エピローグ
GM
反対側の王子の影は祝福を受けた剣に打ち砕かれて。
GM
舞っていた青き蝶たちも、形を失い、光の粒となって。
GM
亡者のもたらす力の残影は、ひとつひとつ、世界の裏側へと溶けていく。
GM
死/真実の山を覆っていた青い胞子と茸も、薄れ消えていく。
ヲトメ
素直な気持ちを口にする。
これがどんなにものかなしく、むなしい光景であっても。
アンブローズ
崩れ落ちたアンブローズがうずくまっている。
クロノス
そうしてアンブローズの前までやってくる。
アンブローズ
「死に体の末裔風情に、酷な要求をなさる…………」
ヲトメ
「じゃあ、どこにでもいるってのとかわんないわね」
リュール
彼女のとまり樹になりうる位置で、見上げている。
アンブローズ
ぼんやりとした眼差しで、それらを眺めている。
ヲトメ
ひこうきのりが、ひとりきりの夜空でめざした光。
アンブローズ
「僕はあなたたちの敵にすら、なれなかったらしい」
リュール
「それでも変わらず、愛しているというだけ」
アンブローズ
「救世主ってのは、どいつもこいつも勝手にすぎる」
GM
大地が……急に揺れ始める!!!!!!!!!!!
リュール
クロノスの手を取り、ヲトメへと腕をのべる。
アンブローズ
「例の青い茸がいたるところに食い込んでいたわけですが」
アンブローズ
「多分地盤が大変なことになっています」
ヲトメ
そういうことはわからないのでどういうこと?になっています。
GM
(ものすごい勢いで画面が縦や横に揺れている)
アンブローズ
「救世主の皆様ならこれぐらいはなんとかしてくださいますよね?」
GM
今すぐ逃げたほうがよさそうなムードがすごいです。
リュール
「誠心誠意、努めさせていただきましょう」
アンブローズ
救世主たちとは反対側、大樹のほうに向けて歩く。
リュール
救世主としての権能。
愛する女を討った心の疵でもって、
GM
駆け出せば、あなたたちはアンブローズの視界からすぐに見えなくなる距離へ。
GM
裁判で疲弊したあなた達の動きを、障害物が阻む。
GM
(特定ポイントを通り過ぎるとさっきまでいた場所が地割れに飲み込まれる演出)
GM
崩落する足場に巻き込まれ、地下へと落ちてしまう。
リュール
これはたまらぬとマントを翻し、クロノスと懐のヲトメを庇い。
GM
それ自体は、大した怪我にはならなくとも、早く地上に戻ったほうがいい……
GM
先程までは茸や胞子に覆い尽くされていたはずの……
GM
救世主アントワーヌが、この堕落の国を訪れたときに乗っていたもの。
ヲトメ
「きっと、飛び方はこの子自身が知ってるわ」
リュール
乙女の声が俺にささやき、光の粒が俺をいざなう。
リュール
俺はリュール。
皆に望まれた王子のリュール。
GM
燃料さえ積まれていなかったはずの飛行機が、ぐんぐんと速度を増して、疾走する。
GM
崩れ行くリヨンの街が、眼下にどんどん小さくなっていく。
ヲトメ
「はじめて飛んだにしては上出来よ、いい子ね」
アンブローズ
その有様を、大樹のふもとであのイモムシの末裔も見上げていた。
リュール
「こんなに素晴らしい馬の、初めてを乗られるだなんて!」
アンブローズ
手の甲に乗せていたままの鳥を、空へと放った。
GM
もはや崩落に巻き込まれる危険のない高度になっても、
GM
天井のように堕落の国の夜空を覆う雲が、どんどん近づいてくる。
ヲトメ
あの大樹のふもとで見た、命の終わりのきらめきと同じだとおもう。
リュール
どこにもなくて、どこにでもあるそれらが。
リュール
今こうして、俺たちのまわりにまたたいている。
リュール
クロノスとヲトメをふところに、衝撃に耐える。
GM
救世主たちの疵の力を燃料に飛んでいた飛行機は、もう何をどう弄っても再び動くことはなくなった。
GM
遥か遠くに、リヨンのあったあの山が見えるだろう。
ヲトメ
ふところから出でて、そのしかばねをなでてやる。
リュール
労るように馬に声をくれてから、クロノスの言葉にあの山を仰ぐ。
ヲトメ
山の方を見て、最後の光のたちのぼるを見る。
リュール
砂漠の風にマントを靡かせながら、つぶやく。
リュール
「彼らにもまた、さいわいのあらんことを」
GM
「まあ、あなたはそういうふうには感じてらっしゃらないかもしれないけれど、でもいずれサナギになって――だっていつかなるんですからね――それからチョウチョになったら、たぶんきみょうな気分になると思うんですけど。思いません?」