GM
では
GM
Dead or AliCe『It Happens All The Time.』
GM
始めていきましょう。
GM
よろしくお願いします!
ダザック
よろしくお願いします
三ノ宮 炉
よろしくお願いします。
GM
 
GM
『拝啓、アリス。』
GM
『愛しいアリス。』
GM
『きみが目を醒ましてから100年の月日が流れました。』
GM
『ぶっちゃけ、この国はもう駄目です。』
GM
『兎は落下し、猫は干乾び、帽子は裂け、女王は壊れ、』
GM
『大いなる暴力と死が、堕落した国に降り注ぎます。』
GM
『残ったのは53枚のトランプのみ。』
GM
『猟奇と才覚、愛によって救われるこの世界で』
GM
『僕らは今も、新たなアリスを待ちわびています。』
GM
 
GM
それは救世主への招待状。
GM
選ばれたものへのみ届けられる招待状。
GM
踊るような、誘うようなその文面を読み終えた”あなた”の視界を、
GM
白い光がさらって、世界は覆る。
GM
 
GM
Dead or AliCe
『It Happens All The Time.』
GM
――それはよくあること。
GM
 
GM
GM
それまでのあなたが立っていたのはどんな場所だったか。
GM
不意に、砂を孕んだ風があなたの頬を叩く。
GM
顔を上げれば、荒れ果てた平野があなたの目の前に広がっていた。
GM
耳に遠く、遠く、唸るような音がする。
生命の息吹らしきものをまるで運ぶことのない、うら寂しい風の音。
GM
その真ん中にあなたはいる。
ダザック
「……こりゃどういうことだ
ダザック
俺はさっきまで普通に部屋にいたはずなんだが…」
GM
一面に広がる荒野。
GM
人間の手の入った建造物は見当たらない。
GM
あなたを囲う壁も天井もなく、
GM
代わりに吹きすさぶ砂と打ち捨てられた岩、空を覆う濁った雲。
ダザック
周囲を見渡し、一歩を踏み出す。 ざりざりとした砂の感覚。
ダザック
「……人の気配はないが、魔法かなんかで飛ばされたのか……?そういえばさっき変な封書を開けて中の手紙を読んだが…それが原因か?」
GM
あなたの類推に応える声はなかった。
乾いた砂を踏み締める感触。
嘲笑うように、その足元を小石が転がっていく。
GM
当てなく彷徨うあなたはしかし、
GM
呆然と視線を彷徨わせた中に、やがて、人影のようなものを発見する。
GM
痩せ細った枯木の根本に蹲るようにしている、黒い影。
GM
遠目には、人間。であるように見える。
ダザック
人影らしきものを目にした後、腰に差してあるショートソードに手を置くと、それをマントで隠す。
ダザック
(武器はあるか……さて……)
ダザック
その人影に警戒しながら近づいて、おい、と声をかけようとする。
少女
薄汚れた少女がそこに蹲っていた。
少女
声をかけられて、かすかに背を震わして、顔を上げる。
少女
「……あなた」
少女
「あなた、は……」
少女
血にまみれて、ぼろぼろの少女。
少女
光のない瞳があなたを見上げる。
少女
力なく、傷つけられ、困窮し果てた少女の姿。
少女
助けられるべき、救うべきものの、象徴のような。
ダザック
言葉は通じるようだ、と冷静に少女の姿を見下ろすと、その場にしゃがみこんで問いかける。
ダザック
「何があった。ここはどこだ」
ダザック
(傷がひどいが、手当するすべはないな…どうするか……
少女
虚ろな瞳の中に、あなたの姿が映り込み。
少女
やがて長い時間をかけて、焦点が結ばれた。
少女
「……ッう」
少女
「あああああああ!!!」
少女
絶叫。
少女
直後ぼろぼろの細い身体が、その傷では有り得ない速度に跳ね起きて、
少女
少女の掌にナイフが閃く。
少女
躊躇いのない一閃。
少女
あなたの喉へとそれが振るわれる。
ダザック
「なっ……!」
ダザック
見てくれからは想像もできない速度で襲い掛かられ、面食らった。それでも何とか反応すると、ショートソードを抜き放って防御態勢を取る。
少女
刃物と刃物がかち合い、火花が散る。
少女
鍔迫り合い。
少女
少女の矮躯に見合わない膂力が、ショートソードを握る腕に伝わる。
少女
「……っは」
少女
「はあ、はあ、はあ、……っ」
少女
汗を垂らし、涎を滴らせ、口角に泡を飛ばしながら、少女が叫ぶ。
少女
「――死んで」
ダザック
(こいつ……一体何なんだ…!)
少女
「死んで、死んで、死んで、死んで、死んで」
少女
「死んで、よ!!」
少女
振り上げられた足があなたの腹に食い込み、突き放す。
ダザック
「クソ……何だってんだ!おいやめろ!」
ダザック
「訳も分からず殺されてたまるか、クソが!」
三ノ宮 炉
「――そうね」
三ノ宮 炉
「良い意気ですわ、おじさま」
三ノ宮 炉
声に遅れて、赤い蝶が空を裂いた。
三ノ宮 炉
その蝶はダザックの顔の横を通り抜け、
三ノ宮 炉
少女の顔面へと飛びかかる。
少女
「っ!?」
少女
眩い蝶に視界を晦まされ、たたらを踏む。
三ノ宮 炉
その隙に紅い蝶はいくつも分かたれて群れとなり、
三ノ宮 炉
ガドックの隣に集まり形をなした。
三ノ宮 炉
黒い少女が荒野に立つ。
三ノ宮 炉
この荒野には不似合いな軽装で、
三ノ宮 炉
それを恥じる気配もなく堂々と。
三ノ宮 炉
その指先に一匹、紅い蝶を止まらせながら。
三ノ宮 炉
「助力は必要でしょうか?」
三ノ宮 炉
傷ついた少女を隙なく睨み据えながら、ダザックへと問う。
ダザック
突如現れた少女に面食らって目を瞬かせるが、すぐに睨みつける。
ダザック
「次から次へと何なんだ、まるで意味が分からん。助力だと?いるかそんなもの」
ダザック
「邪魔するつもりなら……」そう言いかけて少女を見ると、どこかで見たことのある服だったので一瞬止まる。しかし首を振って先程襲い掛かって来た女を見据える。
ダザック
「話はあとだ」
三ノ宮 炉
「あら」
三ノ宮 炉
「一人で十分と? 確かにその娘、手負いですけれど」
三ノ宮 炉
「でも」
三ノ宮 炉
「救世主ですよ」
少女
言葉の意味を問うより先に、少女のナイフがダザックへと振るわれる。
少女
かち合う一撃、腕に響く振動。
信じがたいことと思いながら、あなたは確信する。
少女
この少女の振るう暴力は。
少女
あなたの腕力を、容易く上回る。
ダザック
(なんなんだ、このふざけた力は……腕がしびれる、クソ……だがやりようは…)
ダザック
ナイフをショートソードで受け止めると、一瞬力を抜き、剣の腹で相手の刃を滑らせ受け流すと、すれ違いざまに蹴りを見舞う。
ダザック
(少しは効いてるのか…?
少女
手応えはある。
か弱い少女の身体を打ち据えるに十分な衝撃が加えられたはずであった。
少女
しかし、倒れない。
少女
しゃにむに叫んだ少女が振り回したナイフが、あなたの頬を掠め。
少女
あと数センチのズレで、その一撃が首を刎ねていただろうことを、実感する。
ダザック
剣を持つ手で頬をなで血を拭う。
ダザック
(こいつのタフさは何だ、ただの女ではないことは確かだが……殺すしかないのか…
ダザック
改めて剣を構え、相手を見据える。次は蹴りではなく、剣を振りぬくつもりだ
少女
漲る殺意が目の前の少女を衝き動かしている。
少女
俊敏な身のこなし、でたらめな膂力と耐久性。
殺す気で向かえばいつでも、とは言えないだろうことを、
少女
これまでの交錯であなたは既に察していた。
三ノ宮 炉
紅い蝶が舞う。
三ノ宮 炉
「さて」
三ノ宮 炉
「もう一度、訊いて差し上げましょう。
 おじさま」
三ノ宮 炉
凛とした少女の声が問う。
三ノ宮 炉
「助力は必要でしょうか?」
ダザック
その声に舌打ちを響かせ、横目で少女を見る。
ダザック
「……頼む
三ノ宮 炉
「ふふ」
三ノ宮 炉
「好きですよ。素直な方が」
三ノ宮 炉
「では――」
三ノ宮 炉
指先に紅い蝶を纏わせながら、改めて眼前の狂った少女を睨み据える。
ダザック
「だが気を付けろ、普通じゃないぞ」
三ノ宮 炉
「ええ」
三ノ宮 炉
「分かっていますとも」
三ノ宮 炉
「これから行わるることの意味も、私は」
三ノ宮 炉
「十分に理解していますもの」
三ノ宮 炉
「……そう」
三ノ宮 炉
「裁判開廷と参りましょう!」
GM
*裁判開廷!
GM
発狂した少女のキャラクターシートを開示します。
 
GM
*HPは半分からのスタート。
 心の疵は両方抉れ、発狂しています。
GM
1. 陣営の確認
2つ以上の陣営に分かれて戦います。裁判に参加するキャラクター、および陣営を確認しましょう。
GM
*RPの流れで既に決定しているので省いちゃいましょうね。
 ダザック・炉VS少女です。
GM
2. シートの準備
3. 山札の配置
こちらは双方既に済んでいます。
GM
4. 一部技能や小道具の使用
これも今使うタイミングのものは存在しないのでスキップ。
GM
5. 行動順の決定
裁判の参加者は〔1D6+【才覚】〕で「先制値」を決定します。先制値の高いキャラクターから順に行動順が割り振られます。

先制値が同じキャラクターがいる場合、そのキャラクター同士で再び先制値決定を行い、高いほうが先の行動順となります。全員の行動順が一意に定まるまで、この操作を繰り返してください。
GM
*ダザックと炉は1D6+3。
 少女は1D6を振り、先制値を決定してください。
三ノ宮 炉
1d6+3 (1D6+3) > 6[6]+3 > 9
少女
1d6 (1D6) > 6
ダザック
1D6+3 (1D6+3) > 5[5]+3 > 8
GM
*炉>ダザック>少女 で行動順が決定されました。
GM
◆ラウンド1
GM
② ラウンド開始(手札の補充)
GM
*行動順と同じ順番で手札を引いていきます。
 まずは炉から。
三ノ宮 炉
ダザック
少女
GM
*全員が手札を引いたので、手番を回していきます。
GM
*ラウンド1
 行動:炉
三ノ宮 炉
*補助動作 s3鋭気
三ノ宮 炉
*主動作 s5暗器
三ノ宮 炉
2d6+3+1+1=>7 判定(+才覚)(+多彩な凶器)(+万能) (2D6+3+1+1>=7) > 4[3,1]+3+1+1 > 9 > 成功
三ノ宮 炉
*ダメージは威力3+鋭気3+発狂1。
三ノ宮 炉
c(3+3+1) c(3+3+1) > 7
三ノ宮 炉
Choice[《封印》,《猛毒》,《指切り》,《衰弱》] (choice[《封印》,《猛毒》,《指切り》,《衰弱》]) > 《封印》
GM
*少女に7点のダメージと2Rの封印。

[ 少女 ] HP : 9 → 2

[ 少女 ] 封印:1R炉 : 0 → 2

三ノ宮 炉
*行動は以上です。
 使った札は捨てます。捨て札置き場へと。
GM
*ラウンド1
 行動:ダザック
ダザック
*主動作 c5必衰
GM
*そういえば本来対象の宣言が必要なのでした。すみません。
 まあ今回は少女以外にやらない気がするのでそのままどうぞ。
ダザック
2d6+3+1+1=>7 判定(+才覚)+多彩な凶器)(+万能)
ダザック
2d6+3+1+1=>7 判定(+才覚)(+多彩な凶器)(+万能) (2D6+3+1+1>=7) > 12[6,6]+3+1+1 > 17 > 成功
GM
スペシャル!
GM
*裁判中のスペシャル
GM
PCが裁判中の判定でスペシャルを起こした場合、即座にPCのHPを1D6点回復します。
GM
*今のHPが満タンなので特に何もないらしいですが、スペシャルはスペシャルで、絶対成功で、すごいです。
GM
*ダザックさんは威力が3点で、ここに少女が発狂しているため被ダメ+1が入り
GM
c(3+1) c(3+1) > 4
少女
*4点受けます

[ 少女 ] HP : 2 → 0

GM
*HP0! 判決表!
少女
2d6+1-0 判決表 (2D6+1-0) > 5[4,1]+1-0 > 6
GM
6~8 ランダムな能力値で判定し、成功すればHPを1点回復して立ち上がる。失敗すれば〈昏倒〉する。
少女
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
少女
2d6+3=>7 判定(+猟奇) (2D6+3>=7) > 4[1,3]+3 > 7 > 成功
少女
*HPを1点回復して立ち上がります。

[ 少女 ] HP : 0 → 1

[ 少女 ] 前科 : 0 → 1

GM
*ラウンド1
 行動:少女
少女
*補助動作 封印中につきcQを鋭気として使用
少女
*忘れてた 必衰の衰弱も受けます

[ 少女 ] 衰弱:1Rダザック : 0 → 2

少女
*主動作 d5兇刃>ダザック
ダザック
*割り込みします sJ妨害>h3精確
GM
*では精確のダイスからどうぞ。
ダザック
1D6 (1D6) > 5
GM
*では次の判定に+5をしていただき、妨害の判定を!
ダザック
2D6+3+1+1+5 (2D6+3+1+1+5) > 11[6,5]+3+1+1+5 > 21
GM
*達成値21。え? スペシャル前提?
少女
*目標値21で振ります
少女
2d6+3=>21 判定(+猟奇) (2D6+3>=21) > 9[6,3]+3 > 12 > 失敗
少女
*兇刃の判定は失敗。
三ノ宮 炉
*判定失敗にdJ間隙で割り込みます。
三ノ宮 炉
*誰かの判定失敗後に割り込み。【才覚】点のダメージを与える。その判定の目標値が自身の技能によって変更されたものなら、ダメージが〔威力〕点増加する。
三ノ宮 炉
c(3+2+1) 才覚+衰弱+発狂 c(3+2+1) > 6

[ 少女 ] HP : 1 → 0

GM
*HP0! 判決表!
少女
2d6+1-1 判決表 (2D6+1-1) > 9[3,6]+1-1 > 9
GM
*9~11 HPを1点回復して立ち上がる。

[ 少女 ] HP : 0 → 1

[ 少女 ] 前科 : 1 → 2

GM
*ラウンド1が終了します。
GM
全員が手番を終了したら、ラウンド終了です。
裁判の参加者は行動順に、手札のカードを好きなだけ選んで捨ててください。1枚も選ばなくても構いません。
その後「② ラウンド開始」に戻ります。
三ノ宮 炉
*cK捨てます
ダザック
*捨てなしです
少女
*sK,sA捨て
GM
◆ラウンド2 手札引き
三ノ宮 炉
ダザック
少女
GM
*ラウンド2
 行動:炉
三ノ宮 炉
*s7暗器>少女
三ノ宮 炉
2d6+3+1+1=>7 判定(+才覚)(+多彩な凶器)(+万能) (2D6+3+1+1>=7) > 6[5,1]+3+1+1 > 11 > 成功
三ノ宮 炉
c(3+2+1) 威力 衰弱 発狂 c(3+2+1) > 6
三ノ宮 炉
Choice[《封印》,《猛毒》,《指切り》,《衰弱》] (choice[《封印》,《猛毒》,《指切り》,《衰弱》]) > 《衰弱》
GM
*そういえば炉の行動前に少女の封印も減ってますね

[ 少女 ] 封印:1R炉 : 2 → 1

[ 少女 ] 衰弱:2R炉 : 2 → 2

[ 少女 ] HP : 1 → 0

GM
*HP0! 判決表!
少女
2d6+1-2 判決表 (2D6+1-2) > 6[5,1]+1-2 > 5
GM
3~5 〈昏倒〉する。
GM
*裁判終了!
GM
荒野に打ち交わされる剣戟。
GM
その狭間に奔る紅い蝶が、少女への致命打となった。
GM
三度目にして”判決”が下り、
少女
乾いた砂の上に、少女が膝をつく。
少女
最早立ち上がる余力はない。
少女
肉を焼かれ、皮膚を裂かれ、震えながら蹲る少女の姿。
ダザック
大きく一つ息を吐く。もうこれ以上動くこともないだろう…と剣を下ろした。
ダザック
「終わったのか…?」
ダザック
蹲る少女を見下ろす
三ノ宮 炉
「……ええ」
三ノ宮 炉
「終わらせましょう」
三ノ宮 炉
答えて、蝶を放った。
ダザック
「待て、動けないならもう…」
三ノ宮 炉
制止の間もなく。
三ノ宮 炉
炎を纏った赤い蝶が少女へととりついて、
三ノ宮 炉
その身体を焼き尽くす。
少女
「――っあ」
少女
「ああ、あ」
ダザック
「……!」
少女
「ああああ……ッ!」
少女
「あつい」
少女
「あついあついあつい、いや、いやあ!」
少女
「ごめ、」
少女
「ごめんなさい」
少女
「やだ」
少女
「やめて!」
少女
「あつい、いや、ころさないで」
少女
「たすけ、て」
少女
「いや、いやあ――」
少女
炎に包まれ、悲鳴をあげ、地をのたうつ少女を。
三ノ宮 炉
見下ろしている。
ダザック
肉の灼けるにおいに顔をしかめる。もうこうなってしまっては手遅れだ。消したところで苦しめるだけだろう
ダザック
「……チッ……」と舌打ちを漏らす
少女
「ぁ」
少女
「あ、ああ、ぁ――」
少女
「おかあ」
少女
「さ、ん」
少女
呼ぶ声を最後に。
少女
悲鳴が途切れ、黒い塊が地に伏せる。
三ノ宮 炉
それを最後まで見届けてから、
三ノ宮 炉
男を振り返る。
三ノ宮 炉
「良かったですね」
三ノ宮 炉
「これで、あなたも私も」
三ノ宮 炉
「30日の猶予を得ることとなりました」
ダザック
「どういうことだ、まるで要領を得ない。いったいここはどこで、あんたは何者だ?この女はなんだったんだ」
ダザック
「……いや、先に礼を言うべきか。助かった」
三ノ宮 炉
目を瞬き。
三ノ宮 炉
「……どういたしまして」
三ノ宮 炉
「そして、おいでませ。”救世主さま”」
三ノ宮 炉
「この世界は堕落の国」
三ノ宮 炉
「我々救世主に、30日に1度の殺し合いを強要する」
三ノ宮 炉
「狂った世界でございます」
ダザック
「……さっきも言っていたが、救世主…?てのはどういうことだ?俺はそんなものになった覚えはないぞ」
三ノ宮 炉
「奇遇ですね。私もです」
三ノ宮 炉
「でも、残念ながら私達、そうみたいなんです」
三ノ宮 炉
乾いた風に髪を靡かせながら。
ダザック
「なんだそりゃ……悪い冗談だ」
三ノ宮 炉
「冗談みたいなお話を」
三ノ宮 炉
「山ほど聞かせてあげられますよ」
三ノ宮 炉
「……ふふ」
三ノ宮 炉
「聞かせてほしいですか? おじさま」
ダザック
「……あまり聞きたくはないが……今は情報が欲しいな」
三ノ宮 炉
「では、教えて差し上げましょう」
三ノ宮 炉
「この狂った”堕落の国”のこと」
三ノ宮 炉
「そこに息づく”末裔”と”亡者”のこと」
三ノ宮 炉
「そして」
三ノ宮 炉
「招かれた私達、”救世主”のことを」
GM
三ノ宮 炉
あなたがた二人は荒野をゆく。
三ノ宮 炉
何処に向かうのか、と問われれば、
三ノ宮 炉
「この先に末裔たちの村が」
三ノ宮 炉
と、少女は答えた。
三ノ宮 炉
乾いた荒野をゆく、果てのない道のり。
最低限の旅支度のできている自分にさえ過酷に思われ、
軽装の少女の細い脚ではそれが尚更と思われたが。
三ノ宮 炉
不思議と自分の身体には、なかなか疲れが訪れず。
目の前の少女も似たようなものであるようだった。
三ノ宮 炉
そのさなかに、少女はこの世界について語る。
三ノ宮 炉
堕落の国。
かつて訪れた救世主――アリスが去り、荒廃した世界。
三ノ宮 炉
救いを求め、異世界より救世主を呼ぶ仕組み。
招待状。6ペンスコインとそれによってもたらされる、
「心の疵」からなる奇跡の力。
三ノ宮 炉
奇跡の力を持つ救世主に助けを求めるしかない無力な末裔たちのこと。
その末裔を脅かし、救世主すら殺してみせる、亡者なる化け物のこと。
三ノ宮 炉
そして、先程伝えた30日ルールのこと。
三ノ宮 炉
「”責務”だと言うのです」
三ノ宮 炉
「30日に1度の殺し合いが」
三ノ宮 炉
「この世界に招かれた、私達”救世主”の」
ダザック
炉が語る、荒唐無稽とも思える事柄に耳を傾けながら、先を行く少女のあとを追う。
ダザック
「身勝手な話だな。ここから出る術はあるのか?」
三ノ宮 炉
「寡聞にして聞きませんね」
三ノ宮 炉
「実のところ」
三ノ宮 炉
「私もこの世界に落ちてひと月かそこらですので……」
三ノ宮 炉
「”裁判”で、救世主を殺したのは」
三ノ宮 炉
「あれが初めてでは、ありませんが」
ダザック
「……そうか」
はじめてではない、と語る言葉に一言だけ返す。
ダザック
責められるものではない、「仕組み」を聞いた後では猶更に。
三ノ宮 炉
「……あの救世主も」
三ノ宮 炉
「きっと、刻限が迫っていたのでしょうね」
三ノ宮 炉
「だからあんなにも必死になっていた」
三ノ宮 炉
「誰か救世主を殺さなければ」
三ノ宮 炉
「自分が亡者になってしまうと、知っていたから」
ダザック
「殺した相手のことを、考えるもんじゃない」
三ノ宮 炉
「……ふふ」
三ノ宮 炉
「そうですね」
三ノ宮 炉
「含蓄のあるお言葉」
三ノ宮 炉
「頼りになりますわ」
三ノ宮 炉
「その調子では、あなた、おじさま」
三ノ宮 炉
「なかなか、”救世主”としてうまくやっていかれそう」
三ノ宮 炉
「ああ――そうでした」
三ノ宮 炉
「私はイロリ。三ノ宮炉と申します」
三ノ宮 炉
「……おじさま」
三ノ宮 炉
「お名前をうかがっても?」
ダザック
「そのおじさまっていうのやめてくれ。すげえ歳くった気分になる」
ダザック
「俺はダザックだ。よろしく頼む」
三ノ宮 炉
「では、ダザック様と」
ダザック
「様もいらん」
三ノ宮 炉
「あら」
三ノ宮 炉
「年上の殿方には敬意を払うよう、教えられてまいりましたわ」
ダザック
「ずいぶんいい育て方されたもんだ。まあなんでもいい、好きなように」
三ノ宮 炉
「……ええ」
三ノ宮 炉
「丹念に育てられましたの」
三ノ宮 炉
笑って。
三ノ宮 炉
「……見えてまいりましたね」
三ノ宮 炉
「村が」
三ノ宮 炉
「あそこには、末裔の方々が多くいらっしゃいます。
 ……きっと」
三ノ宮 炉
「この世界の事を、より深くご理解いただけることと思いますよ」
三ノ宮 炉
そう言った視線の先に。
GM
古びてぼろぼろの建物がぽつぽつと偏在する、
見窄らしい、それでもどうやら集落めいたものが見て取れた。
GM
救いを求めている。
GM
誰かが救ってくれるのを、待っている。
GM
そのように思わされてならない、荒廃した村が。
ダザック
炉が見やった先を同じように眺める。そうして空を見上げてはぁ、と大きくため息を吐いた。
ダザック
「……いい旅になりそうだ、まったく」