
では、シノビガミシナリオ「秋空に雪舞えば」
では、シノビガミシナリオ「秋空に雪舞えば」
始めていきましょう。
よろしくお願いします!
よろしくお願いします
よろしくお願いします
よろしくお願いします。
よろしくお願いします!
暑い夏が終わり、季節は秋。
山奥の小さな村『指輪木村』では、収穫や冬の準備で大忙しだ。
だが、その忙しさも楽しいもの。
雪が降れば秋は終わり。
秋の終わりの『天ヶ原祭』が過ぎれば、
やがて厳しい冬が来る。
そんな村へ訪れたのは一人の忍。
戦いに疲れ、斜歯を抜けたハグレモノ。
村人に優しく迎えられ、初めて安らぎを知った忍がこの村で見るのはどんな夢か。
村に眠る『石』が妖しく輝き、忍が夢から醒めるその時を待つ。
そう、冬の訪れを。
シノビガミ『秋空に雪舞えば』
では、PC1から自己紹介をお願いしていこうかな。
GMがHO貼りますね。
PC1 推奨:ハグレモノ
・使命:【あなたの【使命】は「村を去ること」だ。】
・導入:
あなたは斜歯忍軍の抜け忍だ。
追っ手を差し向けられ、追い詰められたあなたは崖下へ転落してしまった。
次に気がついた時、目に入ったのは田舎の天井。
倒れていたあなたを介抱してくれたのは子どものいない老夫婦だった。
迷惑をかける前にいなくなったほうがいい。
キャラクターシートを公開し、自己紹介をお願いします。
まずキャラクターシート
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYn9XRpwUM
芥切 薊(ちりきり-あざみ)。年は28。
しばらく前に斜歯を抜けて、今はハグレということになる。
もとは不知火の血筋。ご多分に漏れず斜歯に呑まれていたがね。
追われる身だが、抜けたときからいずれわかってはいたことだ。
もう生き方を曲げるつもりはない。
そのぐらい。
ありがとうございました。
芥切さんの使命は、
【あなたの【使命】は「村を去ること」だ。】
平穏無事にことが運びますように。
では、PC2ですね。
PC2 推奨:鞍馬神流
・使命:【あなたの【使命】は「『天ヶ原奉納演武』を成功させること」だ。】
・導入:
村の巫女であるあなたは、冬の訪れを告げる祭儀『天ヶ原奉納演武』に向けての準備に大忙しだ。
そんなあなたの元へ舞い込んだ厄介ごと、それがPC1だ。
儀式の邪魔をされないよう気をつけなければならない。
よろしくお願いします。
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY1JD8qQUM
辻秋葉(つじあきは)。15歳。
一応巫女をやっている……が……普段は山に入って猟をしたりだな。そっちの方が本業かもしれん。
ジジイとババアばっかりの村だからな。貴重な若者の俺が働いてやらねえといけないんだ。
俺の方が強いし、力もあるし。
……特に語るようことはない。何もない村だから。
しいて言うならそろそろ祭があるが……よそ者が来るようなもんじゃない。
ないんだぞ。
邪魔だからさっさと帰ってほしいぜ。俺はいそがしいんだ。
今年は熊が多いからな。
以上だ。
ありがとうございました。
【あなたの【使命】は「『天ヶ原奉納演武』を成功させること」だ。】
大役ですね。がんばってください。
では、お次はPC3。
■PC3 推奨:斜歯忍軍
・使命:【あなたの【使命】は「PC1を殺すこと」だ。】
・導入:
あなたは、多くの部下を失いながらも抜け忍であるPC1をようやく追い詰める。
しかし、最後の一撃を加えようとしたところでPC1は崖から転落し、取り逃がしてしまった。
なんとしてでもヤツを倒す。
あなたは崖の先に見える村、指輪木村に視線を移した。
よろしくお願いします。
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYhav5oAUM
名前は鬼越仁一郎。
斜歯忍軍。御釘衆。
抜けた忍の始末は本来、俺の仕事ではない。
だが、今回は俺に回ってきた。
つまりは、そういうことだ。
絡繰の連中や、御釘の若いのを連れて忍びを狩る。
それが大きな流れで、俺はただ仕事をする。
それだけだ。
ありがとうございました。
【あなたの【使命】は「PC1を殺すこと」だ。】
忍びとしての仕事に貴賤はなく。
応援は……あったとて、でしょうね。
それでは、最後ですね。PC4。
■PC4 推奨:比良坂機関
・使命:【あなたの【使命】は「村の平和を守ること」だ。】
・導入:
今日も村は平和である。
公民館で資料をめくるあなたに話しかける者はいない。
ゆったりとした時間が流れる中、不意にあなたが張った罠が作動した。
もうすぐ祭儀だというのに野暮な輩もいるようだ。あなたは仕事に取り掛かった。
よろしくお願いします。
はーいこんにちは! 三登河六衛門です!
ぼくろくえもん〜ってネタ披露したかったんですけど、この村おじいちゃんおばあちゃんしか居ないんですよねえ、残念。
あっ 私うっかりしてました! キャラシはこちらです!
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYisDcrQUM
指輪木村にはもう結構長いこと勤めさせてもらってまーす。公民館の資料整理がお仕事です!
なーんか今年は熊も多くて秋葉ちゃんも大変そうですし、お祭りも近いのに外から誰か来てるみたいです? 困りますねえ。
ま、お祭りには私も毎年ご協力させてもらってるので! 今年も滞りなく進むようお仕事頑張ります!
ありがとうございました。
【あなたの【使命】は「村の平和を守ること」だ。】
何かと騒がしくなってますがね、どうにかしていきましょうね。
それでは、此度指輪木村に集まりますこの四人の忍びにて。
シノビガミシナリオ『秋空に雪舞えば』
開幕とあいなります。
◆導入フェイズ:鬼越仁一郎
鬱蒼と茂る森の中に殺気が充満する。
葉を散らし、血を散らし、
駆け抜けるいくつもの風がそこにある。
それは正しく風。先駆として跋扈するは斜歯の機忍。
【隠蓑】で姿を隠した忍びが、木から木へ。
追うは芥切薊。
満ちた殺気を切り裂くように、風を先導するように走る。
容易には見えぬ相手をやがて見出しては、斬り伏せ、あるいは不知火らしく燃して。
森の所々に業の炎が灯る。
その明かりに照らされるは御釘衆。
芥切薊と距離を保ちつつ、呪詛と悪意だけが獲物に触れる。
障られるやいなや、忍の足場は不運にも泥濘み、その足を鈍らせる。
行く手には蔦の絡まりが、鋭利な枝が。
入念に選択したはずが、隘路へと誘い込まれていく。
追われている。これが御釘衆の連中に追われることだと、もう知っている。
泥濘んだ足元で手を突いて前に転がり、蔦に枝に肌を裂かれながら、
足は止まらない。追い込まれていようが、まだ。
今止まれば、狩られる。今はだめだ。
やりあうにしても、やりようというものはある。
「……、っ」
ひとり、ふたり。追手は倒れていくが、その生死を確かめることはしない。
そして、視界が開ける。
「これは天命にして、呪いに非ず」
その先に立つ忍、鬼越仁一郎は刃を振るう。
すべてを知っていたとしか言い表せない、完全な場所、機会。
芥切薊の腹を貫く。
「っが、あっ……!!」
刺し貫かれた腹に灼熱が走る。
「逃げおおせたと思うな」
「人には人の意志があり、宿命から逃れ、運命を切り開くこともあるだろう」
「だが、お前はここで死ぬ」
少し開いた間合いを、ゆっくりと歩いて詰める。
すでにここは殺界にして、芥切薊にとっての鬼門だ。
越えることは敵わない。
「ふ、……ははっ、」
「何が天命だ」
「俺の宿命とやらをねじ伏せたけりゃ、」
「この腹に刃を打ち込むんじゃあなく、釘を打つ場所を探してこい」
「俺は呪わない」
「お前が宿命に呪われている。お前が血塗られた道を往くように」
ここまでに芥切薊が斬り伏せてきた忍はすでに二十を数えている。数多の墓穴を最後に数えるのは、
「散れ、強者よ」
芥切薊。その首を刎ねる。
「やな、こった……!」
歩み寄り、近づいていた鬼越の腹を蹴り飛ばす。
反動に血の尾を引いて、たたらを踏み。
首刈りの一閃をかろうじて……あるいは“運良く”避けつつも、踏みとどまることはできず、
がくん、と足場を踏み外す。
「……」
「これもハグレの意志というものか」
「……いや」
背広を翻し、その場を後にする。
紅葉の赤に散る血潮の赫だけが、
まだ青い空のもとに、残さるる。
*
◆導入フェイズ:三登河六衛門
指輪木村。
山に囲まれた僻地の村。
当然そこに作られた公民館も古ぼけていて、
冷たくなり始めた秋の空気が隙間風となって入り込む。
そんな中、いつもの通りに仕事をこなす、学芸員の姿がひとり。
「えーと、この資料どこのだったっけ……使ったら元のとこに戻して欲しいですよ〜」
などとぼやきながら、その男は公民館の、村の歴史を記した本だの、新聞だのを、資料室の正確な位置に戻している。
ぼやく言葉とは裏腹、その動きに無駄はない。的確に資料を棚に戻していく。この公民館のことは知り尽くしている……といった様子。
「ん〜〜〜、ひと段落したら給湯室でちょっとばかし休憩でもしますかね。いや、その前に受付見にいくか……」
「おーお、三登河さんやい」
「いるかい、にいさんや~」
と、公民館の入り口の方から声が聞こえます。
「あっ、はーい!!」
慌てて入り口に駆けていくでしょう。
そこには近所のハルばあさんがおりました。
まあこの村の人全員近所みたいなもんですが。
干し柿の入った籠を持っています。
「お勤めご苦労さんだねえ」
「ハルおばあちゃん! どうしたんです、何か困りごとでも?」
「いんやあ」首を振ります。
「干し柿がね、いい頃になってきたから」
「三登河さんにどうかいと思ってね」
「ほらあ、ようけ頭つかうろ?」
「ああ、もう干し柿の頃ですねえ。えっ、下さるんです?」
「今年は柿がたくさんとれたからねえ」
「これはいい干し柿ですねえ。ありがとうございます! では、お言葉に甘えましょう」
「ええ、ええ」
笑みを深めます。しわくちゃの顔がさらにしわくちゃに。
こちらもにこにこしながら、干し柿が入った籠を受け取るでしょう。
「ちょうど食べ頃ですねえ。おやつにぴったりです!」
「たんとお食べね。遠慮はいらんから」
「うちの人もまた迷惑かけとるかもしれんし」
ハルばあさんの旦那さんの須藤じいさんは偏屈頑固者のおじいさんで、
よく公民館の資料を掻き回してはそのまま放置しがちの人です。
「いえいえ! 須藤さんにもよろしくお伝えくださいな」
「私は公民館とこの村の皆さんのお役に立つのがお仕事! どんどん使っちゃってくださいね〜」
「ふふ。……ありがとうねえ」
そんなやり取りを経て、頭を下げ合い、
腰の曲がったハルばあさんがそれでもなかなかしっかりとした足取りで去っていくのを見届け。
その矢先でした。
あなたの耳だけに届く、からからという鳴子の音。
ニコニコと見届け、さて次の仕事を……と、踵を返した矢先。
パチリと目を瞬かせ、窓の外を見る。晩秋の村の風景が広がっているが……。
「うっそ、このタイミングで?」
ばたばたばた、ととりあえず事務室まで走っていき、いただいた干し柿をデスクに置いて。
「方角からして……山の方かな?」
「うーん、面倒だな〜、これ動物じゃないよお多分」
そうですね。山の方。
三登河の仕掛けには二種類ある。物理的な鳴子と、結界。
動物だけなら鳴子だけが反応するはず。しかし、結界の反応はそれ以外のもの。
ならば、見に行かねばならない。
「もうすぐお祭りですってのに。はあ……」
ジャケットを羽織り、いただいた干し柿を一つ頬張りつつ向かいます。
干し柿の糖分を頭に回しつつ、紅に染まりつつある山へとあなたが赴くと……。
まず漂ってくるのは血臭、なのですが。
「……い! おい!」
「あんた、こら、大丈夫かね!」
と、しわがれたおじいさんの声が響いてきます。
血臭に、足が早まる。次いで声も。
畑仕事好きの山岡さんですね。この声は。
当然知っている。走って声の方へ駆けていくでしょう。
「山岡さん! どうしました!?」と、声をはりあげるのも忘れずに。
たどり着けばちょうど山岡さんが血まみれの青年を担ぎ上げているところでした。
山歩き中って感じの格好をしています。畑仕事が好きなので体力があるのです。
「うわっ、山岡さん、ど、どうしたんですその方!」
「三登河さんじゃあないかい!」
「いや、見てくれよ、この子が」
「こんなに血まみれで……」
近寄りながら、背負われている青年に見覚えがないことをさりげなく確認する。
「早く村、連れ帰ってやらねえと」
「これは……ひどい傷ですね、熊でしょうか?」
自分の服が血で汚れるのも構わずに青年を抱えています。
「わからん。こんな場所じゃあどうにも……」
「もしも熊ならまずいですね。急いで村まで。お手伝いします!」
「ああ。よろしく頼むよ」
こちらも、ジャケットが血まみれになるのも構わず一緒に担ぎます。
山岡さんと村に運ぶまでの間、じっと観察をしながら。
血まみれの青年。
山岡さんは分からないと言ったが、忍びであるあなたの目には一目瞭然だ。
この青年が忍びであることも、これが忍び同士の争いによって負うた手傷であろうことも。
(こいつは……忍びか? そしてこの怪我……何らかの呪術? 刀だけではないものを感じる。相手はうちじゃなさそうだが……)
山岡さんを安心させようとちょくちょく声をかけながらも、思索は進む。
山岡さんもしきりに青年を案じています。
(罠にかかったのはこいつで間違いない。ただ、まだ息がある。とするならば、打ち損じたと勘づいた相手が追ってくる可能性が高い……)
(まいったな。祭りも近いのに……外の連中にわらわら踏み込まれちゃあ困る)
(とはいえ、山岡のじいさんの手前、捨て置くわけにもいかない)
「いや〜〜、えらいこっちゃ。意識ありますか? お兄さーん?」
「うんともすんとも言わんなあ……」
「それはまずいですね……診療所に真っすぐ向かった方がよさそうです」
(面倒だが、一旦村で預かるしかない、か)
(もしも追っ手が来るのなら、そちらも罠には掛かるだろう。……掛かるものと思いたい)
どっこいしょ、と青年を担ぎ直し。腹の中は全く顔には出さず。
そのまま村の診療所に向かっていくでしょう。
平穏な村の地面に血の跡をつけながら、二人はゆく。
*
◆導入フェイズ:芥切薊&辻秋葉
ふと気づくと、見知らぬ天井。
少し冷えた、草っぽいにおいのする秋の風。
布団に寝かされている。畳の部屋のようだ。
「…………」
開いた目で、左右をあらためる。
殺気のにおいはしない。あの噎せ返るような呪いの、重たい空気も。
襖は閉じられていますが、和室ですのでどうしても隙間風が入ります。
全身には処置がされ、包帯が巻かれ、古い着物を着せられ。
といったところで、縁側の方から足音が聞こえてきます。
少し引きずるような足音が近づいてきて、襖が開く。
「あら!」
古めかしい格好をしたおばあさんが、あなたの様子を認めて目を瞬きます。
「よかったわあ、目がさめたのね」
「ひどい怪我をしていたのよ」
ゆっくりとあなたへと近づいてきて、傍らに膝をつく。
忍びではない人間の、忍びでは纏い得ない柔らかさを感じる。
「……ここは……」
「ああ、ええと」安堵に緩んだ表情で。
「指輪木村、というのよ」
「外から人なんてめったに来ないし、お兄さんは聞いたこともないでしょうねえ」
説明をしながら、おばあさんはあなたへと手を伸ばす。
無防備、無警戒に、あなたの肩へそっと触れ。
「ほらほら、横になって」
「まだ痛むでしょう?」
痛まない、ということはない。なにせ、腹を思い切り貫かれている。
「……お気遣い、ありがとうございます」
振り払おうと思えば、それはあまりにも簡単なのだが。
簡単すぎるがゆえに、そうはしない。
深い皺の刻まれた顔の、たるんだ瞼の奥より、あなたへと注がれる視線は。
「いいのよ」
ただただ純粋に、その身を案じている。
「ここはほとんど自給自足の村でね、大したこともできないけど……」
「だからこそ、ゆっくりしていってくれていいから」
「……、いや……」
出ていったほうがいい。忍びではない人間の家には、こちらにもあちらにも障りがありすぎる。
「……気持ちだけ頂いて、早いところ出ていきます」
「でも、その怪我じゃあ……」
と、思案げにおばあさん、ええと山岡静さんが言い募ろうとするんですが。
「おーい」
「あら」
ぱっと顔を上げる。
呼びかけから間をおかず、ずかずかと足音。
すぱんと襖を開ける。
「秋葉ちゃん、だめよ」
「このかた、大怪我をしてらっしゃるのだから」
「そんなに揺らしたらいけません」
たしなめるような言い方。
鮮やかなオレンジ色のハンティングベストを着た少女。
「む。悪ぃ、静ばあ……」
目が合う。
「気をつけてくれたらいいのよ」
「また、狩りに行ってくれていたのね」
部屋に入って、すすす……と静かに襖を閉めました。
にこにこ。それでいいのよ。
「うん。今年は熊が多い。多すぎる」
「あとで肉を捌いて持ってくる……じゃなくて」
じっ
じ~~~っ
「こいつかぁ、けが人のよそもんって」
あら、ありがとう、と静さんはにこにこしていますが。
物珍しさ、好奇心、そういったものを一切隠さない視線。
「そうよ。正一さんが、三登河さんと見つけたって」
「へぇ~~」
無遠慮な視線を見返す。
互いにわかる。目の前の相手は、この老女とは違う。
「…………」
あら。あらあらあら。
みたいな顔で頬に手を当て、見つめ合う二人を見ています。
ふ~ん、という感じの目で見ている。
あなたが会ってきたシノビたちとも、どこか違うかもしれない。
田舎育ち故だろうか。
視線に含まれる好奇心を隠す気すらないのもそう。子供でありながら堂々と猟に参加している様子なのも。
しかしさしあたりのところ、敵意は感じない。これもまた互いに、そう。
少し考えるふうにして、
「……芥切薊という。改めて、迷惑をかけたようで申し訳ない」
と、名乗った。
「ちりきり」
響きがおもしろかったらしい。繰り返す。
「俺は秋葉だ」
ご丁寧にどうも、山岡静です、とおばあさんも頭を下げます。
こちらは畳に手をつき礼儀正しく……。
静ばあは上品なんだ。
静かな目で二人を視界に収めたまま、何に対してか頷く。
「ちりきり……は、しばらくここにいるのか?」
「長居はしないつもりだ」
静さんはそんな、というような顔をしています。
「大丈夫なのか、その怪我で」
「……、まあ」
「大丈夫じゃないでしょう」
そのように見える。
「たいへんだったのよ。正一さんも三登河さんもまっかっかで」
「私ときたら、ほんとうにびっくりして」
「来るときも道が赤くてすごかった」
「…………」
実際のところ大丈夫ではないので、やや言葉を探しています。
「ほら、ほら」
静さんが手を伸ばし、布団をかけながら薊を寝かせようとします。
「まずはゆっくり眠りなさいな」
「まあ、俺はどっちでもいいけどな。お前が変なやつだったらじじばばの代わりに追っ払ってやろうと思ったけど」
「そんな感じじゃなさそうだし」
老女の柔らかな手つきに、下手に逆らうと相手を傷めてしまいそうで。
あえてその促しのまま、布団に背をつける。
うむうむ……
「お腹はすく? 食べられそう?」
「……たぶん、食えはします」
「お肉は入るかしら?」
「お? 熊食うか?」
「熊」
「秋葉ちゃん、さばいてくれる?」
「おー」
よっこらしょと立ち上がる。
「いや~、肉に困らないのは助かるぜ」
「本当に。いつもありがとうねえ」
「天ヶ原奉納演武も近くて、今は忙しいだろうに」
「そっちもな~。まあどうにかやってるよ」
ぴしゃ!と襖を開けかけて、はっとしてすすす……と開ける。
そうそう。
「じゃ、また」
「よろしくねえ」
気持ち静かに去っていきました。
にこにこ見送りました。
薊もまた、その姿を、横になったまま見送り。
「……奉納演武……」
「ああ」
「外の人には、耳慣れないかしら?」
ゆっくりと振り返ります。
「……ここの、まつりか何かですか」
「ええ、そうなの。秋の実りに感謝を捧げるお祭りでね」
「秋葉ちゃん、巫女さんなのよ」
ぱちりと軽く瞬いた。
「だから……冬が来たら、神様にお祈りをするの」
「冬が来たら、ね」
「冬……」
「ささ、休んで」
「食べるのにだって、体力は要るものね」
話が長くって、やあねえ、と破顔しながら掌を振って。
歳を取るとこうだからいけないわ。
「……それじゃあ、おやすみなさいね。薊さん」
「……はい。ありがとうございます」
にっこりと頷いて、静さんも部屋を去ります。
畳のい草のにおいに、乾いた秋の風が吹き抜けて。
現実感のないほどに安穏とした、平和な時間が訪れる。
頬に風を感じて、細く長く息をする。
目を閉じて、勧められたとおりに眠りにつく。
今度は気を失うのではなく、何事かあれば跳ね起きる、忍びの眠りに。
身に染み付いたあなたの在り方に反して、この村に流れる空気は穏やかだ。
歩んできた道のりとは程遠く、
柄にもない願いを、抱いてしまいそうなほどに。
*
では、メインフェイズを開始していきましょう。
このシナリオのドラマシーンでは「秋空に雪舞えばシーン表」を振っていただくことになっています。
2:どこから紛れ込んできたのか。シーンプレイヤーが1D6を振って3以下ならナタを持った少女、4以上なら冬篭りに備えた熊が襲ってくる。シーンに登場したキャラクターは、少女なら《刀術》・熊なら《鳥獣術》で判定し、失敗すると接近戦ダメージを1点受ける。
3:暗い夜の森の中、月明かりのみが周囲を照らす。忍が動くにはいい時間だ。
4:秋晴れの下、両脇で黄金色の稲穂が風に靡く道。刈り取りを控えたこの短い間にしか見る事の出来ない貴重な光景だ。
5:美味しそうな果実がたわわに実っている。一つくらい取って行ってもバチは当たらないだろう
6:山中に続く林道。勾配の厳しい道から、紅葉が浮かび流れる穏やかな川が見下ろせる。
7:村の広場。山や田畑が一望できる。波打つ稲穂の絨毯、山々には紅葉。秋を感じるひと時だ。
8:パチパチと爆ぜる音。どうやら籾殻で焚き火をしているらしい。少し暖まっていこうか。
9:神秘的な神社。祭りの準備が進められているが、今は人がいないようだ。
10:ひと雨きそうな午後。重たい空気にキンモクセイがつと香る。
11:草に埋もれ、崩れかけの古い空き家。どこか物悲しさを感じる。
12: カツーン、カツーン、誰かが丑の刻参りをしている音が聞こえる。シーンに登場したキャラクターは《呪術》で判定し、成功すると誰かに《呪い》の変調を与えることができる。失敗すると《呪い》の変調を受ける。
よろしくお願いします。
というわけで、初手希望者の方いらっしゃいますか?
いなかったらGMがダイスで決定します。
では初手を。
かしこまりました。よろしくお願いします。
◆メインフェイズ第一サイクル:鬼越仁一郎
行動としては、辻を調べようと思っていますが、一緒に出ますか?
シーン表の結果次第という答えが出る可能性があります。
では先に振ります。
シーン表見てから決めます
AKST 秋空に雪舞えばシーン表(9) > 9:神秘的な神社。祭りの準備が進められているが、今は人がいないようだ。
めちゃくちゃそれっぽいやつ引いてる……。
じゃあのこのこと出ていくか
鬼越仁一郎は周囲を調べた後、神社へ。
まっすぐ、姿を隠すことなく村を歩いて。
しかしそれが誰にも見咎められることなく、呼び止められることもなく、不審がられることもない。
たまたま目に入らない、たまたま気にされない。
「さて……」
しかし、その隠蔽も忍には通じない。
「ん」
ぽてぽてと歩いてきた半纏姿の少女が、男を見咎める。
「誰だお前」
「俺は、鬼越仁一郎」
不審者に名乗られてしまった……
「斜歯忍軍、御釘衆。芥切薊という抜け忍を処分するため、この村に来た」
「お、おう……?」
「え~と……俺は秋葉だ」
抜け忍……
「負傷した忍を、拾っただろう」
「ああ、うん」
「あれを預かりにきた」
少し悩み……
「もし俺が邪魔したりしたらどうなる……?」
「交渉の必要が出てくるな」
「こうしょう」
「利害を擦り合わせる、ということだ」
「お互いの利害が一致するところを探り、落とし所を見つける」
「そういった、現実的な試みだ」
「なるほど」
とはいえ、突き出すことを期待しているわけではない。
この娘がそうすると判断しても、その通りに従う獲物ではない。
この会話で鬼越が探るのは、それこそ、利害が一致するかどうか。
この娘が、俺にとって、吉なのか、凶なのか。
つまりは、それが肝心なところだ。
「どうだ。お前にとって、あの忍は」
「どう……」うーん
「村の迷惑にならないなら置いてやってもいいと思っている」
「思っていたんだが……」
じろじろ……
鬼越仁一郎は、交渉が決裂したときの話はしていない。
引き渡さなければ何をすると言われたわけではないのだが。
だが、忍だ。
「お前にとって、何が重要で、何が重要ではないのか」
「何を切り捨て、何を取るのか」
強面の男が、まっすぐ睨むように辻の目を見る。
「どうだ」
情報判定します。対象は辻の秘密。
千里眼の術で判定します。成功すれば、直接聞いても、聞かなくてもわかるという感じで。
OK 判定をどうぞ!
2D6>=5 (判定:千里眼の術) (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
成功ですね。
ディスコードにてお送りします。
お送りしました。
受け取りました。
男の鋭い視線を受け止める。
「……まあ、俺としては別にあいつはくれてやって構わない」
「の、だが」
「なるほど」
「いや、いい」
「もうおおよそ、”見えた”からな」
「は?」
「見るな勝手に……」
「時間を取らせた。話の続きは追ってしよう」
そのまま、神社の境内を歩いて去ろうとする。
「暴れるのは村の外でやってくれよな」
「善処しよう」
「頼むぜ」
この場を去るなら追わない。
できれば村からもさっさと去ってほしい……。
ではそのままいなくなります。
じー……とその後ろ姿を睨み。
うーん。もう少し若ければなあ……。
などと何かを考えて、自身もその場を後にした。
秋の境内に、ひたりと楓の葉が落ちた。
*
◆メインフェイズ第一サイクル:辻秋葉
AKST 秋空に雪舞えばシーン表(8) > 8:パチパチと爆ぜる音。どうやら籾殻で焚き火をしているらしい。少し暖まっていこうか。
ちりきり。出てくれるか。
お。いいぞ
よし。
田舎の夜は静か……なんてことはなく。
そこら中、カエルだの虫だのの大合唱。
とはいえ、秋葉には慣れたものだ。そもそも他の土地の夜なんて知りもしないのだし。
合唱に紛れて、静かな足音。山岡夫妻を起こさない程度に。
そ……と薊の寝かされている部屋の襖を開ける。
襖の滑る音に、目を開ける。
「よっ」
片手を上げて軽く挨拶しながら、反対の手で襖を閉める。
「体の調子はどうだ」
「……最悪からはなんとか、といったところだな……」
「最初よりは顔色よさそうだな」
ちょっとだけ……
「良くしてもらった」
「そうだぞ」
「お前は山岡のじいちゃんばあちゃんに、ひいてはこの村に恩ができたわけだ」
特に否定はしない。目線で先を促す。
「……ということでだな、俺からお前に一つ提案があるんだがな」
「お前、俺と子供を作らないか」
「は?」
「まあ聞け」
「見ての通り……てほど見てないかもしれんが、この村は年寄りばっかりだ」
「若人がいないと子供が作れない。子供がいないと村が滅びる」
「センセー……センセーとは会ったか? 髪が黄色いやつ」
「いや。見かけてはいないな」
「そうか。センセーも若いんだけどな。村のやつよりはよそ者の方がいいからなこういうのは」
「……なるほど?」
「わかってくれたか」
「言いたいことはわかったが」
「本物の行きずりだぞ」
「うん」
「そっちなんだ。けが人だから無理って言われるかと思ったぜ」
「……そっちもこっちもあるかよ。そもそも、普通は怪我人に持ちかける話じゃないぞ」
「俺としても待ってやりたかったんだけどな」
「顔の怖いおっちゃんがお前を引き取りに来てたから、早いほうが良さそうだと思って」
「あいつか。……会ったのか」
「自己紹介もしてくれたぞ。おにごえじんいちろうだって」
「ふうん。礼儀正しいこった」
「だから、明日にもお前連れてかれちゃうかもしれないし」
「で、どうだ?」
「どうだ、じゃねえんだよなあ……」
「お前いくつだ。ガキだろ」
「じゅう……ご……? くらい」
「……くらい?」
「意味ね~から忘れるんだよ」
「まあ大体そんなもんだ。一つ二つ違ったって大してかわんねーだろ」
「ガキの発想だな……」 やや呆れたふう。
「ああ?」
「外……というか、表の世を知らん発想だと言い代えてもいいぞ」
「しらんけど……」
それは事実……
「まあそうだろうな」
「静さんだったか。お前の話を延々してくれたが」
俺は村の宝だからな……
「やめとけ。村の爺婆だって、お前がわざわざ行きずりの男と寝ることを喜ばないだろ」
「かわいい俺がかわいい子を産んだら喜ぶだろ」
「その前にも後にも問題があるだろうが……」
「お前なあ」
「お前がお前を村の道具にするのは勝手だが」
「自分のガキにそういうものを押し付ける意味、わかってるか」
「…………」
「………………」
考えていなかった様子。
「でも……かわいがるし……」
「秋葉とかいったか」
「わかっていてせせこましいごね方をするな」
「むぅ……」
「なんだ……クソ……お説教しやがって……」
「説教されるような持ちかけをしたのはお前だろう」
「バカにしやがって~……」
わな……わな……
むすむす……
むかついたからお前の秘密を抜く。
日々野山を駆けずり回って得た観察眼などで抜く。野戦術だ。
いいでしょう。判定をどうぞ。
2D6>=5 (判定:野戦術) (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗
アビビ
敗退します
「ふん! ばーか!」
「帰る!」
すっくと立ち上がる。
でもどたどた歩いたり襖を乱暴に開けたりしたら夫妻が起きちゃうからな。
「ばーか!」
静かに帰るぜ。
特に反論も引き止めもせず見送る。
村の外を知らない、小さな世界の、女というにもいささか幼い娘の背中。
「……15か」
まだ、ガキだ。本当に。
気配が去って、戻ってこないことをしばらく確かめてから、
再び横になる。
本当に、早く出ていったほうがいい。
わかっている。
やたらにやかましい虫の音が、あなたを嗜めるように響いていた。
*
◆メインフェイズ第一サイクル:三登河六衛門
どうしようかな まずはシーン表を振りますか
その結果次第という感じで
ナタ少女のせいではじめにシーン表ありきになってる。
AKSTです。
本当にそこが そこがね そこが
AKST 秋空に雪舞えばシーン表(10) > ひと雨きそうな午後。重たい空気にキンモクセイがつと香る。
よかった~。
12引いたかと思った 焦った
こわすぎる。
顔合わせときます? 薊さんと。
そうですね、お見舞いといった様子で軽くお伺いしましょうか
いいですね~。昼っぽい方にするか。
というわけで、少し湿った空気の漂う秋の午後。
山岡のじいさんが畑仕事でもしていようか。えいさほいさ。
お昼過ぎかな 山岡さんたちがお昼ご飯が終わったぐらいのタイミングを見計らっていくでしょう。
あ、ちょうど畑に山岡さんがおる。
この時期の畑仕事ってなんだ?
冬の間に育つ野菜の種まきとかしてるのかも。
あと芋掘ったりかな。
芋掘ってるほうがそれっぽいので、芋を掘ります。
「山岡さーん!」芋を掘っている彼に、道端から声をかける。
「おやあ」
顔を上げます。タオルを首に巻いているのは防寒目的かも。
「三登河さん! この前はどうもお世話に」
「おかげさまであの兄ちゃん、なかなか元気だよ」
「いや〜、冷えるようになりましたねえ。どうもどうも」
「冬が来るなあ」
「おっ、本当ですか? それは喜ばしい!」
「秋葉の狩った熊もばくばく食ってなあ」
「やっぱ怪我には血肉だろ。将来有望だわ」
「食欲があるなら大丈夫ですね! そう、その方のお見舞いにと思いまして」
「ああ~」
秋の味覚が色々詰まったカゴを持っている。
鍬を片手に髭の生えた顎をさすります。
食べやすいならあれかな やはり……干し柿
干し柿の循環だ。
「そんなら、どうぞどうぞ……と言いてえが」
「外の若者さんだもんなあ」
ええと……ぷらいばしい? とかがあるはずだったぞ。
「ちょっと待ってくれな」
「はーい。すみません、こちらこそ突然お伺いしまして……」
(山岡のじいさん、こういうところ真面目だからな……)と、おとなしく待ちます。
では、しばしして、縁側の方から。
「三登河さあん」今度は静さんの声。
「あ、はーい!」呼ばれて、改めてそちらへ向かう。
呼ばれるままに赴けば、山岡さんところの静さんと。
その一歩ほど後ろに、薊。
「こちらにどうぞ」と、縁側をぽんぽんと叩きます。
「今、お茶を出してきますからね」
「山岡さん、突然すみませんねえ。ああっ、お構いなく!」ぺこぺこ頭を下げながら縁側までやってくる。
「お二人はゆっくりしてらして」
いいのよ~、とにこにこ笑って下がっていきます。
正一さんは畑仕事に戻ったっぽい。
「いやあ、申し訳ない。それでは」と、改めて。
にこにこと薊に目を向ける。
あなたにはわかるだろう、この公務員然とした男も忍びであると。
「きちんとお会いするのは初めましてですね、三登河と申します」
「ああ。……あんたが運んでくれたと聞いた」
「芥切だ。礼を言う」
「いやあ、お礼を言うならそこは山岡さんに! 私はお手伝いしただけですので……」
「とはいえ、……ずいぶん大変な目に遭ったご様子ですねー? こちら、お見舞いになります」
ニコニコしながら干し柿の入った籠を差し出す。
そのあたりでそそっと静さんがお茶を置いて去っていきましょうか……。
あっ、ありがとうございまーす! と静さんにお礼も言うことも忘れずに。
会釈が返ります。にこにこ。
ゆっくりしていってねえ。
様々な面をそつなく切り替えている、そのように感じられるかもしれない。
「ありがとうございます」
それぞれに目をやりながら言って、視線が留まる先は三登河。
秋葉の不躾さとは違う、ある種忍びらしい、探りの気配を薄く感じる。
「いやあ、実際びっくりしましたよ。外から人が来るなんて滅多にないことでしてね」
「ですので、お加減が良くなったら是非お見舞いとご挨拶をしたいと思いまして、こちらにきた次第です」
口調こそ丁寧だが、そう、探りの気配は隠していない。
染めた髪に不似合いな真っ黒な目は、よくよく見れば感情が読みづらい。
「年も同じぐらいですか? 私は28なんです」もう三十路前ですが一応若手ですねー、などと語る声色は明るいが。
その目はじっと、あなたを見ている。
「28だ」
その視線を見返す。
(こいつ、相当なやり手だな……)などと、顔には出さずに、視線を受け止めましょう。
「わあ! 奇遇ですね! 同い年だなんて」
「もし、お嫌いでなければおひとつ、どうぞ。ああ、ご安心を。これは”ただの”干し柿です」
「私も一つ頂いちゃいましょうかね」ひょい、ととって食べてみせる。
「……どうも」
無造作にひとつ取る手つき。
疑ってはいない。今のところは。
もむもむ……と干し柿を食べながら、薊さんの秘密を調べましょう。
お見舞いも持ってきた。特技は経済力で!!
毒術じゃなくてよかった 判定をどうぞ!
毒入ってないよ!!!!!!! 判定します
2D6>=5 (判定:経済力) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
ふう ふう
高い! ディスコードにてお送りしますね。
はい!
お送りしました。
では、居所、いただきましょうか。
にこーっ、と笑う。どこか羨ましげな。
はい。薊の居所を獲得ですね。
「…………」 その笑顔に目を細めて、干し柿を齧る。
「さて、それでは」頂いたお茶を飲み干して。
「お体に障るとよくありませんから、私はこの辺りでお暇いたしましょう」
「山岡さーん! お茶ありがとうございましたー!」と、家の中にも声をかける。
あら、もうお帰りになるの? またいつでもおいでくださいね、うちにはいつでもいいから、みたいな返答です。
「どうも。……また」
本当に「また」があるのかは定かでない声色で言う。
「ええ、また」丁寧に一礼して、山岡家を後にします。
畑仕事をしている正一さんとも会釈しあいましてね。
もちろん!
では別れたところで、三登河六衛門の仕掛けた探知の罠に、意図を持って触れているものがあるのに気づくでしょう。
「……おっと?」
(……わざとか? 接触の意図があると見ていいか)
「……困りましたね〜、ほんと」では、罠の場所に向かいましょう。
山奥にのそのそ分け行っていく。勝手知ったる山。
「呼びかけに応じていただき、感謝する」
「比良坂機関」
思わず口角が上がる。
「ははは、お見通しときましたか」
「いかにも。比良坂に所属しております、三登河と申します」
「俺は斜歯忍軍、御釘衆。鬼越仁一郎」
「秩序を重んずる者として、情報交換を申し出る」
「ああ、御釘の方。通りで……」納得した様子で頷いてから。
「情報交換。ああ、……先日ここに来た忍びの方ですね?」
「そうだ」
「あれを追うのは、斜歯お決まりの揉め事ではない」
「いずれそのことはわかるだろう」
(こいつは腹芸も通じないだろうな……いや、御釘ならどこまで見られているか)
「ふむ、複雑な事情がおありのようですね。承知いたしました」
「俺が提供するのは、この村にいるもう一人の忍、辻秋葉」
「おそらくは、お前がここにいる理由と、関係すると考えている」
「ははあ、秋葉ちゃんとももう会っておられましたか」
自分がここにいる理由、については、触れずに。「いいでしょう。欲しいのは、あの方の情報ですね?」
「そうだ。互いに思惑はあるだろう」
「今はそれで十分だ」
「承知いたしました。利害の一致と秩序は、こちらとしても望むところです」
「感謝する」
辻秋葉の秘密を三登河六衛門に提供します。
では、芥切薊の秘密を鬼越仁一郎に提供します。
居所はどうしようかな
秘密見てからでもいいですよ。
そうですね。
了解です! ではまず秘密を。
では、秘密譲渡の処理をします。
ディスコードにてお送りしましょう。
お送りしました。
居所の譲渡については改めてご検討ください。
受け取りました!
貰えるならもらっておくか……?
居所は……そうですね、別の情報を手に入れたときに、共有してくださるとのことなら、お渡ししましょう。
では、そのときにまた交換などするかんじで。一旦は大丈夫です。
了解です! それではその際に交換という形で。
「……ふふ」小さく笑う。
「いや、いや、あの子らしい。本当によく育ってくれました」
「純粋さとは、時に厄介なものだ」
「大きな道理にも、安々と反してくれる」
「ははは。そうかもしれません。私も手を焼きましたが……」
周囲の紅葉に目をやり。「実りの時期ですね。頃合いかもしれません」
「それでは、また何か分かりましたら、ご連絡差し上げましょうか?」
「有り難い」
「私は普段公民館におりますので。ご用があればこちらの罠でも、公民館でも、お好きな方でご連絡をば」
「了解した」
「それでは、これにて失礼いたします。ごきげんよう」一礼をして、躊躇いなくあなたに背を向け、歩いていくでしょう。
それを見送る。
隙がない男だ。
その場で一人タバコを吸い、木々の隙間から見える秋空を見上げる。
群れをなす薄い雲が、紅葉の向こうに広がっていた。
*
◆メインフェイズ第一サイクル:芥切薊
AKST 秋空に雪舞えばシーン表(4) > 4:秋晴れの下、両脇で黄金色の稲穂が風に靡く道。刈り取りを控えたこの短い間にしか見る事の出来ない貴重な光景だ。
指輪木村には穏やかな風が吹く。
都会の喧騒から遠く離れた山奥の、草木と土のにおいをたっぷりと含んだ風が。
「降りそうな感じはなくなってきたわねえ」
静さんがそんな風にあなたに声をかけます。
具合が良くなってきたなら、お散歩ごいっしょどうかしら、などという風に提案をされました。
「いい風ですね」
淡々とした声だが、冷たくはない。
あながち社交辞令というふうでもない。
「ふふ」
「そう思ってもらえるのねえ」
「都会の人、若い人には、物足りないものばかりじゃあないかしら」
「この村は」
「……いや。そうでもない……」
脱臭されたラボの空気をわずかに思った。
徹底的な滅菌処理の行われた斜歯の実験室。
野放しの生命に溢れたこの山奥とは、あまりにもかけ離れた場所に。
そこからの追手がたどり着きつつある一方で、
目の前の老婆の姿は、あまりにも穏やかだ。
「そうかしら」
静さんは頬に手を当てる。
「あるものが違うだけでしょう」
「薊さんは、そう思うのねえ」
「秋葉ちゃんは……」
「どうなのかしら」
「……外には出たことがないんでしたか」
「そうなのよ。ずっとこの村でねえ」
「野を駆け山を登り、とでも言うのかしら」
「確かにね、あの娘は」
「村にあるもので、めいっぱい育って、立派になってくれているけれど」
「……巫女さんのお仕事があるとは言ってもねえ」
「この村の巫女ってのは、いわゆる普通の巫女とは違うんですか」
秋葉は、あまり世間一般でいうところの巫女には見えない。
「神様にお祈りを届ける役でね」
「生まれたときから、決まっているの」
「私たちじゃあ代わってはあげられないから……」
どうしても、と嘆息して、薊に目を向ける。
「呆れられちゃうかしら」
「何故?」
白い眉を下げて笑います。少し困ったように。
「あんな若い娘を、村に縛り付けている、って」
「…………」
「いや」
「縛り付けたくないと思っているなら、あとは……」
「本人がそれを理解するかと、何を望むかだ」
「……今は」
「村のためにって、がんばってくれてるみたいねえ」
「薊さん、もしかして」
「変なこと言われたんじゃあないかしら」
「秋葉ちゃんに」
「…………」 否定はしない。
ふふ、と笑います。困ったように。
「やっぱり……」
「でも、私から謝るのも、なんだかねえ」
「大して気にしてませんよ」
「うふふ」
「それはそれで、あの娘、怒るでしょうねえ」
「ふふふふ……」
おかしそうに笑っている。
秋葉のことを語ることが、楽しくてたまらない、というふうに。
「……本当に、可愛がっているんですね」
「…………ええ」
「あの娘は」
「かわいいかわいい、村の宝ですよ」
「ほんとうに……」
「皆、そう思っているんです」
その、あたたかい瞳をじっと見つめる。
その奥までも覗き込むように。
たるんだ瞼の奥の、黒い瞳。
敵意も害意もない、無防備な瞳だ。
NPCの秘密を抜きます。見敵術。
*村の人々の秘密ですね。判定をどうぞ。
死者の声で-1か。
ん_
うんPC限定だな、やっぱり-1です。がんばってください。
はい。
SG-1>=5 (判定:見敵術) (SG-1@12#2>=5) > 8[4,4]-1 > 7 > 成功
では、薊に村の人々の秘密ですね。
ディスコードにてお送りします。
お送りしました。
受け取りました。
あなたの目の前で、村人は微笑んでいる。
穏やかな風が白髪を揺らした。
「……いい風ねえ」
「そうは、思うわ。本当に」
「…………」
「そうですね」
「……けれど、そろそろ冷えてくる頃合いかもしれませんねえ」
「帰りましょうか。薊さん」
「はい」
柔らかく逸らされた視線に、それ以上何を言うでもなく。
ゆっくりと歩きだす。
老人の足取りと、怪我人の足取りで。
今は秋の道をゆく。
*
◆マスターシーン
AKST 秋空に雪舞えばシーン表(7) > 7:村の広場。山や田畑が一望できる。波打つ稲穂の絨毯、山々には紅葉。秋を感じるひと時だ。
広場に村の人々が集まっている。
若い者の姿はなく、余所者の姿も当然なく、
そこにいるのは老いた人々ばかり。
すっかり秋めいてきた日々の中に、
収穫や冬の支度、働き、汗を流し、日々を送る村人たち。
「冬が近づいてくるわねえ」
「まだまだ遠いと思っていたが……」
「こうしてみるとなあ」
「ほんとうに、あっという間で」
「……ほんとうに」
「お祭りも、もうすぐね」
囁きを交わしながら、誰ともなく神社の方へと視線をやる。
遠くを見るような目つきで。
*村の人々は秋葉の秘密を調べます。
GM権限にて自動成功。
「…………」
沈黙。
風の音、木の葉擦れ、虫の声。
「……優しい娘に、育ってくれた」
「ええ」
「……そうね」
「ほんとうに……」
*
では本日はここまでで。
明日15時から再開です。
何か予定変更などありましたらお気軽に連絡くださいませ。
お疲れ様でした!
お疲れ様でした。
ありがとうございました お疲れ様でした
お疲れ様でした! 遅刻すみませんでした……! ありがとうございました!
*
メインフェイズ第二サイクルを始めていきましょう。
初手希望者の方は1D100をどうぞ。
一番高い人が初手です。
次の手番に関してはこのダイス関係なく改めての相談になります。
はい✋
希望します!
俺も。
ではせーのでダイスをGO!
1d100 (1D100) > 9
1d100 (1D100) > 81
1d100 (1D100) > 100
は?
あばばばばば
本気すぎる
強い
強すぎる
これはPC1。
では薊さんですね。
◆メインフェイズ第ニサイクル:芥切薊
まずはシーン表。
AKST 秋空に雪舞えばシーン表(5) > 5:美味しそうな果実がたわわに実っている。一つくらい取って行ってもバチは当たらないだろう…。
三登河さんにお出で願いたいのだが。
こーれは出ないわけにはいかないな 出まーす
ではありがたく出ていただこう。
こちらから公民館まで出向きます。
公民館をほぼ一人で切り盛りしているので、来客にはすぐ気づくでしょう。
公民館といってもかなり小さい。入り口まで出向いて、おや、と目をぱちくり。
「先日はどうも」
「芥切さん! こちらこそどうも、お加減良くなったようでなによりです!」
「もうここまでいらっしゃれるようになったんですね。よかったよかった。何かお調べになりたいことでも?」
「まあ、そう」
「別に、資料を当たりたいわけじゃあないが」
「ふむ? 資料ならたくさんありますので、よろしければお手伝いしますが……」
あくまで学芸員然として首を傾げている。
「……お前、この村は長いのか」
「そうですねえ、公務員になってすぐ配置されましたので、六、七年ぐらいでしょうか?」
返答に、かすかに頷く。
「ここの生まれじゃないというのは、そうだろうと思っていたが」
「……ずっと変わらなかったんだろうな、この村は」
「秋葉が育ったくらいだろ」
「ええ、ずうっと。みなさん、お優しくて」
「よそ者の私も、いっぱいお手伝いとかしましたけど、そうでなくても、受け入れてくださったと思いますねえ」
「秋葉ちゃんは村のおじいちゃんおばあちゃんみんなの宝物ですよ」
「だからこそ知りたいことがある」
「あの秋葉って娘について。……代わりに、お前の知らんだろう村の情報を出してもいい」
「秋葉ちゃん、ですか? 私は、何しろ学校がありませんので、先生がわりなどはしていましたが……」などといっていたが、
自分の知らない村の情報、という言葉に、わずかにピクリと反応がある。
「一通りこの村については知っている……と、自負しておりましたが。何かご存知のことがある?」
「俺は行きずりだ」
「だからこそ緩んだんだろう」
「お前のように村に居つくとなったら、それなりに対応が変わったろうよ」
「うーん? そんなにおかしなところ、ありました? この村……」
「それこそ、おじいちゃんおばあちゃんばっかりの、限界集落ですが……」
「聞けば思い当たる節があるだろう、と、俺は見ている」
ごく淡々とした言い方で。
「思い当たる節? いやあ、私はしがない学芸員ですよ、ここではね」あくまでニコニコと。
「とはいえ、村のみなさんに何かあったら大変です。もし何か事がおこっているのであれば、お伺いできれば大変ありがたいのですが……」
「交渉に応じるか?」
やや間があってから。
「いいですよ。私の知っている、彼女のことをお教えしましょう」
頷く。
NPC村人たちの秘密を三登河に譲渡します。
では、芥切さんに秋葉ちゃんの秘密を譲渡します。
では、秋葉さんの秘密は公開ですね。
【秘密:辻秋葉】
あなたは身寄りのない天涯孤独の身である。だが寂しいことはない。村の人々が家族同然に育ててくれたからだ。村から出たことはなくとも、それだけで満足だった。
あなたは村の人々に対して「愛情」の【感情】を抱いている。
村の文献によると、『天ヶ原奉納演武』が失敗すれば村の人々が亡者になってしまうらしい。そうさせるわけにはいかない。
以上です。
村人たちの秘密もディスコードにてお送りしました。
深く息を吐く。
「これは……」
そのさまを見ながら、
「思い当たらないか。どういうことか」
「……、……正直に申し上げるならば」
「この村の皆さんは本当に、ずっと、お元気だなあとは思っていました」
あなたには、三登河の動揺が伝わってくるだろう。
その動揺の隙に、三登河の内側を覗き見ようとする。
三登河の秘密を見敵術で調査します。
いいでしょう。判定をどうぞ。
SG>=5 (判定:見敵術) (SG@12#2>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
強いよ〜!!
そつねえな~。お送りしますね。
お送りしました。
ぴく、と指先が動く。見透かされたことに気がついたようだ。
窃視に悪びれたふうはない。
「……いやあ、いささか油断しましたね」
「……私がここにいる理由がお分かりになりましたでしょう?」
「そうだな……」
「比良坂がこんな僻村にいるわけだ」
「はははー、それは否定できませんね!」
「けれど、我々比良坂が何のために動いているのか……あなたはよくご存知では?」
「とはいえ。……今回の件は私も初耳ですが。うーん。どうしましょうかねえ」
肩を竦める。
「ハグレに道理を説くなよ。大概は無駄骨だ」
「あっはっは! それもそうでした!」
「いやほんと、公務員は辛いですねえ。お役目もありますし、こういう想定外もある」
「ひとまず本日のところは、情報提供、感謝いたします」
「こちらこそ」
「他に何か、ご覧になりたいものなどありますか?」学芸員の顔に戻っている。
「いや。資料に埋もれる生活はしばらく前にやめたからな」
「そのうち、気が向けばまた邪魔するかもしれん」
「承知しました。では、この村について何かお知りになりたいときは、いつでもどうぞ」
にこやかに手を振る。
手を振り返したりはせず、もうひとつ、軽く頷く。
そうして、公民館を後にする。
それを見送って、もう一度、大きくため息をついた。「聞いてないんですけどぉ……」
虚空へ投げかけられたぼやきにいらえはなく。
今はまだ、平和な時間が流れるのみ。
*
次の手番希望者は1D100をどうぞ
1D100 (1D100) > 2
1d100 (1D100) > 63
1d100 (1D100) > 88
アアーッ
では三登河さんですね。
ふ〜〜〜〜〜
◆メインフェイズ第二サイクル:三登河六衛門
まあまずはシーン表 シーン表ですね
はじめにシーン表があったという。AKSTです。
AKST 秋空に雪舞えばシーン表(8) > 8:パチパチと爆ぜる音。どうやら籾殻で焚き火をしているらしい。少し暖まっていこうか。
ふうふうふう
人と話せる結果。
秋葉ちゃんに薊さんの秘密譲渡したいので出てきて欲しいな〜〜〜 代わりに居所をもらいたいですが……
とりあえず出るのはいいぜ
やった〜〜〜
まあ なんだろうな 居所もらいたいとはいったんですが
秘密見てもらってから決めてもらってもいいです
マジ? 優しい
その時は居所を調査します。
なるほどね
絶対居所ほしすぎじゃん
シーンどうします?
焚き火を囲みます!
うーん……と唸りながら公民館から出てきて。
囲みますか~。
焚き火の暖かさにふと顔を上げる。
ハルばあさんがばちばちとやってますね。
「おんやまあ」
「三登河さん」
「ああ、ハルさん。こんにちは」にこやかに挨拶。
「こんにちはあ」にっこり。
「いい匂いですね。さつまいもですか?」
「そそ。そろそろええ頃合いと思うわあ」
棒でつつき……
アルミホイルで包まれた芋がころころと。
「おお、これはまた立派なおいも」
「……少し冷えますね。あったまっていってもよろしいですか?」
「もちろん」
「たんと食っていきんしゃい。まだまだ若いんだから」
「あはは、ありがとうございます! それじゃ遠慮なく……」
炉端に座り、転がってきた芋を、あちち……と言いつつ受け取る。
「気をつけなさいなあ」
「ふぁあい」ちまちまとアルミホイルを外して芋にかぶりついている。
いつもの猟の帰り道。落ち葉を燃す匂いにまぎれて漂う芋の香りを嗅ぎつける。
たたた……と駆け寄る。
「芋?」
「おや、秋葉ちゃん。こんにちは」
口に芋のかけらがついている。
背中には猟銃を背負ったまま。まあいつものことなので誰も気にしないでしょう。
「芋食ってる」
「あんらあ」
「ずりい!」
にこにこ。
「秋葉ちゃんのぶんもあるよお」
「熱いけん、あわててかじったらあかんからね」
「わ~い」
「火傷にご注意ですよ〜」
「しないしない」
昔はよくしていたというのを未だに引きずります。
老人はそういうものです。
ぺりぺりとアルミホイルを剥がしてかじりつく。
にこにことハルばあさんが見守っていましたが……
うまうま……
少し遠くから、おおい、おおーい、ハルやい、と、呼ぶ声が。
「あらあ」腰を上げます。
「うちの人、どうしたんかねえ」
「ああ、それでしたら、火の番は私が」
「助かるわあ」
「ほっておくと機嫌わるくすっから」
「なんか手伝うことあったら呼べよ~」
「ありがとうねえ~」
「いってらっしゃいませ〜」
秋葉にはにこにこ破顔し、
じいさんには偏屈じじいで困ったったらない、とかぶつくさいいつつ、
ハルばあさんは去っていきます。
芋をもぐもぐしながら手を振る。
「ハルさんも大変そうだねえ」適度にそのあたりの籾殻を火に追加しつつ。
「でもなんだかんだ仲はいいからな~」
「外からは分からない秘訣があるのかもねえ」うんうん、と頷き。
「ところで、秋葉ちゃんはもう会った? 山岡さんところにいる芥切さん」
「ん……」
「会ったけど?」
「そっか。さっき公民館まで来てくれたんだよ。だいぶ良くなったんだねえ」
不機嫌なオーラを出している。
「ふーん」
「……あれ、もしかして何かあった?」
「別に……」
芋をかじる。芋はおいしい。
「えっ、何か変なことされてない? 大丈夫?」そういうタイプには見えなかったが……とは思いつつ。
「大丈夫……」
むす……
拗ね……
「ありゃりゃあ。大丈夫ならいいんだけど……」
(何か拗ねさせるようなことしたのか? あのハグレ……)と訝しみつつ。
「私はちょっと楽しくお話しできたんだけどねえ、まあ、相性ってものはあるからね」
「ふ~ん……」
「私は、クールそうだけど、面白い人だな〜って思ったよ」
「……よくなったなら出ていけばいいのに」
「おにごえは何をしているんだ……」
目をぱちぱちさせ。
「え、あの人にも会ったの?」つい口から。
「ん」
「センセーも知ってるんだ。まあ知ってるか」
俺が知らなくてセンセーが知ってることはあっても、その逆はあんまりない。
「ま、まあね……村に出入りする人はチェックするようにしてるから……すごい迫力のある人だよね……」うっかり口を滑らせた、と思いつつどうにか誤魔化す。
「あんな顔の怖いおっちゃんははじめて見た」
「ははは! それは私もかも〜」
「いやあ、外から二人も人が来るなんて、そうそうないからね。びっくりしちゃうよ」焚き火に籾殻を足す。
「おにごえはちりきりを追ってきたんだろう」
「村で危ないことをされたら困る。ふたりともはやく出ていけばいいのに」
「……まあ、そうだよねえ。うん。村に来た順番から考えても……」
「ちょっと用心しなきゃかな……って思うし、村のみんなの所在地とか、状況とか、把握しときたいな。秋葉ちゃんのも」
「あ、でも、芥切さんはああ見えて、結構面白い人だったよ? ふふ」
「むかつくやつだったぞ……」
ここで芥切さんの秘密を秋葉ちゃんに譲渡します。
了解です。公開ですね。
初めての情報
【秘密:芥切薊】
斜歯忍軍から逃げる途中、荒んでいくあなたの心を救ったのは初めて見た広大な海の光景だった。
村から出たことがないという辻秋葉に斜歯忍軍にいた頃の自分を重ねたあなたは、自らの救いとなった海の風景を彼女にも見せてやりたいと思っている。
あなたの【本当の使命】は辻秋葉に海を見せることである。
は?
聞いてないけど
?
情報くれたから俺の居所あげるね。
ありがとうございます……!!!(平伏)
では秋葉の居所が三登河さんに譲渡ですね。
「ふふ、見た目によらずロマンチックで、かわいいなって思っちゃった」
「意味がわからん……」
「秋葉ちゃんは見たい? 海」芋を齧りつつ。
「いや」
「全然……」
「そうか〜。まあ、遠いもんねえ」
「海じゃなくても、別に外とか興味ないし……」
「俺がいないとみんな困るだろ」
「ははは。まあ、熊狩りが一番上手なの、秋葉ちゃんなのは確かだねえ」
居所いただけたので どうしようかな
「冬までにやることはいっぱいあるし、冬になったら雪下ろしがあるし」
「外に行ってる暇なんかないよ」
すごい迷ってるんですが、この流れ(外から人がいっぱいきてる)なので、PC3秘密を調査します。
いいでしょう。
特技はいかがいたしますか?
ちょっと待ってね……
秋葉に見えないようにこっそりと、式神を村内に飛ばしましょう。砲術で。
飛ばしてる では判定をどうぞ!
芋たべてよっと
ほくほくのいもです
2D6>=5 (判定:砲術) (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
ふ〜〜〜〜〜〜〜
高い! ではお送りしましょう。
お送りしました。
もらいました。
「ふ〜〜〜」芋を一つ食べ終えて、ため息。
「いやはや、もうじき冬だっていうのに、忙しいこと……」
「今までこんなことなかったのに……」
「そうですねえ、こういう年もあるんだなあ」
焚き火がやや小さくなりかけていたので、籾殻を追加しつつ。
あ、望月の効果を忘れていた。一応鬼越さんの居所もいただきます。
あ、そうですね。どうぞ。
「センセー、あいつ追い出さないのか?」
「う〜ん、あんまり剣呑な手段は使いたくないねえ」
「と、いうか。普通にセンセーより強そうだし……どっちもタダじゃ済まなそう?」
「あの鬼越さんと渡り合った上で生き延びてここに来たわけだし……」
「追い出すだけでそんな抵抗するか~?」
「分からないけど、万が一ってことはあるからね」
「大人しくリハビリしててくれるなら、穏便に済ませたいかなあ」
「むぅ……」
「厄介者め……」
「おにごえ仕事しろ……」
でも村でたたかわれるのはこまる……
「ま、鬼越さんとも相談してみようかな、うん」
「ちょっと暗くなってきたな。火の番は私がしてるけど、秋葉ちゃんはどうする?」空を見上げて。
「ん」
芋の最後の一口を飲み込んで。
「帰る。演武の練習しないと」
「そうだ、お祭りちかいもんね。頑張ってね、無理しない程度に」
焚き火のそばでにこやかに手を振る。
「うん」
「じゃあな、センセー。ハルばあにごちそうさまって言っといて」
「はーい。またね!」
その背中を見送って、火を見つめ。
「さて……どうしたものかな……」
火の番をしながら、ぽつりとこぼした。
*
次の手番希望者は1D100をどうぞ。
1d100 (1D100) > 33
1d100 (1D100) > 92
ほんきだ
やっと
◆メインフェイズ第二サイクル:辻秋葉
まあとりあえずシーン表だな
AKST 秋空に雪舞えばシーン表(7) > 7:村の広場。山や田畑が一望できる。波打つ稲穂の絨毯、山々には紅葉。秋を感じるひと時だ。
祭りの準備とかがなされている広場。
出ていいぜ、ちりきり。
じゃあ遠慮なく。
広場からはじいさんばあさんたちが収穫をやってる様子とかが見える。
のどかで平和な、指輪木村のいつもの秋。
広場に組まれた舞台の上で、演武の練習をしている。服はいつものですが。
ぼちぼちと通りすがる村人たちが声をかけていったりします。
はげんでるねえ、いいぞ、かっこいい、おつかれさま、むりしないでね、など。
へへ……
巫女として毎年祭儀は行ってきていたものの、今年のものは一際盛大だ。
舞台もなんかでかくておごそかだ。すごいぜ。
その広場に、緩い足取りで現れる。
む……
すれ違う老人たちに目線で挨拶しながら、ふと舞台の上に目を留めた。
無視無視……
気づいていないふうに、演武の練習を続ける。
明らかに一度こちらを認識したのに無視されたな。と思う。
拗ねてるガキだな……。
無視してない。気づいてないだけだぜ。
そのさまをしばらく眺めている。
鈴を鳴らし、とん、とん、と舞台を踏む様は、いつもの騒々しさは感じられない厳かなものだ。
特に邪魔はしない。ただ、広場の端からは視線を感じるだろう。
しばらく待てば、一通り終わったのか舞台を降りていく。
そのままずかずかと薊の方に向かう。
「おい」
「何しに来た」
「別に邪魔をしに来たわけじゃないぞ」
「静さんが、今の時間なら練習だろうと教えてくれた」
「ちっ……」
「じゃあなんだよ」
「色々と。……」
「……まだ拗ねてんな」
「は?」
「俺はけいかいしているんだ。お前がセンセーに変な話をしたから……」
「変な話」
「海」
「ああ……」
「……そうだな、お前にとっては変な話かもな……」
「変だろ」
「意味がわからない。二度と考えるなよ」
「さあ。感傷は振り払えないものだからな」
「俺はそんなものには付き合わないからな」
「毎日やることがたくさんあるんだ」
「だろうな。やることがあって、やりたいことがある」
「お前のやりたいことってのは、どういうこと?」
「村のみんなの助けになることだ」
それ以外ないというような返事。
「そうか。……まあ、そうだろうな。その日会った相手にああいうことを言うくらいだからな」
「おにごえが焦らせなかったらもっと待ったよ」
「相手を知るためじゃないだろう」
「なんだよ、お前、またお説教か」
「お前、人の頼みは聞かないでお説教ばっかりして、俺には言う事きかそうだなんて」
「そんなの通らないぜ」
その言葉を受け止めてから、
「俺は、お前はもっと知るべきだと思う」
静かに言う。
「偉そうに……」
「知らないことがあるということが、お前はわかってないんだ」
三登河の秘密を秋葉に譲渡します。
いいでしょう。ディスコードにてお送りします。
お送りしました。
「…………」
「いやいや、お前、嘘つくなよ」
「そんなことあるわけないだろ……」
「どうしてそう思う」
「そんなご大層なことがこの村であるわけないだろ……」
「ここはなんにもないんだぜ……」
「祭だって、毎年やってることで……」
「確かに、今年はなんだかやけに気合いが入ってるけど」
「……秋葉」 初めてまともに名を呼ぶ。
「この村は平和だ。お前にはわからないかもしれないが、表の世ではこんなに穏やか極まるところは普通ない」
「それがなんだ。いいことだろ……」
「お前は、そういうことを知らなすぎる。……知らなすぎるんだよ」
村人たちの秘密も譲渡します。
かしこまりました。ディスコードにてお送りします。
お送りしました。
「で……っ、」
「デタラメだ……!」
「いい加減なことばっかり言って……!」
反論はしない。
「そんな……」
「そんなはず、ないだろ……」
「……」
じっと黙って、秋葉を見ている。
黙ってしまう。それが真実だとどうしようもなく理解できるから。
「……」
「うそだよ……」
「…………」
「……知らないほうが良かったと思うか」
「俺は、知って、そして選べとお前に言っている」
「感傷は容易に振り払えない」
「だが、選べないよりは選べたほうがいい」
「……」
「俺は、……」
「…………」
「わかんないよ……」
広場からはいつも通りの村の風景が見渡せる。
収穫期。祭りを前にした忙しい時期だ。
物心ついた頃から、或いはその前から、
ずっと一緒に過ごしてきた村人たちの働くさまが。
あなたの目には映っている。
何も変わらない。何もおかしいことはないはずだ。
……本当に?
この村に、村の人達に、おかしなところはなかっただろうか。違和感はなかっただろうか。
村の人々の追加の秘密を調べます。人脈。
いいでしょう。判定をどうぞ。
2D6>=5 (判定:人脈) (2D6>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功
ふ~
高い! ディスコードにてお送りしますね。
すごくわかった。
お送りしました。
とりあえず受け取ったこれをそのまま薊に共有します。
俺の居所もやるぜ。しかたないから。
では薊にもお送りしますね。
受け取りました。
「……」
「………………」
「秋葉」
「なんだよ……」
力ない声。
「今すぐじゃない」
「時間は短いが」
「迷ってもいいから、最後は選べよ。自分がどうするか」
俯く。
その頭を、ぽん、と柔らかく叩いた。
「じゃあ。俺は行く」
「勝手にさわるな……」
文句は言う。
少しだけ笑った。
歩み去っていく。
「…………」
「なんなんだ……どいつもこいつも……」
俺はずっとここで、みんなと暮らしていたかっただけなのに。
そのまましばらく、ぽつねんと広場に立ち尽くしていた。
*
◆メインフェイズ第二サイクル:鬼越仁一郎
akst 秋空に雪舞えばシーン表(6) > 6:山中に続く林道。勾配の厳しい道から、紅葉が浮かび流れる穏やかな川が見下ろせる。
「頃合い、か」
では、三登河の式神を見つけ、言伝する。
黄泉地血石の居所を三登河六衛門に提供する。
いただきましょう。
了解しました。
三登河の式神は、一見小鳥に見える。が、実態は折り畳まれた紙だ。
あなたからの言伝を受け、小鳥がパタパタと、紙へと展開する。
「村の人々」の秘密を、鬼越さんに譲渡します。
了解です。公開か。
【秘密:村の人々】
村人は『黄泉路血石』を保持している。
戦闘を仕掛ければ黄泉路血石を手に入れることが可能である。
村人は戦闘能力を保持していない。
この村は800年前に渡来人『YOMI』と契約し、永遠なる幸福を享受する村となった。
この村に生まれた住人は『黄泉路血石』を媒介にして穢れを周囲の村や町に押し付けることで、
永久に死ぬことなく幸福でい続けることが出来る。
今年はこの契約の更改を行う年であり、
巫女である辻秋葉は儀式に捧げられる『贄の神子』でもある。
芥切薊もまた予備の『贄の神子』であったが、
幼い頃に忍の者の手により連れ去られていた。
辻秋葉は、村の人々に+の感情を抱いていなければ、
使命を【村の外へ逃げる】に変更してもよい。
使命の変更はクライマックスフェイズ開始前に行うこと。
村の人々にはもう1つ秘密がある。
以上です。
その情報を受け、頷く。
鬼越仁一郎は斜歯忍軍でも、御釘衆だ。
仕手は本来の仕事ではなく、指矩班が担当とするもの。
物事には、それ相応の理由がある。
歴史の流れを妨げるものは、絶たねばならない。
村の人々の秘密を調べます。
追加の秘密ですね。判定をどうぞ。
千里眼の術で判定。
2D6>=5 (判定:千里眼の術) (2D6>=5) > 7[1,6] > 7 > 成功
成功ですね。
ディスコードにてお送りしましょう。
お送りしました。
受け取りました。
時に、個人の利益と、大衆の利益が食い違うことがある。
人の営み、歴史とは、それが常と言ってもいいだろう。
たとえば都市に至る幹線道路を敷設するためには、住民に立ち退きを求めることになる。
一人の住人がそれに応じないことで、動脈硬化とも言える渋滞が起き、大勢が不便を被ることもある。
それによる経済損失もまた。
意志があり、思いがあるのを理解する。
その上で、すべてを奈落へ埋めるのが、俺の仕事だ。
*
◆マスターシーン
AKST 秋空に雪舞えばシーン表(10) > ひと雨きそうな午後。重たい空気にキンモクセイがつと香る。
では……
金木犀の甘い香りが妙に重ったるく。
湿気を孕んだ風のゆるやかに吹く中に、
「おや」
「薊さん、おかえりなさい」
山岡夫妻が薊を出迎えます。
ご登場お願いします。
はい。
「……戻りました」
「だいぶ動けるようになったわねえ」静さんはにこにこと笑って。
「血まみれんなってるのを三登河先生と見つけたときはどうしたものかと……」正一さんが腕を組む。
「……おかげさまで。ありがとうございます」
「長居して申し訳ないとも思っていますが……」
「そんな無責任なことは言わねえさ」
「むしろ、怪我されたまま出ていかれる方が寝覚めも悪いっつうか……」
「……もうだいぶ。……ご厚意のおかげです」
「そうかい。……良かったよ」
薊を縁側に座らせ。
静さんがお茶を持ってくる。
湯呑を置きつつ、静さんは、
「……ねえ」
「薊さん」
「はい」
「…………」
「秋葉ちゃんのことは、どう思ってる?」
「どう……、そうですね」
山岡夫婦はあなたをじっと見つめています。
「良くも悪くも裏表のないところが、」
「……まあ、最終的にはいいほうなんじゃないですか」
「ふふふ」静さんが口に手を当てて笑います。
正一さんもやや苦笑い。
「手、焼かせてるか」
「説教くさいやつだと思われていますよ」
笑っています。
「……ごめんなさいねえ」
「うん」
「……ごめんなさい」
「……いえ」
「大丈夫です」 何が、とは言わない。
「ううん」静さんが首を振り。
「違うのよ」
「……ちょっと、来てくれるか」
正一さんが膝を上げます。
頷いて、薊も立ち上がる。
静さんに見送られ、二人、家を出ます。
行き先は告げられないまま。
とはいえそう長くはなく、
行き着く先は、例の神社。
祭りの準備が整いつつあるその境内へと上がり、
奥の奥へと行き着けば、
そこに奉られた、血のように赤い石を示す。
「これが」
「黄泉路血石だ」
「…………」
その赤を見る。静かに。
「……お前に託す」
「この石と――」
「…………秋葉を」
村人はプライズ『黄泉路血石』を薊に渡します。
秘密をお送りしますね。
受け取りました。
視線を正一に移す。
「…………」
「すまないな」
「……いや」
「できるだけやってみよう」
「できるだけだが」
「重みはわかっているつもりだ」
「……ああ」
頭を垂れる。薊へと。
「……俺たちにも」
「できることは、この程度なんだ」
「……すまない」
「ありがとう……」
「…………」 頷く。
手のひらの中の重みは、その石の質量以上に。
重く受け止められている。
*
◆メインフェイズ第三サイクル:鬼越仁一郎
黄泉地血石の居所を辿り、戦闘を仕掛ける。
では、黄泉路血石の所持者である芥切薊との戦闘になります。
これに関し、
芥切薊及び鬼越仁一郎の居所の所持者、
あるいは黄泉時血石の居所の所持者は
居所による特殊乱入を試みることができます。
三登河さんだけかな。
そうですね。三登河さんが該当します。
では、居所乱入を試みます。
では特技を決定しますね。
AST
AST
ありゃ
RTT ランダム指定特技表(6,9) > 『妖術』瞳術
これだ。
GMが決めるので、
瞳術での判定をお願いします。
あっ失礼しました では 振ります
2D6>=7 (判定:言霊術) (2D6>=7) > 5[2,3] > 5 > 失敗
ああ〜〜〜〜〜〜
気配を感じて向かおうとしましたが、失敗しました
その因縁には届かず。
ロケーションはどんな感じにしましょうか。
そうですね。石を受け取った直後、神社から出てきたところ、村人もまだいる中にやってきます。
神社の境内で待っている。
「あんたは……」正一さんが驚きに目を瞠ります。
「俺は鬼越仁一郎。その男に用がある」
正一の前に出る。
「…………」驚きに言葉を失ったまま、薊の背を見ます。
「わざわざ巻きこみゃしないだろう」
「ああ」
「薊さん……」
「そうだな……。裏の森がいいか」
正一は思わしげに口を開きかけるが、自分の立ち入れぬ領域であることは理解したようだった。
鬼越の言葉に、無言で応じる。
「……ゆきずりにしては、あの娘に入れ込むな」
歩きながら問う。
「そうだな……」
「ずいぶんな迫られ方をしていたが」
「あの頃にはもう腹を決めていたか」
笑う。
「昔、姉貴があのくらいの年だった。別に似てはいないが」
「あれがどういう心持ちかは、少しわかる」
「そうか」
「まあ、幾重にも感傷的な理由だな」
「そうか」
「……俺がお前を斬り伏せた、あれは宿命だった。紛れもなく」
「あの瞬間までは、決して曲げることのできない定め」
「しかし、今はまだ、どこに至るかは霧の中だ」
「改めて、手合わせ願おうか」
ざり、と足を止める。
対峙する。
◆戦闘開始
*メインフェイズにて発生した戦闘シーンですので、
生命力が1でも失われたPCはその場で脱落となります。
*戦闘参加人数につき、リミットは2。
2ラウンド目までに勝者が決まらなければ引き分けです。
◆ラウンド1
*プロットをよろしくお願いします。
キャラクターコマの右側にダイスシンボルを隠し、
プロットが決定したらディスコードにて数字の申告と、こちらでも宣言を。
全員で揃いましたらGMのコールに合わせて開示をお願いします。
奈落を使用。
了解です。判定をどうぞ。
2D6>=5 (判定:掘削術) (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功
成功ですね。
奈落のプロットもお願いします。
こちらもダイスシンボルを隠して設置し、
ディスコード秘話での申告をしていただけますと!
了解しました。
プロットOK。
プロットOK。
では、プロットの公開をお願いします!
奈落が6。鬼越が5です。
では、薊は掘削術での判定をお願いします!
SG>=6 (判定:壊器術) (SG@12#2>=6) > 3[1,2] > 3 > 失敗
判定に失敗。
薊は逆凪を受け、ファンブルエリアに送られます。
◆ラウンド1
プロット6:芥切薊 5:鬼越仁一郎
◆プロット6
行動:芥切薊
まあファンブルです。
パスということでよろしいですか?
はい
畏まりました。
◆プロット5
行動:鬼越仁一郎
接近戦攻撃。
薊にですね。命中判定をどうぞ!
2D6>=5 (判定:千里眼の術) (2D6>=5) > 8[4,4] > 8 > 成功
高い! 命中ですね。
接近戦ダメージが1点。
鬼越さんはRCTをお願いします。
rct ランダム分野表(1) > 器術
では、薊は器術分野に1点を受け、脱落です。
勝者は鬼越仁一郎。
RPをしていただきつつ、戦果の宣言を頂きましょうか。
入念に。
入念に準備をしてきた。
鬼越の提案した場所、でなくても変わらない。
計算と千里眼のもとに配置された石礫、月の落とす影、風。
通常ならば、芥切薊が見落とすはずのない、ささいな躓き。
その刹那を”獲った”。
刃が再び、芥切薊の腹を裂く。
「……ッ、!」
星のひと瞬きほどの間を。
その間を通す、その技量。
その力、その研鑽。
何よりも、この先読みに肝要なのは。
芥切薊の胆力。
光の速さに挑む覚悟が、この男にはある。
だからこそ、この手が通った。
呻きも上げず、しかし喉が、小さく不随意に鳴る。
「頂いたぞ、芥切薊」
『黄泉路血石』を頂戴する。
畏まりました。
鬼越仁一郎はプライズ『黄泉路血石』を獲得。
これに伴い、秘密をお渡しします。
ディスコードにて少々お待ち下さいませ!
お送りしました。
受け取りました。
禍々しい赤さを秘めた石が、あなたの手に収まる。
石の赤に、芥切薊の鮮血が混じり、月の下で濡れている。
「この程度では折れるまい。ハグレの者よ」
「……ああ、」
「ここで折れる程度なら、とっくにお前の仕事は終わっている」
「何度でも、お前の行く手で待ち受ける」
「何度でも」
「向かおう、お前に」
頷き、去る。
それを見送り、
血の道を引きながらこちらも去る。
安穏の地が手放した石の、
その代わりのような赤が、今は色濃く刻まれている。
*
◆マスターシーン
akst 秋空に雪舞えばシーン表(6) > 6:山中に続く林道。勾配の厳しい道から、紅葉が浮かび流れる穏やかな川が見下ろせる。
*先に宣言しますが、データ的行動は一切ありません。
さやさやとせせらぎに紅葉が流るる。
村から失われたもののあることなど、まだこの山は知らず。
村人は今日も変わらぬ日々を過ごす。
近づきつつある冬を知りながら。
秋葉さん、お話しましょうか。
ん。
正一さんと頑固者の須藤さんが二人で川釣りでもしてるか。
熊が出てないか探してた帰り道とかどうですか。
じゃあこっちだな。
かわいいね。
じゃあそうですね。
熊を探して山を徘徊していると、渓流の川で釣りをしているじいさんがたの姿を見つけます。
「……あの余所者になあ……」とかって、須藤さんが顎を擦っている。
「余所者ったって、余所者じゃあないんだから」と、山岡さん。
「……それに、信ずるに足る若者であると思うよ」
「まったく……詰る言葉さえ出てこないんだから」と、山岡さんは息をついています。
「……」
がさがさと、落ち葉を踏み鳴らしながら近づく。
「だからって……」と、言い募りかけたところを、
聞きつけて二人振り返り。
「じいさんら」
「おおっと」
「秋葉……」
「危ないぜ、こんな所で遊んでたら」
二人ちょいと狼狽えますが。
「はっはっは」と、山岡さんが笑います。
「じいさんがたを舐めなさんな」
「そうだぞ、秋葉。こんな川で溺れるほど儂らはやわじゃない」
「あっそう……」
須藤さんが顰め面で腕を組んでいます。
「秋葉。そもそもだな」
「お前は儂らを心配しすぎなんだ」
「お前なんぞおらんくとも、この村はこの村で、存外やっていける」
むすーっとしています。頑固者です。
「よく言うぜ……」
「なんだと!」
「この間だって俺が屋根直してやっただろ」
「むう」
「それは……」と言い澱む須藤さんに、
「一本取られたなあ」と、山岡さんが笑っています。
「家のことも、畑仕事も、猟も、なんだって俺がやってきたのに……」
「そうだなあ」
「なんだってやってきてもらった」
「本当に助かってきたよ」
「困るだろ、俺がいないと……」
山岡さんは笑っている。
須藤さんはいかめつらしい顔をしている。
「秋葉」山岡さんがあなたを呼ぶ。
「けれど」
「村の皆は、お前が、いっとう大事だよ」
「……」
「……村に」
「いろって言え……」
山岡さんは笑っている。
須藤さんはいかめつらしい顔をしている。
「お前は、村の宝だよ」
「知ってる」
「ああ」
「そう、胸を張ってくれていることが」
「何よりも嬉しいのさ」
山岡さんの隣で須藤さんが腕を組み直します。
「まったく」
「女のくせに、我が強いったらありゃあしない」
「俺が村にいないと困るって言えよ」
「言え……」
「ハルといい秋葉といい」
「それでいいのに、俺は……」
須藤さんの眉間には深いしわが刻まれています。
「…………」
そっぽを向く。山岡さんの微笑みをよそに。
「……ふん」
「…………せいせい、するに」
「決まっとるわい」
「うそつくな……」
「嘘じゃあない!」
須藤はむっとあなたを振り向き、
「お前のふくれっ面などなあ……」
見飽きたわい、と。
声が。
少しずつ、しぼんでいって。
「……うそだ、全部……」
須藤さんはまたぷいっと顔を背けてしまう。
「……秋葉」山岡さんがあとを引き継いで。
「薊さんは、立派な青年だ」
「分かっているだろう? 芯の通った、見どころある男だよ」
「ふん……」
「うるさいだけだ、あんなやつ……」
「うるさくされたのか? あいつに」
「まあまあ」
須藤さんを山岡さんが窘めています。
「……でも、わかっているだろう」
「秋葉」
「すごくうるさい。お説教してくる」
「……」
「……我々は、みな」
「お前のことが大事なんだ」
「お前が、そうやって、村の宝でいてくれる」
「……」
「その事実が、何よりも嬉しいんだよ」
山岡さんが語る一方で、須藤さんが釣りの片付けを始めています。
「もうええわい」
「こんなへちゃむくれの頑固者に、何を語ったって聞きゃあせん!」
「行くぞ、正一!」
「……俺は」
「みんなにいなくなってほしくないよ……」
須藤さんは釣具をまとめて、秋葉に背を向けています。
背を向けてしまったから、その顔は見られない。
代わりに山岡さんが頷きました。
「ずっと一緒にいたじゃないか……」
秋葉にとも、須藤さんにとも言えない頷き方で。
「……ずっとそうだったことが」
「これからも続くとは限らない」
「……いいや」
「続いたら、いけなかったのかもしれないな」
言い残して、山岡さんは須藤さんを追っていきました。
「…………」
「じゃあ……」
「はじめから、俺をこんなふうに育てなきゃよかったのに……」
返事はない。
それでも降り注がれた言葉は、
積み重ねた月日は、あなたの心に残っている。
……冬が近づきつつある。
*