GM
それではシノビガミセッション「出口なし」始めていきましょう。
GM
◆今回予告
とある地方の山中。ぽつりと建つ古びた木造の病院の入院病棟、2階の203号室。
ベッドに腰掛けた患者の傍らに、ひとりの医師が腰掛けて話を聞いている。
患者は言う。何か大きな罪を犯したのに、それが何なのか思い出せない。
静かな病室で、カウンセリングは続く。
病室の外に人影はない。長い廊下を見渡しても、階下に降りたとしても。
生きて動く者は一人もいない。
ただ、203号室から、話し声がぽつぽつと無人の廊下に漏れ聞こえている。
(――数か月前、忍務の帰途で大怪我を追った忍者をこの病院の医師の1人が保護した。
隠れ潜む忍者であったその医師は、同情か仁愛か気紛れか、傷ついた忍者が身元を隠して心身を癒せるように尽力した。
病院の人々は患者をあたたかく遇し、忍者は生まれて初めて味わうような静かで安らかな日々を過ごした。
その束の間の静穏が、壊れる日までは)
その日壊れたものは、ほんとうは何だったのだろう。
真実は何処に?
――さあ、先生。あなたの患者が待っています。
GM
いつものなので、このままPC1からコマを置いて自己紹介をしていただきましょう。
GM
◆PC1 推奨:自由
【導入】
あなたは数か月前PC2に救われ、この病院に入院している患者である。
何か大きな罪を犯したのに、それが何なのか思い出せない。
何らかのショックによる一時的な記憶障害だろうと医師は言う。
あなたの【使命】は記憶を取り戻すことである。
【使命】
記憶を取り戻す
素木合歓
「紹介……と言われても。ねえ。ただここに厄介になっている、患者なのだけれど」
素木合歓
キャラシはこちら。
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY47CIwQQM
ネム
「記憶がね。ないのよ。
だから、わたしのこと、誰か紹介できるならしてほしいくらいでねえ……」
ネム
「……ああ、名前くらいは覚えているわ。
ネム。名字は素木。シラキって読むの。読みにくいわよね」
ネム
「ソキさん? とか、ここの患者さんにも色んなバリエーションで間違えられたわね。
そう、患者さんにも……先生にも。お世話になっているわ。とても」
ネム
「まあ、でも、そろそろ思い出して……退院したいものね」
ネム
ここでの生活が嫌なわけではないけれど。
数か月ともなるとさすがに気が引けてくる、今日この頃。
そんなPC1でした。
GM
ではこのままPC2の導入を貼りまして、ご紹介に与ろうかな。
GM
◆PC2 推奨:自由
【導入】
あなたはこの病院の医師である。何らかの理由で隠れ潜む忍者であったあなたは、同情か仁愛か気紛れか、数か月前にPC1を匿い、その主治医をつとめてきた。
体の傷が癒えたというのに、PC1は何らかのショックで起きた記憶障害に悩んでいる。
あなたの【使命】はPC1に記憶を取り戻させることだ。
【使命】
PC1に記憶を取り戻させる
楠呉 円
「紹介? いいよー。まずは名前の話からしようか? 読みづらいよねこれ。名札あっても読んでくれる人ほとんどいないんだよ!」
楠呉 円
「俺は楠呉 円(クスゴ マドカ)。患者さんたちには気楽に、マドカせんせーって呼んでよっていっつも言ってる」
楠呉 円
「エンちゃんとかでもいいよ、お好きに~」
楠呉 円
「ま、こんなんだけど。患者さんたちからはわりと好評だよ。医者と話してる気しないってさ! いやー最高の褒め言葉じゃない?」
楠呉 円
「ネムちゃんにもまあ、そう思ってもらってるといいなー。あんまり顔に出ない人だから、ホントのところはわかんないけど」
楠呉 円
「……彼女にもまあ、随分長居してもらっちゃっててさ。ちょっと力不足感じちゃうなー」
楠呉 円
そんな感じのPC2です よろしくお願いします。
楠呉 円
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYiMGSygQM
GM
では今回こちらのお二人でシノビガミセッション「出口なし」、やってまいりましょう。
GM
じゃあ例によっていつもの導入フェイズです。PC2からリードしていただきましょうか。
シーン表を振っていただいても構いません。
楠呉 円
静かな廊下に足音を立てるものは一人しかいない。ことに、あなたがこうして部屋にいるのなら。
楠呉 円
それは部屋の前で止まって、数度ノックをする。
ネム
すっかり聞き慣れたであろう、ぼんやりとした声。
楠呉 円
「おお、よかった。今日はいてくれたねえ。また探しに行かなきゃいけないかと思っちゃったよ!」
楠呉 円
ドアが開くよりも前に聞こえ出す言葉さえ、いつものこと。
楠呉 円
部屋に踏み入ってくる、奇妙に軽い足取りもまた。
ネム
「わたしだって、先生を困らせることは本意じゃあないのよ」
ネム
「ただ……じっとしていられない性質なのよね……」
ネム
これまでに、同じようなやりとりは何度か繰り返していることだろう。
困らせたくないのは本心なのだが、それはそれとして病室は好ましくないらしかった。
楠呉 円
男はいつだってそう答えている。あなたを屋上で見つけても、廊下で見つけても、こうして部屋で見つけても。
楠呉 円
「おかげでキミも俺も運動不足とは縁がないよ。入院中ってどうしても身体が鈍りがちだけど、そういうの考えたことないもんね」
楠呉 円
「キミもそーやって、ストレートに言ってくれるところ大好きだな!」
ネム
「大好きだなんて、そんな臆面もなく……
ねえ」
楠呉 円
「なんだい、言われるのは慣れてない方? もったいない」
楠呉 円
「練習なら付き合うよ? リクエストにはできる限りお答えしたいけど」
ネム
「さあ……どうかしら。慣れていたのかも。いなかったのかも」
ネム
「知っての通り……
まだ、何も思い出せていないものだから」
楠呉 円
その口振りに一度眉を下げて、「……そうだねえ」
楠呉 円
「ただ、キミがそう思うのなら試してみる価値はあるかもしれないね」
ネム
「……ああ、もちろん、先生を責めているわけじゃあないの。そもそも、こんなことになったのも、きっと私の所為で」
ネム
「……あなたにそんな顔をさせるのは、心苦しい」
ネム
「だから……そう。
何でも。
記憶が戻る可能性があるのなら。
試してみたいところだわ」
楠呉 円
「いやあ。その言葉、そっくりキミに返してあげたいねえ」
楠呉 円
「……じゃ、患者のリクエストだ。さっそく試してみるとしようか」
楠呉 円
「きっとそこに、キミがキミを責めなくてよくなるきっかけがあるさ」
楠呉 円
メイン1-1/ネムさんへ戦闘を仕掛けます。
GM
OK。平地ですね。
メインフェイズの2人参加戦闘なので2ラウンドで終了となります。
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
楠呉 円
2D6>=5 (判定:瞳術)視殺 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
GM
成功ですね。合歓さんは瞳術から回避判定をどうぞ。
ネム
2D6>=8 (判定:遊芸) (2D6>=8) > 9[3,6] > 9 > 成功
GM
このまま合歓さんの手番してもらってからRPのがいい気がするのでそうします。
ネム
2D6>=5 (判定:登術) (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功
楠呉 円
2D6>=7 (判定:飛術)回避:怪鳥 (2D6>=7) > 4[1,3] > 4 > 失敗
楠呉 円
2D6-1>=5 (判定:意気)ダメージ-2+一存1 で補正は-1 (2D6-1>=5) > 10[5,5]-1 > 9 > 成功
GM
ん? 高所じゃないからダメージ1ですよ。成功ですが。
楠呉 円
忍法リストを見ただけですっかり術中にいる気でいた。1でした。
GM
ワハハ。どちらにせよ成功! RPしていただきましょうか。
楠呉 円
「……うん。でも、それもキミがすごく素直な人だってことの証拠だよね」
楠呉 円
「あんまり顔には出ないように見えるけど、出たものは表裏がないって信じられる」
ネム
「でも、素直すぎるのも困りものじゃあないかしら」
ネム
「さっきみたいに。うっかり、余計なことまで言って……あなたを気に病ませてしまったわ」
ネム
「そんな風に、思わなくていいのに。
ねえ、そうでしょう?」
楠呉 円
「そう思ってくれるの? やっぱりネムちゃんはやさしーねえ」
楠呉 円
「これでもぜんぜん、気に病んでないように見えるって言われたこともあるんだけどね」
楠呉 円
「患者は気にしてるんだから、医者の方も気にしてやれってさ」
楠呉 円
「さて、そう言われる俺は気に病んでるでしょうか? 止んでないでしょうか!」
GM
ではラウンド終末ですね。忍法を使う方はどうぞ。
ネム
2D6>=5 (判定:遊芸) (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
GM
成功。では次のプロットからは高所になりますね。
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
GM
ではお話していただいて好きな方が脱落してください。
GM
RPの流れで決めていいでしょう。どちらかが先手打って宣言してくださっても構いませんが。
ネム
「あなたが。誠実で。とてもやさしいってこと」
楠呉 円
その口振りに宿る強さに、ともすればかき消されんばかりの声色で呟いてから。
楠呉 円
「いや、褒め上手なんて俺に言っていいの? ネムちゃん、俺より上手いじゃない。そんなこと最後に言われたのいつ頃かなあ!」
ネム
「まあ。誉めているつもりは無いの。
"素直な"気持ちを言ったまでよ」
ネム
「……こんなことを言ったら、また先生を困らせてしまうかしら?」
楠呉 円
「困るな~~~、今一本取られてめちゃくちゃ困ってるな~~~~」
GM
では合歓さんが脱落、勝者は円さん。
戦果の宣言をどうぞ。
GM
いいでしょう。
プライズ『記憶』が円さんから合歓さんへと譲渡され、秘密が公開されます。
GM
【秘密:『記憶』】
このプライズの真の名称は『罪』である。下記文中の「あなた」はその時点でのこのプライズの持ち主を指す。
このプライズを手に入れたタイミング(配布時を含む)が訪れるたび、持ち主は下の「」内の文章中の、任意の一つの[ ]の中を消して好きに書き換えてよい。この時、書き換えた[ ]についている番号を消去すること。番号の消えた[ ]内は以降上書きされない。
「あなたは(1)[3日前]、[意図せず忍びとしての力、あるいは殺意や疑念を暴走させてしまった]ために、この病院の人々を全て殺した。あなたは(3)[慣れた手際で、人形のように首を落として]彼らを殺した。
目の前の相手だけは殺さなかった。(4)[境遇を自分と重ねて情が移りすぎてしまっていた]からだ。記憶の混乱の治療にはもっと時間を掛けたかったが、今日までが限界だった。あなたは(5)[痕跡を消すため、既に病棟の下階に火を放った]。
これこそが、これだけが、(6)[ 真実 ]である。」
GM
うーん峠牙強い。パッシブだからGMが忘れてたら言ってください。
GM
では戦闘は高所にてスタートです。RPします?
ネム
女の言葉はふわふわして、蕩けて、弾むようで。
まるで宙にでも浮かぶような。
そんな錯覚を抱かせる。
楠呉 円
「だから、さっきと同じように。それそっくりキミに返してあげる」
楠呉 円
その浮揚感に任せて、宙に浮かべて、重力を逆巻かし、
楠呉 円
あなたの柔らかな言葉の中心にある、確固たる形を持った我へ向けて。
ネム
くすぐるようなそれは、どこまで本気か分からないが。
あなたに向けた先の言葉は、強く確かなものだった。
楠呉 円
その先端を形のない煙に巻く、虚言とも真ともつかぬ台詞。
GM
はい。ではラウンド1、プロットオープンお願いします!
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
楠呉 円
2D6>=5 (判定:瞳術)視殺 (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
GM
ファンブルの気配なく。合歓さんは瞳術から回避判定です。
ネム
2D6>=8 (判定:遊芸) (2D6>=8) > 11[5,6] > 11 > 成功
ネム
高所だから気分が乗ってるのかもしれない……
円先生に怪鳥で。
ネム
2D6>=5 (判定:登術) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
楠呉 円
2D6>=7 (判定:飛術)回避:怪鳥 (2D6>=7) > 3[1,2] > 3 > 失敗
楠呉 円
2D6>=7 (判定:飛術)回避:怪鳥 (2D6>=7) > 7[2,5] > 7 > 成功
[ 楠呉 円 ] 忍具 : 2 → 1
GM
じゃあ程よく会話していただきつつプロットをしていただいて気が済んだら次のラウンドです。
GM
はい。今度こそ接近戦ダメージ2点につき-2で、一存と合わせて-1です。
楠呉 円
2D6-1>=5 (判定:意気)御斎魂/ダメージ2-一存1 (2D6-1>=5) > 8[4,4]-1 > 7 > 成功
GM
通りますね~!
では改めて例の通りお願いします。
楠呉 円
息を呑む。蕩けるようなその言葉と空気に、溺れる錯覚を覚える。
楠呉 円
「お見せした通り、患者のリクエストには応える主義だよ」
楠呉 円
「でも、教えられるものの中身まで適えるかは、ねえ?」
楠呉 円
そうして、繕い直した風に出てくる言葉がこれだ。あるいはもう、とうに。
ネム
「患者のことを、よく考えてくれるあなたなら。
簡単なことでしょう」
ネム
この花を飾ってほしい、なんて、そのくらいの軽いリクエスト。
叶うはずだと、確信する言葉。
楠呉 円
なにも変わりやしない。その言葉はどこまでも素直で、表裏がない。
楠呉 円
「いいの? なんて聞いたって、言うんだろうな。いいよってさ」
楠呉 円
わるい。ずるい。そんな台詞でいくら遠ざけても、形なく近づいてくる。
掴めない靄のように。
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
楠呉 円
2D6>=5 (判定:瞳術)視殺 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
ネム
2D6>=8 (判定:遊芸) (2D6>=8) > 5[1,4] > 5 > 失敗
ネム
へへ すみません 先生が連発されてたものでつい……では判定します~
ネム
2D6-1>=5 (判定:意気) (2D6-1>=5) > 11[5,6]-1 > 10 > 成功
ネム
「ね。
あなたはわたしのこと、信じてくれる?」
楠呉 円
「これは信じてもらうまでもなく、ホント」
楠呉 円
「教えられるものの中身まで、適えられるとは、限らないよ」
楠呉 円
主導権を取り戻そうとする、ゆっくりと言い聞かすような台詞。
ネム
「でも、そうね。
仮に……仮に、それが違っていたとして」
楠呉 円
「そういう時はねえ、ちゃーんと恨んでいいの」
楠呉 円
ただ。
押し込めているなんてことは彼女にはあり得ないと、もう分かっている。
楠呉 円
そして、それに深い安堵を覚えてしまっている自分がいる。
楠呉 円
なにもかもから解き放たれて宙へ浮くように。
GM
いいでしょう。
円さんは脱落、勝者は合歓さん。
合歓さんは戦果の宣言をどうぞ。
GM
畏まりました。プライズの秘密が公開されます。
GM
【秘密:『記憶』】
このプライズの真の名称は『罪』である。下記文中の「あなた」はその時点でのこのプライズの持ち主を指す。
このプライズを手に入れたタイミング(配布時を含む)が訪れるたび、持ち主は下の「」内の文章中の、任意の一つの[ ]の中を消して好きに書き換えてよい。この時、書き換えた[ ]についている番号を消去すること。番号の消えた[ ]内は以降上書きされない。
「あなたは(1)[3日前]、[意図せず忍びとしての力、あるいは殺意や疑念を暴走させてしまった]ために、この病院の人々を全て殺した。あなたは[我を失いながらも、心の底に芽生えた情から、痛みがないように一瞬で]彼らを殺した。
目の前の相手だけは殺さなかった。(4)[境遇を自分と重ねて情が移りすぎてしまっていた]からだ。記憶の混乱の治療にはもっと時間を掛けたかったが、今日までが限界だった。あなたは(5)[痕跡を消すため、既に病棟の下階に火を放った]。
これこそが、これだけが、(6)[ 真実 ]である。」
楠呉 円
そう言ってから、噛み締めるように瞳を伏せる。
楠呉 円
「うん。キミがいてくれて、よかったな。本当に」
ネム
「そうね。
わたしも、よかったわ。
いてくれたのが、せめて……先生で」
楠呉 円
「おっ、ここは一致した。まったく患者にそう言ってもらえるのは、医者冥利に尽きるね」
楠呉 円
「そうやって聞きながら、でももう。
絶対付き合ってくれるって思ってくれてるでしょ?」
楠呉 円
「そんなに改まって言ってくれると楽しくなっちゃうねえ」
ネム
そう。もうずっと、この病院に二人きり。
女は笑う。
ネム
「だからこそ、じゃない。
それとも、デートじゃ嫌?」
楠呉 円
「少なくとも俺には思いつかないなー。キミに何か案があれば別だけど」
ネム
「まあ……ひどいわ。わたしに言わせるつもり?
先生、学生の頃、モテなかったでしょう」
楠呉 円
「案外いるんだよ、そういうひどい男がお好みの娘もね」
ネム
「ほら、行きましょう?
外の空気が吸いたいわ」
ネム
手を差し出す。
エスコートを求めるように。
それが叶わないとは、露も思っていない。
楠呉 円
探し回って、階段を上がって、そこでいつも目にする後ろ姿を一瞬思い描きながら。
楠呉 円
流れるように、当然と言った風で差し出されたその手を取る。あなたの脳裏に思い描いた通りに。
ネム
深い山中にある病院ゆえ、周囲を見渡しても見えるのは深い緑だけだ。
あなたから離れ、フェンスの手摺に手をかけて、空を、木々を眺める。
ネム
「わたし、ここからの眺めが好きだわ。
何にもないけど、だからかしら。落ち着くの。
……みんなと、ご飯を食べたりもしたわねえ」
在りし日々を、もう戻れない日々を、懐かしむ。
ネム
「何回も探しに来てもらったわ」
そのたび困らせただろう。
そして、探しに来てくれるあなたの、見つけた時のその笑みを、好いていた。
楠呉 円
どこでだって、響く音はもう二人分しかない。
楠呉 円
それが伴っているのは、珍しいことだったけれど。とみに、病室へ戻るのでなければ。
楠呉 円
そうやって乱れた常は元に戻って、
橙の目には、見慣れたあなたの背が映っている。
楠呉 円
「ネムちゃん、気配消すのうまいんだもの。よく泣き付かれたよ、またいなくなってるんですーって」
楠呉 円
「だから、キミを探すのはいつも俺の仕事だった」
楠呉 円
「でも今日は違うね。これは最後の手向けってやつ?」
ネム
円先生に戦闘を仕掛けます。
戦場表は振らずに峠牙で高所スタートで、よろしくお願いします。
GM
了解しました。高所によりファンブルを振ったキャラクターは接近戦ダメージ1点です。
GM
では改めて、ラウンド1のオープンプロットをお願いします。
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
GM
はい。ではおしゃべりしつつ次のラウンドのプロットをどうぞ。
両方気のゆくまで済みましたらプロットOKの宣言をお願いします。
ネム
陽は優しく、風は穏やかに吹いている。
いつもと変わらない日々。
そんな錯覚を抱かせる。
もう、決定的に、変わってしまっているのに。
GM
OK。
ではラウンド2のプロットオープンをどうぞ!
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
楠呉 円
変わっていないものなどこの建物の外にしかない。
この場にあったものは、もはや何もかも失われている。
楠呉 円
壊れたもの。流れたもの。なくしたもの。
どれも戻りはしない。
そう思えば、向けられたその目さえ意味を違えて映る。
楠呉 円
「それなら、いつも通りにすればよかったのに」
楠呉 円
「それとも、何かの拍子に思われちゃったとか?
もう探しに来てくれないかもって」
楠呉 円
それは既に、誰もいない虚空へ向けた言葉へ過ぎなくとも。
楠呉 円
男はそれが届いていると、当然に信じている。
GM
良いでしょう。プライズの秘密が公開されます。
GM
【秘密:『記憶』】
このプライズの真の名称は『罪』である。下記文中の「あなた」はその時点でのこのプライズの持ち主を指す。
このプライズを手に入れたタイミング(配布時を含む)が訪れるたび、持ち主は下の「」内の文章中の、任意の一つの[ ]の中を消して好きに書き換えてよい。この時、書き換えた[ ]についている番号を消去すること。番号の消えた[ ]内は以降上書きされない。
「あなたは(1)[3日前]、[意図せず忍びとしての力、あるいは殺意や疑念を暴走させてしまった]ために、この病院の人々を全て殺した。あなたは[我を失いながらも、心の底に芽生えた情から、痛みがないように一瞬で]彼らを殺した。
目の前の相手だけは殺さなかった。[惨劇を目の当たりにしたそのひとの姿を目にして、あなたは正気を取り戻した]からだ。記憶の混乱の治療にはもっと時間を掛けたかったが、今日までが限界だった。あなたは(5)[痕跡を消すため、既に病棟の下階に火を放った]。
これこそが、これだけが、(6)[ 真実 ]である。」
楠呉 円
階段を降りる足音は一人分。
それは変わらず軽快に響く。それを聞く者がなくとも。
先は一階だけ上った階段を、今度はその下へ。
楠呉 円
階下で面するのは玄関口。
この病院に受付はなかった。玄関の隣に作られた看護師の控室がその代わり。
空気の良い山中に作られた療養病棟に来るものは決まっていたから、改まって受け付ける必要もなかった。
そのはずだった。
楠呉 円
目を向ける一階の廊下の両隣。101号室、102号室。
その突き当たりにある扉は看護師寮へ繋がるもの。
どこからも、もう何の音もしない。
楠呉 円
振り返るもう一本の廊下。同じように、103号室、104号室。
こちらの行き止まりの扉は食堂。
どんな暮らしをしていても生きることの要となる場所に、今や火の気さえ立たず。
楠呉 円
見回して、来た道を戻っていく。
上がった階段からすぐ、201号室。いちばん賑やかだった患者の部屋にあるのは死と沈黙の気配だけ。
202号室。この静けさに退屈したものの我儘さえ、懐かしく思う。
楠呉 円
203号室へ歩めば、古い床板が軋む。戻ってみるだろうか。いや。
確信をもって否定する。部屋の中を覗きさえせずに、前を行き過ぎる。
楠呉 円
204号室。ここの患者は、この山中へやってきたばかりだった。
みんな優しそうでよかった。過ぎるのはその安堵の笑顔。
楠呉 円
そうしてその突き当たりの扉をノックする。
病室に入ると同じように静かに、人がそこにあることを当たり前に。
楠呉 円
目に入るのは大きなテーブルに並べられた椅子。その隣に本棚。
壁沿いの棚にジェンガ、トランプ、ボードゲーム。
仕切りの向こうに卓球台と、きれいに整えられた用具。
楠呉 円
療養患者たちが、長い長い時間を過ごすための遊戯室。
この病院という活気から遠い場所で、最もそれに溢れていた場所。
ネム
やっぱり見つけてくれるのね。
そうね。
いつもそうだったわ。
楠呉 円
「かくれんぼはもうやっちゃったしねえ。攻守交代ってわけにもいかない」
ネム
「そうねえ。それに、わたし、探すのは苦手だし……」
ネム
棚に目を移す。
患者想いの医師により、整えられた遊戯たち。
ジェンガは得意だった。崩れる瀬戸際のピースを引き抜くのが上手かった。
トランプ。ぼんやりとした表情のままするポーカーは強かった。
そのほとんどを遊んだことがある。
ネム
そのくらい、長い長い間ここにいた。
それなのに。
もう、すべて、壊れてしまった。
ネム
壊れた温かな日々の残滓を、どうにか拾い上げるように、そう言った。
楠呉 円
「俺が一番好きなの? 決まってるでしょ、そんなの」
楠呉 円
「てっきりキミも分かってると思ったけどなあ」
楠呉 円
「俺はこの通り、わるくてずるい男ですよ」
楠呉 円
そう言いながら席を立つ。棚へ向かって、さほど迷いもせずに戻ってくる。
楠呉 円
その手にある長い直方の箱がテーブルの真ん中で逆さにされて、現れるのは組み上げられたたくさんのブロック。
楠呉 円
直立したジェンガを挟んで、あなたの向かいへ腰を下ろす。
GM
了解です。両者、ラウンド1のプロットをどうぞ。
メインフェイズ最終手番になりますね。
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
GM
はい、ではラウンド終末忍法がありましたらば。
ネム
2D6>=5 (判定:遊芸) (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功
GM
では次のプロットをしていただきつつRPしてください。
済んだらプロットOKの宣言を。
ネム
もちろん、あなたも知っていることだ。
木のブロックをするりと引き抜いた。
楠呉 円
「そうそう、上手いよねえ。今だってそうだよ」
楠呉 円
開始してから、そう言うほどにはまだ経っていないというのに。
気にした風もなく嘯いてみせる。
楠呉 円
ブロックが引き抜かれて、置かれる。
塔は静かに、個々が触れ合う音だけを立てて高さを増していく。
楠呉 円
「思い出してみたって、負けたところなんて見たことあったっけなって思うくらい」
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
ネム
2D6>=5 (判定:登術) (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
GM
ではダメージの-2と一存の+1をつけて判定をどうぞ。
楠呉 円
2D6-1>=5 (判定:意気)御斎魂:ダメージ-2+一存1 (2D6-1>=5) > 8[2,6]-1 > 7 > 成功
ネム
■奥義
《夢想『合歓木の囁き』》
指定特技 :遊芸
エフェクト:判定妨害
効果・演出:その言葉は、やさしく、とろけて、あなたを夢心地に陥れる。
GM
では円さんの出目は3となりファンブル。
御斎魂の失敗により怪鳥の2点ダメージと、高所の1点ダメージが入ります。
合わせて接近戦3点。
GM
合歓さんはRCTを2回どうぞ。
高所はGMが振るか。
GM
RCT 高所ダメージ ランダム分野表(1) > 器術
GM
怪鳥により忍術謀術と、高所により器術ですね。
ネム
「……ね、ほら。せんせ」
ジェンガを指さす。
聳え立つ木の塔は、今にも、
GM
いいでしょう。
同じく情報を頂きつつRPを返してもらいましょうか。
楠呉 円
■奥義
《静鎧波》
指定特技 :水術
エフェクト:絶対防御/流し/防御低下
効果・演出:いずこからか来て自在に踊る波濤。
仮面の笑みと同じく、その奥を見せながら立ち入らせぬ拒絶の壁。
楠呉 円
といっても 複数の発生源があるので、怪鳥分だけ軽減して射撃戦1点を贈呈します。
GM
今回発声したのは接近戦ダメージのみ。
【流し】の条件を満たしていません。
楠呉 円
あ 本当だ このダメージ限定ついてたんだ(今気づいた)
GM
そうなんですよ。でも2点は痛いので切りどころですね。
GM
では円さんに1点の接近戦ダメージ、器術を潰して脱落です。
[ 楠呉 円 ] 器術 : 1 → 0
GM
勝者は合歓さん。
それぞれのRPを頂きつつ、いいところで戦果の宣言をお願いします。
楠呉 円
それでも、手を伸ばさないわけにはいかなかった。
その天辺で揺れているのは、つい先ほど彼女が置いたブロックだったから。
楠呉 円
すっかり穴だらけになった下部へは手をつけず。一見何の影響もなさそうな、中ほどにあるブロックの群れへと指を触れて、押す。
楠呉 円
そのたった一つが、その上に乗ったすべてに響いて。
楠呉 円
「キミの言った通りだねえ。やっぱり負けちゃった」
ネム
落下するブロックがテーブルを叩く。
静かな病院にその音はやけに響いた。
塔の姿は、もはや跡形もない。
GM
【秘密:『記憶』】
このプライズの真の名称は『罪』である。下記文中の「あなた」はその時点でのこのプライズの持ち主を指す。
このプライズを手に入れたタイミング(配布時を含む)が訪れるたび、持ち主は下の「」内の文章中の、任意の一つの[ ]の中を消して好きに書き換えてよい。この時、書き換えた[ ]についている番号を消去すること。番号の消えた[ ]内は以降上書きされない。
「あなたは(1)[3日前]、[意図せず忍びとしての力、あるいは殺意や疑念を暴走させてしまった]ために、この病院の人々を全て殺した。あなたは[我を失いながらも、心の底に芽生えた情から、痛みがないように一瞬で]彼らを殺した。
目の前の相手だけは殺さなかった。[惨劇を目の当たりにしたそのひとの姿を目にして、あなたは正気を取り戻した]からだ。記憶の混乱の治療にはもっと時間を掛けたかったが、今日までが限界だった。あなたは[彼/彼女を愛してしまっている]。
これこそが、これだけが、(6)[ 真実 ]である。」
楠呉 円
ふうん。
そんな息さえ漏らしながら、楽しげに繰り返す。
楠呉 円
「あげないわけにはいかないねえ、だけど」
楠呉 円
「それが何なのか、俺には見当もつかないなあ」
楠呉 円
「ネムちゃんの欲しい『ご褒美』ってなーに?」
ネム
仕方がなかった。
それでも、どうしようもなく、取り返しのつかないことをした。
ネム
決して、あなたに背負わせるわけにはいかない。
ネム
ねだるように、甘えるように、とろけるように。
言葉だけは、愛しい人に囁くようだった。
楠呉 円
「っはっはっはっは、面白いこと言うねえ、ネムちゃん」
ネム
「あなたが平穏に生きてくれるなら、私はそれでいいのよ」
楠呉 円
はっきりと意図して口に出されたその囁き。けして耳慣れたものではない、その声で呼ばれる己の名前に、一瞬口を噤んで。
楠呉 円
「ネムちゃんが思い出したものが、もしそんな悲しい話なら」
楠呉 円
「あげないわけにはいかないって言っちゃったけど。軽々しくそんなこと言うモンじゃないね」
楠呉 円
「これは俺のもので、キミが持つには重すぎるし、そもそも持つ必要なんかないし……」
楠呉 円
「あんなに俺を信じてくれたキミだ。きっと信じてくれるって思ってるんだけどなあ」
ネム
「だから」
信じるに足る、優しい、愛しいあなただから。
ネム
「私はあなたに」
幸せに生きてほしい。
この罪も、罪人も、すべて忘れて。
無かったことにして。
ネム
それでも、どうしても、分かってくれないのなら――
楠呉 円
「でもそんなの、ホイホイ人に言っちゃだめだよ。特に、こんな悪くてずるくていじわるな男にはね」
楠呉 円
「ネムちゃんの言葉が、軽いわけないもんねえ」
ネム
羽のように軽い女が、その実、硬く一途であることを。
あなたも知っている。
楠呉 円
その言葉の蕩けるような手触りのなかに確固たる魂のあることを、
幾度だって実感してきた。
楠呉 円
だから、その言葉も、乗せられた想いも、どこまでも真実だ。
楠呉 円
たとえ、どうしようもない罪悪の錯覚を覚えていたとしても。
楠呉 円
『錯覚であるもの』とは、それだけに違いなかった。
楠呉 円
「そうそう。こんな分からず屋にかかずらうのは、もったいないよ、ネムちゃん」
楠呉 円
「特に、そんなに凄んだって分かってやる気のない奴に向かうのはね」
楠呉 円
かすかな青み交じりの赤に、こちらの橙をかち合わす。
ふたつ繋がれば、暮れなずむ夕景の色。
楠呉 円
明日を奪った、明日なき罪人になりたがるものたちに、もう時間は残されていない。
楠呉 円
まるで部屋へ招き入れるような気軽さで、いざなう。
楠呉 円
この場に誰がいたとて追いつけぬ忍びだけが行き着ける速度の世界へ、足を踏み出す。
ネム
足取りは軽やかに。
まるで、デートにでも赴くように。
GM
ではクライマックスフェイズラウンド1。
プロットオープンをお願いします!
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
楠呉 円
2D6>=5 (判定:瞳術)視殺 (2D6>=5) > 2[1,1] > 2 > ファンブル
ネム
2D6>=5 (判定:遊芸) (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
[ GM ] ラウンド : 1 → 2
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
楠呉 円
2D6>=5 (判定:瞳術)視殺 (2D6>=5) > 4[2,2] > 4 > 失敗
楠呉 円
どうしたんでしょうね。振り直しありません。
GM
接近戦ダメージ1点。器術は被ってるので任意ですね。
楠呉 円
じゃあせっかくなので絶対防御しましょう。
ネム
2D6>=7 (判定:手裏剣術) (2D6>=7) > 10[5,5] > 10 > 成功
楠呉 円
知っている。だからこそ、手を伸べさえしない。
楠呉 円
けれどそれを目に映すだけで、手に取るようにわかる。
楠呉 円
そこに敵意はない。こうしていてさえ。
いつだってなかった。この場所には、かけらだって。
楠呉 円
それを思い出せば。
この視線に宿すべき害意が霧散する。
ネム
傷などつけられていない。
傷つけるわけがない。
私とあなたに、そんなことは有り得ない。
ネム
この罪を背負うと決めたのならば。
一人で歩かなくてはいけない。
[ 楠呉 円 ] 忍術 : 1 → 0
[ GM ] ラウンド : 2 → 3
GM
ではラウンド3,プロットオープンをお願いします。
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
楠呉 円
2D6>=5 (判定:瞳術)視殺 (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗
GM
RCT とりあえず高所です。 ランダム分野表(1) > 器術
[ 楠呉 円 ] 謀術 : 1 → 0
楠呉 円
「つまりキミは俺に、手を引かれてくれる気があるんでしょ?」
ネム
2D6>=5 (判定:登術) (2D6>=5) > 8[4,4] > 8 > 成功
ネム
2D6>=7 (判定:手裏剣術) (2D6>=7) > 6[2,4] > 6 > 失敗
楠呉 円
その目に映る変わらぬ薄い笑みは、あなたの苦しみを捉えているかを悟らせない。
楠呉 円
その奥の苦しみを、見せることもまたない。
[ GM ] ラウンド : 3 → 4
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
楠呉 円
2D6>=5 (判定:瞳術)視殺 (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗
GM
RCT ファンブルにつき高所ダメージです。 ランダム分野表(5) > 戦術
ネム
2D6>=7 (判定:手裏剣術) (2D6>=7) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
[ 楠呉 円 ] 戦術 : 1 → 0
ネム
まあ、ノーダメージなので……意味ないんですけど……
GM
戦術が潰れるところへの絶対防御破りだから”””意味”””はあるんだよ。
GM
””””意味””””を込めてRPをどうぞ。
手番はパスだろうからそのまま次ラウンドプロットの準備もお願いします。
楠呉 円
そうするほどに見える頑なさは、相対すればするほど崩せるものとは見えなくなっていく。
楠呉 円
「そうなるって分かってて、これまで手を引かれてくれたんだ?」
楠呉 円
「それなら最初から、全部持たなきゃあよかった」
楠呉 円
どれほど言葉を弄したところで、それは、その牙城を崩すほどの痛打とはならない。
楠呉 円
ただいたずらに、互いの心を引き裂いていくだけだと知っている。
ネム
痛かった。
身体のどこにも傷を負っていないのに。
胸の奥が、ひどく痛む。
ネム
そんなことを言われるのも。
言わせているのも。
楠呉 円
ただ、これほどに心を貫き合って、血を流していてさえ。
楠呉 円
続いていてほしいと思ってしまう。
これが最後だと言うのなら。
[ GM ] ラウンド : 4 → 5
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
ネム
2D6>=5 (判定:登術) (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功
楠呉 円
2D6-2>=7 (判定:飛術)回避:怪鳥 (2D6-2>=7) > 7[1,6]-2 > 5 > 失敗
[ 楠呉 円 ] 忍具 : 1 → 0
[ 楠呉 円 ] 戦術 : 0 → 1
楠呉 円
2D6-1>=5 (判定:意気)御斎魂:ダメージ-2+一存1 (2D6-1>=5) > 8[2,6]-1 > 7 > 成功
楠呉 円
2D6>=5 (判定:瞳術)視殺 (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
楠呉 円
基礎8-峠牙2 きついなあ。奥義破り、回想を入れましょう。
GM
いいでしょう! 回想シーンをどうぞ。秘密の提示も任せます。
楠呉 円
あなたには分かっている。罪を犯したのは実は彼ではない。あなただ。
PC1は、あなたが病院の人々を殺戮したショックからか記憶に混乱をきたしている。事件の記憶の中の犯人、つまりあなたを、自分自身と取り違えてしまっているのだ。
主治医として、彼が自ら思い出せるよう少しずつカウンセリングを続けていたが、タイムリミットが迫っている。
あなたは決断した。彼の記憶を修正し、思い出させねばならない。もう手段は選ばない。彼に憎まれ追われることになろうとも、それがあなたへの罰となり贖罪の手段となるだろう。
あなたの【本当の使命】は、あなたからPC1にプライズを渡し、かつ最終的なプライズの所持者となることだ。
楠呉 円
「その調子で、どんどん恨んでいいんだよ。俺のことはね」
楠呉 円
恨みはしない。そう言われたことを覚えている。
つれなくそれを断ったことも、もちろん覚えている。
楠呉 円
「キミも散々言ったでしょう?
俺はずるいし意地悪だよ。キミが信用するところなんてなーんにもない、悪い男」
楠呉 円
「キミはそんな奴にたぶらかされた可哀想な娘」
楠呉 円
そして。背負うはずもない罪をその背に着せて。
あまつさえ持ち去らせそうになっている。
どうしようもない男。
楠呉 円
2D6-2+3>=8 (判定:意気)せっかくなので意気でやりましょう (2D6-2+3>=8) > 4[1,3]-2+3 > 5 > 失敗
GM
円の出目が1,1に変更され、ファンブル。高所ダメージが1点。
[ 楠呉 円 ] 妖術 : 1 → 0
ネム
「ずるいのも。いじわるなのも。信用できないのも」
ネム
見せる仮面はそうであっても、その奥底は違うと知っている。
確信している。
ネム
だから、違うのだ。
そもそも罪を犯したのは私で。
あなたが気に病むことなんて、何も。
楠呉 円
「ああ、でも。それならなおのこといいかもねえ」
楠呉 円
「信じてるって言ってもらった俺」
「キミが優しいって言ってくれた俺」
「誠実だって言ってくれた俺」
楠呉 円
そうして隠せている仮面はもう口先にしかない。
楠呉 円
出し続けている声が震えていないことが信じられない。
楠呉 円
視界に映るものは、もう滲み始めていて。
なにもかも、はっきりと見えやしないのに。
ネム
堰を切ったように慟哭し、流す涙は。
あなたの目には映らない。
[ GM ] ラウンド : 5 → 6
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
楠呉 円
あんなことを言いましたが、まだ視殺を撃つだけ撃てました。
楠呉 円
2D6>=9 (判定:意気) (2D6>=9) > 7[3,4] > 7 > 失敗
楠呉 円
2D6-2>=8 (判定:意気) (2D6-2>=8) > 6[3,3]-2 > 4 > 失敗
GM
こちらはファンブルではありませんが先の判定はファンブルになります。
[ 楠呉 円 ] 体術 : 1 → 0
GM
合歓さんはパスですね。RPを頂きつつ、次のプロットを。
楠呉 円
「そうだって、思ってくれればよかったのに」
楠呉 円
その懇願に至って、ようやく。
滴が床を叩く。
ネム
声はとっくに震えている。
玉のように涙が零れた。
ネム
「嘘だなんて言って、なかったことにして、忘れるなんて」
ネム
できるなら、こんなことはしていなかった。
お互いを傷つけるような、どうしようもない、意味のない、くだらない、こんなやりとり。
したくなかった。
[ GM ] ラウンド : 6 → 7
[ 楠呉 円 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
[ ネム ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
楠呉 円
2D6+1>=8 (判定:意気)執行:+1 (2D6+1>=8) > 5[2,3]+1 > 6 > 失敗
楠呉 円
2D6-2>=8 (判定:意気) (2D6-2>=8) > 4[1,3]-2 > 2 > 失敗
GM
先程の命中判定がファンブルになり、高所ダメージ1点です。
GM
では秘密の開示は任せます。好きなタイミングでどうぞ。
ネム
実はあなたこそがこの病院の医師である。
あなたはある理由(PLの任意)からこの病院の人々を殺した。その場に居合わせたショックからか、PC2は記憶に混乱をきたした。PC2の中で、匿われた忍者であるPC2と、その主治医であるあなたが逆転してしまっているのだ。
あなたが患者を演じているのは治療の手段だった。ごく僅かずつ事件の情報を伝えることで、PC2の状態を探っていたのだ。
そして判断し、決断した。PC2の記憶を修正し、思い出させねばならない。もう手段は選ばない。PC2に憎まれ追われることになろうとも、それがあなたへの罰となり贖罪の手段となるだろう。
あなたの【本当の使命】は、あなたからPC2にプライズを渡し、かつ最終的なプライズの所持者となることだ。
ネム
これが私の罪。
この痛みが私の罰。
確かに私のものだ。
ネム
あなたのように、あなたのこれからのために、全てを撥ね退けなくてはいけないのに。
ネム
ここまで至って、お互いに未練ばかりを残してしまう。
ネム
ずるくて、いじわるで、信用できないのは、私だ。
あなたはどこまでも優しい。
ネム
最後の最後まで、どうすることもできなかった。
ネム
2D6+3>=7 (判定:手裏剣術) (2D6+3>=7) > 7[1,6]+3 > 10 > 成功
GM
成功ですね。
絶対防御は破られ、円さんに1点の接近戦ダメージ。
[ 楠呉 円 ] 戦術 : 1 → 0
GM
円さんは脱落か死亡を選択できます。
RPしつつどうぞ。
楠呉 円
それは到底、涙に濡れた声で絞り出す言葉ではないけれど。
もはやそう思って、止められるものでもない。
楠呉 円
けれど、残しておかなければならなかった。
伝えておかなければならなかった。
これほど突き放してなお、それを撥ね除けてくれたことへ。
楠呉 円
そう認めた時に、すべてが終わることを知っているから。
ネム
女はその終わりに、笑った。
とても、幸せそうに。
楠呉 円
「俺は今だって思っていますよ。あんなものは『ご褒美』じゃあない」
楠呉 円
「でも、代わりに俺が持ってくのはナシなんでしょう?」
楠呉 円
「だから、一緒に持ってってくれません?」
ネム
もう、ここに用は無い。
すべてが終わっている。
楠呉 円
するべきことを知らないはずもない。
もう追いすがれさえしない男に構う理由もない。
楠呉 円
けれど、まだ目の前にいてくれる。
ああ、なんて。
楠呉 円
「患者をよく見てる、誠実で優しいお医者様」
GM
【秘密:『記憶』】
このプライズの真の名称は『罪』である。下記文中の「あなた」はその時点でのこのプライズの持ち主を指す。
このプライズを手に入れたタイミング(配布時を含む)が訪れるたび、持ち主は下の「」内の文章中の、任意の一つの[ ]の中を消して好きに書き換えてよい。この時、書き換えた[ ]についている番号を消去すること。番号の消えた[ ]内は以降上書きされない。
あなたは[もうひとりの他には忍びなど誰もいないと、そしてそのひともまた誰を傷つけることもないと知りながら]、[意図せず忍びとしての力、あるいは殺意や疑念を暴走させてしまった]ために、この病院の人々を全て殺した。あなたは[我を失いながらも、心の底に芽生えた情から、痛みがないように一瞬で]彼らを殺した。
目の前の相手だけは殺さなかった。[惨劇を目の当たりにしたそのひとの姿を目にして、あなたは正気を取り戻した]からだ。記憶の混乱の治療にはもっと時間を掛けたかったが、今日までが限界だった。あなたは[彼/彼女を愛してしまっている]。
これこそが、これだけが、(6)[ 真実 ]である。」
ネム
「優しいなんて言ってくれるのは、あなたくらいだわ」
ネム
共に在るということは、罪を負うということだ。
ネム
避けたかった。
どうしても、避けたかったのに。
ネム
【秘密:『記憶』】
このプライズの真の名称は『罪』である。下記文中の「あなた」はその時点でのこのプライズの持ち主を指す。
このプライズを手に入れたタイミング(配布時を含む)が訪れるたび、持ち主は下の「」内の文章中の、任意の一つの[ ]の中を消して好きに書き換えてよい。この時、書き換えた[ ]についている番号を消去すること。番号の消えた[ ]内は以降上書きされない。
あなたは[もうひとりの他には忍びなど誰もいないと、そしてそのひともまた誰を傷つけることもないと知りながら]、[意図せず忍びとしての力、あるいは殺意や疑念を暴走させてしまった]ために、この病院の人々を全て殺した。あなたは[我を失いながらも、心の底に芽生えた情から、痛みがないように一瞬で]彼らを殺した。
目の前の相手だけは殺さなかった。[惨劇を目の当たりにしたそのひとの姿を目にして、あなたは正気を取り戻した]からだ。記憶の混乱の治療にはもっと時間を掛けたかったが、今日までが限界だった。あなたは[彼/彼女を愛してしまっている]。
これこそが、これだけが、[ 真実であり、二人が負った罪 ]である。」
楠呉 円
「へえ? そいつはまったく見る目のない」
楠呉 円
その答えだって、もう知っていて。
そうしてそこで、負わなくてはいけないものがある。
楠呉 円
その罪をただ一人止め得たはずのものが。
どうして、咎を負わずにおれようか。
楠呉 円
男はそれを看過するほど、悪くも狡くもない。
ネム
一人で歩けたはずなのに。
あなたを巻き込んで。
ネム
それでも抗えなかった。抗わせてもらえなかった。抗いたくなくなってしまった。
ああ、これが、
ネム
これが私の罪。
あなたと生きていく。
罰と言うには、ご褒美みたいに、甘かった。
楠呉 円
重ねた罪は何をしたところでもはや消えはしない。
それを知らないわけもないと、互いが知っている。
楠呉 円
手を差し出す。何の気もなく。かつてあなたがそうしたように。
楠呉 円
「エスコートは、よろしくお願いしますよ」
楠呉 円
抗うはずもない。
抗えるはずもない。
手を引かれるまま、巻き込まれていく。
いくらでも。
楠呉 円
それこそが罪人に与えられる終身刑。
死がふたりを分かつまで終えられぬ罰。
ネム
手と手が重なる。
終わりまで、それが離れることはなかった。
ネム
ああ、さようなら。愛しい日々。
山中の病院にはもう、誰もいない。