブローズ
周囲を見渡すそぶり。
アンブローズ
「僕ができるのはその模倣だけ」
クロノス
「なぞっているわけか」
アンブローズ
「それすらもうまくはいっていない」
クロノス
「わからんではないな……」
アンブローズ
「そりゃどうも」
クロノス
「理想には遠く届かない」
クロノス
「手を伸ばしても星を辿れない」
クロノス
「せいぜい自分が指差した延長線上の、遠くに光るものをなぞって」
クロノス
「それで星を掴んだ気持ちになるだけ」
アンブローズ
「そして芋虫は芋虫のまま」
アンブローズ
「あの方が消えてしまえば」
アンブローズ
「もはや物語が記されることはない」
アンブローズ
「僕にはそれがどうしても耐えられなかった」
クロノス
「自分が世界の続きを描いても……」
クロノス
「それは自分の想像上のものでしかないからな」
クロノス
「あの人ならきっと、もっとすごいことをするのだろう、と思い」
クロノス
「けれど自分には想像もつかない」
アンブローズ
「そこには驚き(wonder)なんてありやしない」
アンブローズ
「はあ~」
アンブローズ
「これではお茶会ではなく、場末のパブの会話だ」
クロノス
「しょうがねぇだろ」
クロノス
「お茶会なんてハイソなもの、手が届かないんだから」
アンブローズ
「まあまあまあまあ」
アンブローズ
「そう卑下なさらずに!」
クロノス
「してないよ」
クロノス
「してない」
クロノス
「その話をしに来た」
アンブローズ
だってアイコンがめっちゃ下向いてるじゃないですか!
クロノス
うるせえな!
アンブローズ
「その話?」
クロノス
「つまり……」
クロノス
「理想には届かなくても」
クロノス
「それが間違いであるとわかってても」
クロノス
「過ちだったとしても」
クロノス
「それはそれで、もう仕方がなくて」
クロノス
「やっていくしかないってこと」
アンブローズ
「…………」
アンブローズ
「ヲトメさんと同じことを言うんですね」
クロノス
「似ちゃったのかな~」
アンブローズ
「僕は」
アンブローズ
「仕方ないとか、間違いとか」
アンブローズ
「そんなふうに言ってほしくはなかった」
アンブローズ
「僕や僕以外の誰かの言う事など、真に受けては欲しくはなかった」
アンブローズ
「だって……」
アンブローズ
あなたの手を取る。
アンブローズ
「全てをさらけ出してしまった今でさえ」
アンブローズ
「僕の目にあなたは美しく映っている」
クロノス
「…………」
アンブローズ
「あなたの力が必要なんだ」
アンブローズ
「この世界を完全なものにするには」
アンブローズ
「あなたによってもたらされる驚き(wonder)が必要なんだ……」
アンブローズ
あなたの手が開かれて。
アンブローズ
何かを握らされる。
GM
それは──筆?
GM
それとも──木炭?
GM
もしかしたら──タブレットペンシル?
GM
あなたが知っている道具。
クロノス
見ている。
GM
物語をつくるための、道具。
クロノス
ただの鉛筆。
クロノス
学校に入るときに買った、
クロノス
2Bの鉛筆。
アンブローズ
「真実を選ぶ必要はない」
アンブローズ
「真実をなぞる必要はない」
アンブローズ
「あなたが真実を作るんだ」
アンブローズ
「あなたの作る真実を……」
アンブローズ
「僕が、見たいんだ……」
GM
アンブローズ。
GM
いにしえのブリテン島を舞台とした、王の物語。
アンブローズ
「あなたが、王になるんだ」
GM
それに登場する、キングメーカーの魔法使い。
GM
アンブローズ・マーリン。
GM
それが彼の名前。
クロノス
*リュールの心の疵「魔女の呪い」を愛で舐めます。
クロノス
*同時にクエストに挑戦。
ヲトメ
*うさぎのおまもりをクロノスに譲渡します
[ ヲトメ ] うさぎのおまもり : 1 → 0
クロノス
*ティーセットを使用。
[ クロノス ] ティーセット : 1 → 0
アンブローズ
*横槍!
アンブローズ
2d6+4>=7 判定 (2D6+4>=7) > 9[5,4]+4 > 13 > 成功
アンブローズ
1d6 (1D6) > 6
[ アンブローズ ] HP : 6 → 5
クロノス
2d6+3+2-6>=7 愛(お茶会) (2D6+3+2-6>=7) > 7[6,1]+3+2-6 > 6 > 失敗
クロノス
*リュールの寵愛を使用。
[ クロノス ] リュールの寵愛 : 1 → 0
クロノス
*これで達成値10。
 愛での判定によりクエストの目標値が-1されており、成功です。
クロノス
「……」
クロノス
「もしあんたが俺だったら」
クロノス
「この世の苦しみ全てを亡くそうとする?」
アンブローズ
「…………」
クロノス
「たとえば」
クロノス
「愛する者を殺してしまったとして」
クロノス
「それをなかったことにしようと思う?」
クロノス
「たとえば……」
クロノス
「アントワーヌの復活とか」
アンブローズ
「………………」
GM
理想を映したようなばらの庭園。
GM
そのどこにも、あの救世主の姿はない。
クロノス
「描けなかった?」
アンブローズ
「……………………」
クロノス
「俺なら、もしかしたら描けるかもしれないね」
クロノス
「でも、それは」
クロノス
「きっとアントワーヌそのものではない」
クロノス
「……このゲームから俺たちを降りさせたかった」
クロノス
「あるいは」
クロノス
「アントワーヌが降りてほしかった」
アンブローズ
何も答えない。
アンブローズ
ただ、天を仰いだ。
クロノス
それを見ている。
クロノス
「悪いね」
クロノス
「どうにも、俺は」
クロノス
「ここから何も描き足すことができないらしい」
アンブローズ
「いいんだよ」
アンブローズ
「最初から、あの男のことは、どうにも気に食わなかった」
アンブローズ
「くだらない、一匹のイモムシでしかなかった僕を」
アンブローズ
「気まぐれに取り立ててみたりして」
アンブローズ
「僕のことなんて」
アンブローズ
「まるで見ていなくて」
アンブローズ
「ずっと遠くを見ていた」
アンブローズ
「本当に気に食わないのは」
アンブローズ
「それでも……」
アンブローズ
「たったそれだけでも」
アンブローズ
「嬉しかったということ……」
クロノス
「……うん」
アンブローズ
席から立つ。
アンブローズ
「だから僕は」
アンブローズ
「証明しなくてはいけないんだ」
アンブローズ
「あの人がどれだけ偉大で」
アンブローズ
「どれだけ強くて」
アンブローズ
「どれだけ素晴らしいかを」
アンブローズ
歩みだす。
クロノス
「そうだな」
アンブローズ
「その結果として」
アンブローズ
「この世界が救われようが」
アンブローズ
「この世界が滅ぼうが」
アンブローズ
「どうだっていい」
クロノス
「うん」
クロノス
「俺は」
クロノス
「あんたを愛してる」
クロノス
「そういう生き様の」
クロノス
「そういう選択をしたあんたを」
クロノス
「だから……」
クロノス
鉛筆を持った手を開く。
クロノス
滑り落ちていく。
クロノス
「あんたの希望を叶えない」
クロノス
「でも」
クロノス
「愛してるよ」
クロノス
「あんたが選択の結果、どれだけ周囲を敵に回しても」
クロノス
「俺たちを殺そうとしても」
クロノス
「よくないことをしたと言われても」
クロノス
「あるいは、自分で自分を責めても」
クロノス
「俺はあんたを愛してる」
アンブローズ
背を向けてよろめく。
アンブローズ
「ああ…………」
アンブローズ
「僕は」
アンブローズ
「順番を間違えた」
アンブローズ
「たったひとつ、間違えただけで」
アンブローズ
「真実(emeth)が」
アンブローズ
「死(death)になるとはね」
クロノス
「でも、しょうがねぇだろ」
クロノス
「そのとき出逢ってしまった運命を……」
クロノス
「愛することしかできないんだ」
アンブローズ
「ああ………………」
アンブローズ
「そうだ」
アンブローズ
「僕は」
アンブローズ
「運命の、奴隷………………」
アンブローズ
血を吐くように言った。
アンブローズ
「運命に僕は」
アンブローズ
「手懐けられ(apprivoiser)て」
アンブローズ
「それが唯一無二になった」
GM
アンブローズは消える。
GM
「止めてみろ」
GM
「おまえたちが」
GM
「まだ救世主なら」
GM
いつのまにか、仲間たちは、あなたのもとにいるだろう。
クロノス
「…………」
リュール
「……クロノス?」
ヲトメ
「?」
リュール
仲間たちがあなたを振り返っている。
クロノス
「ああ、うん」
クロノス
「大丈夫」
クロノス
「今、行くよ」
リュール
「……ああ」
リュール
「行こう」
ヲトメ
「はやくなさいな」
クロノス
「うん」
GM
亡者の気配。幸福の香り。
GM
それは屋敷の彼方の大樹のふもとにある。
クロノス
リュール。ヲトメ。
クロノス
あんたたちのことを愛してる。
クロノス
あんたたちのことも。
クロノス
あんたたちの選択を。
リュール
それが国を滅ぼす、間違った選択であっても?
クロノス
そうだよ。
クロノス
愛してる。
クロノス
そうしてここまで来たんだから。
ヲトメ
それが、親の死に目にお化粧をしていたおろかなむすめでも?
クロノス
うん。
クロノス
愛してる。
クロノス
そうして出逢ったんだから。
リュール
そうだなあ。
リュール
出会えてよかったと思っているんだ。
リュール
クロノスとも。ヲトメとも。
リュール
ニネットとも。
リュール
その出会いが、彼女を魔女に仕立て上げたのだとしても。
リュール
一生後悔してね、なんて呪いをかけられてさえ。
リュール
俺は彼女に出会えてよかった。
リュール
君たちに出会えてよかった。
リュール
だから、会いに行こうか。
リュール
アントワーヌと、アンブローズに。
[ リュール ] 魔女の呪い : 0 → 1
[ クロノス ] うさぎのおまもり : 0 → 1
[ 亡者 ] 疵:同胞 : 0 → -1
クロノス
*亡者の弱点を共有します。
リュール
*共有されました。
ヲトメ
*共有されました
GM
*胞子侵食の放置を処理しそこねていたので、誰かの心の疵を抉ってください。
[ クロノス ] 偶像 : 1 → 0
GM