「ひ、いあ……ッ、う、ああ、あっ、や」
咽喉から溢れる自らの声は、悦んでいるようで気味が悪い。
「はあぁ、あ、っ……や、あっく、ぅ……」
「オイオイうさぎちゃんよォ、いくらなんでも落ちるの早すぎやしねェか?」
組み伏せられて地面に這い蹲るような体勢を取らされたままで、嘲りの言葉に反駁する余裕などなかった。
身体に打ち込まれた楔が熱く、酷い圧迫感で息が出来ない。
「――! ふ、うぁッ」
内側から抉られる感覚に身体が跳ねた。びくびくと打ち震える身体を押さえるその力は万力に等しく、抜け出せる余地はどこにもない。
ただひたすらに、一方的な蹂躙を受けるのみだ。
「ひっ! あ、ああぁ、はっ……や、ぁ! あっ」
「ったく、そっちから挑んできてコレとか拍子抜けもいいトコだぜ?」
後ろから突き上げられ、押さえつけるように抱き込んでくる腕に双丘を乱暴に掴まれる。痛いほどの刺激にそれでも躯は勝手に反応した。自分の意思とは無関係に酷く痙攣する躯は抑え切れない。ただひたすらに、飛びそうな意識を繋ぎ止めるのに必死だった。
だって、こんなの、いくらなんでも強すぎる。
「そもそもがよォ、人に挑むんならある程度の実力がなきゃなァ? 分かってっか、うさぎちゃん? まさか勝てるとは思ってなかったよな?」
「っうる、さ――ひ、ぃっあ!?」
「おー、カワイイカワイイ」
乱暴に引っ張られた耳に噛みつかれて身を竦ませる。その反応ひとつひとつが相手を喜ばせるものだということは重々承知だったが、だからといってどうにもならない。
躯も声も感覚さえも、あらゆるものを掌握されて弄ばれている。
ただ今の自分にできることは、翻弄されて息を切らすことだけだった。
「弱者なら弱者なりに楽しませてくれよなァ。啼いて這い蹲って平伏して隷従しやがれ、玩具らしくカラクリ仕掛けみたいにな?」
「―――っ」
さっきからこいつの言っていることは滅茶苦茶だ。言葉だけじゃない、行動だ。何もかもが破天荒で理不尽で、理解に苦しむほどだ。
けれど、それを全て押し通すだけの力を持っている。
「ゃ、いっ……た、あっああ!? やあっ、んっ、ぃあっ」
絶え間なく胎奥を突かれる一方、肩に走る戦列な痛みに嬌声とは違う悲鳴が上がる。肩口に牙を突き立てられ、骨と牙がぶつかる直接的な激痛――しかし、身を捩ることすらも許されなかった。捩じ伏せられた躯は中から震わされ、外からは牙を突き立てられる。逃げ場など、どこにもない。
「ところでよォ、うさぎちゃん」
「ふ、うぁっ、あっ――……? っあ、んっ! んうっ!」
肩を貫かれる硬い感触が失われたと同時に、問いを投げかけられて反応を量りかねた。しかし次の瞬間、胎内の熱い質量はさらに強く貫かれたままの身体を震わせた。突き破らんばかりの勢いにひときわ高く上がる声、
――ああ、汚らわしい。
「このままうさぎちゃんが孕んじゃったりしたら、生まれる子供ってどんなもんなんかねぇ?」
「っ……!? な、何言って、ぇ――ひあっ!? あぁっ」
「試してみんのも悪くねェよな?」
そう言う相手の声音から感じられるのは、純粋な興味。
毒々しいまでの好奇心。
眩暈がするほどの激烈さに頭を掻き乱されながらも必死に反論の言葉を紡ぐ。
「い、いやっ、やめ――べ、別に! そんな面白いことにはなら、いああっ!?」
「うるっせえな」
肉豆を乱暴に捻り上げられて目の前が真っ白になる。仰け反る身体に、告白な声が響いた。
「面白いかどーかはこっちが決めんだよ。被食者の分際でエラそーな口叩くんじゃ――ねェ!」
「っ!? やだやだやだやだやめ、ッ、あああああああぁぁっ!」
身に迫る本能的な危険を感じて必死に逃げようとするもがく身体は抱え込まれ、深く深く繋がれて中へと欲望を注ぎ込まれる。その間隔は否定しようもないほどに明らかで、自分でも届かないような奥深くを隅々まで蹂躙されていることをひしひしと実感させられる。
白濁の奔流はあまりにも凄まじく、逆流の末に熱い昂ぶりをがっちりと咥え込まされているはずの結合部からもその余韻が噴き出すほどだった。
「はっ……ぁ、ああぁ、ぁっ……!」
がくりと、突き上げから解放された身体が地面を縋る。
どこまでも奥深く、仲を犯される感覚は、何度経験しても慣れたものではない。今この時でさえ自分に植え付けられているものがある。そのことを考えるとおぞましく、同時におそろしい。
そんな身体になってしまっては、彼女の役に立てない。足を引っ張るばかりで、何一つ出来ることなどない。無様な姿を晒して彼女に無用の心配をさせることだけは我慢ならなかった。
けれど、現実は無常だった。
「なァーに休んでんだよ?」
「っ……?」
「一回だけじゃ不発かもしんねえだろ、このまま抜かないでもっと子種叩き込んでやっよ。それぐらいやっちまった方が楽しいだろ!?」
「……は……?」
「モノ分かりが悪ィなァ」
「っ、ひッ!?」
呆れたような声が聞こえたと同時に、再び身を震わされて悲鳴を上げた。追い打ちをかけるように聞かされた声は、明らかに楽しんでいる者のそれだった。
「言葉で言ってわかんねェんなら、実践で教えてやるよ。そっちのが楽しいかァ?」
「い、やだ、いや、あ……!」
心までもを揺さぶられ、反駁の声も最早掠れ掠れで力無い。
そんな獲物の様子を見降ろして、捕食者はどこまでも愉しげに嗤う。
「思う存分種付けしたら持ち帰ってやらァ。子供出来っまでは適当に生かしといてやるぜ? 遊ばせても貰うけど、なッ!」
「いっ――やめ、やだああああっ!」
悲鳴すらも抑え込まれ地に平伏させられて、投げ出された腕は白く細い。
見開かれた瞳は光を喪い、引き裂かれた服の隙間から覗くペンダントだけが淡い輝きを放っていた。
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咆哮があんまりにも進まなくてかっとなってシャインくんの現状でも書こうとしたらやっぱりそれも上手くいかなかったのでもう一段階かっとなってみた。