Epilogue final.鏡月 奏(PC1)


【GM】 じゃあ、休日の清陵学園でどうでしょうかね。その屋上とかそれっぽい場所で同窓会。

【鏡月 奏】 …むしろ部室はどうでしょう。夕方、誰もいなくなった教室の中。

【檻姫 大輔】 「――今の生活に比べりゃ楽しかったけどなぁ」うーん。

【黒井 依理】 「全く。どこに行ったんだい、そーちゃん」と、虚空へと呟きます。肩を竦めて。
「『楽園』が終わっても、繋がってるんだって信じていたんだろう。……君がいなくては、繋がるも何もない」

【室戸 健司】 「……僕等は奏が望んだ通りに、まだ繋がってるっていうのにねえ」どこか哀しげな色を浮かべて、肩を竦める。
「一人で、いや、二人で。どこに行っちゃったんだろうな」

【諸星 真琴】 「そう、だよね……月読様、死んだって決まった訳じゃ……」

【檻姫 大輔】 「……うん、まぁ、そこは、気になるよな……」はあ、と奏の顔を思い浮かべる。
「……一瞬で消えちゃったけど、アレどうなったんだろうな……」

【黒井 依理】 「分からないね。……彼女の奥義は、最後まで見切れなかった」肩を竦めて、部室を見回しますよ。
なんとなく、見つけたスティックを手に取りましょうか。自分のものじゃないけれど。

【室戸 健司】 「僕もさ。……何をしたのかと思った、本当に」
ギターケースも背負っていないし、手に取るようなものは何もない。置いてあるままの楽器を、眺めるだけ。

【鏡月 奏】 では、檻姫の頭の上から、手帳が落ちてきます。…檻姫は頭にべっとりと赤い血糊が付着しますよ。

【檻姫 大輔】 !?「ぶへっ」血糊が付着。
「………、……キェェアァァァァァアアアアアアなんじゃこりゃあっぁぁぁぁぁああぁぁああ!?!?」
マ○ドのCMの子供並みに叫びますよ(←)。

【諸星 真琴】 なるべく思い出したくない記憶に、顔をしかめながら。
「……実はボク、少なくとも一度あの技を受けているんですよぅ……」
「あの中……生きて出られただけめっけものなんだt……檻姫センパイ?」

【室戸 健司】 「Σ!?;」
むしろその大輔の声の方に驚いた。その頭にべっとりと赤いものがついているのを見れば、
「……どうした!?」ばっと、忍びの本性を現しつつ周囲を警戒する。

【黒井 依理】 スティックをくるり回しつつ、やれやれ、と檻姫を振り返って。
「平常心だよ、大輔くん。驚くのは分かるけど」と、大輔をびしっとスティックで指す。それから。
「……手帳?」なんだこれ、とな。床に落ちた手帳を拾い上げようか。

【鏡月 奏】 ボロボロで、血に塗れた…奏が愛用していた手帳が部室の床に転がっています。
開いたページから何か、走り書きがされているのが見えますよ。

【黒井 依理】 「……そーちゃんの?」
ぽつり、零しつつ、開いたページを覗き込みましょうか。何が書かれているの。

【檻姫 大輔】 「いやいやいや、いやいやいやおかしいだろ何これ……」血糊を見ながらがたがたがた、と震えている。
「これ俺のじゃねえよ……く、くせものじゃー、くせものじゃー!?;」(……)

【諸星 真琴】 「落ち着くですよぅ!セーラー服姿でわざとらしくアパート出入りしやりますよぅ?」変な噂が立ちそうだね!

【檻姫 大輔】 「や、やめろぉぉおおっ、テメーは噂メイカーか!?流言の術でも覚えてんのか!?;」

【室戸 健司】 「落ち着け、って言ってるのが聞こえないのか?」
まあ無理もないが。そんな苦言を大輔へ漏らしてから、依理の呟きを聞いて。
「……奏の?……奏、奏?」部室の天井や扉に向けて、名前を呼びかけてみる。

【檻姫 大輔】 「あ、す、すんません」う、と椅子に座って硬直。
「……奏の?」シリアス雰囲気を出すも、頭の血糊で台なし。

【諸星 真琴】 「奏ちゃん……という事は、月読様もかな?」

【鏡月 奏】 やはり血で汚れたページに、走り書きがされています。
『みんなへ』

【黒井 依理】 「……『みんなへ』って。書いてある」呟いて、そのまま読み進めますよ。じっと真剣な顔。

【鏡月 奏】 天井にも扉にも、痕跡はなく、帰ってくる答えもありません。
『みんなへ   ごめんね。勝手なことをして。最後まで、迷惑をかけちゃって、ごめんね』

【室戸 健司】 「…………」反応が無いのを見れば、他の面々と同じように、手帳を読み上げる依理へ視線を向ける。

【黒井 依理】 そのまま読み上げます。彼女の伝えようとしているそれを、せめて皆へと届けようと。

【鏡月 奏】 『月読と、ずっと一緒にいるって約束をしたから。私…もう、離れたくなかった。だけど、このままいたら、どの道、月読は……』
『だから、こうすることにしたの。健司君や檻姫君、依理ちゃんは…解らないけど。忍務、あったのに。私の勝手で、ごめんね』
『真琴さんも。月読を連れて行っちゃって、ごめんね』

【黒井 依理】 離れたくなかった、と、その意味を悟って、一度そこで言葉を詰まらせますよ。けれど止めるわけにもいかず。ただ、続ける。

【室戸 健司】 「…………」読み上げる依理の声を聞きながら、何も言えない。
奏がああしなければ、きっと自分は彼女が危惧した通りの結末へ、躊躇の有無はともかく繋げただろうから。

【諸星 真琴】 「……そか」依理……いや、奏の言葉にぽつり、零れる言葉。
「月読様は、もう……ボクの手の届かない所に……」項垂れます。表情は、髪に隠れてよく見えない。

【鏡月 奏】 この辺から、血で汚れて読み辛くなっています。
『時間が いから、 別れも言えな けど。これがみんなに届いて  る わからないけ 。でも 最 かもしれないから、みん が見てく ると 信じ るね』
それから、まるで必死にその部分だけ庇ったかのように綺麗な字で。


『ありがとう。皆と会えて、良かったよ』


【黒井 依理】 読み終わりますよ。唇を噛んで、眉根を寄せます。
「これで、終わりだ。……これ、で、もう」と、そこで再び言葉が詰まる。

【檻姫 大輔】 「……一体、どこに行っちまったんだ……?」
読み上げられるメモを聞きながら。
「なんか、修羅場にでも行ったみてぇだ。……俺にはわかりかねるな……」

【室戸 健司】 「……『楽園』、かもしれないな」視線は誰にも向いていない。床を見下ろしたまま、大輔の言葉に応じて。

【諸星 真琴】 「……冗談じゃねーですよぅ……そーちゃんの……この、ドロボー……」
「月読様の……心も……ぜーんぶ盗んじゃって……!」ぐすぐすと泣きながら。

【黒井 依理】 ぺらぺら、他に何かないかと探してページをめくって、唐突にすとん、その場に座り込みますよ。読み上げる口が、動かない。

【檻姫 大輔】 「…お、おい依理ちゃん?」座り込んだ依理の方へ寄っていって。

【室戸 健司】 「……少なくとも、月読は比良坂、それに鞍馬にとっては秘法を奪った張本人。追っ手のかかるよりは、って――」
依理の座り込む音、大輔の走る音。顔を上げて。
「……どうした?」

【黒井 依理】 寄ってきた大輔を見上げますよ、何も言わずに、見つけたそのページを示す。

【檻姫 大輔】 示されたページを凝視して。「……んん?;なんだ読みにくいな……」
読みにくい文字を解読しながら読み上げます。

【鏡月 奏】 最後のページの裏。血の染みで解り辛いですが、こう書いてあります。
『PS       あ、何とか生きてるよ。今は無理だけどまた会おうね!  奏&カオル』


【鏡月 奏】 月読は生存で。「生きて、一緒に逃げ続けよう」と、月読の手をとります。


【諸星 真琴】 大輔の言葉を聞き、「……檻姫センパイ、それって……月読様……い、生きてる、の……?」

【室戸 健司】 切れ切れの大輔の言葉を、最後まで聞き届けてから。「……なんだよ、」震える声で、絞り出すように。
「……もっと早くに書いておけよ、心配かけて……!」

【檻姫 大輔】 「……あぁ、これ読む限りは生きてるらしいな?」んー、と体を起こして。
「……そっかー、生きてるなら、まぁ心配は……まぁいるけど、いらねえな」うん、とうなずいて。

【黒井 依理】 座り込んだまま口元を覆いますよ。声も出ない。

【水波カオル】 ん、よし。じゃあ、真琴の背後辺りに……空間切り裂いてスッと出てきましょう。幽霊ジャナイヨ。

【黒井 依理】 「……、っ」いやいやいくらなんでも、っていう。カオルの姿を認めて、息を呑みます。
ということは、と、連想するひとつの事実にも。

【鏡月 奏】 「…………普通に出ればいいのに;」呆れたような声と共に、部室の扉が開きます。

【諸星 真琴】 未だ涙が止まらず、背後の気配に気付くのに一瞬遅れて。
「え……え……?」そしてこちらも振り返り。

【檻姫 大輔】 「……あ?」カオルの姿を見て、「…は?」奏の姿を見て。
「……あ、あれ?あれ!?;」えっ、えっ、と。

【黒井 依理】 扉を振り返りますよ、座り込んだままですが。
奏を見て、「……そー、ちゃ……!」目の端からぽろり、落ちるのは水滴だ。

【室戸 健司】 カオルの足音と姿、それを確認して目を瞠ってから、ドアの音の方に振り返る。一瞬だけ、言葉に詰まった後。
「……遅かったじゃないか。――おかえり、奏」

【檻姫 大輔】 「――っちょ、また、『また』会おうねじゃなかったのかよ!」
「全ッ然『また』じゃないじゃねーか……あ、ああ、いや、それよりも、」そんなことじゃない、と思いつつ。
「……おかえり!」

【水波カオル】 「いや、一回やってみたかったんだよ、本当」ちら、と奏の方へ振り返りつつ答えますよ。

【鏡月 奏】 「檻姫君の病気?」呆れたような笑い声。それから。
「…あ、なんか新鮮な光景だね。私が最後か」晴れやかな顔の奏が、部室の入口に立っています。
「……ただいま、みんな。メモは…えっと。届いたの?」ちら、とカオルを見ます。
送るような技術は奏にないから、多分結界を脱出する時か、した直後に彼に頼んだのだろう。

【室戸 健司】 「……そうだな。いつも最後だったのは、依理だったからね」と、奏から一旦依理の方を振り返る。

【黒井 依理】 「……『最後の日』は、そうでもなかったぞ?」と、涙を払って立ち上がる。それから奏の方へと歩みを進める。

【室戸 健司】 「ああ、そうだったっけ――そういや、あの日も奏が最後だったな。こんな風に、みんなで珍しいな、って言い合ってた」

【鏡月 奏】 「…………」依理を見て。手帳を見て。カオルを見て。
「……ねえ。なんか、今、届いたみたいなんだけど。どういうことかな」ジト目(…)

【水波カオル】 「…………どこかで迷子にでもなったんじゃないかな」逸らしっ。

【諸星 真琴】 「月読、様……!」飛びついちゃいますー。

【水波カオル】 「――うわっとっと」飛びついてきた真琴を受け止めますよ。

【鏡月 奏】 「…………まあ。届いただけマシか」カオルから目線を戻して。

【諸星 真琴】 「良かったぁ……月読様が生きてて……!ボク……すっごくすっごくすーっごく心配してたんですよぅ!だって、あの結界に入ったら最後……!」

【鏡月 奏】 「最後だなんて酷いなあ。だから私が行ったんじゃない…;」

【水波カオル】 「こうして出てこれたしねえ。 ね、まこちゃんまこちゃん」

【鏡月 奏】 カオルから目線を戻して、依理を見る。「…みんな、変わらないね。よかった」

【黒井 依理】 「良かったじゃないよ、全く……!」奏にそう返しつつ、腕を伸ばしますよ。ぎゅって抱き締められるかな。

【室戸 健司】 「変わらないよ」奏に一度、頷いてから。
……みんな、繋がってる。何にも、変わってやしないさ」

【鏡月 奏】 抱きしめられるよ。「……ごめんね、心配かけちゃって。うん」
それから、晴れやかな顔で、もう一度「ただいま!」

【黒井 依理】 「――ああ、おかえり」と、その腕に彼女の感触を確かめつつ。心よりの言葉を、紡ぎます。

【檻姫 大輔】 「はあ、全く……いきなり消えちまうから心配してたのに。今までどこいってたんだよ、お前ら二人」
がしがしと頭をかきつつ。「あれか?真琴の行ってた結界とやらか?……まあ、なんでもいいけど無事でよかったや。」

【諸星 真琴】 「奏ちゃん……半殺しの件と月読様を持ってった件……すっごーっく大きな貸しですからねぇ!」
「覚えておいてくださいよぅ?」ぷぅ、と頬を膨らませながら。

【鏡月 奏】 「あ、それは今カオル君に抱きついているのでチャラだから。後5分で貸し1ね」(…)

【諸星 真琴】 「な、なんだってー!?」でも、やっぱり離れたくないのさ。

【水波カオル】 離れてもらおうと思ったけど、手遅れだったなう。奏と真琴と見て、困り顔。(……)

【室戸 健司】 「まったく、怖いねえ」おどけたように両手を軽く広げて、真琴と奏を見ている。(…)

【鏡月 奏】 真琴と、依理を見て。「……どーせ小さいですよーだ」へっ。(……)

【諸星 真琴】 「小さい方が忍者にとっては色々と便利なんですよぅ!」

……時檻が封印され、非情な忍びとしての日常を取り戻した忍者達。
しかし、確かに、一度終わらせたはずの『楽園』が、そこに在ったのだった。


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