GM
それでは、Dead or AliCe「Drop out」
プロローグ
GM
命をなくした肉塊が、音もなく左右に振れている。
宿木ルカ
昨夜彼女が暴れて投げつけた何もかもが、そこかしこに散乱している。
宿木ルカ
それらが、今この状況が現実であるということを痛いほどに知らしめてくる。
宿木ルカ
「僕が、僕になろうとしたことも。それでも、お母さんと一緒にいたいと思ったことも」
宿木ルカ
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
宿木ルカ
我慢が、できなくて。いい子のルナじゃなくて。生きてて。
GM
誰から手渡されたはずもない、一枚の便箋が握られていた。
GM
荒れたこの部屋には似つかわしくない、西洋風の手紙。
宿木ルカ
そうしなければいけないと、誰かに言われているようで。
GM
中には白いレースの便箋と、古びた10枚の銀貨が入っている。
GM
便箋にはおとぎ話のようなフレーズが並んでいた。
GM
『拝啓、アリス。
愛しいアリス。
きみが目を醒ましてから100年の月日が流れました。
ぶっちゃけ、この国はもう駄目です。
兎は落下し、猫は干乾び、帽子は裂け、女王は壊れ、
大いなる暴力と死が、堕落した国に降り注ぎます。
残ったのは53枚のトランプのみ。
猟奇と才覚、愛によって救われるこの世界で
僕らは今も、新たなアリスを待ちわびています。』
GM
Dead or AliCe
『Drop out』
アウレア
仲間を狙った化け物の一撃を受け止めて、女がその場に足を踏みしめる。
アウレア
「私よりも、イェルクとネロが立っている方が大事」
人食い亡者
あなたたちの目の前に立ちはだかるのは、人食いの亡者。
人食い亡者
救世主、末裔、お構いなしに命を喰らうてきた化け物だった。
ネロ
魔法の力を集め、練り上げ、女の傷を癒す。しかしそれでどうにかなるだろうか?
ネロ
盾役を務める彼女は限界に近い。自分は彼女と同じ愛を司るものだが、彼女ほどの頑強さはない。
GM
既に女は何度も致命に至りかねない一撃を受けている。
ネロ
もう一人の男も主な仕事は妨害。自分達は明らかに決定力に欠けている。
イェルク
すでに亡いはずの生命を絶つには届かない。
ネロ
妖精の中の才覚が、どうしようもなく理解する。このままでは、自分達は喰われるであろうことを。
ネロ
「一旦逃げることを考えましょう。アウレア、君はとにかく下がりなさい!」
ネロ
逃げられるかは別として、彼女をこれ以上立たせておくのは不可能だ。
イェルク
この中で最も才覚ある男が、まずそのことに気付いた。
人食い亡者
目の前の化け物の意識は今は自分たちではなく、別の方へと向けられている。
人食い亡者
――この世界に降り立ったばかりの、招待状を手に立ち尽くす少年へと!
イェルク
女に牙を突き立てた亡者へとナイフが降り注ぐ。
人食い亡者
肉を穿たれて、亡者がその場にたたらを踏み。
アウレア
一方で炎を纏うた女は、少年を抱いたままに地に倒れ伏す。
宿木ルカ
この女性を知らない。この炎を知らない。守られるほどの価値なんて、ひとつもないというのに―
アウレア
体温とは異なる苛烈な熱が、少年の軀を襲う。
ネロ
なけなしの魔法の力では、守護も癒しも十全ではなく。
イェルク
人食い亡者の牙を打ち払った青年が、倒れ臥したアウレアを振り返って目を見開く。
イェルク
アウレアと、何よりルカの反応にこそ、何かを悟ったように瞠目した。
アウレア
女を灼くその炎すら、今は苛烈さを増すばかりで。
アウレア
苦痛に苛まれるあなたの耳に、女の声が届く。
宿木ルカ
当たり前のはずなのに、どうしてこんなにも辛いんだろう。
イェルク
女の意図を悟ってか、何がしか叫びかけた男の口が。
GM
お茶会に突入する前に、今回のMODについて説明しましょう。
GM
お茶会MOD「PK追加行動」
・PKの通常手番4回
・PKからの横槍不可
GM
PKの行動回数を増やす代わりに、PCの行動に横槍が入らなくなるMODです。